ライスカレーぺろり/目黒

神保町の老舗「まんてん」の流れを汲む「ライスカレーぺろり」。掘っ立て小屋というか何と言うか独特のエクステリアが目印です。場所はちょっと不便で、山手通り沿い目黒駅と中目黒駅の中間地点といったところでしょうか。並びには三田本店の直系で特別視されている「ラーメン二郎 目黒店」があります。
店内は狭小でカウンター席のみ。厨房に面した席と窓際の席だけで10席も無いかもしれません。それでもワンオペの店なので、このぐらいの規模がちょうど良いのでしょう。
入店してすぐに並べられるお冷とアイスコーヒー。スプーンを突き刺して提供するあたり、「まんてん」の系譜を感じさせます。コーヒーは香ばしいを通り越して苦味を感じさせるほどであり、それでいて薄いというまずい独特の味わいです。
カレーのほか「コールスロー」がメニューに載っていたので注文。これが中々のボリュームであり、ドレッシングに挽肉(?)も混ぜ込まれており、不思議な魅力を奏でます。量もたっぷりで、これで200円はお値打ち。必ず注文するように。
チーズカツカレーにパクチーをトッピングしました。普通盛りでこのサイズ感。皿は深く白米がジャンジャンに詰め込まれており、それが見えなくなるほどルーを満遍なく注ぎ、各種のトッピングした後にもう一度ルーをかけるという念の入れようです。
プレーンなカレーとカツカレーの差分は300円なのですが、300円のカツとしてはべらぼうに旨いですねえ。注文が入ってから衣をつけて揚げ始めるのでサクサクとした歯ざわりも醍醐味のひとつ。サイズ感も申し分なく、必ずカツも注文するように。
チーズは提供前にガスバーナーでしっかり炙るので、トロリと溶けた上に香ばしい風味を愉しむことができます。ルーは挽肉を除いて何が含まれているのか判別がつかないほど徹底的に煮込まれており、コク旨系の典型的なジャパニーズカレーです。ドロリとしたノスタルジックな食感も後を引く美味しさです。
以上を食べて総額で1,500円。普通盛りで一般的なカレーの倍ほどの量があるので、大変お値打ちと言えるでしょう。普通の食欲の方は中盛りや大盛りなどは食べきれないと思うのでご注意を。個人的には源流の「まんてん」よりも全然好き。「LAND(ランド)」「カレバカ世紀」「SPICECURRY KERAKU(スパイスカレーケラク)」など、目黒には魅力的なカレー屋が沢山あるなあ。

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市や区など狭い範囲で深い情報を紹介する街ラブ本シリーズ。2015年の『目黒本』発売から約4年の年月を経て、最新版が登場!本誌は目黒に住んでいる人や働いている人に向けて、DEEPな目線で街を紹介するガイドブックです。

焼肉はんべゑ/天王寺(大阪)

日本一高いビル「あべのハルカス」のお膝元にある「焼肉はんべゑ」。焼肉店としては日本初のミシュラン星付き店を目指すと宣言しており、星を獲得するまでは「スターゲット割」なる値引きを実施するとして話題となりました。
阿倍野の路地裏にある雑居ビル2階なのですが、店内は思いのほか(失礼)高級感があり、また入ってすぐの肉の詰まったショーケースにテンションがあげぽよです。カップルであれば厨房を囲んだカウンター席へ、半個室のテーブル席もいくつかあって、様々な用途に活用できそうです(写真は公式ウェブサイトより)。
まずはキムチ。白菜にキュウリにチャンジャにと選り取り見取り。写真は1人前で、グループで訪れても1人前づつ丁寧に盛り付けてくれます。酸味よりも甘味が支配的であり、後続の焼肉のタレ含め全体的に甘味に寄せたお店なのかもしれません。
肉刺しは3種から選択することができ、私はハラミ肉の刺しでお願いしました。筋肉質で鉄分を感じる力強さがあり、ああ、やっぱ生肉はうめえなあと思わずため息が出ます。
サラダにはケールなど味が強く苦味が感じられる葉物野菜を起用しており大人の味わい。コッテリとしたドレッシングがタップリとかかっており、酒が進むサラダです。
特上黒タン。エレガントな味わいながら程よく厚みもあって旨いタンです。
タン、続く。昆布締めにして熟成させたタンにタレのタン。昆布締めは面白い試みですねえ。何もつけなくとも程よく旨味が感じられ、焼肉の可能性を広げる逸品です。
こちらはハラミにサシたっぷりの何だっけな。同じジャンルの食材とは思えぬ味覚の対比であり、宇宙人にブラインドで食べさせても、どちらも同じビーフだとは信じてもらえないでしょう。
季節の焼き野菜。なのですが、いったん蒸してくれているので、セルフで軽く焼き目を付ける程度でOKです。焼肉における焼き野菜は火を通すのが難しく黒焦げになってしまうことが多いので、この工夫は大いにアリですね。
ホルモン盛り合せ。きちんと1人前づつに盛り付けてくれ、部位ごとに丁寧に説明してくれるのが有難い。焼肉の終盤のホルモンって、ごっちゃに盛り付けられて味付けもぐっちゃりしてて何やわからんパターンが多いですが、その課題を鮮やかに解決してくれました。
コムタンスープが美味しい。牛のエキスが溶け込んだスープだけでも美味しいのに、ホロホロと崩れゆく柔らかな肉塊が堪りません。これにライスをぶち込んでも旨そうである。
〆のお食事は牛丼もしくは冷麺からの選択式で、私は牛丼を注文。これまでの焼肉とは調理のベクトルが全く異なり、煮詰めたすき焼きと言うべきか牛しぐれ煮というべきか、いずれにせよ美味。濃いめの味付けに卵黄のトロリとした甘味が良く合います。
デザートはパインシャーベット。シャーベットと言いつつも口当たりは滑らかで、上質なジェラートのような品の良さが感じられました。

以上のコース料理が1万円ポッキリ。酒も千円を切る飲み物が殆どなので、つまり大変素晴らしいお店です。これだけの質および量の焼肉料理を食べて、「よろにく」のような今風焼肉よりも全然安いとは悪い冗談としか思えません。ハルカスのマリオットに泊まった際のディナーの候補としてどうぞ。

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それほど焼肉は好きなジャンルではないのですが、行く機会は多いです。お気に入りのお店をご紹介。
寺門ジモン監督の焼肉映画。焼肉文化についてここまでシリアスに描けているのは監督の焼肉に対する並々ならぬ拘りに因るのでしょう。焼肉業界の有名店や有名人も沢山登場するので、焼肉通を標榜するのであれば必修科目の1本です。

merachi (メラキ)/西麻布

2021年末にデビューし、瞬く間に港区の粋人たちから支持を得た「merachi (メラキ)」。場所は西麻布の交差点から徒歩数分。「フレンチモンスター(FRENCH MONSTAR)」「焼鶏ひらこ」などあの辺りです。
店内は落ち着いた雰囲気で一枚板のカウンターが印象的。イタリアンレストランというよりはバーのようなインテリアです。座席はカウンター席のみなので、グループで訪れるというよりは1-2人で訪れたほうが良さそうです。

杉本功輔シェフはイタリアで腕を磨き、コペンハーゲンやバンコクでも経験を積んだそう。帰国後は銀座の「FARO(ファロ)」でスーシェフを務めたようです。
ワインはイタリアワインが中心ですが、フランス産も結構置かれています。グラスもあるし、ウォークインセラーにお邪魔してお気に入りの1本も見つけるのも良いでしょう。ボトルワインは6千円台から始まり、この手のレストランとしては良心的な価格レンジです。
お口取りにチップスとホイップバター(だっけ?)。ジャガイモそのままでも美味しいのに、リッチな乳製品のコクを感じながらキャビアで塩気をトッピングする幸福。
メジマグロのカルパッチョも秒で出てきます。一般的にカルパッチョとは軽く爽やかな印象が強い料理ですが、このマグロは何ともリッチな口当たりであり、記憶に残る味覚です。
オマケでゼッポリーニも出てきました。乾杯してからここまで出揃うまでおよそ1分。最初のひと口が出てくるまで30分を要する「ドンブラボー(Don Bravo)」は当店に研修に来ると良いでしょう。
特大の牡蠣。きちんと火は通っており、そっち系が苦手な方でも大丈夫です。牡蠣の塩気と旨味をマスカルポーネがしかと受け止め、素朴ながら絶対に美味しいひと品です。絶対に。
木更津産のチーズにイタリア人がアメリカで作る生ハムという地理的にややこしいひと皿。生ハムはコンドームのように薄くエアリーな食感。水牛のチーズはリコッタタイプとモッツァレラ風の両方が盛り込まれており、乳の濃厚な風味に淫します。
自家製のフォカッチャは座布団のようなサイズから切り分けるのが楽しい。水分にホエーを用いているそうで、ジュワっとジューシーな口当たりが特長的です。
太刀魚のフリットは自家製の七味で頂きます。ごくごくシンプルな料理ですが文句なしに旨い。その率直な味わいはどこか日本料理のような潔さすら感じさせます。
アスパラに「昔翁の卵」を盛り込み、アジアーゴ(チーズ)をふりかけます。穂先のピュアピュアにグリーンの味わいはそのまま食べてバリ旨い。中央部はソースをコッテリと絡めてダブルの美味しさです。
パスタはタリオリーニから。イカスミが練りこまれており麺そのものの旨味が強い。具材にはアオリイカがたっぷり起用されており、その身のキレイな味わいからパスタのコクへの移り変わりが素晴らしかった。
目の前でシェフ自ら手打ちするトロフィエ。ソースはジェノベーゼであり、濃厚な緑の味わい。もちろんパスタの旨さもバッチグー。トドメに桜エビがワラワラと振りかけられており、即死的な旨さが感じられました。
メインは「足利マール牛」のカイノミ。これまたシンプルな調理ですが、ソースはチミチュリで、酸味と青っぽい香りが印象的。肉そのものの美味しさはもちろんのこと、ローストした季節のお野菜たちもグっとくる旨さです。
デザートのチーズケーキにはゴルゴンゾーラチーズが用いられており、独特のカビの香りと塩気で大人の味わいです。手前のバナナのジェラートも品の良い甘さであり、素朴ながらまことに上質なひと皿でした。
焼きたてのマドレーヌとお茶でフィニッシュ。ごちそうさまでした。

以上のコースが1.3万円で、ワインをひとり1本ペースで飲んで、サービス料を含めてひとりあたり2.3万円ほど。これだけ上質な料理をたっぷり食べて(かなり量が多い)、この支払金額はお値打ち。何より料理が旨いですね。質実剛健ながら日本的な繊細な感性も感じられ、当店の料理を嫌いだという人はかなり珍しく、死んだほうが良いかもしれません。それぐらい皆に勧めることができるレストランです。

遅い時間であればアラカルトでの注文もOKとのことで、次回は2次会使いで言ってみようかしら。贅沢な2次会だこと。

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イタリア料理屋ではあっと驚く独創的な料理に出遭うことは少ないですが、安定して美味しくそんなに高くないことが多いのが嬉しい。

日本のイタリア料理の歴史から現代イタリアンの魅力まで余すこと無く紹介されており、情報量が異常なほど多く、馬鹿ではちょっと読み切れないほどの魅力に溢れた1冊です。外食好きの方は絶対買っておきましょう。

川かみ鮮魚 魚坊(いゆぼう)/牧志(那覇)

牧志の街はせんべろ文化が色濃く、どの飲み屋も競うようにその費用対アルコールを主張しているのですが、中でも最強と名高いお店がココ「川かみ鮮魚 魚坊(いゆぼう)」。
店内はとりとめのないインテリアであり、従業員の国籍もバラバラという近未来な光景です。せんべろの店なので予約なんてするわけないのですが、混んで来ると「予約はされていますか?」という印籠のようなフレーズで追い返されるので、空いているタイミングを見計らって訪れましょう。
このあたりのせんべろ店は「ドリンク3杯にツマミ1品で千円」というのが相場ですが、当店はそれに加えて刺身の盛り合わせも付いて来ます。生ビールは普通に美味しく、どうやって利益を挙げているのかは牧志の七不思議としてよく話題になります。
お刺身は1人前で12切れも提供され、回転寿司なら普通に6皿プライスです。この刺盛に飲み物が3杯も付いて、おまけにツマミも1品選べて千円ポッキリとは完全にシンギュラリティを超えています。
私は選べる1品として「アラ煮」を注文。ヘンな表現ですが普通に美味しく、東京の雑な居酒屋でも680円は請求されるクオリティです。
連れは「テビチ」をチョイス。いわゆる豚足の煮込みであり沖縄の郷土料理でもあるのですが、そのへんの観光客向けの居酒屋で出されるものと同等の味わいです。
追加で「白身のタレ焼き」を注文すると、外国人従業員に「コレハ単品デヨロシイデスカァー?」と念を押される。なるほど千円だけ払ってパっと帰る客が多く、追加で注文するゲストは少数派なのかもしれません。それにしても「単品デ」だなんてスラング(?)を自由に操る那覇の街は自由だ。
「ムロアジ唐揚げ」は300円。飲み屋で初めて注文するお魚ですが、いわゆるスマートなアジといった味わいでした。
ホタルイカ沖漬けも300円。どっしりと深みがありアルコール分すら感じる力強い味わいです。これは日本酒が欲しくなります。
〆の「近海漬けマグロ丼」は500円。このあたりのマグロは瑞々しいを通り越して水っぽくもあり、本州の高級品に比べると別の食べ物ではありますが、500円という価格設定を考えれば良い勝負を展開します。お椀には魚介のエキスがたっぷりと溶け込んでおり手堅く美味しい。
しっかり飲み食いしたのですが、お会計はひとり2千円を切りました。学生の宅飲みよりも安くつく計算であり、どういうこっちゃねん。東京で何だかよくわからない横文字の会社に勤めながらシャンパーニュを飲む生活には憧れますが、南国の雑な飲み屋でthinkよりfeelするのもcoolな人生です。

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沖縄通を気取るなら必ず読んでおくべき、大迫力の一冊。米軍統治時代は決して歴史のお話ではなく、今の今まで地続きで繋がっていることが良くます。米軍の倉庫からかっぱらいを続ける悪ガキたちが警官になり、教師になり、ヤクザになり、そしてテロリストへ。沖縄戦後史の重要な事件を織り交ぜながら展開する圧巻のストーリー構成。オススメです。