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削りたてカツオ節専門店 出汁ダシ(だしだし)/安里(那覇市)

栄町市場で昔から親しまれてきたカツオ節屋の復活を目的に、老舗八百屋の「はいさい食品」の3代目が始めた「削りたてカツオ節専門店 出汁ダシ(だしだし)」。夜の街としてのイメージが定着した栄町市場に、朝や昼の活気を取り戻すという面白い試みです。
十数席のみの小さなお店。お隣の「コツコツ」という店舗のカウンターで前払い注文し、ポットに入った挨拶代わりのお出汁を楽しみながら料理の出来上がりを待ちます。
私は「よくばり鰹節御膳」を注文。1,050円です。「鰹節ご飯」または「じゅーしー」に加え、「かちゅー湯」「アンダンスー納豆」「もずく酢」「温泉卵」「とろろオクラ」「漬物」「小鉢」が付く豪華版です。
「かちゅー湯」は、沖縄の家庭で古くから愛されてきたインスタント・スローフード 。丼にたっぷりのカツオ節と味噌を入れ、熱湯を注ぐだけのシンプルな料理ですが、同店では削りたての鰹節を使用することで、ごちそう感を演出しています。
「じゅーしー」はお肉多めなタイプ。豚肉から溶け出したラードの甘みが米をコーティングしているため、舌触りは非常にしっとりと、まろやかに感じられます。豚肉の食感と強いコクが広がり、そこにカツオ出汁の華やかな香りが重なって、重厚ながらも後味は不思議とスッキリした余韻に包まれます。
「アンダンスー納豆」は、沖縄の伝統的な保存食である「アンダンスー(油味噌)」と「納豆」を掛け合わせたもの。味わいの核となるのは豚脂の甘みと味噌のコクであり、アンダンスー特有の甘辛い味付けが納豆の特有の風味を優しく包み込みます。
たくさんの小鉢たち。しっかりめの旅館の朝食を楽しんでいる気分です。
コチラは「小鉢」と呼ぶには立派なひと品であり、程よい旨味を湛えた焼き魚は日本の朝食の原風景を想起させます。なんかお酒飲みたくなってきたな。
以上のセットが1,050円。朝食としては中々の価格ですが、質および量を考えればリーズナブル。渋谷の「かつお食堂」と比べれば段違いの費用対効果です。隣のニイチャンが食べていた「鰹と煮干の中華そば」も旨そうだったので、次回はそれを試してみよう。

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食堂ヘンサ森(へんさもり)/安里(那覇市)

那覇の栄町エリアは夜間営業の飲食店やレトロな呑み屋が密集する歓楽街として知られているのですが、日中に良質な食事を提供する大衆食堂は意外と少ない。安里駅東口からすぐ、安里交番を曲がった角あたりにある「食堂ヘンサ森(へんさもり)」は、その数少ない大衆食堂と言えるでしょう。店名はオーナーの出身地である南城市大里にかつて存在した森の名前だそうです。
大衆食堂と記しましたが、店内は小綺麗なカフェのような内装であり、伝統的な大衆食堂が内包しがちであった泥臭さや雑然としたイメージからはかけ離れています。ゲストはガテン系のニイチャンやかりゆしを来た会社員など、地元の勤め人が殆どです。券売機で食券を買い、カウンターでスタッフに手渡して料理を待ちます。お水や下膳などはセルフサービスです。
私は沖縄の洋食文化を象徴する高カロリーかつボリューム満点のワンプレート「Cランチ」を注文。980円です。ちなみに「Aランチ」「Bランチ」があるかと問われるとそういうわけではなく、「Cランチ=定番のワンプレートランチ」を象徴する記号的なメニューと捉えましょう。
当店の「Cランチ」のラインナップは唐揚げ・チキン南蛮・豚しょうが焼き・トンカツ・目玉焼き・サラダ。これにライス・味噌汁・小鉢のモズク酢まで付くという圧倒的なセット内容です。店内のゲストの半数以上がこの「Cランチ」を注文していました。
ちなみに沖縄の食堂のトンカツは、本土のものと異なり薄く平べったい形状が特徴的です。厚みを抑えた肉を広げて揚げることで、衣の面積が広くなりサクサク感が全体に行き渡っており、また、火の通りが早く均一に仕上がるため、肉が硬くなりにくいのも利点です。複数のおかずが並ぶCランチのワンプレートにも収まりやすく、他のおかずと一緒にバランスよく食べられる合理的なスタイルと言えるでしょう。
サラダもしっかりと盛り込まれています。揚げ物が多いCランチの中で、口の中をリフレッシュさせる大切な役割を担っており、ドレッシングもたっぷりと注がれ安定感のある味わいです。
ふっくら炊き上がった白米は、濃いめの味付けのおかずを受け止める土台。チキン南蛮や豚しょうが焼きなどの甘辛系おかずと特に相性が良く、自然とお箸が進みます。もちろんお代わりOKです。
お味噌汁は玉ねぎ。加熱された玉ねぎは辛みが飛び、とろりとした甘さが味噌の塩気と調和します。揚げ物続きの口をほっとやわらげてくれる、食卓の締めくくりにふさわしい汁物です。
沖縄の食堂は費用対カロリーは素晴らしいものの味はパっとしないことが多いのですが、当店はきちんと美味しい。ゴーヤチャンプルーや沖縄そば、タコライスなど沖縄の定番アイテムも取り揃えられており、栄町市場の周辺でお腹いっぱい沖縄の定食を楽しみたいときにピッタリのお店でしょう。おなかを空かせてどうぞ。

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拓水(たくすい)/安里(那覇市)

栄町市場南口近くにある鮮魚店併設の定食屋「拓水(たくすい)」。創業50年を超える老舗であり、新鮮な魚介類を使った料理が手頃な価格で楽しめると地元で長年親しまれています。
お食事エリアのキャパシティは10席強といったところ。カウンターに3席とテーブルが数卓で、鮮魚店側の忙しさも耳に入るので程よく活気が良い。魚や天ぷらをツマミに昼から飲む勢も結構います。
私は看板メニューの「魚汁(さかなじる)定食」を注文。魚汁に天ぷら、小鉢、ライスが付いて1,100円。これに単品で600円の刺身盛り合わせを追加し、合計で1,700円です。
主題の「魚汁(さかなじる)」。魚の頭やカマ・アラを豪快に使用しており、鮮魚店直営ならではの大迫力。器からはみ出さんばかりのボリュームに圧倒されます。出汁は魚の脂と旨味がこれでもかというほど濃厚に溶け出し、身はホロリと解けるほど柔らかく、アラの周りのプルプルとしたコラーゲン質まで余すことなく楽しめます。
小鉢はゴーヤーチャンプルーでしょうか。ゴーヤーのシャキシャキとした食感と爽やかな苦味が活きており、大容量の魚汁の最中に味蕾をリフレッシュするのにちょうど良し。なんおも贅沢なお口直しです。
シャケの天ぷら。沖縄特有のフリッターのようにぽってりとした厚い衣が特長的。シャケからは程よい塩気が感じられ、スナック感覚で食べられる気軽さがありながら、おかずとしての存在感も充分です。
ライスは一般的な定食屋のそれといったところ。やや冷えて乾燥も進んでいるので、魚汁と併せて食べると良いでしょう。
追加で注文した刺身の盛り合わせ。飾り気のない無骨な盛り付けが市場の鮮魚店らしくてエモい。その日のおすすめの地魚が並び、この量で600円とは大変にお値打ちです。ちなみに生ビールが付いて千円という魅力的なセットもあります。
以上を食べて1,700円と、鮮魚店直営らしく申し分のない費用対魚量でした。海鮮丼などのテイクアウトも可能で、天ぷら類は110円と実に良心的。清潔に整えられたスーパーの鮮魚コーナーや均質なサービスのチェーン定食屋にはない、市場の生気がそのまま皿に乗ったような店。ライスがやや冷えていようと、盛り付けに気どりがなかろうと、そんなことは些末な問題。市場の喧騒を背に濃厚な魚汁をすする昼どき。那覇にはまだこういう場所が残っています。

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魚料理 のじま/渋谷

渋谷は並木橋交差点近く、創業1910年(明治43年)の鮮魚店がルーツの「魚料理 のじま」。100年以上の歴史を持ちながらランチタイムは未だに行列が絶えない怪物店です。モットーは「天然もののみ使用、冷凍・養殖は一切なし」であり、目利きのいい魚屋の経験を活かし、その日の新鮮な天然魚をシンプルに調理した昔ながらの魚料理を提供しています。
店内はカウンターが7-8席とテーブルが少し。2階にはお座敷があるようです。人気の料理は売り切れ御免のため、お目当てがある場合は開店時間の11時に合わせて訪れると良いでしょう。
私は「本日の定食」の「ぶりかま煮」を注文。1,500円です。渋谷のど真ん中でこのボリューム感の定食を楽しんでこの支払金額は、食べる前から満足度はマックスです。
主題の「ぶりかま煮」は、まずその圧倒的なボリュームと、宝石のような美しい照りに目を奪われます。天然のぶりを使用しているため、身は驚くほどしっとりと柔らかく、箸を軽く入れるだけでホロリと解けるのが特長です。特にカマの部分は魚体の中で最も脂が乗っている部位であり、トロリとした濃厚なゼラチン質と、噛むほどに溢れ出す旨味が口の中で溶け合います。
味付けは老舗の歴史を感じさせる深みのある甘辛い醤油ベース。長時間じっくりと煮込まれているため、身の奥深くまで秘伝のタレが染み渡っており、ゴハンが進むのなんのって。青魚特有のクセは全く感じられず、皮目のプルプルとした食感から、骨の周りの一番美味しい身まで余すことなく堪能できる、魚好きにはたまらない定食です。
お味噌汁にはしっかりとしたアサリが含まれており、単なる付け合わせの域を超えた、主役級の満足感を与えてくれる一杯です。豊かな磯の香りと芳醇な味噌の香りが鼻腔をくすぐり、ひと口啜れば五臓六腑に染み渡るような滋味深く力強いコクを感じさせます。これが日本の定食だ。
なお、小鉢もいくつか用意されており、これらはメインの魚の脂をリセットし、食事全体にリズムを生み出す役割を担っています。
美味しかった。居酒屋でこのクラスのブリを食べることを考えると、当店の定食で1,500円というのは実に良心的な価格設定。他にもメニューは色々あって、次回は看板メニューの「ぶり丼」を試してみよう。脂の乗った天然ブリを醤油・わさびベースのタレでヅケにしているそうで、あまりの人気に12時過ぎには売り切れてしまうこともあるそうです。

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沖縄食堂Dining 東雲(しののめ)/旭橋(那覇市)

昼はボリューム満点の食堂として、夜は居酒屋として活躍する「沖縄食堂Dining 東雲(しののめ)」。旭橋駅下の国道58号線から一本裏道に入った場所に位置しており、地元色の強いお店です。
昼から紫煙が立ち込める店内。飲食店の殆どは店内喫煙不可であることが一般的なので、喫煙可のお店には自然と愛煙家が集まるのでしょう。座席数は多く、カウンター席にテーブル席、お座敷と、様々な用途に対応できます。
私は900円の「沖縄のちゃんぽん」に追加の200円で「半そば」を付けてもらいました。わざわざ「沖縄」と冠しているのは、内地でお馴染みのリンガーハットのような白いスープの麺料理ではなく、野菜炒めの卵とじをご飯に乗せた「丼もの」だからでしょう。
主題の「沖縄のちゃんぽん」。具材には玉ねぎ、人参、キャベツ、ニラといった野菜に加え、沖縄の食堂らしい「ポーク(ランチョンミート)」がたっぷり用いられています。野菜のシャキシャキとした食感がしっかり残っており、程よくジャンクな味付けです。
「半そば」は想像以上にきちんとした沖縄そばであり、ランチの定食のオマケとは一線を画す完成度。スープを一口含むと、まずは鰹の澄んだ旨味が口の中に広がり、その後を追うように豚のまろやかな甘みが全体を包み込みます。
麺には沖縄県内で人気を誇る「照喜名(てるきな)製麺所」のものでしょう。つやつやと輝く縮れ麺は独特の弾力と力強いコシを湛えており、喉ごしも見事。「半そば」であっても主食級の存在感を放つ一杯でした。
このボリュームとクオリティで1,100円。お腹も心もパンパンに満たされました。喫煙可という条件は嫌煙家にとっては困ったものですが、それも含めてこの店の味なのでしょう。ひと通りの沖縄料理は揃っているので、観光客がグループで夜に飲みに来るのも良いでしょう。

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