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あらた/京都駅

「べた焼き」をご存じでしょうか?いわゆる京都風のお好み焼きであり、薄く伸ばした小麦粉の生地をクレープ状に鉄板へ流し、その上にキャベツや肉、そばなどの具材を重ねて焼くスタイルです。ここ「あらた」はその「べた焼き」の担い手として地元民に長年親しまれており、食べログでは百名店に選出されています。
京都駅から歩いて5-6分であり、東寺駅からも近い。予約ナシだったので開店直後にお邪魔したのですが、それでも殆どの座席は埋まっており、「18:30までであれば」との条件付き運航でお邪魔させて頂きました。
アルコールの値付けは安く、ビールは大ビンで750円。サワー類なども500円かそこらなのでジャンジャン飲みましょう。

また、スタッフの動きも愛想も素晴らしいですね。鉄板カウンター内側に立つリーダー(?)のニイチャンは調理をこなしつつウォークインのゲストを予約の隙間に上手く組み込み、店全体を軽快に統べています。途中からカリスマDJのように見えて来ました。
野菜炒め。チンチンに熱した鉄板の上で新鮮な野菜をテンポよく炒め上げ、フライパンでは出せない香ばしさ、家庭では真似できないシャキシャキとした食感を表現しています。肉も入っており食べ応えもあるため、すぐに出るツマミとして最THE高です。
せせり焼。鶏の首周りの肉で身がよく引き締まっており、プリプリとした力強い弾力と歯ごたえを楽しみます。せせりの美味しさは当然として、お野菜も一緒に合わさって炒められるのがいいですね。
名物の「あらたお好み」。前述の「べた焼き」の上に牛のアゴ肉を炒めてのせ、たっぷりの九条ネギと共に頂きます。このアゴ肉に独特の弾力と濃厚な旨みがあり、程よくスパイシーなソースに良く合う。程よく焦げて固まりつつある焼きそば麺との取り合わせも面白く、当店でしか味わうことのできない唯一無二の傑作と言えるでしょう。
少し時間に余裕があったので「すじ焼」を追加。コラーゲンをたっぷり含む部位でであり、甘辛いタレと共に鉄板で香ばしく焼き上げます。特有のコリコリとした歯ごたえがあり、関西で定番のスジ肉の煮込み料理とはまた違った魅力に溢れています。辛味も結構あってお酒のアテに最適です。
以上を食べ、そこそこ飲んでお会計は6-7千円といったところ。京都駅至近で東寺も近い立地ながら観光客に毒されておらず、きちんと地元民に向き合っているのがいいですね。事前に予約を入れればグループでじっくり楽しむこともできるようなので飲み会使いするのも面白そう。新幹線に乗る前の〆にピッタリです。

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牛おおた/真如堂(京都市)

真如堂のそばで地元民に長年愛されてきた国産和牛専門の焼肉店「牛おおた」。電車でのアクセスは悪いですが、目の前がバス停なのでバスがオススメ。白川通沿いに位置し駐車場もあるので車でも行きやすいです。 
店内は広々としたカウンター席に加え、テーブル席に半個室に2階席と意外に大箱。2階にはキッズスペースも設けられており、子連れファミリーにも配慮された構成です。ロースターはガス式で、内装は飾り気のないシンプルな造りです。
ビールが大ビンで900円と良心的な価格設定。焼酎が豊富なのが印象的で、一升瓶をボトルキープしている強者もチラホラ見受けられます。
ナムル盛り合わせは特盛スタイルで、ほうれん草・もやし・ぜんまい・大根などの野菜類をごま油・塩・にんにく・ごまといったシンプルな調味料で和えて仕上げています。焼肉の合間に箸休めとしてはもちろん、酒をチビチビやりながらつまむに最適の味覚です。
キムチ三種盛は白菜・大根・胡瓜と定番のラインナップ。じっくり漬け込んだ深い旨みと辛みが特長的で、三種それぞれの個性が揃うことで飽きのこない食体験が生まれます。
牛ステーキスライス。厚みのある国産和牛をレアに仕上げたステーキを薄切りにスライスしてタタキ風に提供するひと皿。ポン酢で食べるのがいいですね。その柔らかな酸味と出汁の旨みが上質な和牛の甘みや繊細な脂の風味を邪魔することなく際立てます。スライスという提供形式により肉の断面を味わうことができるのも魅力的。
タンとテールの煮込み盛合せ。タンの美味しさは当然として、テールは骨まわりのゼラチン質が溶け出すことでスープに深みとコクを与え、ふたつの部位が互いに旨みを引き出し合い、単独では出せない重層的なコクと風味を楽しみます。本日一番のお皿でした。
焼肉に入ります。トップバッターにしてエースで4番の「ヘレ」。いわゆるヒレ肉であり、脂肪分が少なくきめ細かい肉質。それでいて上品な旨みと甘みも備えており、霜降り肉とはまた異なる赤身の美学を堪能します。5,300円と一見高価ですが、同等の牛肉をステーキハウスや鉄板焼きで食べることを考えれば良心的な価格設定と言えるでしょう。
カットされたキャベツが自動的に出てきます。そのまま食べて良し、鉄板でちょっと焼いてたべても良し。序盤のナムルやキムチを含め、焼肉屋に来ながら中々の野菜摂取量です。
上肉ぶつ切り落とし。上質な和牛の様々な部位の切れ端(?)を盛り合わせたお得なひと品です。とは言えあくまで上質な肉を使用しており、部位ごとに食感・脂の乗り・風味それぞれに個性がありゴハンとの相性も抜群。ヘレのような繊細なひと品とは対照的に、肉をがっつりと楽しみたいときに頼りになる存在です。
また、当店の看板技術である「洗いだれ」も見逃せません。ゴマと青ネギを浮かべた和風出汁に焼き上げた直後の肉をくぐらせることで、表面の焦げや過剰な脂質が洗い落とされ、和牛焼肉ながらスッキリとした口当たりが実現します。
しっかり飲み食いしてお会計はひとりあたり1万円ほど。やはり関西は焼肉のレベルが高い、と思わず唸る費用対効果です。「京の焼肉処 弘(ひろ)」にせよ、繁華街ど真ん中でなく観光客に毒されていないのがいいですね。気の合う仲間とワイワイやりに是非どうぞ。

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それほど焼肉は好きなジャンルではないのですが、行く機会は多いです。お気に入りのお店をご紹介。
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寺門ジモン監督の焼肉映画。焼肉文化についてここまでシリアスに描けているのは監督の焼肉に対する並々ならぬ拘りに因るのでしょう。焼肉業界の有名店や有名人も沢山登場するので、焼肉通を標榜するのであれば必修科目の1本です。

グリル&コーヒー はせがわ(GRILL & COFFEE はせがわ)/北大路(京都市)

京都を代表する老舗洋食レストラン「グリル&コーヒー はせがわ(GRILL & COFFEE はせがわ)」。半世紀以上にわたり地元住民から絶大な支持を集め続けており、行列の絶えない大人気店。食べログでは百名店に選出されています。「HASEGAWA」の木看板と食品サンプルのショーケースが目を引くレトロな外観が目印です。
私は開店15分ほど前に到着したのですが、先客が15名ほどシャッター待ちしていました。40席近くあるため無事、一巡目に入ることができましたが、その後はずっと軒先で行列が生じている人気っぷり。

店内はランプや絵画が飾られ、木製のテーブルと赤のレザー調ソファーが並ぶレトロな空間で、どこかヨーロッパを思わせる雰囲気です。ちなみにおひとり様向けカウンター席の用意もあり、空いていれば列をすっ飛ばして案内してもらえるので、ソロ活おすすめです。
私は日替わりのサービスランチにエビフライを付けた1,500円の「Aランチ」に加え、単品で200グラム千円の「ハンバーグ」を追加しました。合計で2,500円ですが、これだけ食べて2,500円で済むとは食べる前から大満足です。
木曜日のサービスランチは「サカナフライ」。サカナとは何の魚かは不明ですが、淡白な白身の風味がコッテリしたタルタルソースに良く合います。生パン粉を用いて揚げているためか外はサクサク、中はふんわりとした仕上がりです。

追加でお願いした「エビフライ」がいいですねえ。ドッシリと肉厚な海老を用いており、かぶりつくとザクッという豪快な音がして香ばしい風味が広がり、中のエビからはプリプリとした弾力が楽しめます。「サービスランチ」を注文の方は必ずエビフライを付けて「Aランチ」化しましょう。必ずです。
ちょっとしたサラダも付随します。ドレッシングがかかってさっぱりとした味わい。ハンバーグも追加して肉々しくなっちゃったので、さらに追加でサラダもお願いすれば良かったかなあ。
追加でお願いした看板メニューのハンバーグ。細かく肉を挽き、タマネギと合わせて独特のふっくらした質感を表現しています。ソースはいわゆるケチャップソースで酸味と甘みが支配的。ややもするとウチのオカンが作るハンバーグソースに酷似しており、私にとって郷愁を誘う味覚です。決してマザコンというわけではない。
老舗洋食屋らしく、ゴハン・味噌汁・おかずという定食スタイルを守り続けており、ライスと味噌汁はサービスランチに標準で付属します。ライスは大盛も可能なようですが、デフォルトでも中々のボリューム感。先のケチャップソースのハンバーグと合わせて心なごむ味わいです。
味噌汁はいくつかの味噌がブレンドされているようで、まろやかで甘みのある味わい。ほっとする和のアクセントとなっており、洋食店でありながら日本の食卓の温かみをしっかりと感じさせてくれます。
以上を食べて2,500円。質および量を考えると大変にお値打ちな価格設定であり、やはり京都は洋食のレベルが高いと再認識したランチでした。常態的な行列が玉に瑕ですが、今日は並ぶぞと心に決めてから訪れましょう(後ろのオッチャンは小説を持ってきていた)。日影が無いため日傘の用意をお忘れなく。

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喫茶チロル/二条城前

二条城から南へ歩いてすぐ、御池通沿いにある「喫茶チロル」。1968年(昭和43年)創業の歴史ある純喫茶であり、食べログでは百名店に選出されています。劇団「ヨーロッパ企画」とも深い関わりがあり、「曲がれ!スプーン」の舞台である「カフェ・ド・念力」のモデルになりました。山小屋風の三角屋根、赤と濃紺のストライプのひさしが目印です。
エクステリアの雰囲気を引き継ぎ、木の質感を活かした山小屋風のインテリアが印象的で、木製シャンデリアや鉄製の窓飾りが欧風の温かみを演出しています。ただ、席数は少なくテーブルは狭く低く、長居する感じではありません。
食事メニューが充実しており、食堂と言っても差し支えないほどのラインナップです。視界に入るゲスト全員がカレーを食べていたので、私も「厚切りカツカレー」を注文。1,050円です。それにしてもカレーの注文多すぎだろ。コーヒーよりもカレーのほうが出ているのではなかろうか。
カツは注文が通ってから揚げているようで、こんがりとした外観が食欲を刺激します。ルーは玉ねぎの甘味が主体であり、どこか懐かしくも家庭では表現できない深みを感じさせる仕上がりです。ほどよくスパイシーではあるものの刺激的な辛味は無く、ドッシリとしたカツを受け止めるにちょうど良い味覚です。
「玉子サンド」のハーフサイズは450円。いわゆるタマゴサンドの潰された玉子部分とは異なり、ガッチリとした玉子焼きがパンに挟まっているスタイルです。玉子が玉子すぎる。パンの内側に薄く塗られたマヨネーズが程よい酸味のアクセント。コンビニ各社のタマゴサンドが300円程度であることを考えると良心的な価格設定でしょう。
カツカレーと玉子サンドを食べて合計1,500円。コンビニやファミレスで同等の量を食べることを考えればリーズナブルな価格設定です。朝の8時から営業しているので、次回は朝食としてコーヒーとトーストを楽しみに来ようかしら。

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祇園 川上(ぎおん かわかみ)/祇園(京都市)

1960年創業の「祇園 川上(ぎおん かわかみ)」。花見小路から一筋西の西花見小路に位置する築100年以上の町家を改装した店舗であり、歴史的な趣きを感じさせる世界観。ミシュランでは1ツ星を獲得しています。
お店は結構大きくて、10席のカウンターのほか、本館・別館に合計7つの個室が用意されており、30名近い宴会にも対応可能とのこと(写真は公式ウェブサイトより)。歴史ある高級店ですがゲストに緊張を強いることなく、アットホームでリラックスできる接客です。
お酒はそこまで高くなく、日本酒で1合2千円弱といったところでしょう(原則的に220ミリリットルでの提供)。お店の方に相談すれば、料理に合う飲み物をご提案して下さいます。
「コノワタの茶碗蒸し」で幕開け。滑らかで上品な出汁の効いた玉地にコノワタの凝縮された塩味と独特の風味が加わります。熱々の温度帯が珍味特有のクセを心地よい旨味へと変え、単なる茶碗蒸しでなく酒を呼ぶ逸品へと昇華されています。
アワビのお寿司。シャリは肝のソースと和えられることでリゾットのようなねっとりとした食感と濃厚なコクを纏っています。その上に鎮座するアワビは水のように柔らかく、噛みしめるたびに深海のような旨味が溢れ出します。和食の枠を超えたクリーミーな余韻が長く続き、冷酒はもちろん重めの白ワインとも合わせたくなるような力強い味わいです。
季節の移ろいを盆上に映したかのような華やかな八寸。中でも特筆すべきはアンキモ。濃厚でクリーミーなアンキモのペーストに刻んだ奈良漬けを混ぜ込むことで、奈良漬け特有の酒粕の香りとカリッとした食感が加わり、アンキモの脂っぽさを絶妙に中和させています。まさに酒泥棒と呼ぶにふさわしい味わい。手前の但馬牛は噛むほどに上質な脂の甘みが広がり、冷めてもなお柔らかく、肉本来の力強い旨味が繊細な京料理の中で確かな存在感を放っています。

続いてフグぶつ(写真撮り忘れ)。薄造りとは異なる筋肉質な弾力があり、そこにゼラチン質の皮のコリコリとした食感が重なります。味わいの核となるのは全体に絡められた白子のペーストで、そこへポン酢餡の爽やかな酸味が加わることで、濃厚でありながらも後味はキレ良く仕上がっています。
お造り。近海物を思わせる鯛は程よく角が取れ、滑らかな舌触りと共に上品な甘みが広がります。イカは甘味たっぷりで口の中でとろけるよう。寒ブリは冬の王様らしく脂の乗りが抜群で、醤油を弾くほどの濃厚さがありながら決して重たく感じさせない鮮度の良さがあります。ホッキ貝は特有のシコシコとした食感と共に、磯の香りと強い甘みが噛むほどに滲み出る。
お椀は京都の冬を象徴する白味噌仕立てですが、その濃度は特筆もの。まるで上質なコーンポタージュのようなクリーミーさと濃厚な甘みを湛えており、具材の淀大根は箸がすっと入るほど柔らかく煮含められ、大黒しめじの食感がリズムを生みます。主役のクエは、脂の乗ったゼラチン質が熱々の汁に溶け出し、汁のコクをさらに深めています。
サワラのかけじょうゆ焼き。ふっくらと焼き上げられたサワラは、身の中に水分と脂が閉じ込められており、箸を入れるとほろりと崩れます。香ばしい醤油の焦げた香りが食欲をそそり、淡白ながらも脂の乗ったサワラの旨味をシンプルに引き立てています。付け合わせのサツマイモにはブランデーがきいており、洋菓子のような芳醇で大人びた甘みに仕上がっています。
ブラウンマッシュルームのすり流し。意表を突くほどに濃厚な大地の香りが濃厚で、和風出汁ベースでありながらまるでフランス料理のよう。余計な具材を入れず、マッシュルームの滋味だけをストレートに味わう構成です。
蕪蒸し。すりおろされた蕪はふわふわの食感で、甘みとわずかな苦味が心地よい。その中には穴子や百合根、キクラゲに生麩が組み込まれており、宝探しのように多様な食感と味が隠れています。全体をまとめる餡の優しいとろみが、これらの具材を包み込み、口の中で一体化させます。
津居山のカニ。言わずと知れた松葉ガニの最高級ブランドのひとつです。繊維の一本一本がしっかりとしており、口に入れると瑞々しいジュースと共にカニ特有の上品かつ濃厚な甘みが溢れ出します。身の締まりと解け具合が絶妙だ。
〆のお食事は卵かけごはん。シンプルながら贅沢を感じさせるセットであり、炊き立ての艶やかな白米ひと粒ひと粒に、濃厚な卵液が絡みつきます。お椀もお漬物も上質で、和食っていいなと再認識させてくれる締めくくりです。
お腹に余裕があれば、とのことでイクラごはんをお出し頂けました。宝石のように輝くイクラがたっぷりと乗せられたご飯は見た目にも華やか。口の中でプチッと弾けると同時に、濃厚な魚卵の旨味と漬け地の風味が広がります。そこに合わせられた海苔の佃煮が秀逸で、磯の香りを凝縮したような黒いペーストが、イクラの塩気とは異なるベクトルでご飯のお供としての深みを加えています。
水菓子に柿、いちご、紅まどんな。季節の果実たちが食事の余韻を綺麗に整えてくれました。

以上を食べ、そこそこ飲んでお会計はひとりあたり4万円ほど。中々のお値段ですが、祇園のど真ん中で旬の高級食材をしっかり食べてこの支払金額であれば妥当でしょう。ランチは1万円を切るお弁当やコースも用意されているようなので、次回は季節を変えて、そちらを試してみたいと思います。

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京都はとにかく和食がリーズナブルですね。町全体の平均点が高いのはもちろん、費用対効果も良いことが多い。その文化に影響を受けてか、欧米系のレストランにも目が離せない魅力がある。
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