鮨 志の助/新西金沢

 食べログ4.13。「金沢の鮨の頂点」と名高い当店へ。
 カウンター8席のみの小体なお店。なんですが、大将が1人で全てをまかなっており、明らかにまわっていない。ゲストのほとんどがヒマしてます。大将はリズミカルに踊っているような所作でクールなんですけどね。
 ともあれ、日本酒でスタート。石川の地酒は3種の用意。
 アカイカ。ぬるりと甘く、最初から期待させてくれる一品。ただ、シャリが小さくゆるい握りで流線型ではなく球体に近い。好きなスタイルじゃない。
 ノドグロ。嬉しいですね近海物。味が濃くスモーキーで抜群に美味しかった。
 ガスエビ。こちらも日本海ならでは。とにかく甘く官能的。絶品。
 バイガイ。ザクザクと印象的に歯ごたえ。少し臭みが残るのが残念。そうだ、そもそもそんなに好きな食材じゃなかった。
 ウニ。ごく小さなおにぎりみたいなシャリの上に、スプーンで丁寧にちょこんとウニを載せる。うーん、意図がよくわからん。バリっと軍艦にしちゃえば良いのに。味は悪くないのですが、色々と考え込んでしまい、楽しめませんでした。
 キス。キスの握りというか生って珍しい。ただやはり珍しいだけあって、イマイチでした。やっぱ天ぷら向きの魚なんでしょう。
 トロの炙り。こちらは唸るほど美味しかった。当然に築地から引いてきたものでしょうが、旨いものは旨い。マグロってなんとも華やかな食材ですね。
 アジ。こちらも満点。シャリが小さい分、相対的にネタが大きく感じ、贅沢な気分。いつまでも咀嚼し続け幸せな1分間でした。
 タイの昆布〆。これは好きじゃなかったです。昆布の旨味が強すぎてタイの味が全然感じられない。昆布の風味どころかヌメリまで出てきており、意図的なのかもしれませんが、私の口には合いませんでした。
 蒸しアワビ。凡庸。もちろん美味しいのですが、感動はありません。
 アナゴも蒸しすぎ。ぐにゃぐにゃの離乳食みたい。ただ、これほど柔らかいのに原型は留めているあたり、すごく工夫しているのだとは思います。
 お椀はタイのアラ。シンプルに美味しかったです。
〆はネギトロ。これは製造工程を含めて楽しかったです。明らかにトロなブロックを太ネギと共にザクザクと粗挽きミンチ。サイコロ程の大きさを残したまま豪快にシャリで巻きつける。海苔の上質な香りが寄り添い、びっくりするほど美味しかった。

そして度肝を抜かれたのがお会計。「都内なら2万円前後、、、地方だから1万5千円ぐらいか。。。」と覚悟していたのですが、提示された請求額は9,600円!!!!くぁwせdrftgyふじこlp。鮨屋でこんな金額見たことねえ!夢から醒める夢をみたような気分です。

様々な技巧がほどこされた芸術的な鮨というよりは、上質のネタをシャリにのっけただけな作風のお店ですが、とにもかくにも費用対効果が抜群すぎる。今度お邪魔するときは、ツマミも織り交ぜながらガツンガツンに飲んで2万円を狙っていこう。



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鮨は大好きなのですが、そんなに詳しくないです。居合い抜きのような真剣勝負のお店よりも、気楽でダラダラだべりながら酒を飲むようなお店を好みます。
この本は素晴らしいです。築地で働く方が著者であり、読んでるうちに寿司を食べたくなる魔力があります。鮮魚の旬や時々刻々と漁場が変わる産地についても地図入りでわかりやすい。Kindleとしてタブレットに忍ばせて鮨屋に行くのもいいですね。


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