Mr.FARMER(ミスターファーマー)/恵比寿

恵比寿駅に直結するアトレのレストラン街に入居する「Mr.FARMER(ミスターファーマー)」。表参道、新宿、駒沢、日比谷、木更津、横浜に次いで7店舗目となる出店です。屋根が高く採光が良くグリーンに溢れており、まるで屋外にいるかのような誂えです。
全国約100軒の生産者から届く野菜が自慢であり、ヴィーガン、グルテンフリーといった流行のメニューが並びます。ただし、ネットには「パワープロテイン」とも推していましたが、そんなにタンパク質タンパク質したメニューは見かけませんでした。
ドリンクバーが有名だそうですが、ランチに追加料金で390円と微妙に高い価格設定なので、「水でいいです」作戦。しかしながらその水はデトックスウォーター的映える液体が数種類も並んでおり「水でいいです」作戦が功を奏しまくりです。
私の注文は「ヴィーガンロコモコ」。ブラウンライスを土台にキヌアやアボカド、ソテーしたケール、ピクルスなどヘルスコンシャス。トップを飾るのは大豆のマヨネーズ(?)であり、目玉焼きではありません。ソテーしたケールの味付けがはっきりしており、ピクルスの酸味も強烈。メキシカンサルサソースも結構辛い。見た目以上に男っぽい料理です。
真打は「大豆ミート」。国内外で話題の代替肉であり、洋風がんもどきのような味わいです。決して不味いわけではありませんが、まさにフェイクなミートであり、肉の代わりにはならないでしょう。過度に期待せず、こういう食べ物だと割り切って臨んでください。
美食の追求というよりはファッションな印象が強いお店でした。ティータイムにはスイーツとドリンクバーがセットで1,200円と悪くない価格であり、そのスイーツもグルテンフリー&ヴィーガン揃いと興味深い。ダイエット中だけど外食はしたいギャルにオススメなお店です。腹いっぱい食べたい男子はちょっと違う。

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恵比寿も十番に負けず劣らず良い街ですよね。1度住んで、片っ端から食べ歩いてみたいなあ。よそ者ながら印象に残ったお店は下記の通り。
恵比寿を中心に話題店が整理されています。Kindleだとポイントがついて実質500円ちょい。それにしては圧倒的な情報量。スマホやタブレットに忍ばせておくと出先で役立ちます。

鮨 仙八(せんぱち)/熊本市

熊本随一の繁華街の雑居ビル地下にある「鮨 仙八(せんぱち)」。ミシュラン2ツ星と九州でも最高クラスの評価を得ており、食べログでも3.98と人気のほどが伺えます。基本的には1回転ですが、金曜日と土曜日は2回転。ランチも営業しているとのこと。
店内はL字型のカウンターと個室の4名がけテーブルが1卓。カウンターは12席であり、コロナ対策のパーティションもあって割に圧迫感があります。また、従業員同士での掛け声が巨大でしばしばびっくりするので心臓の悪い方はご注意を。

中原貴志シェフは四代続く鮨職人の家に生まれ育ち、福岡「とき宗」や西麻布「鮨 真(しん)」を経て独立開業。
ビールは小瓶が700円、日本酒は片口で千円前後と悪くない価格設定です。熊本のものを中心に九州の地酒が取りそろえられているのが嬉しい。もちろんワインや焼酎なども用意されています。
ヒラメで開幕。ヒラメは当然の美味しさですが、何と言っても肝醤油がマックス美味しいですね。麗しき天然マヨネーズのようなコッテリとした味覚です。
タチウオはフキノトウの味噌と共に。この魚を生で食べることは珍しく、加えて味噌風味というのも面白い。慌ててビールから日本酒へと移行します。
シラウオは桜の葉で蒸した優しい香り。菜の花や空豆など、春を感じさせる味わいに舌鼓。
白子そのままではなくムース状にしてからトマトのジュレで覆い、ヨーロッパ系の前衛的な料理のよう。かなりさっぱりとした味わいなので、冒頭に持って来ても良かったかもしれません。
毛ガニの餡に里芋を揚げたもの。こちらは中華料理風であり、真っ当な鮨屋でありながらかなり攻めたツマミを用意してくれるのが楽しい。
ここから握りに入るのですが、このアオリイカには度肝を抜かれました。フワフワというかテロテロというか今までにない舌ざわりであり、清廉な饅頭を食べているかのようです。じっとりとした甘味と旨味を湛えた会心の出来栄え。恐れ入りました。
酢締めのキス。そうそう、当店の大将は握りの速度が半端ないですね。しかもただスピーディーなだけでなく、タネやシャリが手の中で踊るように握り込まれていくのが面白い。外人をお連れすれば軽くどよめくことでしょう。
マアジも傑作。小ぶりながらその味わいが凝縮されており、あともうひとつとおかわりしたくなる、後を引く美味しさです。
イワシはワサビがわりにアンチョビを忍ばせており、スパイシーで強烈な旨味が酒を呼ぶ。これはキリっとした白ワインにすれば良かったかな。
赤貝は手榴弾のように大きく食べ応え抜群。まさにムシャムシャといったオノマトペがピッタリの1カンでした。
ブリは脂の乗り切った味わい。かなりどでかいタネではありますがシトシトと包丁が入れられており一口で優しく噛みほぐすことができます。
羽カツオ。初めて聞く魚の種類(?)であり、血の気の多いカツオの味わいがよりマイルドになったなという印象。

ところで当店の魚の殆どは熊本の田崎市場から仕入れているそうで、いきおい地元のものが多くなります。これは観光客にとっては嬉しいシステムです。
サワラもしっとりと旨味が増しており渋い味わいです。瀬戸内で食べるピチピチのサワラとはかなり印象が異なる。
赤身のヅケは直球勝負の味わい。パンチの強いシャリと共に握りながら酒の進む一品です。
中トロは一転なめらかな味わい。赤身と脂の美味しいとこ取りといった味覚であり、世の鮨通も納得の美味しさでしょう。
特大の車エビ。これはもう、本当に巨大としか言いようがなく、口の中で海老の食感が渋滞しています。内側には海老の味噌(?)が仕込まれており、参りましたといった味わい。
「お椀をご用意していますが、いかがなさいますか?」と問われ当然に頂くのですが、後から明細を見ると1人につき500円づつ別につけられていました。いや別にそんぐらい構わんけど「変なこと聞いてくるなあ」と微妙な空気になるので最初からコースに含んでおけばいいのに。今夜で唯一謎な仕組みでした。
ウニは程よいサイズ感であり、海苔の濃厚な磯の風味とバランスがとても良い。
トコブシのリゾット。やや緑がかったセメントのような色合いであり、その濃厚な味わいが外観からですら確認することができます。旨い。日本酒が、旨い。
巻物はひもきゅう。この日は2回転目もあり、その他の巻物を追加注文できる雰囲気ではなかったので(実際どうなんだろう?)、好物のカンピョウにはたどり着けず。
海老の風味に満ちた玉子でフィニッシュ。ごちそうさまでした。

以上を食べ、割に気前よく日本酒を飲んだにも関わらずお会計はジャスト2万円に整いました。どひゃー。都心の狂った価格設定の鮨屋に比べると拍手を送りたくなるほどの費用対効果の良さです。シャリの味は強く、タネも大きめ。何より握りの数が多い。ズバリ私好みの鮨屋です。全体としてかなり味が濃い仕様となっているので左党にオススメ。熊本を訪れた際には是非どうぞ。

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鮨は大好きなのですが、そんなに詳しくないです。居合い抜きのような真剣勝負のお店よりも、気楽でダラダラだべりながら酒を飲むようなお店を好みます。
この本は素晴らしいです。築地で働く方が著者であり、読んでるうちに寿司を食べたくなる魔力があります。鮮魚の旬や時々刻々と漁場が変わる産地についても地図入りでわかりやすい。Kindleとしてタブレットに忍ばせて鮨屋に行くのもいいですね。

サエキ飯店/目黒

2019年に開業して瞬く間に予約困難となった「サエキ飯店」。目黒駅から恵比寿方面へ10分ほど歩いた住宅街にあります。
カウンター6~7席にテーブルが1卓と小さなお店。小綺麗なラーメン屋のようにカジュアルな雰囲気であり、まさにサエキさんち、という印象。

佐伯悠太郎シェフは聘珍樓など中華料理の名店で腕を磨いたのち、日本と香港を行ったり来たり。広東省21市すべてのエリアを回ったり、現地で農業に従事したり鶏の卸業者で働いたりジョージアまでワインを学びに行ったりとフットワークめちゃ軽です。
まずは香港のクラフトビールで乾杯。どこ産だとかは関係なく、純粋にクオリティの高いビールでとても美味しい。このあとワインをボトルでお願いしたのですが、いずれも1本5~8千円ほどのレンジに収まり値付けも良心的です。ジョージアワインだけでなく、「自分が美味しいと思ったものは何でも置く」というスタイルです。
まずは揚げたトリッパ。いきなり度肝を抜く旨さ。フレッシュなトマトも見事な清涼感を湛えており、これまでの人生で食べたハチノス料理としてダントツに一番美味しかった。
牡蠣の茶碗蒸し。小粒な牡蠣が山ほど入っており思わず恵比寿顔。ギュウギュウに旨味が詰まった牡蠣であり、敷かれた茶碗蒸しと併せて食べて、改めて恵比寿顔。
生のイサキもべらぼうに旨い。日本料理とはまた違った豪快なカットであり、ムシャムシャとした食感が素晴らしい。味付けもバチっとわかりやすく直感的な一皿。
カブを用いた大根餅ふうのお料理。ガガっと揚げて表面が香ばしく、中はトロトロとウットリする舌ざわり。揚げものなのに透明感がある。黄ニラやモヤシのシャキシャキとした食感との対比も見事です。
こちらはハタを揚げたもの。骨や頭がそのままであり、その間に潜んだゼラチン質がナイスです。やはり揚げものであるにも関わらずサッパリとした食後感であり、店主は天ぷら職人としても大成することであろう。
羊肉はガッチリとした食感があり、咀嚼のたびに旨さが滲み出てきます。スパイスの用い方も絶妙であり、もうひと口もうひと口と後を引く美味しさ。
豚肉と白菜のお鍋。白菜は発酵させたものなのか、鍋全体を取りまとめるシャキっとした酸味がクセになる。何と思いきりの良い調味なのでしょう。最後の1滴まで余すところなく頂きました。
チャーハンもお見事。パラパラサクサクと小気味の良い食感であり程よい軽やかさ。秒で茶碗をカラにしてしまいました。
麺は「上湯麺」と「担々麺」の2種があり、両方お願いして半分こ。前者が特に印象的。見た目は素朴なかけそばなのですが、何とも言えない奥深さを湛えた味わいであり、なるほどこの麺とスープであれば具材はシンプルで充分と思わせる凄味がありました。
〆のアイスクリームも濃厚なのですがサクサクと食べきれてしまう勢いがあり、やはり瞬で皿が空いてしまいました。

欲望の赴くまま飲み食いしたにも関わらずお会計はひとりあたり2万円もしませんでした最高か。純粋な広東料理・香港料理とは異なり、程よい暴力を感じるサエキ料理。何を食べても「ああ、これは彼の料理だ」と思わせる印象的なお皿の数々。

また、十人前後の客を相手にしているのにも関わらず、恐るべきテンポの良さであり、ジャジャっと鍋を振っているかと思えばガガガと皿を洗ったりと、まるで映画を速回しで観ているかのような、驚くべきスピード感も見どころです。

商売っ気たっぷりの飼いならされた雇われシェフとは対極に位置する芸風であり、感覚的に鋭い。切れ味抜群のスーパーマン。思わずアニキと呼びたくなるクールな料理人であり、かつ、最高の中華料理店でした。

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それほど中華料理に詳しくありません。ある一定レベルを超えると味のレベルが頭打ちになって、差別化要因が高級食材ぐらいしか残らないような気がしているんです。そんな私が「おっ」と思った印象深いお店が下記の通り。
1,300円としてはものすごい情報量のムック。中国料理を系統ごとに分類し、たっぷりの写真をベースに詳しく解説。家庭向けのレシピも豊富で、理論と実戦がリーズナブルに得られる良本です。

cafe h(カフェ アッシュ)/県庁前(那覇)

那覇市久米。ゆいレール旭橋駅または県庁前駅から海に向かって進んだ雑居ビル2階。かき氷の名店「千日(せんにち)」あたりです。建物やエレベータがかなりボロいため通り過ぎてしまいがち。
店内はカウンター数席にテーブル2卓ならびにソファ席。窓から覗くグリーンが美しく、海外のレストランにお邪魔したかのようです。

大城由規也シェフは中伊豆のオーベルジュや都内のフレンチレストランで活躍された後、首里で当店を開業した後に久米へ。ご実家(?)は農園を営んでいるそうな。
アミューズはサトイモのムースにヘーゼルナッツ。え!?ナニコレ美味しい!!ナッツの食感や柚子胡椒のアクセントなどにセンスを感じます。
続いて北海道産のホタテ。カボチャのペースト(?)を敷いた上でホタテを配置し大根で挟み込みます。サラミの塩気や切り干し大根の食感、柑橘の風味。あたおかな組み合わせながら完璧な調和。
自家製パンも上々。那覇の住宅街にある何でもないカフェと完全に侮っていました。当店は本物です。
野菜のスープにはニンジン・玉ねぎ・セロリ・レンズ豆などなど。トリュフの香りを湛えた泡泡の配置も良く、スープの土台を支えるブイヨンもしっかりしています。
メインは沖縄県産鶏むね肉のロースト。いわゆる南仏系の簡素な調理であり、たっぷりのオリーブの香りが鶏肉の清涼な旨さを引き立てます。量もしっかりですが、酸味がきいてスイスイ食べることができます。
デザートは自家農園のバナナアイスにコーヒーのムース(?)。それぞれ骨格のある味わいであり、仕上げにマッカランをひと吹きして大人の味わいへと向かわせます。
紅茶で〆てごちそうさまでした。お会計はひとりあたり3,300円。どひゃー、何なんでしょうこの費用対効果の良さは。コスパを抜きにしても本格派のフランス料理であり、本物中の本物です。はっきりいってハレクラニのメインダイニング「シルー (SHIROUX)」の妙ちきりんな料理なんかよりも全然レベルが上です。
今回は一番安価なコースでお願いしましたが、これは次回にディナーで訪れて、最高値のコース、加えてワインもしっかりと選びたいところ。かなり意表を突かれました。これだからレストラン巡りはやめられない。

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1年で10回沖縄を訪れることもあります。1泊15万円の宿から民宿まで幅広く手がけています。
TACが世に出した一風変わった沖縄本。もはやガイドブックではなく参考書の域です。非常に情報量が多く、かつ、うまく整理されており読みやすい。大判ではないので持ち歩きやすいのも素晴らしいです。オールカラーの割に高くない。数多ある沖縄ガイドブックの中では突出した存在です。