ピクニック/芝公園


20代の美人ソムリエール2人とランチというあげぽよな企画。でも、昼から飲めるお店ってそんなにないよなあ、と思案していたところ、空がどこまでも青く高いことに気づく。そう、別にカリフォルニアのワイナリーだけでなく、東京でもピクニックしてしまえばいいのです。
成城石井で買い込んでも良かったのですが、それはあまりにも無芸であり、また「タケマシュランのピクニック、なんかセレブそう」と煽ってくるので、サラダぐらいは手作りすることに。ロメインレタスにキュウリにハーブ、カボチャにトマトにチキンに卵にキヌアです。キヌアはいいですね、ふりかけるだけで不思議なオシャレ感を得ることができます。
シャルキュトリは日進ワールドデリカテッセンより。
自宅からテクテクと20分かけて歩いて芝公園へ。途中、三田界隈では有名なパン屋に立ち寄り、天然酵母で作られた風味豊かなパンを買い込みます。ホテルやレストランへも卸す、派手ではないけれども質実剛健なパン屋さんです。
芝生の青さでは、いわゆる芝公園よりもザ・プリンス パークタワー東京のほうに軍配があがるのですが、日を遮る木立などが一切ないのが玉に瑕。広大な緑を目に焼き付けながら通り抜けます。
芝公園の東京タワーが正面に見える木陰に場所を確保。シートは最近流行の、裏面が防水で表面がフリース素材のものを買いました。
ビニールシートだと、皮膚が接着した際のベタって感覚が不快ですが、フリース素材であればサラリという感覚で気持ちが良いです。持ち運び前提で、上手く畳める仕組みとなっており、持ち手も付いているので便利でした。
ふたりと合流し、宴の始まり始まり。彼女たちとは六本木のワインバーで知り合い、夜にしか会わない関係だったので、太陽の下で酒を酌み交わすのは新鮮。しかし「でも実は私、六本木で会う前からタケマシュランに1度会ってるんですよね~」と、何だかドキドキする言い回し。

「○○という店、1度いらっしゃいましたよね。あそこで私、昔働いてて。重そうな客だったので担当からは逃げましたが」。ああ~わかるぅ~、飲食あるあるだわ~、と、合点し手を叩き合うふたり。私だけ置いてけぼりだったので、「重そうな客」の意味を聞く。

「大事な接待とか、何度も予約確認してくる客とか、取り扱いに気をつけない客のことを『重い客』って表現するんです。ソワニエ(VIP)とはちょっと意味が違うけど、特に悪い意味でもない」。

でもその日、僕はネットから予約を入れて特に難しい注文もてしてないつもりだけれど、と反論すると「ワインリストをきちんと見ているとか、何となく食べ込んでそうな雰囲気とか、そういう細かい部分の積み重ねで当日に重い客認定することもあります。ちなみにその日、最初はシャンパーニュの○○を飲んで、次に△△で、最後に□□でしたよね。ふたりなのに全部ボトルで良く飲む客だわ、と思いながら見てました」すごー!人が何飲んだかまで覚えてる!ナリサワのソムリエも私がいつ何を飲んだかをきちんと把握しておりその鬼CRMさ加減に腰を抜かしましたが、ソムリエという職業は特殊な記憶回路があるのかもしれません。
辛口の泡で乾杯。その後は泡1本に白1本を空けたのですが、写真撮るのを失念。
「つい最近、◎◎ってお店にも行きましたよね?そこで働いている友達から『たぶんタケマシュランの予約が入っているんだけど、大丈夫かな。。。』って、あたしに事前確認が入りましたよw」。何この通報制度。今後は可能な限り偽名で予約しようと心に決めました。ちなみにそのお店の方の私に対するコメントは「思ったより若くてビックリした」とのこと。そうです、私は若いのです。
パンが基本に忠実でとても旨い。彼女たちが手で千切ってアーンしてくれたのでより一層美味しかったです。
このポテトチップは高価格ながら無慈悲な量なのですが、きちんとトリュフの香りを再現できています。
美女がイチヂクを持ってきて下さいました。イチヂクって謎の高級感がありますよね。それがあるだけで、今日は何となく違うぞちょっと豪華な飲み会だぞ、って。
消防団の放水訓練が楽しそうなので「ジャン負けで浴びて来ようよ」と美女が提案。そのまま言いだしっぺが華麗に負ける。世の中そんなものである。
「お酒無くなっちゃった~、あとアイスも食べた~い!ジャン負けでコンビニ買出しね」と美女が提案。そのまま言いだしっぺが華麗に負ける。世の中そんなものである。
それにしてもスーパードライが格別。今日飲んだ液体でこれが一番美味しいと3人の意見が一致しました。逆説的ではありますが、ワインにのめり込むにつれ、ビールの偉大さが身に沁みます。なんて旨くてリーズナブルなお酒なんだ。
「ねえねえ、あたしたち、再来週に香港に行くの。一緒に行こうよ」と、プリクラでも撮ろうよと同じくらいのノリで海外旅行に誘われました。

スケジュール的には概ね問題なかったのですが、私が20代の美女2人を携えて香港に居る絵を想像し、超楽しそうという気持ちと、このオッサン超痛いという世間体を気にする気持ちが綯い交ぜになり、85%の確率で行かないけれど、念のためフライトと宿泊先を秘書に伝えておいてくれ、とその場を収めます。

その後は何だかよくわからないテンションになり、ペットボトルの水をベッタベタにぶっ掛けられ、タクシーに乗れないレベルにまで濡れてしまいました。童心に帰るとはこのこと。「水をかけ合って濡れる=楽しい」という感覚は人間のOSにプリインストールされているのでしょう。スプラッシュマウンテンにしろAmnesiaの泡パにしろ、娯楽の重要な局面において、水は重要な役割を果たしていると得心した1日でした。

家に戻ると妻に「そんなに濡れて、何があったの?」と心配されました。うまく説明できないけれど、再来週は香港に行くことになるかもしれない、と告げてシャワーを浴びる。


関連記事
芝公園あたりは飲食店が少ない。その中でもお気に入りをご紹介。