トックブランシュ(Toque Blanche)/芝公園

芝公園や増上寺の向かい側にある1982年創業の老舗フレンチレストラン。名店「クレッセント(THE CRESCENT)」のすぐ近くです。今夜はヒマであると悟ったのが18時過ぎ。であれば近場のギャルと飲みに行こうと今朝SNSにコメントをくれたご近所さんに声をかけ、そこから1時間以内に入店とシームレスな流れです。
入って手前側は公園を望む雰囲気の良い席。店の奥は照明が明るくファミレス感が出ているので、予約時に座席を指定したほうが良いかもしれません。

「ねえ、ちょっとご無沙汰すぎるんじゃない?あたしのコメント、ちゃんと読んでくれてる?あれ、『そろそろ誘ってきなさいよ』って意味だから。女の子にこんなことさせないでよね、プンプン」
飲み物が驚くほど安く居酒屋価格です。生ビールはピッチャーでも注文できるのにわろてまう。我々はスパークリングワインを1本と、終盤に赤ワインをカラフェでお願いしました。

ごめんごめん、それにしても相変わらず可愛いよね。どうしてこんなに間隔をあけてしまったのかと後悔しているところだよ。「そんなこと言ってくれるの〇〇さん(私の名)だけだし。でも嬉しい。ありがと」
「シェフのおまかせフルコース」を注文。まずは前菜に鴨と鶏の燻製が交互に並べられます。薫香が食欲を刺激し旨味も強い。安定した味わいです。

ちなみに私はお世辞を述べているわけではなく、心からそう思って言っています。基本的に私は思ったことを態度で示すタイプであり、場合によってはセクハラ呼ばわりされるのが辛い。嫌な時代になったものである。
カボチャのスープもベーシックであり、フランスそのものといった気取らない味わいでした。

異性を外見で選ぶというのはとても重要なことだと私は本気で考えています。自分の好みの女の子であれば、その笑顔を引き出したいと自分が頑張りますし、彼女が何かミスを犯したとしても「可愛いから、ま、いっか」と、広い心と深い愛で許せてしまうもの。
パンが旨い。水分量が多くジュワっとした食感であり、パンなのにジューシーに感じます。

逆に「異性は顔で決めてはならない」と主張する人と付き合うのは結構つらい。それは言動や立ち振る舞いにひとつでもミスがあるとアウトだぞという意味であり、距離を置かれた時は人間性を否定されたことに他ならない。
メダイのポワレはカチカチに火が通っているのが残念ですが、ニンジンのソースなど心あたたまる風情があり、まさに家庭的な味わいです。

「うーん、あたしはちょっと違うかなあ。外見っていうより、もっと根源的で生理的な、直感で決めてるかも。会った瞬間にアリかナシか既に決まっている」この子は結構すごいことを言っていますが、遺伝子レベルで合う/合わないの判定は本当にされているとも思います。DNAレベルでのマッチングが上手くいかないまま無理に子孫を残すと、ヒトという生き物として色々と不具合が生じるかもしれないという仮説です。
メインは「スペイン産赤豚肩ロース肉の赤ワイン煮込みブラウンソース」。煮込みが強く肉がボソボソになっているのが玉に瑕。しかしながら全体としてはわかりやすい調味であり、平易に気楽に食べることができます。
デザートはモンブランに季節のフルーツ。結構なボリュームがあり栗のペーストなど原則的な味わいで素直に美味しい。

「だからさ、こうしてふたりでデェトしてるだけで、脈がないことはないってことよ、わかるでしょ?」彼女の笑顔は結構あざとい。
コーヒーを飲んでごちそうさまでした。「今夜は誘ってくれてありがと。いいよね、こういうお店。そんなに気合い入れなくて良くて、肩ひじ張らなくて。でもそこそこ美味しくて、そんなに高くない。まるで〇〇さん(私の名)そっくり」
「ねえ、ちょっとウチ寄ってきなよ。夜景が自慢なんだから」ワンチャンあるということで彼女のお宅にお邪魔すると、想定以上のガチ夜景で腰を抜かしました。ひとりでこんなに立派なおうちに住んですごいねえ、家賃とか高いんじゃないの?と思わず品の無い質問を投げかけると、「うーん、40万円ぐらいかな?」


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マレーシア航空ファーストクラス/クアラ・ルンプール→成田

ファーストクラスでの世界一周の旅、最終章。〆はマレーシア航空でクアラ・ルンプールから成田へと向かいます。
ちなみに予約をした時点ではファーストクラスだったのですが、搭乗時には「ビジネススイート」という新しいブランドへと進化していました。「ファーストクラスでの出張など贅沢だ!けしからん!」という世の風潮を敏感に察知したマレーシア航空が、座席とサービスの内容は変えず名称だけ「ビジネス」と冠し、出張族でも気兼ねなしに利用してもらおうと戦略的に新設した斬新かつ狡猾なクラスです。なお、予約クラスはFのまま。
まずはファーストクラスラウンジから。チェックインなど事務処理を行うターミナルからエアロトレインに乗り、サテライト側2階のへと向かいます。自社有償のファーストクラス客だけでなく、ワンワールドのエメラルドメンバー(JALだとJGCプレミア以上)も受け入れている模様。
いきなりの濡れ場で恐縮ですが、日中はクアラ・ルンプールの街を歩き回り汗みずくとなっていたので、まずはシャワーを浴び着替えを済ます。シャワールームの仕様は一般的なラウンジのそれと同等であり、ファーストクラスらしさはありませんでした。
サッパリした後は案内係に促され、ダイニングエリアへと移動。内装ならびに椅子やテーブルなど全てが高級レストランのそれと同等であり、平たく言うとテンアゲです。
シャンパーニュはドゥ・ヴノージュの安いやつのみ。うーん、これはファーストクラスラウンジとしては少し貧弱ですね。アメリカン航空のクリュッグ飲み放題などを見習ってほしいところ。機内の泡がより上質であることを期待して数杯に留めます。
料理はアラカルト形式で、お好きなものをお好きなだけ。まずはシュリンプカクテル。盛り付けこそは立派ですが、まあ、普通のエビでした。
サラダにも仰々しい料理名がついていましたが、普通のミックスサラダです。うーん、このラウンジの料理は不味くはありませんがファミレスレベルですね。あるいはクルーズ船のレストランに似た方向性です。
チキン。この料理はグッドです。鶏肉そのものの美味しさもさることながら、カレー風味のソースも食欲をそそる味わいでした。
他方、カニのパニーニは全然ダメ。期待していたほどカニ肉は挟まれておらず、パンは妙に油っぽく野暮ったい。付け合せのポテトチップスのほうが美味しく感じるレベルです。
満腹になったのでラウンジエリアへと移動。このラウンジ、人は少なく雰囲気は良いのですが、しっかりとパソコンが打てるようなデスクが無く電源も限られているので作業場としては微妙です。お隣のビジネスクラスラウンジへと移動しようかとまで考えてしまいました。
なお、ラウンジエリアには料理は置かれておらず、ダイニングでしっかり食べなさいというルールです。アルコールも置かれていないのですが、それはスタッフに言えばダイニングにあるレパートリーの中から持ってきてもらえます
搭乗。シンプルでスッキリとしたデザイン。他社のファーストクラスに比べると横幅が少し狭く感じます。
ちなみに今回の機材は最新鋭のA350。ファーストクラスは4席のみと特別感があります。
座席は狭いですが収納は恐ろしく広い。並のバッグであれば余裕で脇の収納に片付けることができるでしょう。いきおい頭上の棚はスッカラカンとなるので、収納効率はあまり良いとは言えません。
手元の収納は電源やUSBポート、操作パネルやシート調整ボタンなどが一堂に会し使い勝手が良い。鏡も備え付けられており女子に優しい。
ウェルカムシャンパーニュはコント。私の最も好きな泡のひとつであり、他のゲストは一切飲んでいなかったので(宗教上の理由?)独り占めです。同時に飲み切らなければ流しに捨てられてしまうという妙な義務感も生じました。
機内用のパジャマも用意されます。が、飛行時間は7時間とそれほど長くなく、そもそも半そで半ズボンというパジャマよりもカジュアルな服装であったため、今回はお着換えしませんでした。
アメニティが詰まったバッグは高級皮革アクセサリを専門とする英国の「アスピナル・オブ・ロンドン(Aspinal of London)」のもの。普通に買えば何万円もするようなポーチで嬉しいのですが、果たして飛行機という移動手段で必要な演出かと問われると疑問。ジップロックでいいからその分チケット代を安くして欲しい。
アメニティそのものはフランスの「PAYOT」。マレーシアのフラッグキャリアに乗り、イギリスのポーチを開ければフランスのコスメが入っておりとりとめがありません。
そうそう、今回の機材は上空でwifiを利用することができます。ファーストクラス客はクーポンをもらえるので無料。ただしFだろうがCだろうがYだろうが使用する回線は同じであり速度が全く出ないので、実質使い物になりませんでした。
安定飛行に入り、食事が始まりました。レッドアイフライトでありラウンジでしっかりと食べていたので、ちょっとつまむ程度です。マレーシア航空自慢のサテだったのですが、これがびっくりするほど不味く、セブンイレブンのホットスナックのほうがレベルは上です。今後の食事にも見るべきものは何もないだろうと判断し、「朝食も何ももう要らない」とCAに伝え、ふて寝します。
歯磨きに行っている間にベッドを作ってもらいました。改めてみるとやはり狭い。収納スペースあんなに要らんやろ。
照明を落としドアを閉めるとまるで漫画喫茶のようです。敷布団の厚さも薄く寝心地はあまり良いとは言えません。マレーシア航空はファーストクラスを戦略的に「ビジネススイート」と呼ぶことにしましたが、なるほどそのクオリティはまさにビジネスクラスであり、日系ならびに中東系エアラインのビジネスクラスよりも質が劣るような気がしました。

ということで、半年かけてワンワールドのファーストクラスを乗り比べて来ましたが、あえて序列をつけるとするならば

【機内】

【ラウンジ】
カタール>超えられない壁>アメリカンブリティッシュエアウェイズ>マレーシア≒JAL
(※キャセイのファーストクラスラウンジは利用せず)

という並びになります。JALは機内は良いのですがラウンジが貧弱ですねえ。機上でキャビアとかサロンとかは正直過剰なので、その分ラウンジを充実させて欲しいところです。その逆はアメリカン航空。ラウンジは魅力的ですが機内はただ寝るだけという、ある意味では最も合理的な仕組みかもしれません。総合力という意味ではカタール航空が一番でしょう。あのラウンジの豪華さはラウンジの定義を根底から覆す破壊力があります。

ということで、ファーストクラスでの世界一周の旅は一旦終了。そして先ほど、2週目をポチりました。12月下旬に日本を発ちます。それではさらばだ。


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カカオティエ ゴカン(Cacaotier Gokan)/北浜(大阪)

有酸素中毒の女の子から「せっかく近所に住んでるんだし、一緒に皇居ランしようよ」とお誘いを受ける。自転車や水泳にはなじみ深いのですが、まともに走るのは高校のマラソン大会ぶり(しかも雑に取り組んで360人中300位ぐらいだった気がする)です。
ちょうどその時、アマゾンのタイムセールが開催されていました。ランニングシューズの相場は全く存じ上げないのですが、きちんとしたブランドのものが4千円台ってのは悪くない気がしてそのままポチりました。「え?4千円?ちゃんと走るなら1万円~ってところだと思うけど。あたしはそういうシューズを3足でローテーションしてる」ランニング業界も奥が深い。
自宅から皇居までは約4キロ。皇居は1周約5キロ。復路は再び約4キロのトータルで13キロ。これまでの人生における最長距離は高校のマラソン大会の9キロだったので、いきなり1.5倍の人生最長距離を走ることになります。何かあった時に電車かタクシーで帰れるよう、ポッケにパスモと5千円札を忍ばせておくのを忘れずに。
「今日は祝日だから空いてるね」あきらかに私に歩調を合わせて余裕しゃくしゃくの彼女が語る。ちなみに平日のゴールデンタイムは目も当てられないほどの混雑ぶりらしいですが、終電が無くなると途端にガラ空きとなり、警察しかいなくなるらしいです。
「そうだ、プレゼントあるからココで待ってて」クールダウン後、小走りに自宅へと駆けていく彼女。戻ってきたその手には豪華な紙袋に入ったショコラ。大阪は北浜の名洋菓子店「五感」がチョコレート専門店として手掛ける「カカオティエゴカン」の、とにかくカカオに拘るビーン・トゥ・バーのショコラです。
「カカオティエ」を標榜するだけあって、ショコラそのものの味わいが秀逸。コロンビア産シングルオリジンのボンボンはドライフルーツのような凝縮感のあるコクに円みのある酸味、大人の苦味。日本のショコラティエとしてはトップクラスの味覚です。
ベトナム産カカオのタブレットに絶句。華やかな香りに勢いのある酸味、全体として焦げたようなニュアンスのある香ばしい香り。これは旨い!かなり振り切った斬新なショコラです。正直驚きました。

自宅に戻りものの15分で全てを平らげてしまいました。カロリーで計算するとプラスマイナスややプラスくらいでしょう。美食とはそういうものである。


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男、かつ、左党の割にスイーツも大好きです。特にチョコレートが好きですね。JPHが基準なので、スイーツの評価は厳し目かもしれません。

難解な理論をユルいトーンで柔らかく読み解く専門書。チョコレートに係る基本的な素養から、文学や映画など芸能との関係まで解かり易く解説。ぜひチョコレートを食べながらのんびりと読んでみましょう。

富士屋本店/渋谷

立ち飲みの聖地とも言うべき渋谷「富士屋本店」。渋谷再開発事業の一環として2018年秋に惜しまれつつ閉店しましたが、手を変え場所を変えワインバーとして再出発しました。系列である立ち飲みビストロの印象がたいそう良かったので、期待に胸を膨らませて渋谷店へと訪れます。
奥に広い間取りであり、テーブル席、ハイチェアのカウンター席、立ち飲み席と色々な使い方ができます。常に満席に近いのですが回転も速いので、まあ、なんとかなるでしょう。我々も平日19時に予約なしで訪れたにも関わらず、すんなりとハイチェアのカウンター席に滑り込むことができました。
生ビールは450円。この手のレストランとしては破格の値付けであり気前よく飲むことができます。
香草ボンバー。いわゆるパクチーサラダです。味付け海苔のアクセントが思いのほかグッド。今度おうちでも真似してみよう。
パテドカンパーニュはハンバーグのパティサイズのものが2枚入って600円と大盤振る舞い。味もデパ地下レベルは維持しており、というかデパ地下で買うよりも安いやん。
鶏肉のなめろう。え、そんな料理ってあるんだ、こんなに生で大丈夫?と心配になるほど生肉生肉した料理です。オクラのようなネットリぬらり感があり珍しい食感。ありそうでない、斬新な一皿でした。
ワインに入ります。富士屋本店は酒販店でもあるので酒が全般的に安い。グラス3杯は余裕で取れるカラフェが1,000円~と酒飲みの味方です。
生肉原理主義の我々は馬肉のカルパッチョも頂きます。馬肉って4~5切れ入って1,800円みたいな居酒屋が多くていつも取り合いで喧嘩になる印象が強い素材なのですが、当店は山盛り入って750円と格安。これ1皿にグラスワイン1杯だけ飲んで帰ったとしても満足感ありそう。
サザエの肝バター焼き。ダイスカットされた大量のサザエにこれでもかというほどの肝のソース。旨味10,000ベクレルに達する暴力的な味覚であり、心地よい苦味さえ感じる程の圧力です。これが、ジャパニーズ・エスカルゴだ。日本酒ください!
このお店の面白いところは薪焼きのピザ窯があって、生地から作り焼き上げる本格的なピッツァが食べられるところ。しかも1枚1,000円~とリーズナブルで、味もかなり旨いのである。
内臓を山椒で炒めた料理。中華料理を感じさせる独特の調味に内臓のコク、山椒の爽やかな香り。まさに大人の味であり、お酒のツマミとして秀逸。
鴨ロースのロティは1,300円。量がしっかりあって、肉質も悪くありません。赤ワインをゴクゴク飲みながら至福のひととき。
〆にクアトロフォルマッジでごちそうそうさまでした。

オジサン2人でぶっ倒れるほど飲み食いしてひとりあたり9,000円。普通の人が普通に食べれば4~5千円で済むはずなので、立地と料理のクオリティを考えれば費用対効果抜群です。回転も良く予約ナシでフラっと入れるのも使い勝手最高。サク飲みマジ飲みいずれにも対応可。オススメです。


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