ハちゃんラーメン(はちゃん らーめん)/浜松町

ベトナム人が運営する純日本風ラーメン店として話題を集める「ハちゃんラーメン(はちゃん らーめん)」。と言っても店主はラーメン業界のトレンドを牽引する「麺処ほん田」で9年間修行を積み、料理長にまで上り詰めた経歴を持つ実力派。非常に感じの良いナイスガイでもあります。
30分待ちは当たり前の大人気店ですが、ピークを外せば並ばずに入店することができます。行列時は列の最後尾に並ぶ前に、まず店内の券売機で食券を購入する必要があり、初訪問者にとっては混乱の元となりやすいのでご注意を。

店内はカウンター5-6席にテーブルが2卓。テーブル席はあるにはあるのですが、あまりグループで訪れる雰囲気のお店ではありません。スタッフは全員が外国(ベトナム?)人ですが、皆、とても感じが良く、気持ちの良い客あしらいです。
私はの「特製昆布水つけ 塩」を注文。1,700円です。ごはんもののメニューもあり、面白いところでは「バインミー」「春巻き」「333ビール」など店主の故郷の品々がといったサイドメニューの用意あります。
「特製」には「鴨ロース」「鶏むね」「豚チャーシュー3種類」「味玉」などトッピングが山ほど並びます。複数の調理法を駆使した肉類は味わいが多様であり、仮にワインなども用意されればこれだけで立派なご馳走です。味玉の黄身は口中で様々な食材に溶け込み、クリーミーさを加えます。
麺は全粒粉入りのストレートタイプであり、昆布水にたっぷり浸すことで独特の透明感とツルツルとした喉越しが生まれ、プルプルとした弾力とモチモチ感を併せ持ちます。何もつけなくてもよし、塩やレモンで食べても良し、もちろんつけ汁につけても良し。このままで美味しい。
つけ汁には動物系のスープに魚介の出汁が重ねられており、塩ダレがその複雑な出汁の風味をより明確に引き立てます。透明感のある淡麗なスープであり、カドはなく非常に円やか。割烹料理店における立派なひと品に比肩するクオリティです。
こちらは期間限定の「牡蠣和え玉」。セメント色のペーストは真に牡蠣であり、ザラリとした舌触りから磯の香りが爆発します。豊洲市場「やじ満(やじま)」の牡蠣ラーメンとはまた違った魅力がある。麺のタイプは先からは少し細くなり、牡蠣ペーストと牡蠣醤油(?)とよく絡む。角切りのチャーシューもキッチリと乗せられており、これで400円というのは浜松町の奇跡と言えるでしょう。
美味しかった。ラーメン千円の壁もなんのその、麺料理という枠を超えてひとつの食事として完成しており、「Ramen Break Beats(ラーメン ブレイク ビーツ)」のようなマーケティングの味わいが強いラーメンとはまた違った魅力に満ちています。

次回はプレーンな「醤油ラーメン」を試してみたく、また、100円の追加料金で手揉み麺に変更できるなど組み合わせは無限大。近々、新橋に2号店のオープンも予定されており、そちらも楽しみです。

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「東京最高のレストラン」を毎年買い、ピーンと来たお店は片っ端から行くようにしています。このシリーズはプロの食べ手が実名で執筆しているのが良いですね。写真などチャラついたものは一切ナシ。彼らの経験を根拠として、本音で激論を交わしています。真面目にレストラン選びをしたい方にオススメ。