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漁港回転寿司 鮨かば 境港波止場店(すしかば)/境港(鳥取県)

鳥取県境港市にある人気の回転寿司「漁港回転寿司 鮨かば 境港波止場店(すしかば)」。山陰で展開する「炉端かば」系列(かばはうすホールディングス)が運営。境港の岸壁沿いにある複合施設「HATONOVA(ハトノバ)三光丸 境港」内にあり、同じ建物に魚の直売店「三光水産」や「境港地魚食堂 魚倉」も入っています。
私はネットから予約していたのでスっと素敵なボックス席へとご案内頂けましたが、かなりの行列が生じていました。それほど大きな店舗でもないので、時間の限られる旅行者は面倒がらずに予約して訪れることをお勧めします。
看板メニューは「生本まぐろ」。  一度も冷凍していない生本まぐろを常時仕入れているそうで、コチラは中トロ、赤身、ネギトロの3貫盛り。そこそこ美味しいですが、まあまあ高いので、値段相応といったところです。
サービス(?)でマグロのカマの唐揚げもお出し頂けました。調味が強くガリっと揚がっており、ビールが欲しくなる味覚です。

ところで当店はたオリジナルの「昆布だし醤油」に加え、地元の「美保の花」醤油を用意しており、また、提供されるお茶には地元の老舗「ながた茶店」が開発した「鮨のための緑茶」が配備されており、細部にわたる地産地消とストーリーテリングが貫かれています。
こちらも自慢のカニの軍艦。ご覧の通り、盛れてるあたし最強じゃん。マグロに比べるとお値打ちな気がする。
カニを用いたお椀からはカニのエキスがビンビンに感じられ、先の軍艦よりもカニの風味が強く感じられるほどです。
地魚の3貫盛。ヒラマサの炙りに宿毛ダイに、もう一種は何だっけな。なるほど東京のカジュアルな寿司店ではアクセスできない味覚であり、先のマグロやカニよりも気づきは大きいかもしれません。
恐らく名産品というわけではありませんが、ビジュに負けて鰻の軍艦を注文してしまいました。調味も強く分かり易い味わいで、後悔はしていません。
イトヨリ。やはり東京の回転ずしでは出逢うことのないタネでしょう。脂は控えめながら上品な甘みと繊細な旨味が心地よい。
コチラはグレ。いわゆるメジナであり、磯魚特有のしっかりとした歯ごたえと、コリコリとした食感が持ち味です。
生ずわいがに刺身。この1皿が858円というのはお値打ちですが、先のイトヨリやグレが1皿300円代ということを考えると、モノの値段というのは実に難しい。
小柱軍艦焦がし醤油いくらのせ。境港の名産でも何でもない、ただの小柱軍艦にイクラを載せただけの軍艦ですが、旨いものは旨い。ご当地感という文脈をあっさり捨て去り、旨さの足し算だけに特化した潔い一皿です。
茶碗蒸しにはカニとイクラがトッピングされ、中には海老などの海産物がゴロゴロ。玉地にも魚介類のエキスが活きており、当店のパワーが集結したような迫力があります。
琴浦グランサーモン。鳥取県琴浦町にて、秀峰・大山の清らかな地下水で大切に育てられるブランド魚です。コチラはハラミの部位を用いており、上質な脂の甘みと濃厚な旨味を愉しみつつ、なるほど名水育ちならではの臭みのなさが際立ちます。
えんがわカラスミ。当然のごとく境港とは何の関係もない大衆珍味の悪魔的融合ですが、旨いものは旨い。
カンパチ。こちらも境港産というより、鹿児島や九州など全国から仕入れているタネと考えるのが妥当そうですが、この身の引き締まった食感と脂のキレに没頭することこそが、回転寿司の正しい愉しみ方だと言えるかもしれません。
とろはみ出しもん。タブレットに表示された写真に惹かれて注文したのですが、実態は貧相な鉄火巻でした。最後の最後でホホホのホー。
以上を食べ、お会計はひとりあたり8千円ほど。これはマグロやカニを始めとする高価品をジャンジャン注文した結果なので、あまり参考にしないでください。また、特に印象に残ったタネは近海物なので、それらを中心に組み立てることが正しい戦略でしょう。水木しげるロードや水木しげる記念館からも近いので、境港観光のついでにどうぞ。

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鮨は大好きなのですが、そんなに詳しくないです。居合い抜きのような真剣勝負のお店よりも、気楽でダラダラだべりながら酒を飲むようなお店を好みます。
すしのにぎりについての技術を網羅した決定版的な書籍。恐らくはプロ向けの参考本であり資料性の高い便覧でしょうが、素人が読んでこそ面白い傑作。写真がとても美しく、眺めているだけでお腹が空いてきます。

マコト・オーシャン(Makoto Ocean)/ダイヤモンド・プリンセス(Diamond Princess)

アメリカで活躍する鮨職人・大桑誠シェフが監修する「マコト・オーシャン(Makoto Ocean)」。ダイヤモンド・プリンセス号における、かつての「Kai Sushi」からのリブランドです。ゲストひとりあたり55USD(+10%のサービス料)のカバーチャージを要するプレミアムレストランです。
壁には富士山の絵が描かれ、桜が舞い、ハリウッド映画の中で見る日本のような光景が異国情緒(?)を掻き立てます。ちなみにダイヤモンド・プリンセス号のゲストにおける日本人比率は5割ほどらしいのですが(航路により異なる)、当レストランでは日本人は我々しか見かけませんでした。

大桑誠シェフは名古屋で料理人としてのキャリアをスタートし、渡米後は「アイアンシェフ」として知られる森本正治シェフのもとで腕を磨いたそうです。現在は「Makoto」を看板として、全米でも屈指の売上と人気を誇る高級日本食レストランチェーンを展開しています。
覚悟はしていましたが、日本酒がバリ高いですねえ。我々はドリンクパッケージを購入していたため、15ドル以下の飲み物が15杯まで注文できるのですが、15ドルを超えるドリンクが多く面食らいました。
まずはキュウリの酢の物。意外といける。日本における定食屋のそれと同等の味わいです。
いきなりトロタク巻きがやって来ました。日本の鮨屋で〆に食べるものが、海外船に乗れば自由自在である。
マグロ、タイ、サーモン、ボタンエビ。いずれも案外悪くなく、回転寿司における300円皿くらいのクオリティが感じられます。
また巻物がやってきました。こちらはズワイガニであり、間違いのない味わいです。
ハマチ、ホタテ、大トロ、うなぎ。やはりスーパーの高めの寿司パックぐらいの美味しさがあり、思っていたより全然大丈夫です。
味噌汁。スープソーサーにレンゲが付いているのがクールです。味は懸念していたほどではなく、牛丼屋の味噌汁ぐらいの味わいです。
デザートは「餅アイス」とのことで、いわゆる「雪見だいふく」のマンゴーフレーバーといったところ。
お茶はティーバッグのものでしょうか。えらい薄いですが、「鮨料理 一高」のように勝手に千円を課金してきたりはせず、無料です。
日本人にとっては超割高ではありますが味そのものは十分に許容範囲内であり、クルーズ船で提供する鮨としては想定していたよりも良好です。

日本人の若者は「東京すしアカデミー」で調理技術を学び、セブの韓国人経営のスパルタ語学学校で英語を学べば、世界中どこでも活躍できるのではないか。Fランの大学なんかに行くよりも有意義なお金と時間の使いみちかもしれません。特にクルーズ船で働けば住み込みで全然お金使わないからお金も貯まって、独立もし易いような気がする。

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「東京最高のレストラン」を毎年買い、ピーンと来たお店は片っ端から行くようにしています。このシリーズはプロの食べ手が実名で執筆しているのが良いですね。写真などチャラついたものは一切ナシ。彼らの経験を根拠として、本音で激論を交わしています。真面目にレストラン選びをしたい方にオススメ。




廻る寿し ぽん太/金沢中央卸売市場

金沢中央卸売市場の目の前にある「廻る寿し ぽん太」。創業当初は市場で働く人々や近隣住民に向けた大衆食堂としての機能を担っていましたが、1999年に回転寿司へと業態転換したようです。私は週末の正午頃にお邪魔し、店内の待ち席を飛び出て店外にも行列が生じていましたが、回転は良く15分ほどの待ちで着席できました。
店内はカウンター席が10席ほどにボックス席が3つに小上がりが3卓。レーンは設置されていますが廻っているのは食器やお茶っ葉であり、注文を紙に書いてお願いするスタイルです。なのですが、客が書いた紙をそのまま手で受け取り、特に手を洗わないまま調理を続けるストロングスタイルなので、潔癖症の私は鳥肌が立ちました。
鮨の用意ができるまではアラ汁とガリで胃腸を整えます。寸胴から自分で注ぐセルフサービスなのですが、具沢山で大変美味しい。日々市場から入荷する数十種類の新鮮な魚のアラをグツグツに煮込んでおり、魚介の濃厚な旨味と出汁が汁全体に染み渡っています。もうこれとゴハンだけで立派な食事なんだけど。
私は最高値の「プレミアランチ」を注文。「すっしーくん(7貫)」は770円のところ、「プレミアランチ(15貫)」は3,410円と中々の価格設定です。
このあたりはマグロにイカに赤エビ、数の子、ノドグロ、アワビ、ウナギあたりでしょうか。アラ汁そのものは大変美味しかったのですが、寿司そのものは大して美味しくありません。
このあたりはブリに赤貝、ホタテに何だろう。そう、「プレでーす」といって皿をホイっと渡されるだけなので、内容物が何なのかわかんないんですよね。なんだかんだ言って情報を食べるのも食事を楽しむ上で重要な要素なのだ。
コチラは贅沢エリアで、スゴクスゴイエビにカニ、ウニ、イクラ。いずれも不味くはないのですが回転寿司レベルであり、というか「廻る寿し 」と店名に冠しているので妥当なクオリティかもしれません。
というわけで、セルフサービスの「あら汁」はバリ旨いですが寿司そのものは微妙なので、そのあたりは割り切って安いランチセットを楽しむと良いでしょう。個人的にはすぐ近くにある「魚がし食堂 中央市場店」のほうが断然推し。とは言え近江町市場(金沢駅東側)と比べるとかなり庶民的な値段設定で、観光客にはあまり知られていない穴場であり、使い方次第かもしれません。

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北陸新幹線開通前は秘境的な小京都として魅力があった金沢。開通後は客層が荒れだし、土日連休は東京のガチャガチャした人ばかりです。それは飲食店においても同様で、金曜日の夜から日曜日にかけての鮨屋など港区のちょづいた店と雰囲気は似てきています。きちんと食事を楽しみたい方は、連休を外して訪れましょう。
「大人絶景旅」と銘打ってはいますが、石川の名所をテンポ良くまとめています。グルメ情報も多くモデルルートの提案もあり、広告だらけのガイドブックとは一線を画す品質の高さです。

弥助(やすけ)/堺(大阪)

堺の地で80年以上の歴史を持つ老舗鮨店「弥助(やすけ)」。三代目である現店主は「祇園 川上」で経験を積んだ後、40歳で当店を継いだようで、店名は歌舞伎の演目「義経千本桜」に登場する鮨屋の折平が「弥助」と名乗ったことにちなんでいるそうです。ちなみに四代目はお向かいで超高級店「鮨おおが」を手掛けています。
高級旅館を思わせる威風堂々とした一軒家の門構え。暖簾をくぐると美しい白木のカウンター席がお出迎え(写真は一休公式ページより)。他にもテーブル席や掘りごたつ式の個室座敷の用意もあるようです。
飲み物のお品書きは無く、当然に値付けも不明です。ただしランチはにぎりだけパパっと食べるスタイルなので、長っ尻して酒代が嵩むこともないでしょう。最終支払金額から逆算するに、恵比寿の小瓶が千円ぐらいだった気がする。
お通しにマグロの角煮。脂ののった部位を醤油ベースのスープでじっくり煮込んでおり、繊維がほぐれて口の中でとろけていきます。脂の甘味と旨味が濃厚で、これはいきなり日本酒が欲しくなる。
コースの開幕を飾る一貫はノドグロ。いきなりコッテリするもん来るなあと思いきや、皮目を香ばしく炙っているためか脂っこさは感じさせません。身はきめ細かく柔らかで、脂のコクと旨みが絶妙なバランスを保っています。
続いて鰻。ノドグロを超えるコッテリとした味覚であり、もちろん美味しいのですが、いきなり食事が終わってしまいそうな不安を脊髄反射で感じてしまう。もちろん決まりなどは無いのでしょうが、私はどうも慣れませんでした。
ガリは小さな器に上品に盛り込まれます。隠し味に実山椒が含まれており、ピリリとした辛みと爽やかな清涼感が生姜の甘酸っぱさと組み合わさることで、より印象的な味わいに。

ちなみにシャリは伝統の白シャリで、赤酢推しの四代目とジェネギャでひと悶着あったそうです。そのストーリーは「鮨おおが」をお邪魔した後に改めて整理しましょう。
剣先イカ。細やかな飾り包丁が幾重にも施されており、ねっとりとした甘みと口内で繊維が一本ずつ解けるような舌触りを実現しています。
トロが美味しいですねえ。舌の上でとろりと溶ける脂は上品で甘く、しつこさがなく後味がきれいに消えていきます。ちなみに関西の店舗としては珍しく豊洲の「やま幸」から、「鮨おおが」と「弥助」で共同仕入れを実現しているという噂を耳にしました。
春子鯛。皮目に独特の風味と旨みが凝縮されており、口当たりは繊細で上品。脂は少ないものの、そのぶん素材そのものの澄んだ旨みが際立ちます。
車海老。身にプリプリとした弾力があり、酢飯の仄かな酸味が海老の甘みをより鮮明に引き立てています。見た目の美しさも含めて華やかな存在です。
コハダ。酸が強くバシッと思い切りの良い〆が施されており、身全体にしっかりと酢が染み渡り、輪郭のはっきりした酸味が口の中に広がります。その力強い酸の中に、コハダ特有の青魚らしい旨みと脂の風味が溶け込んでおり、味に深みがある。
赤だし。色が濃く深いコクと独特の渋みが特長的で、余韻が長く続きます。具材は海苔で汁に浸ることでとろりと溶け、磯の香りが赤だしの旨みに溶け込んでいます。
ヅケ。漬け込むことで身の色は深みのある赤褐色に変わり、表面にしっとりとした艶が出ています。生の赤身とは異なる質感や凝縮された味わいが印象的で、余韻の長さが心に残りました。
あなご。柔らかく炊き上げておりフワリとした口どけが最大の魅力。身はホロホロと崩れるほど柔らかく、噛む力を殆ど必要としない繊細な食感が印象的です。序盤の鰻にに比べて脂が少なく上品で、後味がすっきりしています。
ネギトロ。たくあんも組み込まれており、トロのトロリとした脂の旨みとネギの辛みと清涼感が絡み合い、そこにたくあんのコリコリとした歯応えと独特の甘みと塩気が加わります。
おいなりさん。関西らしい三角形スタイルであり、俵型とは異なる角のある食感が生まれ、油揚げの端部分のジュワっとした噛み応えを楽しみます。上品に炊かれた油揚げの甘味と酢飯がほどけるように混ざり合い、素朴ながら満足感の高いひと口です。
玉子。ふわりとした弾力のある食感と、口の中でじんわりと広がる濃厚な甘みが心地よい。デザート的な役割を担っており、食事の締めとして口の中を優しく整えます。

以上のおまかせコースが16,500円で、酒をいくらか飲んでお会計は2万円弱。東京で同等の鮨を食べることを考えればお値打ちであり、ご近所の名店「鮨舟」とはまた違った方向性の楽しみ方があります。
ちなみに四代目が手掛けるお向かいの「鮨おおが」は夜は座って5万円~・一斉スタートの2部制と完全に東京スタイルで客層は全く異なるそう。堺に全国および世界から富裕層を引き寄せる高尖度のプレミアムブランドが存在することは喜ばしいことですが、「弥助(やすけ)」のようなアットホームな老舗ファミリーブランドも、いつまでも続くことを願っています。

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