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自由が丘バーガー 羽田店

羽田の2タミにある「自由が丘バーガー」。空港レストランとしては珍しく、食べログで百名店に選出されています。レストランと言っても店内に席は無く、通路にある座席から空いている席を探すスタイルです。
私はテイクアウトでお願いし、ラウンジでビールやワインと共に愉しみます。それにしても、テイクアウトとイートインが同料金なのはどうしてなんだろう。
ベーコンエッグバーガー。あまり美味しそうなビジュではありませんが、実際に美味しくありません。まず、バンズが過度に白く、まるで長期保存を前提とした大量生産品のような色調です。歯ざわりはフニャフニャとした頼りないもので、噛んだ瞬間に抵抗感がなく、ただ潰れるだけ。小麦の風味も香ばしさも皆無で、口の中に残るのは水分を含んだスポンジのような単調な食感のみでした。
せめてパティは、と期待して口にすると肉の存在感が薄い。卵はメニュー表の写真の半熟感とは程遠いカッチカチな仕上がりで一体感がありません。マックのエグチのほうが調理レベルが完成されているように感じました。

また、ベーコンは出来損ないのチャーシューのような味わいで燻製香や脂の甘味は感じられず、ベーコンとしてのアイデンティティが希薄です。咀嚼のたびに肉の繊維がバラバラとほぐれるだけで旨味が滲み出てこない。これで単品2千円近いのは納得いかないなあ。
チリチーズポテト。ポテト自体はオーガニックを売りにするのですが、揚げ加減にムラがあり、外はしんなり中はパサついた食感で、素材の良さが活かされていません。チリソースは市販品に近い画一的な味覚であり、スパイスの奥行きや肉の旨味がほとんど感じられませんでした。チーズはとろけているものの、ただそれだけで風味は乏しい。これで千円近い価格を設定する勇気を湛えたい。
以上のバーガーとポテトで3千円弱。ドリンク抜きでコレであり、酒でも飲めば4千円台を突破する勢いです。マックであれば好き放題食べても1,500円もしないことを考えると何だかなあ。もちろん空港レストランだからある程度の割高感は仕方ないですが、純粋に美味しくないのは看過できません。百名店の選定基準を知りたくなったランチでした。

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岸田屋(きしだや)/月島

月島のもんじゃストリート(西仲通り商店街)沿いにある東京屈指の名酒場「岸田屋(きしだや)」。明治33年(1900年)に汁粉屋や酒屋として創業し、戦時期の国民酒場を経て、昭和41年(1966年)に現在の居酒屋の業態となりました。吉田類の「酒場放浪記」に紹介され、食べログでは百名店に選出されています。
店内は年季の入ったコの字型カウンター主体のシンプルな造り。真壁は茶色く変色し、天井から吊るされた裸電球が薄暗い店内を照らし、人工的に演出された昭和レトロとは一線を画する、本物の昭和の実感を現在に伝えています。
ところでネット上の情報から「行列する」と脅されており、念のため開店15分前に訪れたのですが、その時点で先客は7名。しかしそこから列は延びず、入店後30分経ってからでも客は半数の入りでした。もちろん日に拠るとしか言えないでしょうが、回転も速い業態ですし、過度に待ち時間を恐れる必要は無いように感じました。
卓上にメニューはなく、四方の壁に貼られた品書きから飲み物と料理を選ぶスタイルです。瓶ビールや生ビールは700円前後であり、日本酒はクラシックなものが好みのようです。もちろんハイボールやレモンハイなどの用意もあります。
ぬた。酢味噌で和えた定番のツマミであり、具材はマグロ、甘エビ、タコ、ワケギ、ワカメなど旬の魚介と野菜を組み合わせています。酢の酸味と和辛子のピリッとした刺激が効いています。
れん草ごまあえ。ギャルっぽい略し方ですが、恐らく「ほうれん草」のことであり、醤油ベースのタレで和えたシンプルな仕上げ。れん草由来の甘みと青々しい香りに、香ばしい胡麻の風味が加わり、箸休めにぴったりです。
看板メニューの「牛にこみ」。北千住の「大はし」、森下の「山利喜」と並んで「東京三大煮込み」のひとつに数えられ、漫画「美味しんぼ」の第1巻では「究極の煮込み」として登場します。スパイスなどで誤魔化すことなく時間をかけて何度も煮こぼすことで臭みを徹底的に取り除いており、そこに味噌と醤油をベースにした濃厚かつドロッとしたタレをたっぷり。部位ごとに異なる食感が楽しみつつ、たっぷりの刻みネギを添えて清涼感をプラスします。
しらす沖漬け。一般的に流通している茹でられた「しらす干し」とは異なり、コチラは生しらすを新鮮なうちに特製の醤油ダレに漬け込んだ逸品。タレの旨味としらす自身の持つ仄かな苦味、内臓のコクが酒を呼ぶ。
「牛にこみ」と双璧をなす当店の煮込み料理の傑作「肉どうふ」。お豆腐は佃島の老舗豆腐店から仕入れているそうで、煮崩れしないしっかりとしたタイプ。「すき焼きです」と言われても納得する上等な牛肉にじっくりと甘辛く煮込まれたネギが添えられます。肉やネギから溶け出した濃厚で甘めの黒い汁が豆腐の芯まで染み渡り、大衆酒場における煮物の最高峰としての完成度。個人的には「牛にこみ」よりも「肉どうふ」のほうが好きかもしれません。
〆にイワシのつみれの吸い物。主役のつみれは、新鮮ないわしを骨ごと丁寧に叩いて作られており、イワシならではの旨味と苦味が凝縮されています。つみれから出たエキスが優しい味わいの吸い地と合わさり、五臓六腑にじわりと染み渡ります。
以上を食べ、軽く飲んでお会計は5千円強。派手さはなくともひと皿ひと皿に手間と誠実さが宿り、静かな自信を感じさせる料理の数々は、長年多くの愛酒家を魅了してきた理由を雄弁に物語っています。次回はキンメの煮付けなどお魚系のツマミを試してみようと思います。おにぎりも気になる。

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中華そば さとう/穴守稲荷

羽田空港近く、穴守稲荷駅から歩いて数分の場所にある「中華そば さとう」。空港という巨大なインフラに隣接しながらも一歩路地に入れば昭和の面影を残す住宅街が広がっており、新旧のコントラストがエモいラーメン屋です。
店内はミニマリズムの極致とも言うべき内装で、座席は10席強のカウンターのみで構成され、口頭での注文と現金による先払いというスタイルを堅持しています。
私は「中華そば」の中サイズに玉子とチャーシューをトッピングし、半カレーを付けてもらいました。総額で1,600円と中々のお値段です。
スープは仄かに黄色みがかかっており、雑味がありません。煮干しの風味が支配的で、特有の生臭さやえぐみは一切感じられません。良く言えば澄んで綺麗な味わいなのですが、人によってはパンチが足りないと感じるでしょう。私がそうです。
トッピングは シンプルにネギ、メンマ、チャーシューのみ。追加したチャーシューはいわゆる煮豚であり、肉本来の食感と脂身の甘みを適度に残した、クラシックなタイプです。玉子は黄身がしっとりと固まっており、黄身の質感を上手く表現しています。
麺は少し縮れの入った細身のタイプであり、なるほど上品なスープに良く合うスタイルです。シコシコとした小気味よい歯切れの良さが特長的で、派手さはありませんが、心地よい喉越しで煮干しの香りを鼻へ抜いてくれます。
カレーはトロミのある蕎麦屋風のカレーであり、先のラーメンと合わせて食べるにピッタリ。他方、ある意味では家庭的で親しみやすいので、人によっては敢えてラーメン屋で食べる必要はないと感じるでしょう。私がそうです。
と、ここまで書いて、そういえば私は7年前に当店にお邪魔していたことを思い出しました。感想も殆ど変わっておらず、ヒトの味覚や好みはそうそう変わるものではないんだなあ、と、ヘンに納得したランチでした。

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BLESS(ブレス)/森下

森下駅から歩いてすぐに位置する「BLESS(ブレス)」。アメリカンダイナーのような外観ですが、焼鳥とイタリアンを掛け合わせたコンセプトのレストランであり、食べログでは焼鳥枠で百名店に選出されています。
内装も外観の印象を引き継いでおり、欧米の倉庫感というかインダストリアルというか、一周回ってスタイリッシュです。30席近くあり、この手の焼鳥店としては大箱のレイアウトと言えるでしょう。

冒頭記した通り、「焼鳥とイタリアンを掛け合わせたコンセプト」と伺っていたのですが、私がお邪魔した際はイタリアを感じることは全くありませんでした。スタイル変わったのかな。ちなみにシェフは時価で当日値上げが印象的な「山﨑」「おみ乃」で経験を積んできたそうです。
ビールやサワー類は高くなく、また、お食事に合わせたグラスワインのセットが大変お値打ち。スパークリング、白、オレンジ、赤の4種類をそれぞれ100ミリリットル楽しんで3,500円で済みます。

ところでサービススタッフは皆、バイトちゃんなのかもしれません。ネイルはゴテゴテで、キッチンスケール上でワインを注ぎ、言葉遣いは全くなっていない。スタッフ同士のおしゃべりも酷いもので、私が知る限り客単価1万円を超える飲食店の中では最も口が悪く感じました。フォーブスのコラムで、カウンターでのマナーにつき「行動や発言は全て見聞きされていると理解しましょう。公共の電波に乗って生放送されている、くらいの緊張感を持って臨んで丁度良いです」と記しましたが、それは従業員とて同じことです。
一斉スタートでお食事が始まりました。前菜盛り合わせ(?)は本マグロのカルパッチョにヴィシソワーズ、鶏のリエットです。マグロがびっくりするほど美味しいですねえ。7,700円の焼鳥屋の前菜とは信じがたいクオリティであり、思わずニコニコしてしまいました。
かしわ。焼鳥の王道であり、お店のスタイルがストレートに伝わる作品です。外側の皮目はパリッと香ばしく、内部には肉の旨味が凝縮されています。噛み締めるたびに弾力のある引き締まった肉質を楽しむことができ、先頭打者ホームランな1本です。
ズワイ蟹の茶碗蒸し。一般的な茶碗蒸しと異なり生クリームを多用しているのか、欧米調のニュアンスを強く感じます。甲殻類の旨味も強く、温かいお凌ぎとして最適です。
つくね。フワフワとエアリーな口当たりが特長的で、こんなに空気を含ませて練って良く焼けるもんだなあと感心します。当店でしか味わえない唯一無二のつくねと言えるでしょう。
はつ。プリプリと新鮮な心臓におろし生姜の爽やかな辛みと瑞々しさが加わることで、後味が驚くほどさっぱりとまとまります。脂の旨味と薬味の清涼感が上手く調和した、洗練された味わいです。
鶏天とカブにお出汁を注ぎます。と鶏天の部位は振袖を用いており、ジューシーな肉をサクッと軽い衣で仕上げています。清澄なカブの風味や滋味あふれる出汁の味わい含め、きちんとした日本料理店で楽しむ料理を思わせます。
せせり。鶏の首の筋肉であり、プリプリとした力強い弾力とジューシーで濃厚な脂の甘みが印象的。噛めば噛むほどに鶏の旨味が口いっぱいに広がり、その濃厚な味わいは樽のきいたシャルドネとの相性が抜群だ。
大ぶりなマッシュルームを汗をかかせるように焼き上げました。熱が入ることでキノコの内部には自家製のスープのように濃厚で風味豊かなエキスが満ちており、土っぽい風味と共に、やはり樽のきいたシャルドネが良く合います。
コースとは別に追加でお願いした砂肝。牛タンの厚切りを思わせる包丁が入っており、砂肝特有のザクザク・コリコリが控えめに仕上がっています。見た目のインパクトを始め、ありそうでない1本です。
手羽先。皮目が最も厚い部位だからこそ、炭火の強火でカリッと香ばしく黄金色に焼き上げています。パリッとした皮の食感の後にコラーゲン質を含んだ濃厚な脂と鶏の力強い旨味が口中を満たします。やはり樽のきいたシャルドネが良く合う。ワインセットは泡白橙赤の4種なのですが、何なら泡白白白でもいいくらいです。
〆のお食事は「そぼろ御飯」。しっとりフワフワに煎り上げており、卵黄と共にマイルドで柔らかい仕上がりです。サイズは大中小から選ぶことができ、この写真は大なのですが、ラーメン屋の小丼ほどのポーション。普通の食欲の方は大サイズで注文すると良いでしょう。
以上を食べ、ワインセットを付けて1.2万円程度。グーグルマップの評価が妙に悪く、恐る恐る予約を入れましたが、終わってみれば実に美味しく、支払金額も実に良心的でした。食べログの点数も当てにならんがグーグルマップもたいがいですな。

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焼鳥は鶏肉を串に刺して焼いただけなのに、これほどバリエーションが豊かなのが面白いですね。世界的に見ても珍しい料理らしく、外国人をお連れすると意外に喜ばれます。
素人にとっては単に串が刺さった鶏肉程度にしか思えない料理「焼鳥」につき、その専門的技術を体系的に記しています。各名店のノウハウについても記されており、なるほどお店側はこんなことを考えているのかという気づきにもなります。

來々軒(らいらいけん)/木場

タンメン+ギョーザ=タンギョーの聖地として親しまれ、百名店にも選出されている「來々軒(らいらいけん)」。東西線の木場駅と東陽町駅の中間あたりであり永代通り沿いに位置します。

ちなみに当店は店主の体調不良と後継者不足により一度閉店したことがあるそうです。しかし当店の味に惚れ込んでいた常連が一念発起して会社を辞めて弟子入りし復活を遂げたそうな。
ランチタイムは行列の絶えない人気店なので、私はオープン直後の10:35頃にお邪魔しました。店内は厨房を囲む逆L字型のカウンター席が中心。券売機による食券制で、先に購入してから座席に着きます。電子マネーを使えるのが便利です。
着席から数秒で供される「野菜小皿」。一見するとシンプルな茹で野菜ですが、野菜からはスープの味も感じられ、また、ところどころに肉も組み込まれており、きちんとした料理として成立しています。これが50円とは木場の奇跡。恵比寿の某蕎麦屋は250円の「野菜まし」でモヤシしかのせないので絶対に許さない。
ちなみに卓上には自家製のラー油が置かれており、これを先の野菜や麺類、ギョーザに塗布して食べるのが当店の作法として規定されていますが、私にはどうにも苦味を強く取ってしまい、あまり口に合いませんでした。テイクアウト(お土産)用としても販売されているようで、好みは人それぞれである。
「タンギョー」の「タン」すなわち「タンメン」。ベースとなるのは鶏ガラをじっくりと炊き上げた透明感のあるスープであり、そこにたっぷり入った野菜の甘みと旨みが溶け出します。あっさりとした塩味で、内臓に負担をかけずにスルスルと身体に収まっていきます。
麺は東京を代表する製麺所「浅草開化楼」謹製。太目で程よくウェーブがかっており、芯に適度なコシを残したカタメの仕上がり。滑らかでツルツルとした喉越しを感じつつ、噛み締めるとモチモチとした力強い弾力が広がります。
「タンギョー」の「ギョーザ」の部。こちらの皮にも「浅草開化楼」の生地が使われているそうで、もっちりとしたコシを引き継ぎつつ、揚げ焼き風の外皮はカリッとした歯触りを楽しむことができます。鶏ガラスープで下茹でしているのか、何も付けなくても結構な味を感じます。
内部は肉と野菜の餡がギッチギチに詰まっており、なるほど重量感があるわけです。粗めに刻まれたキャベツはシャキシャキとした食感を残し、加熱によって引き出された自然な甘みが印象的。噛むごとに濃厚な肉汁が溢れ出し至福のひととき。
「タンギョー」が1,550円に「野菜小皿」が50円で合計が1,600円。たっぷりの野菜と旨い麺、上品なスープ、ボリューム満点のギョーザを食べてこの支払金額は実にお値打ち。常連の手により復活してくれて私は本当に嬉しい。ありがとう!そして、ありがとう!

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本場志向で日本人の味覚に忖度しない中華料理が食べたい方へ捧ぐ書。東京の、中国人が中国人を相手にしている飲食店ばかりが取り上げられています。ある意味では中国旅行と同じ体験ができる裏技が盛りだくさん。