メイ/五反田

五反田はグルメ不毛の地。ヌキテパとフランクリンアベニュー、もうちょい行けばカンテサンス?ターミナル駅の割にはちゃんとしたレストランがなくて困ったちゃんなのです。なので、モナリザ出身の当店がオープンすると聞いて飛びついてしまいました。
真昼間から飲む。退廃的。最高。
香りがあってミネラリー。結構好き。
ちなみに連れはフランス帰りの才女。トマ・ピケティを原書で読みこなす(はず)。したがって、昼であっても食べ物にはワインを合わせるべしというコンセプトが根付いています。貴重ですよねこういうノリ。ちなみに「21世紀の資本」は私も読んでみたのですが、要約すると『格差やべーぞ』です。

メニューで悩んでいたら「スペシャリテはハトだよーん」とご説明頂いたので、迷わずそれを含んだお任せコースを選択。
さて前菜。左からレバーのパテを挟んだの、アオサとジュレ、クロックムッシュ、なんだっけホロ苦い小魚。どれもセンスを感じましたが、地味にクロックムッシュが一番好きで、ああ、私は味覚が幼稚だなあと苦笑い。
バケットとオリーブオイルは普通です。
色が濃くて甘くてちょいと選ぶのを間違えたかもしれん。
ズワイガニの何か。蟹肉はもちろん、エキスを凝縮したジュレが敷き詰められており、クリーン・ヒット!すごくおいしかったです。
お魚はヒゲダラ。聞いたことのないお魚でした。「タラだけどタラじゃない」みたいな感じだった気がします。参考になりませんかそうですか。若干オリエンタルにスパイス感があって、カリカリサクサクとした歯ごたえも味わえて、味もしっかりあって、旨い。
仔鳩胸肉の岩塩包み!このあとくぱぁと蓋を開けてくれたのですが、興奮のあまり写真を撮るのを忘れてしまいました!俗に言うあげぽよです。
そしてこの盛!なんて華やかな!骨から抽出したエキスを生クリームで整えたソースだなんてもう最高!そして肉の絶妙な火入れ、味、滋味溢れるガロニ、完璧な一皿です。ここまでショッキングな肉料理は中々無い。
「スペシャリテには絶対コレ」とソムリエに太鼓判を押されたもの。うむ、確かにぴったりじゃ。今月のマリアージュで賞を授けます。ワインも飲みきり、ああ、おなか一杯。良いお店ができたもんだと感激してると、ソムリエが「ワインもう一杯どうですか?」とのこと。どゆこと?もうメイン食べたじゃん?
「いえ、メインはもう一皿あります。当店のメインはひとつの食材につき、もう一通りの調理をするのです」と、もう一皿!なんて天真爛漫なロスタイム!レバー・ハツ・カシラが濃厚で赤ワインがすすむすすむ。
焼き鳥が越えられない壁を越えた瞬間です。
よく見ると、鳩の手が英国式ファック・ユーの形。
デセールはパイナップルを中心に。結構珍しいですよねフレンチでがっつりパイナップルって。適度な弾力とクリームの甘みが素晴らしく、甘味についてもセンスありまくり。
ミニャルディーズはチョコムースとフィナンシェ。チョコムースが暴力的な砂糖の甘さだったのはご愛嬌。
コーヒーもぬかりなく美味しかったです。

大当たりです。新人王候補。伝統的な調理を的確にこなすため1皿1皿に非常に説得力がある。その上でシェフのやりたいことも伝わってくる。近々確実にミシュラン1ツ星は取ることでしょう。このようなお店に早期にお邪魔できて私は嬉しい。絶対に予約取れなくなると思うので皆さん今のうちですよ。



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