ボンシュマン/学芸大学

五本木というなんとも渋い立地のお店。ミシュラン1ツ星。学芸大学徒歩10分の住宅街で星を取るだなんて只者ではありません。
 シャンパーニュで乾杯してイキましょう!
 アミューズには鴨の自家製生ハムとオリーブのパウンドケーキ(?)。パウンドケーキの塩気香る風味がお酒を誘います。
 カリフラワーのムースに野菜のブイヨン。カリフラワーは期待通りの味でしたが、ブイヨンがなんとも複雑な味わいで素晴らしいと思います。何の野菜なのかなあ。
 今夜はソムリエ氏に全て下駄を預けてお任せで!
 野菜のテリーヌ、なんですが、たくさんのポロ葱と赤貝!赤貝がこういうのに入っているのは斬新!パセリのソースとビネガーのソースで楽しみます。この時点で、当店は私にとって愛すべき存在となりました。
 豚さんと菊芋。菊芋が滋味豊か、かつ、歯ごたえも良く美味しかった。
 当店はバターでなくリエットです。ラリューンもそうですが、私の好きなベクトルのお店はリエットを出してくれるんですね。
 シシャモをパイで包む。お布団みたいで愛らしい。シシャモもこのように調理してもらえて幸せでしょう。
 樽香豊かな白を重ねた後に、
 なんとここで貴腐ワイン!コースの途中では初めての経験!
 なるほどフォアですね。これならバッチリ。しかもテリーヌ、ポワレ、プリンと非常に凝っている。席数に比してこれだけのバリエーションを揃えるのは大変だろうなあ。
再びコチラに戻り、開いたグラスに細く長く注いで頂いた後に、
 アマダイ。皮目がパリパリのクリスピーで食感から楽しめました。
 メインにはきっちりと熟成した南仏モノに
 ペルドロー!今季初ジビエです。官能的な香りど重厚なソース。たまらんぜ。今年も良い冬が過ごせそうです。
 デセールは4種から。前述しましたが、この小箱でこれだけ選択肢があるのは本当に素晴らしい。連れはパンナコッタ。
 私は栗。季節味溢れ嬉しい限り。
 塩風味のマカロンに
焼きたてのカヌレ。ミニャルディーズまで一切の手抜きなし。

クラシックな調理好きの私にとって、どストライクなお店でした。正直バスクの前衛的なレストランで気疲れしたというか洋食に飽きていた所だっただけに、すごく嬉しかった。

それにしてもミシュランの調査能力にはただただ敬服するばかり。フツーこんな場所(失礼!)にあるお店まで行き届かないですよ。仮に気づいたとしても、仕事が増えるのが嫌だから、気づかなかったフリするでしょう。そこでサボらず議論の遡上にあげてきちんと掲載できる懐の深さ。見直しました。

The World's 50 Best Restaurantsを読み込んだりしてチャラついた時期もありましたが、やはり料理の評価と言えばミシュランなのかもしれません。ごちそうさまでした。



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日本フレンチ界の巨匠、井上シェフの哲学書。日本でのフレンチの歴史やフランスでの修行の大変さなど興味深いエピソードがたくさん。登場する料理に係る表現も秀逸。ヨダレが出てきます。フランス料理を愛する方、必読の書。


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ルパンコティディアン/芝公園

増上寺の隣。ベルギーのパン屋さん。素晴らしい場所に出店しましたねぇ。
入ってすぐは持ち帰り用のベーカリー。
いずれも香り豊かで美味しそう。
見ているだけでも楽しいです。
レジ裏の巨大なパンは2,000円とお買い得。ホームパーティの手土産にウケますよ。
最近の朝推しレストランの中では安いほうです。しかしコーヒー550円、ビール500円は判断に苦しむ。
熟慮の末、690円のスムージー。それでもビルズサラベスに比べて量がたっぷりで大満足です。値段相応の価値アリ。
連れはサラダ。直径30cm近くある巨大な皿。かつ、ウリのパンもちゃんとついててお得です。
私はサーモンオムレツ。こちらもパン付き。
ジャムバーみたいなのがあって、好きなものを好きなだけ糖質オン。味覚がオコチャマだと言われるかもしれませんが、個人的にはホワイトチョコが好みでした。

おはようからおやすみまで雰囲気の良い店です。とにかく立地が良い。ミーハーじゃない感じ。そんなに混んでないし、今どきの朝食スポットとしては穴場だと思います。ただトイレだけがなぜかダサい。

http://tabelog.com/tokyo/A1314/A131401/13120999/

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「東京最高のレストラン」を毎年買い、ピーンと来たお店は片っ端から行くようにしています。このシリーズはプロの食べ手が実名で執筆しているのが良いですね。写真などチャラついたものは一切ナシ。彼らの経験を根拠として、本音で激論を交わしています。真面目にレストラン選びをしたい方にオススメ。


Mixology Bar Source 2102/麻布十番

「麻布十番 バー 2102 ミクソロジーカクテル&日本ワイン ・店内禁煙・ Mixology Bar Source 2102 Azabu Tokyo」という恐ろしく長い店名で食べログやFacebookに登録されています。
狸穴町のSM専門のラブホ「アルファイン」の隣の司法書士事務所の中という意味不明な立地(上記の写真はアルファインの公式HPから拝借したんですからね!)。ガラスの引戸には「関口仁郎司法書士事務所」という文字。まさかここがバー!?と、思わず軒先でぐぐってしまいました。

感じの良いロバート秋山をさらに感じ良くした雰囲気のバーテンダーがお出迎え。一見でも気持ちよく利用できます。ミクソロジーが自慢。ミクソロジーとはお店の説明に拠ると「リキュールやフレーバーシロップを一切使わず、果実やハーブ、ベジタブルを、スピリッツ(蒸留酒)などと組み合わせて作ったカクテル」とのこと。
ハロウィンシーズンだったので、私はカボチャのカクテル。ふかしたカボチャにラムをガツン。程よい甘みとアルコールが調和してOCでした。連れは奥にある巨峰のカクテル。
スペシャリテのアイリッシュコーヒー。コーヒーとウイスキーとシロップに生クリームを浮かべたカクテル。そう、当店のバーテンダーはコーヒーカクテルの日本チャンピオンであり、世界大会にも出場するという、コーヒーカクテルの第一人者なのです。元々はバリスタであったそうな。

グラスに液体と液体を混ぜ合わせ、傾けて火で炙りつつ、豆を目の前で挽き、プレスしてエキスを抽出し、生クリームをシェイカーできめ細かく泡立てたりと、10工程近くを化学実験さながらに手際よくこなす。その所作は芸術の域。見ているだけで楽しい。そして味も当然に素晴らしかった。カクテルという液体一本で人をで感動させるって、すごいこと。
連れは新作のピスタチオのカクテル。一口頂きましたが、ピスタチオのコクとアルコールのアタックがマッチしてこちらも素晴らしい一杯でした。
良いお店を見つけました。通い詰めようと思います。7席と小さいお店なので常に満員、かつ、18:00~24:00とバーにしては営業時間が変わってるのが若干使いづらいかもしれません。遠くから来る方は、満席で入れないと悲しいので、早い時間帯に来るのが吉だと思います。



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らーめんたくみ/麻布十番

麻布十番商店街の一本裏通り。いかにも胡散臭いラーメン屋。営業時間は20:00~6:00と怪しい怪しい。恐る恐るお店に入ると、看板に描かれたままのスキンヘッドのおっちゃんがお出迎え。なぜか筋肉ムキムキ。キビキビと効率よく動き、ワンオペを感じさせない軽快さ。
お店の奥にはお菓子や缶詰の山が。
こ、この割り切り感。。。その発想はなかったわ。
考え方によってはメニューが豊富なのかもしれません。
セルフサービスで冷蔵庫から飲み物を取り出す。「グラスはいくつですか?」と、お店の方。意外と言っては失礼ですが、気がききます。
スナップエンドウに
水餃子。水餃子はモチモチしてて結構美味しかった。手作りか冷凍かわからんレベル。
担々麺。辛さや痺れは全くなく、白ゴマの風味が豊かなスープ。肉が結構入ってて嬉しかった。ラーメン屋としてはイマイチですが、飲み屋としては悪くない。

「缶ワイン600円」「酒代1,000円ごとに駄菓子おひとつプレゼント」「できれば禁煙」など、印象的なメッセージに溢れるお店。客の殆どが常連で、独特の業界人風、オカマ、ゲイetc、ワンダーランドなお店です。面白かった。


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ワカヌイラムキュイジーヌジューバン/麻布十番


ワカヌイのカジュアルなラム専門店ができたと聞いて、行かないわけにはいきません。
 ラムロースのたたき。ラム特有の臭みが一切なく悪くないのですが、クセがなさすぎてなんでもない牛肉を食べているかのよう。ちょっと割高に感じました。
 ラタトゥユ。標準的。ちょっとイラってきたけど、まだあわてるような時間じゃない。
ラムを全種類。手前からモツァレラチーズ焼き、塩、BBQ、ミラネーゼ。期待していたよりも全然
小ぶりで、可食部は焼鳥屋のモモと大差ありません。ミラネーゼのみちゃんとした料理になっていたかな。その他はそこらへんでバーベキューする時と変わらない。焼いただけ。

と、ここで連れと自然と目が合い「これ以上見るべきものは何もない」と無言で意思疎通し、お会計へ。
がっかりでした。店の雰囲気もカジュアルだし、メニューとかボロボロだし、店内の所々が朽ちている。だんねんながら居酒屋の延長です。そのくせ高い。ワカヌイが思い切りスタイリッシュで料理も良かっただけに残念です。ワカヌイは自身の名誉を守るため、当店をさっさと閉めたほうが良いと思います。今日逃げたら明日はもっと大きな勇気が必要になるぞ。


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アンティーカ・ヴィネリア・ジュリアーノ/白金台

お米アレルギーに陥り「寿司とか日本酒とかムリムリムリムリかたつむり」という連れ。お米は無くとも幸せは見つかることを証明するための食事会。

目黒の姉妹店での印象が結構良かったので、白金台の当店も試してみたくなりました。カウンター8席にテーブルは16席ほどと、目黒よりは小体。年齢層はやや高めです。
グリッシーニをプロセッコで流し込み、メニューを吟味。どれも魅力的に映り、結構悩んでしまいました。
前菜盛り合わせ。9時から時計回りでニンジンにブロッコリーにビーツ、カジキの燻製にタマゴにカポナータにズッキーニにシメジに茄子、中央はジャガイモ。ブロッコリーとナスが良かった。塩味がしっかりしており、ガブガブワイン飲んじゃう系です。
ポルチーニのラザーニャ。ポルチーニの奥深い味わいが食欲を刺激して美味しかったです。
真鯛を焼いたやつ。ごくごくシンプルな調理で想像通り。ただしポーションが小さく若干物足りなかった。
ボローニャ風カツレツ。平たく言うと、生ハム入りのトンカツにチーズをのっけてトロットロにしたもの。どう考えても美味しいです。思いのほかジューシーなのも二重丸。
ドルチェでティラミスにしようかなどうしようかなと迷っていると、「あたしはチーズ盛り合わせで」と男前。
当方は軟弱男子で恐縮です。

というわけで、ワインが進むお店です。攻撃的な味付けなので、下戸にはつらいかも。客層が結構良くて、食べ込んだ客がちょっと落ち着きに来る雰囲気。わざわざ電車に乗って遠くから来る店かと問われると違うかもしれないけれど、近場にあるからまた行くか。そんなお店です。


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十年近く愛読している本です。ホームパーティがあれば常にこの本に立ち返る。前菜からドルチェまで最大公約数的な技術が網羅されており、これをなぞれば体面は保てます。


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