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洋食キムラ 野毛店

横浜・野毛の「洋食キムラ」。昭和13年(1938年)創業の歴史ある洋食店であり、食べログでは百名店に選出されています。桜木町駅から歩いて7-8分ぐらいかな。新横浜駅直結のビル「キュービックプラザ新横浜」の9階にも支店があります。
店内は昔ながらの洋食屋といった風情であり、おひとりさまはもちろん、家族連れからカップル、年配の方まで幅広く愛される雰囲気です。私がお邪魔したのは1階(メザニン?)でしたが、エレベータで2階へ案内されている方もいました。
ランチに付随するプチサラダ。野菜は新鮮でドレッシングにも主張があり、添え物の枠を超えた存在感を示します。これは単品注文でもっとたっぷり食べても良かったかもしれない、と期待させるクオリティです。
チーズハンバーグ。独特の形状をした鉄板(?)でグツグツしながらの配膳。フォークだけで容易に繊維が崩れるほどの柔らかさがあり、ふんわりとした口当たりが特長的です。
たっぷりのデミグラスソースがいいですね。思いのほか酸味が強く、なんと自家製の梅酒を隠し味として用いているそうです。肉汁のコクに梅酒の酸味と甘みが加わり、濃厚ながら飽きのこない味わいです。
 セットにはライスまたはパンを選ぶことができます。個人的には洋食にライスを合わせるのがジャパニーズ・洋食店の真骨頂と信じており、そしてその判断は今日も正しかった。
以上の「チーズバーグセット」は1,980円。ハンバーグランチとしては少々お高めではありますが、あの独特の唯一無二なデミグラスソースを堪能するという主旨では悪くない支払金額でしょう。ネット上の情報はハンバーグばっかしなので、次回はディナーでコース料理に凸してみたいと思います。

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登良屋(とらや)/関内

1958年(昭和33年)創業の「登良屋(とらや)」。横浜・関内エリアを代表する老舗天ぷら屋さんであり、食べログでは百名店に選出されています。各線関内駅からすぐで、伊勢佐木モールから路地を入ったところにある昭和の風情ある建屋が目印。ちなみに写真のファサードは「飾り玄関」で、創業から現在に至るまで一度も入り口として機能したことはないそうです。
店内はカウンター席とテーブル席、お座敷の用意があり、定食として臨んでいる方、酒のアテに天ぷらを活用している方、飲み会使いしているグループと様々。黒電話のジリジリという音が時折り鳴り響く昭和情緒あふれる空間です。ちなみに最近の若年層はダイヤル式の黒電話の使い方がわからないケースが多いようで、最初に数字の部分をプッシュボタンのように押してしまうとのことです。
天ぷら屋さんではありますがお刺身も大の人気メニューであり、「盛り合わせ」を注文したい場合は事前の電話予約が必要なほど。予約ナシで私がお邪魔した際は「カツオであれば小盛りで用意できる」との案内があり迷わず注文。一切れが大きく分厚く豪快で、天ぷら屋ならではの目利きの確かさが刺身にも遺憾なく発揮されています。 
天ぷらはバッチ処理の一斉提供スタイルのようで、私は訪問したタイミングが悪く提供まで30分近く待ちました。それでも見るからに旨そうなビジュの良さで待ち時間に係るストレスは雲散霧消。色は濃く胡麻油の香りをプンプンにまき散らしており、衣も薄くサクサクとしたクリスピーな食感が印象的。
「1人前」で注文すると白身魚にイカ、アナゴ、マイタケ、ナス、ししとう、サツマイモというラインナップ。エビだけはどのセットにも含まれず追加オプション扱いなのが面白いのですが、噛んだ瞬間にぷりっとした弾力が口いっぱいに広がり、胡麻油の風味と甲殻類ならではの濃厚な旨みが一体となり本当に美味しかった。ちなみに店内に価格表は一切ないのでお会計までドキドキです。
「16時まではサービスでゴハンとお味噌汁をお付けできますが~」との案内があったので迷わずお願いしました。ふっくらと炊き上げられた白米は天ぷらの旨みを吸った天つゆとの相性が抜群で、飾りのない正直な美味しさがあります。おかわりもOKで、これがサービスでの提供とは気前の良い店である。
気になるお会計は3,630円とぶっとびお値打ち価格。うひょー、こんなことならもっとバンバン追加注文すれば良かった。都心の老舗有名店の半額以下の価格設定であり、何よりしっかり旨いのが堪らない。次回はグループで訪れ、きちんと刺身の盛り合わせを予約し、お酒もバンバン楽しみたいと思います。

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天ぷらって本当に難しい調理ですよね。液体に具材を放り込んで水分を抜いていくという矛盾。料理の中で、最も技量が要求される料理だと思います。

てんぷら近藤の主人の技術を惜しみなく大公開。天ぷらは職人芸ではなくサイエンスだと唸ってしまうほど、理論的に記述された名著です。スペシャリテのさつまいもの天ぷらの揚げ方までしっかりと記述されています。季節ごとのタネも整理されており、家庭でも役立つでしょう。

牛たん料理 西洋軒(せいようけん)/横須賀

横須賀中央駅から徒歩数分、大通りの喧騒から逃れるように路地裏へ足を踏み入れると現れる「牛たん料理 西洋軒」。1981年創業という、半世紀近い歴史を刻む老舗の牛タン専門店です。この日の牛肉は創業から数えて53,974頭目のものだそうで、「トゥールダルジャン(La Tour d'argent)」の牛タン版と言えるかもしれません。
店内はカウンターと小さなテーブル席がいくつか、それに小上がりという小体な造り。常連客が多く、大人の落ち着きを放っています。店主と女将さんの物腰は柔らく、気軽に話しかけてきてくれます。ちなみに器は常滑を代表する陶芸作家、吉川正道・千香子夫妻の作品を用いているそうです。
生ビールは490円と安い。サーバーもきちんとメンテナンスされており、ラグジュアリーホテルであれば1,480円ぐらいは請求されそうな質および量です。その他の酒類も良心的な価格設定で、グループであればワインをボトルで楽しむのも良いでしょう。
まずはお通し。牛タンとレンコンの煮込みでしょうか。ホクホクとしたレンコンに牛タンの旨味がしっかりと沁み渡り、これから始まる怒涛の牛タン料理への期待が高まります。
牛タンのカルパッチョ。牛タンに粉チーズがふりかけられているという斬新なアプローチです。旨味を前面に押し出した調味であり、しっかりと水にさらされ辛味を抜かれた玉ねぎがシャキシャキと小気味良く、見事な調和を見せています。
牛タンとブロッコリーのサラダ。濃厚な肉料理が続く中でのオアシスです。ブロッコリーの食感とマヨネーズの仄かな酸味が、次なる牛タンへの食欲を再点火してくれます。
王道の塩焼き。サクッと心地よい歯切れの良さと、噛み締めるほどに溢れ出す肉汁が印象的。厚みがあるのに柔らかく、思い切りの良い調味と共にビールが進むのなんのって。
煮込み。一見すると味噌汁のようですが、中には牛タンがゴロゴロと組み込まれており食べ応え抜群。牛タンのエキスも凝縮されており、白ゴハンが欲しくなる旨さです。
牛タンの揚げ出し豆腐。これまた牛タンの新たな可能性を探るひと品で、出汁の旨味と揚げた牛タンのコクが意外なほどの親和性を見せ、思わず日本酒が欲しくなる味覚です。
女将さんに勧められて注文した牛タンのコロッケ。サクサクの衣の中にジャガイモと牛タンのミンチ肉(?)が組み込まれており、専門店ならではの矜持が感じられる味わい。コロッケに牛タンを用いるとは、ありそうでない試みです。
〆に牛タンのストロガノフ。たっぷりの牛タンが特製のデミグラスソースで長時間煮込まれており、肉の繊維一本一本にまでソースが染み込んでいます。そこらの気取った洋食店が裸足で逃げ出すほどの圧倒的なコクと深みが感じられ、これは赤ワインが欲しくなる。
サービスで杏仁豆腐もお出し頂けました。程よく紅茶の香りがきいており、心身ともに牛タンの濃厚な余韻をカットしてくれます。
以上の料理を2人でシェアし、軽く飲んでお会計はひとりあたり4-5千円といったところ。都心の何でもない牛タン焼き定食が2-3千円することを考えると実にお値打ち。加えて牛タンという単一の食材で、ここまで変幻自在に多彩な表現ができるのかとただただ感服。次回はグループで小上がり席を陣取って宴会を催したいと思います。

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ヌードルズキッチン ガナーズ(noodles kitchen GUNNERS)/武蔵小杉

貝出汁をベースにした個性派ラーメンで名を馳せた「ヌードルズキッチン ガナーズ(noodles kitchen GUNNERS)」が百名店に選出。店主はラーメン愛好家の間で伝説的な支持を得ていた「海坂屋(うなさかや)」の出身で、魚介系ラーメンの急先鋒と言えるでしょう。武蔵小杉駅または新丸子駅から歩いて5分ほどです。
席数は6-7席のみの小さなお店。現金しか使えず、紙エプロンは30円で、注意書きの貼り紙が多いのがちょっとアレです。ちなみに店名「GUNNERS」はイングランド・プレミアリーグのアーセナルFCの愛称(砲撃手)に由来するそうです。
名物の「ボンゴレロッソ」。貝出汁にトマトやチーズ、バジルを合わせたパスタのようなラーメンです。ベースとなるのは溢れんばかりの貝出汁で、そこに完熟トマトの爽やかな酸味とニンニクの香ばしさが加わります。
「特製トッピング」でお願いすると、豚チャーシューに味玉、板海苔・岩海苔が追加されます。目玉は庄内豚の厚切りチャーシューであり、ズッシリと質量が感じられ、ステーキを食べているかのようなボリューム感があります。
麺は基本的には中細のストレート麺。加水率はやや低めで、パツンとした歯切れの良い食感と、しなやかな喉越しが共存しています。濃厚なスープの中でも伸びにくく、最後までコシが続くよう計算されています。
コチラも人気の「貝だし白湯 汐」。濃厚な鶏白湯と、繊細な貝出汁が手を取り合った、シルキーで気品溢れる一杯です。ポタージュのようにクリーミーなスープは、鶏のまろやかなコクが土台となり、その上を貝のシャープな塩気と旨味が鮮烈に駆け抜けます。
にぼチャーシュー丼。しっとりと仕上げられたチャーシューが贅沢に乗せられ、そこに煮干しのエッセンスを凝縮したタレがとろりと絡みます。肉の脂が持つ甘みと、煮干し特有のビターで力強いパンチが合わさることで、白米が止まらなくなる禁断の味わいが完成します。ラーメンのお供という枠を超えた、主役級の存在感を放つサイドメニューです。
美味しかった。いずれのラーメンも創作的でありながらきちんと美味しく、これはもはやラーメンという枠組みを超えた高度な麺料理と言えるかもしれません。巷の雑なイタリアンでペペロンチーノが千円を超えることを考えれば大変お値打ち。フレーバーも色々あって、何度も通いたくなるお店です。

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ハニービー(HONEY BEE)/横須賀

横須賀の現場があったので、ついでにアメリカンな空気を吸い込もうということで「ハニービー(HONEY BEE)」へ。米海軍横須賀基地のメインゲート正面に店を構える、1968年創業の老舗アメリカンダイナーです。初代店主は1940年代に駐留米軍の兵員食堂(ギャレー)で働いていた経験があるそうで、本場の味を提供する店としての説得力は充分でしょう。食べログでは百名店に選出されています。
店内に入ると、レトロなジュークボックスやコーラの看板などが並び、古き良きアメリカにタイムスリップしたような空間が広がっています。現在も当時のにおいと空気感を味わえるよう、ほぼ当時そのままの内外装を使用しているそうです。
まずは「ヨコスカネイビーバーガー」。運ばれてきて、その暴力的なまでのサイズ感に絶句します。つなぎを一切使用していない牛肉100%のパティは半ポンド(約227g)もあります。
全体を上からギュッと手で押し潰してから大口を開けてかぶりつきます。基本の味付けは塩コショウのみというストイックな仕様ですが、肉々しいパティにシャキシャキのレタスや厚切りのトマト、オニオンが調和しつつ、肉汁がバンズに染み込んで、最後まで美味しくいただけるという寸法です。
お次は「TACO(タコス)」。アメリカンスタイル、すなわちテックス・メックスの流れを汲んだスタイルです。大判のトルティーヤの中に、細切りのレタス、オニオン、トマト、そしてスパイシーな挽肉とたっぷりのチーズがみっちりと詰め込まれています。ザクザクとした食感にジャンクな旨味が押し寄せ、思わずビールを喉の奥に流し込みたくなる味わい。
当店はハンバーガーだけでなくフライドチキンも創業当時からの人気メニュー。こちらは「チキンバスケット」で、フライドチキンにホクホクのポテト、そしてサクサクのビスケットというカロリーの暴力のような盛り合わせ。カリッと香ばしく揚がったチキンにかぶりつき、炭水化物のビスケットとポテトで追い討ちをかける。背徳感に溢れる脂と糖質をガツガツと飲み下す。たまにはこういう直球の食事も良いものです。
以上を食べてお会計は4千円弱。上質な牛肉と鶏肉をたっぷり食べてこの支払金額は悪くない費用対効果であり長年愛されるのも納得です。何より横須賀の歴史とアメリカの食文化を胃袋でダイレクトに体感できるのがいいですね。横須賀に用事がある際は是非どうぞ。

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