高級レストラン"また行きたい"偏差値【2025年最新版】

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  • 私の主観的な"また行きたい"偏差値です。味や店の優劣ではありません。


【保存版】高級レストランでナメられないためのマナー集

高級レストランには一種独特の雰囲気があります。「なんだか店に値踏みされているようで居心地が悪い」と感じる方が多いかもしれませんが、その通り、店は客のことを値踏みしています。

「お客様は平等に扱う」なんてのは大ウソです。レストラン業界には『ソワニエ(大切におもてなしするべき客)』という言葉があるくらいであり、一流の客や金払いの良い常連・重い客に対しては恭しく接し、どう見ても場慣れしていない一見客に対しては、人間だもの、おざなりな対応になるものです。

そこで、「高級レストランにあまり行ったことは無いが、ナメられたくはない」と考えるワガママな貴方のために、高級レストランにおけるマナーを整理しました。結構な長文となってしまったので是非ブックマークして頂き、必要に応じて読み返して頂けると幸いです。

啓蟄 (けいちつ)/渋谷

2023年5月にオープンし、ゴエミヨやミシュランに掲載されるようにまで登り詰めた「啓蟄 (けいちつ)」。店名は二十四節気から。場所は神泉駅から徒歩5分ほどの閑静な住宅街に位置し、レストランとは気づきにくい、というか普通にひとの家的な外観です。以前は「エレゾハウス」があった場所ですね。
店内はグレーを基調としたスタイリッシュな空間で「Ode(オード)」みがあります。カウンター8席のみ。松本祐季シェフは広尾「アラジン」や六本木「コジト」などで経験を積み、渡仏時は北フランスの「ラ・グルヌイエール」でスーシェフを務めたとのこと。
お料理のコースにペアリングがついて2万円チョイだったのですが、その予算感の割にしっかりとしたワインを楽しむことができました。酒量も中々のものなので、皆さん安心してペアリングをお願いしましょう。
アミューズはジャガイモの千切りをボール状に揚げたもの。炭化したレモンも含まれているそうですが、初球にしてはちょっと苦味が強いかもしれません。
続くタルトには新玉ねぎのムース(?)がたっぷり。アンチョビの塩気もきいて、見た目からは考えられないほど酒が進むひと品です。新玉ねぎだけで超旨いので、イチゴは余計に感じました。
菜花と毛ガニはケーキっぽく仕上げています。当店の料理は立体的な盛りつけが多く、近年稀に見る3D感覚。味そのものは美味しいのですが、ちょっとスポンジがパッサパサで口の中の水分が持っていかれました。
薄切りのカブとホタテを組み合わせます。底にはフレッシュチーズが敷かれており、仄かな酸味が全体を上手く取りまとめます。
赤いスコッチエッグ的なお魚料理はカマス。軽くベニエし淡い火の通りで頂きます。魚は旨いのですが、中央のトマトは視覚的にも味覚的にも冗長に感じました。乳首みたい。下に敷かれているのはキャベツであり、こちらは春爛漫といった甘さで心和みます。
パンはブリオッシュ。外側はサクッと軽い歯ごたえがあって、中はしっとりふわふわ。口の中で溶けるような柔らかさが堪りません。バターがたっぷり使われているのか、濃厚でリッチな味わいが心に残りました。
メインは鹿のロース肉。これまでの料理はいずれもひとつは要らない工夫がされていましたが、肉料理は直球勝負でストレートに美味しいです。これこれ、こういうのでいいんだよ。こういうのがいいんだよ。
デザートはセロリを甘く煮たものとヨーグルトを合わせています。いずれも面白い味覚なのですが、周りを覆うバーワンみたいなブヨブヨは余計かもしれません。
焼き立てのお茶菓子にブレンドティーでフィニッシュ。ごちそうさまでした。お会計はお料理のコースにペアリングがついて2万円チョイ。お店の格を考えれば良心的な価格設定です。

料理そのものは悪くないのですが、繰り返し記した通り何かひとつ余計な事をしてくるので、それを前衛的と捉えられるかどうかは人それぞれかもしれません。私は食事については保守的な人間であるため、美人が厚化粧しているような勿体なさを感じました。それが研ぎ澄まされ、そぎ落とされたときに、改めてお邪魔したいと思います。

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「好きな料理のジャンルは?」と問われると、すぐさまフレンチと答えます。フレンチにも色々ありますが、私の好きな方向性は下記の通り。あなたがこれらの店が好きであれば、当ブログはあなたの店探しの一助となるでしょう。
日本フレンチ界の巨匠、井上シェフの哲学書。日本でのフレンチの歴史やフランスでの修行の大変さなど興味深いエピソードがたくさん。登場する料理に係る表現も秀逸。ヨダレが出てきます。フランス料理を愛する方、必読の書。

魚屋直営地魚食堂 魚まる/樋川(那覇)

私の推しの海鮮居酒屋・定食屋の「魚まる」が3号店をオープン。魚屋直営を活かした新鮮な沖縄近海の魚料理が自慢であり、観光客にも地元民にも人気があります。場所は与儀公園すぐ近くで、以前は高級沖縄そば屋「尊尊我無(とうとがなし)」があったところです。
店内は「尊尊我無(とうとがなし)」の居抜きに近い形であり、沖縄の古民家らしい雰囲気が心地良い。靴を脱いで畳敷きに上がって、まるで親戚の家に遊びに来たような気分です。
メニューの論調は1号店2号店に似てはいるものの、少し高めの価格設定に感じました。2号店名物の「メガにぎり20カン盛」が無いのが少し寂しい。
私は「うおまる御膳」を注文。ゴハンもの、汁物、揚げ物のそれぞれ1品づつを自由にチョイスするプリフィクスメニューであり、これだけの料理を注文して2,398円です。
ゴハンものは「まーさん丼」を注文。「まーさん」は沖縄方言で「おいしい」という意味を持ち、その名の通り新鮮で美味しい魚介類をたっぷり使ったバラちらしです。いわゆる刺身だけでなく、アナゴや玉子、キュウリやカニカマ、イクラも組み込まれているので、もう既に1日30品目を達成する勢いです。
汁物は「魚汁」をチョイス。魚のアラに加え、たっぷりの豆腐やネギも組み込まれます。魚のエキスがたっぷりと沁みだしており、白味噌の優しい甘さと相まって絶品としか言いようがありません。町の定食屋でこのクオリティのスープが出てくるのは世界的に見ても珍しいでしょう。
揚げ物は「魚フライ」。白身魚のフライがドンドンドンドンと4つも並べられ満腹オブ満腹。この御膳、普通の食欲の方であれば食べきれないかもしれません。
茶碗蒸しと小鉢も付きます。茶碗蒸しからも魚介の風味が感じられ、流石は魚屋直営の飲食店。きんぴらごぼう(?)もシットリと味が沁みており美味しかった。
以上を食べて2,398円。2号店の「メガにぎり20カン盛」も凄まじい費用対効果ですが、当店の御膳も勝るとも劣らず。おなかを空かせて訪れましょう。

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沖縄通を気取るなら必ず読んでおくべき、大迫力の一冊。米軍統治時代は決して歴史のお話ではなく、今の今まで地続きで繋がっていることが良くます。米軍の倉庫からかっぱらいを続ける悪ガキたちが警官になり、教師になり、ヤクザになり、そしてテロリストへ。沖縄戦後史の重要な事件を織り交ぜながら展開する圧巻のストーリー構成。オススメです。

Nubia(ヌビア)/牧志(那覇)

那覇のイタリアンにおける話題をさらっている「Nubia(ヌビア)」。沖縄屈指のゲイタウン、桜坂エリアにあり、「ハイアット リージェンシー 那覇 沖縄(Hyatt Regency Naha Okinawa)」の裏手のややこしい路地に位置します。
何ともカッコイイ内装ですねえ。沖縄らしく花ブロックが配され、カウンター席、テーブル席、ボックス席と様々な用途に対応できます。裏手にはお庭とちょっとしたテラス席もあり、猥雑な平和通り脇にこんなにクールな空間が広がっているとは驚きです。
ワインはグラスで千円を切り、ボトルも4-5千円台から始まります。とは言えフランチャコルタなどは余裕で1万円を超えているので、このあたりは客層と同じく東京目線です。
お通しはマカデミアナッツ。私は人に比べてハワイによく行くタイプであり、割にハワイアンホースト出身なのですが、それでも殻からマカデミアナッツを割るのは初めてです。栗よりも外皮が分厚く、これは貴重な体験だ。
まずはティラジャー。沖縄でのマガキガイの呼び名で、塩茹でや炒め物などで親しまれています。クイっと引っ張り出してエクストラバージンオイルで食べるのが当店流。
馬肉のカルパッチョ。しっとり柔らかな肉質と濃厚な旨味が印象的で、随所に散りばめられたハードチーズの旨味が風味を引き立てます。牛肉とはまた違った独特美味しさ此処にあり。
シマダコとオリーブ。元気いっぱい弾力いっぱいのシマダコをジェノベーゼソース(?)で和え、強い旨味に爽やかさを塗布します。オリーブの独特の風味が程よいアクセント。
ホタルイカとエンドウ豆のイカスミリゾット。濃厚なイカスミの旨味がゴハンに染み込み、ホタルイカのプリッとした食感と豊かな風味がリズムを生み出します。エンドウ豆の甘みと鮮やかな緑が、深いコクに爽やかさをプラス。口の中で広がる海の恵みと春の息吹が堪りません。
アグー豚の肩ロース肉のグリル。ゴーヤチャンプルーをオマージュしているとのことで、熱を通した後のゴーヤをペースト状にして添えているのが面白い。白くボテっとした物体はジーマーミ豆腐であり、それを玉子で巻いて出すとはアイデア賞。味はもちろん楽しさ溢れるひと品です。
以上を食べ、そこそこ飲んでお会計はひとりあたり1万円を切りました。なにそれ信じられない。東京であれば2-3万円請求されても文句は言えないディナーです。料理の美味しさはもちろんのこと、スタッフの洗練されたサービスなども含め、那覇のイタリアンでは頭ひとつ抜けた存在。深夜まで営業しているので、バー使いできるのも嬉しい。ハイアットに宿泊される際は必ず立ち寄りましょう。必ずです。

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イタリア料理屋ではあっと驚く独創的な料理に出遭うことは少ないですが、安定して美味しくそんなに高くないことが多いのが嬉しい。
イタリア20州の地方料理を、その背景と共に解説したマニアックな本。日本におけるイタリア風料理本とは一線を画す本気度。各州の気候や風土、食文化、伝統料理、特産物にまで言及しているのが素晴らしい。イタリア料理好きであれば一家に一冊、辞書的にどうぞ。

みなと食堂/ 荷川取(宮古島)

宮古島の荷川取漁港すぐ近くにある「みなと食堂」。食べログでは百名店に選出されており、昔は定食や丼モノも提供していたようですが、現在はそばとライスのみの提供です。駐車場は広く、何なら荷川取漁港にも1万台ぐらい停めることができるので、気軽にレンタカーで向かいましょう。
プレハブというか仮設住宅というか、独特の誂えの建屋。テーブル席とカウンター席があるのですが、ワンオペでてんてこまいなので回転は非常に悪い。時間に余裕を持って訪れましょう。
そばは2種類用意されており、まずは「鰹塩そば」。料理名そのまんまカツオ出汁の風味が支配的で、飾り気無くキレイな味わい。三枚肉や軟骨ソーキは塩味主体でアッサリとした味わい。追加で「ゆで野菜」をお願いし、彩り豊かになりました。
麺は自家製だそうで、中太のちぢれ平打ちといったところでしょうか。ほどよく弾力があり素朴なスープを邪魔しない味わいです。
こちらは「鰹塩アーサそば」。トッピングにアーサを用い、また、塩漬け三枚肉である「スーチカー」も並びます。宮古島スタイルのカマボコや針生姜、錦糸卵などもトッピングされ、見た目も鮮やかです。
麺には宮古島のアーサが練り込まれており、鮮やかな翡翠色が特徴的。「鰹塩そば」のそれに比べるとツルツルとした口当たりで、磯の香りもつよつよです。好みは人それぞれですが、私はプレーンな麺の方が好みでした。
「アーサご飯」はパっとしませんねえ。鰹塩出汁で炊いているそうですが味付けは薄く、アーサがちょろちょろと入っているなという程度です。これで230円は高いのう。
以上の3品でお会計は2,610円。いずれのそばもそこそこ美味しいですが、アクセスの悪さと待ち時間と支払金額を考えればちょっとどうだろうというお気持ちです。厳しい言い方をすればこのクラスの沖縄そばは本当にはいくらでもある。普通に定食や丼モノを提供していた時期に訪れておきたかったなというお気持ちです。

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関連ランキング:食堂 | 宮古島市


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白金 よこ山(しろかね よこやま)/白金高輪

鮨と割烹料理を提供する面白いコンセプトの和食店「白金 よこ山(しろかね よこやま)」。白金商店街に位置し、白金高輪駅のA4出口から歩いて5-6分といったところ。私の推しのパン屋さん「ベッカライ ブラウベルグ(Backerei Blau Berg)」のお隣です。
店内はカウンターに4-5席と6人掛けのテーブルが2卓。こぢんまりとしたお店であり、地元の常連客が多いので、アウェイ感が苦手な方は常連を見つけ出して連れて行ってもらいましょう。
飲み物は高くなく、ビールは千円を切り、日本酒も1合千円前後です。日本酒は全国各地の銘酒を取っている印象で、回転も良いのか状態が良く感じました。
タイの子にカニの身に山菜の胡麻和え。鯛の子の濃厚な旨みとカニの甘みが主役であり、山菜のほろ苦さが爽やかなアクセントを加えます。胡麻和えの香ばしくまろやかな風味が全体のバランスを取っています。
フグのカマの竜田揚げ。フグの旨みが詰まったカマを、下味のついた竜田揚げでカリッとジューシーに頂きます。ヘンな表現ですがKFC的な中毒性があり、こればっかりはビールが欲しくなる。
カツオのたたき。一般的なものとは異なり、赤味がかったベージュのソースを纏っています。カツオの香ばしさと濃厚な旨みが心地よく、後味はスッキリ。
お造りは赤貝に桜鯛、伊勢海老にマグロ。赤貝と桜鯛の存在が春の季節感を想起させ、軽めの日本酒と共に味わうと最THE高。今夜の飲みベが上がってきました。
焼物は銀ダラにナスに山菜にホタルイカにアワビ。それぞれふき味噌やウニなどがトッピングされており、このひと皿(盆?)でかなりの食材量。いずれも酒の進む味覚であり、チャクラは開きっぱなしです。
わさび菜とうるいの酢の物には白子をトッピング。わさび菜のピリッとした辛みと、うるいのぬめりが甘酸っぱい酢で調和します。白子の濃厚さも見逃せない旨さであり、爽やかさとコクが共存するひと品です。
ハマグリとタケノコの小鍋仕立て。ハマグリの甘みと旨みが効いた出汁にタケノコのみずみずしい甘みとほろ苦さが溶け合います。木の芽の爽やかな香りとスパイシーさがアクセントとなり、優しく奥深い味わいに。
鮨も出ます。スミイカにサヨリ、ボタンエビにキンメダイ、トロ、そしてウニの手巻き。5カンに巻物ひとつと中々のラインナップですが、シャリは小ぶりなので小食な方でもスイスイです。やっぱり鮨が出ると場が華やぐなあ。
なんと、手打ちの蕎麦も出ます。香りが良く程よい甘味もあって、鮨で膨れた腹であっても難なく収まります。「和食 哲茶ん(わしょく てっちゃん)」もそうですが、〆に自家製の蕎麦を出す和食店というのが白金スタイルなのかもしれません。
デザートは黒ゴマアイス。、黒ゴマの濃厚な香ばしさにきなこの素朴な甘さと蜜の深いコクが加わり後を引く美味しさです。

以上を食べ、そこそこ飲んでお会計はひとりあたり2万円ほど。港区で鮨と日本料理を楽しんでこの支払金額は大変お値打ち。マンハッタンであれば800ドルぐらいしそうなほど打線に厚みがありました。

やっぱり日本料理はこれぐらいの価格帯であって欲しいなあ。5万10万の日本料理店が盛況であり、確かにその額を支払ってくれる客は居るかもしれませんが、君がそれだけの仕事をしているかどうかは別の問題だ。

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日本料理は支払金額が高くなりがち。「飲んで食べて1万円ぐらいでオススメの日本料理ない?」みたいなことを聞かれると、1万円で良い日本料理なんてありませんよ、と答えるようにしているのですが、「お前は感覚がズレている」となぜか非難されるのが心外。ほんとだから。そんな中でもバランス良く感じたお店は下記の通りです。
[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

くろぎのおかず [ 黒木 純 ]
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黒木純さんの著作。「そんなのつくれねーよ」と突っ込みたくなる奇をてらったレシピ本とは異なり、家庭で食べる、誰でも知っている「おかず」に集中特化した読み応えのある本です。トウモロコシご飯の造り方も惜しみなく公開中。彼がここにまで至るストーリーが描かれたエッセイも魅力的。