とんかつ 豚組食堂(BUTAGUMIDINING)/六本木

西麻布の高級トンカツ「豚組(ぶたぐみ)」のセカンドライン「とんかつ 豚組食堂(BUTAGUMIDINING)」が六本木ヒルズ内でお引越し。メトロハットのレストラン街に移り「篝(かがり)」の並びに位置します。11時にオープンし23時に閉店、そのうち休憩は1時間のみとタフな営業スタイルです。
外国人を中心に人気のお店なので、行列を避けるためにオープンとほぼ同時にお邪魔しました。店内中央に厨房があり、マグロの解体ショーさながらに豚肉が手切りされています。子連れもOKで、テーブル席は外国人観光客で埋まってワイワイ楽しそう。いいぞもっと日本を好きになってくれ。そして有事の際は味方になってくれ。
注文を済ますとすぐにキャベツとお漬物が供されます。キャベツと白米はおかわり無料で、トンカツが揚がるまでにベジファーストで内臓を落ち着けます。とんかつソースはもちろん専用のドレッシングも用意されているのが良いですね。
注文から15分ほどで「ロースかつランチ 220g」が到着。2,050円です。かなりの厚切りなので、調理に時間を要します。そもそも行列しがちなお店でもあるので、時間に余裕をもって訪れましょう。
衣は粗くザクザクとした歯触り。黄金色に近い揚がりです。肉はしっとりと瑞々しく、脂とのバランスが素晴らしい。アンデスの塩で食べても良し、とんかつソースで食べても良し。ちなみに豚の銘柄は日に拠って異なるそうです。
ライスはふっくらと丁寧な炊きあがりで甘味を強く感じました。もちろんおかわりOKです。
他方、お椀は一般的な赤出汁でした。せっかくのトンカツ屋なのだから、別料金でも良いので豚汁を用意して欲しいところです。
以上の定食が2,050円。六本木の一等地でこれだけ上質なトンカツを食べてこの支払金額はリーズナブル。ちなみに3千円チョイであればプレミアム銘柄豚も選べたようなので、次回はそちらを試してみよう。いや、夜に飲み屋として使う案も捨てがたい。「イマカツ」含め、六本木には良いトンカツ屋がたくさんあるなあ。

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私は「とんかつ」という料理をそれほど好みません。だって、豚肉を脂で揚げるだけじゃないですか。それなのに、行列するは調理に時間がかかるわ結構高いわで、積極的に取り組もうとしないのです。したがって、私は物凄く「とんかつ」ならびに「とんかつ屋」について、検察官のようにシビアに評価しています。思い入れが無い分、信憑性は高いかもしれません。

トンカツだけでなく揚げ物全般について注力した興味深い本。トンカツを単なる洋食系の揚げ物から偉大なごちそうへと昇華させる秘訣が惜しみなく紹介されています。写真を眺めているだけで腹が鳴る。

RESTAURANT hidamarino(レストランヒダマリーノ)/四条烏丸(京都)

阪急烏丸駅の15番出口をでてすぐ、高倉通沿いにある「RESTAURANT hidamarino(レストランヒダマリーノ)」。京都のど真ん中オブど真ん中であり、商用にも観光にも便利なエリアに位置します。食べログでは百名店に選出。
木材の温かみを感じる店内。キッチンに面したカウンター席に加え、ダイニングエリアはテーブル席もいくつか用意されています(写真は食べログ公式ページ)。

桝村浩史シェフはご実家が洋食店だそうで、ご自身も料理の道に入り京都のホテルやフランス料理店で腕を磨いたのち、ワインのインポーターを経て現職。積極的にホールに出てサービスもこなすという、「Élan.MIYAMOTO(エラン ミヤモト)」を想起させるスタイルです。
ドリンクの値付けは悪くなく、京都のクラフトビールは千円かそこらであり、料理に合わせたペアリングも用意されています。杯数に応じて価格は変動しますが、我々は6杯6千円のプランでお願いしました。
アミューズがかわちい。卵の殻にはたっぷりの玉ねぎとそのペースト(すりながし?)、絶妙な温度にコントロールされた卵黄が詰め込まれています。トリュフでの香りづけも的確で、港区のアホなパパ活会場店に見習わせたい気分です。
サクラマスにホワイトアスパラガス。こちらも温度管理に気を配っており、シットリとした口当たりに思わず笑みがこぼれます。ソースの味覚も多彩であり、お完璧な味わいです。
ナヴァラン・ダニョー。フランスの定番料理であり、いわゆる仔羊とカブの煮込みです。それでもカブの色合いやクスクスを用いての食感の変化を表現するなど、家庭料理をガストロノミーに上手く昇華させています。
バゲットが凝っていて、ゲスト自らニンニクやトマトを擦り付け、塩やオリーブオイルで仕上げます。セルフでのパン・コン ・トマテであり、これだけで立派なひと品です。
スープという位置づけなのですが、中央にドッシリとしたホタテが鎮座しています。生ハムを用いて塩気や旨味を添加しており、ザクっとしたズッキーニも敷かれており、食べ応えのあるスープです。
お魚料理はヒラスズキ。菜の花を活用して味わいに変化をつけ、プレゼンテーションもアーティスティックに仕上げます。身の密度が高く思いのほか腹に溜まりました。
メインは鴨肉。ストレートど真ん中の調理であり、これぞフランス料理と言わんばかりの味わい。肉質に弾力があり、ムッシャムッシャと逞しい。
デザートは甘夏にフキノトウなのですが、想像以上にフキノトウの風味が強く、フキノトウよりもフキノトウの味がする。程よく苦味がきいて大人の味わいです。
お茶菓子にカヌレが出てくるのが美味しい。紅茶をマッタリと楽しんでごちそうさまでした。

以上のコース料理に加え、昼から中々しっかり飲んでお会計はひとりあたり1.5万円。正統的なフランス料理とワインを楽しんでこの支払金額はお値打ち。ランチでかなりしっかりしたボリュームなので、ディナータイムはどんな事態になるのかしら。次回は夜にお邪魔したいと思います。

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京都はとにかく和食がリーズナブルですね。町全体の平均点が高いのはもちろん、費用対効果も良いことが多い。その文化に影響を受けてか、欧米系のレストランにも目が離せない魅力がある。
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オステリア マキ(OSTERIA MAKI)/武蔵小山

2023年8月、洗足池の「オステリア・ダ・ピンチョ」が武蔵小山に移転リニューアルオープン。新店名は「オステリア マキ(OSTERIA MAKI)」と覚えやすい。場所は武蔵小山駅から歩いて数分。1階の整骨院の主張が強く目を奪われますが、その脇のガラス戸を開けた先の階段を昇った2階に位置します。
店内はコンクリート打ちっぱなしでシャープな印象ですが、木のカウンターからは暖かみが感じられます(写真はホットペッパー公式ページより)。席数はゆったり座って7-8席といったところ。

牧健二シェフはイタリアはローマで腕を磨き、帰国後に目黒「マジカ」の厨房を預かった後、独立。楽しいロークで盛り立ててくれる、気さくなあんちゃんです。
アルコールの値付けは良心的で、グラスワインやビールは千円前後であり、スパークリングワインなんて780円です。我々はボトルで臨んだのですが5-6千円台のものも多く、つくづく武蔵小山とは良い街だと思いました。
まずは海鮮サラダ。気前の良いサイズ感のエビが組み込まれており私嬉しい。お野菜も実に新鮮で、サラっとしたオリーブオイルの風味が抜群に映えます。
花ズッキーニのフリット。これは「マジカ」時代からの定番メニューですね。外皮はポップな口当たりですが内部は実にジューシー。人の心に真っ直ぐ届く、率直な美味しさです。
アカハタとハマグリのアクアパッツァ。ムチムチとしたお魚とブリンブリンとしたハマグリの食感のコントラストが心地よい。また、アクアパッツァはドデカイポーションで提供されることが多い中、当店はコースにちょうど良い形に整理してくれているのも嬉しいです。
カチョカヴァッロのカツレツ。こちらもシンプルな仕立てではありますが分かり易く美味しい。丸ごと一個、無限に食べ続けたいレベルである。
パンも素朴な味わいで、ソースやオイルを拭って食べるに最適。先の溶けたチーズによく合うんだなこれが。
お肉は和牛のシンシン。7千円のコース料理でこのクオリティの牛肉が登場するとは驚きです。濃いめの赤ワインと共に至福のひととき。ムシャムシャ。
パスタはその日のラインナップから好きなものを選ぶことができるのですが、せっかくなのでローマ料理の定番、カーチョ・エ・ペペをチョイス。パスタはトンナレッリで、ザクザクとした歯ごたえが堪りません。麺そのものの美味しさを心ゆくまで堪能できるひと皿です。
パスタがあまりにも美味しいので追加料金でもうひと皿。お肉たっぷりのボロネーゼ。ほのかに香るシナモンの風味が実に洒落ています。そしてやはり麺がバリ旨い。21:30以降はバー営業となりアラカルトの注文も可能なので、二次会でワイン2-3杯に〆のパスタのような悪魔的な楽しみ方が目論めます。

以上を食べて、けっこう飲んでお会計はひとりあたり1.5万円ほど。普通の飲食量であれば1万円でお釣りがくる設計で、とっても万歳。武蔵小山の住民が羨ましい。

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イタリア料理屋ではあっと驚く独創的な料理に出遭うことは少ないですが、安定して美味しくそんなに高くないことが多いのが嬉しい。
イタリア20州の地方料理を、その背景と共に解説したマニアックな本。日本におけるイタリア風料理本とは一線を画す本気度。各州の気候や風土、食文化、伝統料理、特産物にまで言及しているのが素晴らしい。イタリア料理好きであれば一家に一冊、辞書的にどうぞ。

すーまぬめぇ/国場(那覇)

沖縄の観光客向けのメディアでは必ず取り上げられる「すーまぬめぇ」。那覇市国場という旅行者からはちょっとアクセスの悪いエリアに位置します。駐車場の用意もありますが、このあたりの道路は狭く勾配も急だったりと、一見さんに運転はオススメしません。タクシーで向かいましょう。国際通りから1,500円ぐらい。帰りは近くの国道からすぐに拾えます。
我々は待ち時間なくスルっと入店できましたが、退店時は20人近い行列ができており、人気のほどが伺えます。ちなみに印象的な店名は沖縄の方言で「潮間さん家の前」の意味だそうです。店構えの雰囲気は八重瀬町の「屋宜家(やぎや)」に似てるかな。
伝統的な古民家をリノベーションした店舗であり、内席であれば靴を脱いで畳へとあがるちゃぶ台方式。外席では靴を履いたままのテーブル席があります。豊かな緑に赤瓦が良く映え、沖縄に来た感に溢れています。ちなみに店主は陶芸家でもあり、食器類などはご主人のお手製だそうです。
私は人気ナンバーワンの「スペシャルそば」を注文。千円です。ベーシックな沖縄そばに本ソーキ、てびち(豚足)、三枚肉という黄金トリオが肩を並べます。
肉類にはかなりの迫力があり、そのまま酒のツマミにして酒盛りでも始めたいレベルです。分厚く噛み応えのある三枚肉を口に含んだ後、プルプルとしたてびちの食感に舌鼓を打つ。本ソーキの骨付きの部分も見逃せない美味しさ。これぞ沖縄そばの美点である。
麺は中くらいの太さの平打ち麺。やや固めに茹でられておりサクサクとした噛み応えで歯切れが良くテンポ良く食べ進めることができます。スープはカツオ出汁がベースであり、その上に豚や鶏など動物的な旨味が折り重なっているように感じました。
連れは「ゆしどうふそば」を注文。着丼してびっくり、想像を遥かに超える量の豆腐がぶちこまれています。加えて三枚肉も気前よくトッピングされており、体積や質量という意味では「スペシャルそば」よりも食べ応えがあるかもしれません。
沖縄そばのお供として定番の「じゅうしぃ」ですが、キッチリと下味が付いており具材も豊富であり力強い味わいが感じられました。ちょろっと色だけ付けた茶色いメシを出して「じゅうしぃ」だと言い張る観光客向けの店が多い中、当店のそれは表彰状でも贈呈したいほどの美味しさです。
「いなり」もあります。予想外に酸味が強く断面を子細に点検すると、なるほど梅の何かが組み込まれているようです。厚みのある味覚が続いた後にサッパリとした口直し。
美味しかった。一般的な観光客は沖縄そばを食べることが目的化することが多く味などは二の次の場合が多いですが、当店は沖縄そばの神髄を極めたとも言うべき正統的な味わいであり、自信をもってお勧めできる作品です。オススメ!

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寒い季節は沖縄で暮らしているので、旅行やゴルフだけで沖縄に来る人よりかは一歩踏み込んでいるつもりです。沖縄の人ってネットに書き込みしないから、内地の人が知らない名店が結構多いです。
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沖縄通を気取るなら必ず読んでおくべき、大迫力の一冊。米軍統治時代は決して歴史のお話ではなく、今の今まで地続きで繋がっていることが良くます。米軍の倉庫からかっぱらいを続ける悪ガキたちが警官になり、教師になり、ヤクザになり、そしてテロリストへ。沖縄戦後史の重要な事件を織り交ぜながら展開する圧巻のストーリー構成。オススメです。