リストランテ シャイー(RISTORANTE CHAILLY)/神田

偶然通りかかって良い気を感じたので、迷わず扉を押してみる。13:30とヘンな時間だったのですぐに入れましたが、ネットの口コミによるとピークタイムでは行列が生じるほどの人気店のようです。
テーブルが2卓にカウンター席がズラっと並ぶ店内。ややもするとラーメン屋のような構造であり、大人数での来店は難しいかもしれません。真昼間でも照明がかなり暗く落とされています。ランチメニューはパスタセットが4~5種。いずれも1,200円です。
ランチセットのスープ。野菜がたっぷり溶け込んだ優しめのスープでした。
パンはちょっと変わっています。これはフォカッチャに分類されるのかなあ。分厚い円盤型のものを切り分けているのか、面白い形状をしており、軽く炙って表面カラっと。ほんわりと甘い。
下仁田ネギのアリオ。麺が印象的。生麺なのか何なのか、稲庭うどんのような形状ならびに食感であり、ちょっとびっくりする美味しさです。「アリオ」ってのは「アーリオ・オーリオ・エ・ペペロンチーノ」のことかなあ。オイルベースでニンニクと唐辛子が躍るのですが、チーズが振りかけられているのが面白い。ネギはじっくりと甘味が引き出されており、大した具材ではない(失礼)ですが、興味深い味わいでした。
「コーヒーか紅茶は?」と聞かれ、東麻布コーヒー有料事件に巻き込まれた直後だったので、恐る恐るコーヒーと答える。もちろんランチセットに込み料金です。1,000円前後のランチセットの場合、コーヒーは淹れ置きであることがほとんどですが、当店のそれは1杯1杯マシンで豆から挽き始めます。決してオマケの雑なコーヒーではない美味しさ。

たまたま通りがかっただけなのに、大満足のランチでした。夜にはシェフのおまかせコーとして、料理5品にワインをペアリングして10,000円ポッキリとのこと。これは行きたくなっちゃうぜ。


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神田は良い街です。東京駅すぐ近くと至便であるのにも関わらず、5,000円も出せばしっかりと飲み食いができるお店が多い。気長に開拓していきたいと思います。

月刊『散歩の達人』のハンディ版。チャラついていない大人向けの硬派なガイドです。地図が解かり易く名所旧跡の紹介もしっかり。神田周辺をお散歩する際には是非。

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ランベリー(L'Embellir)/広尾

2017年秋に表参道から広尾に引っ越してきた「ランベリー(L'Embellir)」。ミシュラン東京が始まって以来11年連続で星を獲得し続ける実力派。6席のみのイケてるワインバーも併設したフランス料理店です。
広尾の笄(こうがい)公園の目の前という好立地(写真は食べログ公式写真より)。窓が大きく開放的な間取りであり、桜の季節なんてもそりゃあもう凄いことになるでしょう。

岸本直人シェフは銀座「スエヒロ」、渋谷「ラ・ロシェル」経て渡仏。ロワール「ラ・プロムナード」、パリ「ジェラール・フォシェ」、ベズレー「レスペランス」で腕を磨き、帰国後しばらくして当店をオープン。
ドリンクメニューで最初に目を引くのは「シャンパーニュフリーフロー6,000円」。このあと運動に行く予定だったのでさすがに控えましたが、日時と人次第ではお願いしていたかもしれません。今回はおとなしく3杯のペアリング3,300円を。シャンパーニュが含まれるのが嬉しい。
「ポロ葱の温かいポタージュ トリュフの薫り」。まあよくあるスープだろうと高を括って一口含むとその美味しさは電力にするとメガワット級。こんなにも旨味が強く奥行きのあるポタージュは中々ない。「トリュフの薫り」とか言って薫りどころかザクザクとみじん切りされたトリュフがボンボコ入っておりこれまたご謙遜を。この時点でこのお店は凄いぞと確信。
色の薄いパンは見た目通りのプレーンな味わいであり、ちょっと物足りないかなあと思っていたところ、
有塩の発酵バターと合わせて食べればちょうど良い頃合いに。メーカー違いで有塩/無塩の提供を分けるあたり偏執的なこだわりを感じました。
「赤座海老とジャガイモのロゼット ディル風味のエマルジョン」。見て下さい、この研ぎ澄まされた感覚の世界。4,500円のランチコースでここまでやるかね。赤座海老を覆うのはインカのめざめ。ポールボキューズもかくやと思わせるウロコのような使い方であり、その1枚1枚がいちいち旨い。周囲を固めるマリネした野菜たちも最高品質。
見て下さい、この赤座海老のボリューム感。断言しましょう、このランチは絶対に儲かっていません。「赤座海老は別格ですね。季節によって仕入れはだいぶ苦戦することもありますが、この席数だからなんとか確保できます」。
基本はペアリングなのですが、いくつかのボトルを持って来てくれ、「お好みがあればお好きなものでどうぞ」というフリースタイル・ペアリング。私は赤座海老の甘味に敬意を表してやや甘めのピノロゼを。ルクセンブルグ産というレアキャラであり、女の子が好きそうなサクランボキャンディのような味わいでした。
「大山鶏のポッシェ フォアグラ 豚足 根菜のブイヨンスープ」。引き締まった味わいの鶏肉にアスパラガスのソース(?)が爽やかに光る。フォアグラにいやらしいクドさは全くなく、ブイヨンに溶かしながら食べればもう絶品。豚足のカリっとした食感と脂身は全体を印象付ける子気味良いアクセント。ほんの24時間前頃に同じ大山鶏の料理を食べたばかりなのですが、まるで別格。もちろん昨日は2,500円のコースであり本日と2,000円の差はありますが、2,000円では説明がつかない大いなる差を感じました。これが、料理だ。
程よく動物を感じる料理だったのでカリピノをチョイス。いつの間にかピノノワール縛りのランチとなってしまいました。何の気なしに3杯飲みましたが、これで3,300円というのも凄いこと。
甘味に入ります。「国産いちごのソルベとコニャックのグラニテ」。その名の通りの味わいなのですが、実はこの皿の主役は右上のクレームブリュレではなかろうか。濃厚かつ繊細。焦げたカラメルが大人の味わい。
小菓子には焼きたてのフィナンシェ。ゲストが口にするものに対していちいち愛情が感じられます。私はフランス料理における甘味をATMの暗証番号と同じくらい大事なものと捉えているので、この1皿のレベルの高さは有難し。
ミニャルディーズ、続く。ショコラのタルトレット(小型のタルト)にクグロフ型で作った焼き菓子。これが和三盆主体で誂えられた面白い味覚であり、シェフの演出家としての技量はかなりのものでしょう。
折り目正しいコーヒーを飲んでごちそうさまでした。

一通り食べて飲んで税サ込で1万円を切りました。これは筆舌に尽くし難い費用対効果の良さです。では、あまりにカリテプリに優れているのでまたランチに来たいかというとそうではなく、次回は夜に、最高値のフルパワーバージョンでお料理を楽しんでみたいとワクワクさせるランチでした。
お土産にケリーバッグ風の紙箱に入れられた小菓子を頂きました。シェフ・支配人そろって階下まで降りてのお見送り。うーん、この店は本物だ。食事が旨くて費用対効果の良いお店はそれなりにありますが、食材に対する愛情やゲストに対するおもてなしの気持ちがしっかりと伝わってくるお店は意外に少ない。こういうお店を知っていると人生を謳歌できること間違いなし。オススメです。


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「好きな料理のジャンルは?」と問われると、すぐさまフレンチと答えます。フレンチにも色々ありますが、私の好きな方向性は下記の通り。あなたがこれらの店が好きであれば、当ブログはあなたの店探しの一助となるでしょう。
日本フレンチ界の巨匠、井上シェフの哲学書。日本でのフレンチの歴史やフランスでの修行の大変さなど興味深いエピソードがたくさん。登場する料理に係る表現も秀逸。ヨダレが出てきます。フランス料理を愛する方、必読の書。

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エスタシオン(Estación)/神楽坂

神楽坂の裏路地の石畳の階段。都内にはこの街ぐらいであろシチュエーションに気分がアガります。その階段中腹にある、知っていないとまずたどり着けないスペイン料理屋がここ「エスタシオン(Estación)」。店名はスペイン語で「季節」を意味します。ミシュラン東京ビブグルマン3年連続掲載の実力派。
カウンターが6席にテーブルが数卓の小さなお店であり、まあ、食にうるさそうな大人しかいません。野堀貴則シェフは余計なことは喋らずに料理で語り掛けてくる実直な職人肌。肌が実にキレイであり、コンセプトの「野菜を使ったスペイン料理とロゼワイン」に妙な説得力を持たせます。料理人としてのキャリアをイタリアンからスタートし、銀座のスペイン料理店「エル・セルド」から神楽坂の「エル・プルポ」「エル・ブエイ」のシェフを経て独立。
号砲はカヴァ。料理は4,500円4品軽めのコースと6,000円6品しっかりコースの2種。当店はバルのようなカジュアルな雰囲気ではありますが、きちんとした料理を出すお店であるため、支払金額もそれなりに高くなるのでご注意を。遅い時間であればアラカルトにも対応してくれるとのこと。
名刺代わりに差し出されたのはリエットとバナナが入った最中。これはセンスいいですねえ。パリっとした食感を楽しんだ後はネットリとしたバナナの舌ざわりに旨味の強い肉が響いてくる。ここのところ最中に恵まれたライフスタイルです。
前菜が斬新。エゾジカと豚肉と鶏レバーを用いた肉のテリーヌなのですが、トッピングとして火を入れたホタルイカが乗っています。旨味の強い動物に旨味の強い魚介。この合わせ技はカタルーニャ地方特有のものらしく実に酒が進みます。
続いてはスープ料理。と言っても具沢山の腹に溜まるタイプです。はっきりとしたコクのあるトロリとしたスープに滋味あふれる野菜。トップを飾るのは千葉産の特大ハマグリ。野菜が心から美味しいですねえ。こういう料理を毎日自宅で食べたいものです。勝間和代に倣ってホットクック買おうかな。
料理に合わせてコクのある白。料理についてはワンオペでありてんやわんやの忙しさであるはずなのに、合わせるワインについてはしっかりと説明する拘り。スペインワインに対する愛情を感じました。
自家製のパンが出てきました。カウンター主体のスペイン料理屋で自家製のパンが出てくるのは世界的に見ても珍しいほうではないでしょうか。少なくともビルバオやサンセバスチャンでハシゴしまくった際に、そのようなお店は一軒もありませんでした。「しばらく前に見よう見まねで作ってみたら大失敗しちゃって。それからムキになって細々と焼き続けています」と、凝り性のシェフ。
メインはイベリコ豚。私はイベリコ豚は生ハムで食べるのが一番という偏見があるのですが、当店のそれは脂が薄くバランスが良いままに香りが豊かであり美味しく頂けました。ここのところイベリコ豚に恵まれているなあ。加えて下に敷かれた野菜たちが乙な味であり、やはり当店においては野菜がその地位を主張しています。シンプルな調理ながら奥行きのある1皿でした。
合わせるワインは日本のロゼ。ナリサワでよく出てくるアレですね。店主はソムリエの資格も保有しており、そのワイン選びはスペインに留まらず自由自在です。
いかにも魔女が使っていそうな鉄鍋で料理する米料理。スペイン流の本格的な米料理を食べるのは銀座のアロセリア・ラ・パンサ以来です。フレーバーはイカスミをリクエスト。魚介の味がべらぼうに濃く、濃縮に濃縮を重ねた味わい。貝の出汁を始めとした海の幸が詰まっており、〆というには勿体ないほどの完成された料理でした。翌日のうんうんがブラックでめっちゃビビります。
デザートは2種の用意があるとのことだったので、ひとつづつ注文して半分こ。最近流行りのバスク風チーズケーキ。日本においてはクレマカタラナやプリンのようなプルンプルンした食感のものが主流ですが、当店のそれはチーズの含有量が多いのか、ネットリとした食感で食べ応えがあります。それにしても、「バスク風チーズケーキ≒貧困層」という図式が私の脳内で出来上がっているので思い出し笑いしてしまう。
こちらはオレンジ主体の1皿。たっぷりの果肉にジュレ、泡泡。酸味がしっかりと響くのですが、眉を顰める酸っぱさは一切なく、果物の旨味が感じられる味覚です。シェリーで作ったアイスも心憎い演出。

全体を通して何を食べているのかが理解し易い、ストレートな料理でした。はっきり言ってスペインの3ツ星レストラン、例えばアルサックムガリッツアケラレなどの料理よりも全然美味しい。もちろん芸風が異なり同じ土俵で語るべきではないのかもしれませんが、やはり私は郷土愛に溢れた素材が伝わる料理が好きだ。


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麻布十番と同様、小さな街ながら魅力的なレストランが数多ある神楽坂。この街で生活を送れば充実した食生活になること間違いなし。一度住んでみたいです。
神楽坂に特化したグルメ本は以外と少ない。本書はモテたい人向けの飲食店情報が中心。高級店やバーなどの紹介が多く、神楽坂らしさが凝縮されています。グラビアの田中みな実の雰囲気が妙にマッチしてる。

トラットリアアンティクァート(Trattoria Antiquato)/麻布十番

東麻布パトロール中にたまたま見つけたお店。軒先に掲げられた旗色を確認する限り、どうやらイタリアンレストランのようです。
ランチのピークタイムに訪れたのですがゲストは私だけ。メニューは「パスタランチA~C@1,100円」が3種に「D:ミートボールのトマトソース@1,800円」。Dだけ飛び抜けて高価だったので、シェフの思い入れも強いのでしょう。迷うことなくDを注文。
客ゼロであるため当然にオペレーションはちょっぱやです。まずはランチセットのサラダ。ドレッシングは全体に周っているものの、野菜の質そのものは中くらいであるため、まあ、ランチのオマケサラダといったクオリティです。量も少ない。
自家製パンは結構美味しい。特に丸っこいほう。ざっくりとした食感に小麦の濃い香り。本日一番のお皿でした。
主題のミートボール。ピンポン玉大の大きさの肉球が4つのみであり、グラム換算すると一般的なハンバーグ定食のそれと同サイズでしょう。見た目通りの普通味でありファミレスのそれと同等かそれ以下です。これで1,800円はいくらなんでも高杉晋作あり、私的には880円程度が妥当に感じました。
コーヒーは恐らく淹れ置き。ただの黒い湯といった味覚であり、イタリアンレストランながらコーヒーに対して何の哲学も感じられませんでした。ミルクではなく市販のコーヒーフレッシュを用いているのが意識低いですね。これは成分が調整された植物性油脂なのだから。

お会計で2,000円を請求されました。はて?「D:ミートボールのトマトソース」は1,800円であったはず。店員に内訳を確認すると「コーヒーは別料金でプラス200円です」との回答でした。

うーん、これはちょっとどうなのでしょう。今回のコーヒーは私が自発的に注文したものではなく、「コーヒーか紅茶は?」と問われたので「ではコーヒーを」と答えただけであり、文章で表現はし辛いですが、食後の飲み物はセットに含まれるニュアンスが確実にありました。

200円ぽっち面倒だからもういいか、とも考えたのですが、やはりこれは金額の多寡の問題ではない。信義誠実の原則に関わるテーマについては論じなければ私の正義が廃れてしまう。勇気を出して、別料金なら前もってそう言っておいて下さいよ、と店員にやんわりと抗議してみたのですが、「メニュー表に書いてありますから」と取り付く島もありません。

実際にメニュー表を確認してみると、確かに隅っこのほうに、他の説明文の4分の1ほどのフォントで慎ましくそう記載されていました。なるほど店員の言うことはもっともですが、しかしだからといって何だというのでしょう。いくら正論を振りかざそうと、客に違和感を覚えられた時点でこの商売は終わりです。試合に勝って勝負に負けたの典型例。

客は正直ですね。ピークタイムでもガラガラな理由がよく理解できました。


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麻布十番はイタリア料理屋も多い。ただし、おっ、と思えるお店は少数です。個人のお店のランチが狙い目ですね。
東京カレンダーの麻布十番特集に載っているお店は片っ端から行くようにしています。麻布十番ラヴァーの方は是非とも一家に一冊。Kindleだとスマホで読めるので便利です。

CILQ(シルク)/表参道

「表参道でフレンチならCILQ」とインターネット上で大見得を切る当店。「アンティークな仏料理とは一線を画す新たな挑戦」「料理のジャンルを超えた試行錯誤がCILQの礎となっています」のように食べ手を挑発するキャッチコピーが盛り沢山であり、かなり電通入ってます。
座席数は30ほど。テーブルクロスのないカフェのような雰囲気でありカジュアルな印象。この日は「デイライトランチコース」として2,500円のセットメニューを注文しました。

ドリンクメニューに目をやると、「鮮度、温度、泡、グラスの全てにこだわり抜いたビール」と自信たっぷり。ここまで言われるとビール好きとしては注文しないわけにはいきません。
が、供されたビールは至って普通のビールでした。決して不味くはありませんが、ビールはビールです。「CILQでは極上のビールを雑味なく味わって頂く為に最新鋭の洗浄機により磨き抜いたクリアなグラスを使用しております。工場から出荷直後の鮮度、泡と温度にこだわったCILQの生ビールをお楽しみ下さい」とのことですが、そもそもこのグラスはビールを飲むに最適なグラスなのでしょうか。個人的にはもっと薄いグラスのほうが繊細な泡の口当たりを楽しむことができると思うのだけれど。いつだって約束を破るものほど饒舌なものである。
最初にスープ。冒頭の料理説明の際には「ニュージーランド産の天使海老を用いた~」のように、海老好きの私を随分と扇情してくれたのですが、何のことはない、少々甲殻類の風味のついたマッシュルームスープでした。ベーシックには美味しいのですが、どうにも期待ギャップを消化しきれない。
有機野菜のCILQサラダ。パプリカを主軸に下にはたっぷりのクスクスが。見た目通りの味わいであり特筆すべき点は無いのですが、「身体に優しく、それがCILQの料理の原点になっています」のように、やはりいちいち暑苦しい。
米粉のパン。ほんわりと温かくプレーンな味わい。食事を邪魔しないフラットな味わいでした。
メインは大山鶏。やはり「こちらはブランド鶏の~」のような説明が長ったらしくついている割に、味覚そのものはクルーズ船のダイニングで出てきそうなクオリティです。決して不味くはありませんが、いちいち大げさ。
「Champagne & Wine List シャンパン & ワインリスト」から選んだロゼ。普段であれば目くじらを立てることはないのですが、やはりここまで色々と言葉に拘られると、いやいやシャンパンはワインだから、と意地悪な感想が頭がをもたげる。
〆はスペシャリテの「6穀米の焼きリゾット」。感覚としては最後に頂く焼きおにぎり茶漬けえあり、とろんとした洋風のスープが五臓六腑に染み渡る。本日一番のお皿でした。
デザートはコーヒー風味のブランマンジェにコーヒー風味のアイス(だっけ?)。コーヒー牛乳プリン的優しい味わいです。
最後のコーヒーは結構美味しい。ハーブティなども選択することができ、また、食後はダベっていても放っておいてくれるので、居心地のよいカフェのように過ごすことができました。

色々と損をしているお店だと感じました。フラットな気持ちで臨めば2,500円のコース料理としては悪くない。しかし全般を通して説明が長ったらしく、「アンティークな仏料理とは一線を画す新たな挑戦」「料理のジャンルを超えた試行錯誤がCILQの礎となっています」のような大言壮語が気になってしょうがない。耳障りの良い言葉を並べたところで客だってバカじゃないぞと反発したくなる。

そもそも、このコピー書いた人、本当にフランス料理を理解しているのかなあ。あまりに安っぽいフレーズが並ぶので「アンティークな仏料理って何?」「試行錯誤って具体的に何をしたの?」のように圧迫面接したくなる。運営会社の姿勢が論点となったランチでした。


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近くのお店(表参道)
表参道ヒルズ(安藤忠雄)、トッズ表参道ビル(伊東豊雄)、コーチ表参道(OMA)、根津美術館(隈研吾)、ディオール表参道(SANAA)など、表参道の名建築34作品についての解説。第一線で活躍中の建築家が現代建築のエッセンスを平易な言葉で素人向けにレクチャーしてくれます。

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