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香蘭(コウラン)/宇都宮

宇都宮と言えば餃子。餃子と言えば宇都宮。その宇都宮の中でも屈指の人気を誇る「香蘭(コウラン)」。食べログでは百名店に選出。市街地の中心地にあり、我々は土曜日のお昼時にお邪魔したのですが待ち人は20名ほど。ただし回転は良いので2-30分の待ち時間で着席することができました。
店内は古き良きラーメン屋といった風情であり、カウンター席が8席に4人掛けのテーブルが4卓。かなり慌ただしいお店ではありますが、荷物置き場を手早く作ってくれたりと、従業員は皆、親切です。
メインのメニューは「焼餃子」「揚餃子」「水餃子」のみであり、サイドとしてライスと飲み物がある程度です。餃子はいずれも6個で297円と格安。
まずは水餃子。注文してすぐ、ビールよりも早く出て来ます。皮は厚くモチモチとした食感を楽しむことができ、餡そのものの味付けも中々のもので、何もつけなくてもそのままで美味しい。
焼餃子。やはり調味の強い餡を、ごま油でコンガリと焼き上げます。ニンニクがゴロゴロと入っているので、このあと予定がある方はご注意を。
私の一番のお気に入りは揚餃子。かなり分厚めの生地の餃子を重厚に揚げています。それでいて生地のモチモチ感はしっかりと残っており、珍しい食感と言えるでしょう。数量限定なのでお早めにどうぞ。
以上を食べてビールを飲んで千円かそこらと大変にお値打ち。メニューの数は少ないのでここでしっかり一食というよりは、他の餃子店とハシゴする前提で訪れると良いでしょう。

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それほど中華料理に詳しくありません。ある一定レベルを超えると味のレベルが頭打ちになって、差別化要因が高級食材ぐらいしか残らないような気がしているんです。そんな私が「おっ」と思った印象深いお店が下記の通り。
本場志向で日本人の味覚に忖度しない中華料理が食べたいかた必読の書。東京の、中国人が中国人を相手にしている飲食店ばかりが取り上げられています。客に日本人は殆どいないのですが、コロナ禍で海外に行けない今、ある意味では海外旅行と同じ体験ができる裏技が盛りだくさん。

オトワ レストラン(Otowa restaurant)/宇都宮

食べログとは情報に偏りがあるメディアであり、世界レベルの名店に対して全くノータッチだったりすることがあります。例えば今回お邪魔した宇都宮の「オトワ レストラン(Otowa restaurant)」はフランスにポンと放り込んでも3ツ星レストランと互角に渡り合えるお店だと確信しているのですが、2022年現在、食べログからは何の表彰も受けていません。業界的にも超有名なお店なのに何ででしょ。
閑話休題。現代的な美術館風の建屋に静かに入り、ウェイティングルームで居住まいを正したのち、ガラス張りの厨房の脇を抜けメインダイニングへ(写真は公式ウェブサイトより)。このアプローチはいつ訪れてもクールですねえ。銀座の雑居ビルでは到底表現できない世界観です。なお、日本フランス料理界のレジェンド、音羽和紀シェフを中心とした当店の成り立ちについては前回の記事に詳しく記しました。
バリバリのグランメゾンらしく、アミューズからバリバリに手が込んでいます。こちらはブロッコリーを組み込んだお口取りであり、青く健康的な風味が口腔内に満ち始めます。
金華サバ。このアミューズはめちゃんこ旨いですねえ。世界最強のシーチキンといった味わいであり、このままサイズアップしてそのまま魚料理として楽しみたいくらいです。
こちらは地元のピーナッツを用いたタルト。旨味の強いチーズをたっぷりすって、シャンパーニュが進む味覚です。
ゴボウの風味を活かしたフラン。大地のパワーが直に伝わる料理であり、白子やトリュフとのコンビネーションも見事です。何よりコンソメが絶品。
ニシンと和梨のコンビネーション。ニシンのコッテリとした脂に梨の奥ゆかしい甘味が見事に調和します。水キムチ風にアレンジしたソース(?)の複雑味も見逃せない美味しさです。
パンは3種頂きました。いずれもそれ単体として見事な味わいであり、パン屋として都心にスピンオフ出店しても行列間違いなしのクオリティです。やっぱフランス料理をガチでやっているお店はパンが美味しいなあ。
地元の旬の野菜をたっぷり用いたサラダ。見た目の美しさはもちろんのこと、野菜そのものの味が濃く滋味に溢れています。ホエー(ヨーグルトの上部に溜まってるアレ)を用いたソースのコクと酸味も活きており、サラダと呼ぶには形容が足りない完成したひと皿です。
フォアグラを黒キャベツで包みます。雑味の無い滑らかなフォアグラと黒キャベツのパンチのある味覚が良く合います。白眉はソースたちで、とりわけキノコの香りが豊かな泡泡に伝染性のある美味しさを感じました。
マスを用いた料理なのですが、覆いかぶさるジャガイモのパンケーキ(?)が尋常でない美味しさを放っています。なぜポテトがこんなに美味しくなるのだろう。汎用人型決戦ケーキとも言える破壊力を秘めたひと皿です。
ラム。写真ではひとつの塊肉に見えますが、いくつかの部位が組み合わさり、周りにバラ肉を巻き付けています。中央部の清澄な味覚に舌鼓を打ち、バラ肉部分のジューシーな脂の甘味を堪能する。付け合わせの安納芋もネットリと官能的な味わいであり、あとひと口もうひと口と手が止まらないメインディッシュでした。
お誕生日が近かったので、デザートで工夫して頂きました。デザートそのものはシンプルな誂えですが、何とも濃密なイチヂクの風味を奏でており、イチヂクよりもイチヂクの味が濃いかもしれません。
お茶菓子についても全く手抜きがありません。アミューズ・パン・小菓子のレベルが高いお店は全てにおいてレベルが高いという持論が補強された瞬間です。18時に入店して退店は22時。長いが充実した道のりでした。

以上のコースが税サ込で2万円弱で、1-2万円のワインをひとり1本ペースで飲んでお会計はひとりあたり4万円弱。フランスの料理文化を遵守した本気のグランメゾンでこれだけ飲み食いしてこの支払金額は実にリーズナブル。加えてこのクオリティの料理とサービスを昼も夜もフルファイトで提供できる組織力にも脱帽です。

もちろん瞬間最大風速的に当店よりも美味しい料理を出すお店はいくらでもありますが、ハードもソフトも高いレベルを安定的に維持し、組織的にフランス料理ひいてはフランス料理文化の体現に取り組み、地元から愛されているレストランは日本では当店ぐらいでしょう。港区の予約困難店は5年もすれば消えてなくなるのが常ですが、オトワは100年先も変わらず存在し続ける。これが本当のサスティナビリティだ。

東京から日光旅行で栃木を訪れた際、帰りのディナーは必ず当店に立ち寄りましょう。人生が豊かになります。私が保証します。

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日本フレンチ界の巨匠、井上シェフの哲学書。日本でのフレンチの歴史やフランスでの修行の大変さなど興味深いエピソードがたくさん。登場する料理に係る表現も秀逸。ヨダレが出てきます。フランス料理を愛する方、必読の書。

悟空(ごくう)/宇都宮

宇都宮は宮島町の「餃子通り」は、その名の通り餃子の名店が立ち並ぶ県内屈指の観光地。「みんみん」や「正嗣(まさし)」が特に有名ですが、その二大巨頭に挟まれる「悟空(ごくう)」もかなりの行列です。回転が悪くかなり待たされるのが難点。
いわゆる餃子屋・ラーメン屋といったカウンター主体のカジュアルな店内。栃木のおばちゃんがテキパキと店内を取り仕切り、様々な国籍の若者が一致団結して宇都宮で中国料理を作るという光景は中々にシュールです。
酒はどれも500円前後といった価格設定であり良心的。なるほどこれは餃子をツマミについつい長居してしまいそうである。
おばちゃんからは「特製肉餃子とジャンボ餃子が人気」との案内がありましたが、我々は全ての焼き餃子が1皿にのったセット的なものを注文。「特製肉餃子」「ジャンボ餃子」「野菜餃子」「しそ餃子」が盛り付けられており、なるほど「特製肉餃子」「ジャンボ餃子」が別格に美味しく感じます。

とりわけ「ジャンボ餃子」は小籠包もかくやと思うほど肉汁に溢れており、一種類しか選べないとするのであれば、私は「ジャンボ餃子」を強く推奨します。
私は「餃子なんて味の素の冷凍のやつで充分じゃね?」という考えの持ち主でしたが、なるほど当店のそれは専門店ならではの圧倒的な存在感がありました。宇都宮にお立ちよりの際は是非どうぞ。

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「東京最高のレストラン」を毎年買い、ピーンと来たお店は片っ端から行くようにしています。このシリーズはプロの食べ手が実名で執筆しているのが良いですね。写真などチャラついたものは一切ナシ。彼らの経験を根拠として、本音で激論を交わしています。真面目にレストラン選びをしたい方にオススメ。

オトワ レストラン(Otowa restaurant)/宇都宮

日本を代表するフランス料理人、音羽和紀シェフ。1970年代に渡欧し、フランス料理史に名を残す伝説のシェフ、アラン・シャペルの薫陶を受け、帰国後1981年に宇都宮に「オトワ レストラン(Otowa restaurant)」を開業。ゴエミヨではトランスミッション賞を受賞し、世界的なイケてるレストラン組合「ルレ・エ・シャトー」にも加盟しています。
近代的な美術館のような内外観(画像は公式ウェブサイトより)。入店からガラス張りの厨房の脇を抜け、メインダイニングに至るアプローチはまさにグランメゾン。シェフズテーブルや個室も用意されており、むちゃんこカッコイイ誂えです。
レストランを統べるのは長男の音羽元シェフ。白金の「シエルエソル(CIEL ET SOL)」の厨房を預かりミシュラン1ツ星を獲得した次男の音羽創シェフはサービスに徹しており、大谷翔平をDHで使い続けるような贅沢さがあります。海外でホテル・レストランマネジメントを納めた長女マダム香菜もマネジメントに参画しており、この人材の厚さは何なのでしょう。「徳山鮓(とくやまずし)」もそうですが、一族の子供たちが世界に散って、また戻ってきて館を継ぐというストーリーは物語として最高。
ワインはかなりお値打ち。思わず嬉しくなってしまい、おシャンパーニュにシャサーニュ・モンラッシェ、ボルドー5級を全てボトルで注文と、エキサイティングな時間を過ごさせて頂きました。ちなみにお食事は最高値の「メニュー ルレ・エ・シャトー」で税サ込18,150円です。
アミューズからバッチリと手が込んでいます。とりわけマーブル模様の伊達鶏が絶品であり。これをそのまま大きくしてメインディッシュとして食べたいほどの美味しさがありました。
スープはトウモロコシ。トウモロコシよりもトウモロコシの味が濃く、液体というよりも個体に近い迫力があり、ドロっとした食べ応えがあります。他方、中央のトマトのソルベが爽やかさを付与しており余韻はサッパリ。
ヤマメ。この食材は日本料理店で塩焼きとして食べることが殆どであり、フランス料理店でタルタルとして食べるとは思いも寄りませんでした。独特の青臭さが食欲をそそり実に爽やか。組み込まれた野菜の食感がも楽しい。
パンも本格派。3種頂きましたが、いずれもそれ単体として見事な味わいであり、ブーランジェリーとして勝負していけるほどです。
オマール海老は程よく熱が加わっており、甘味が増して美味しい。どことなく炭っぽいニュアンスも感じられ、香ばしい味わいです。柑橘のソースの味覚も心地よく、程よい軽やかさを演出しています。
蝦夷アワビをパイで包んで焼き上げます。なんて美しい焼き色でしょう。このまま額に入れて部屋に飾りたいほどです。
さっくりとナイフを入れると立ち上る磯の香り。佐野ひなこのようにムッチムチの歯ざわりのアワビが艶っぽい美味しさ。ソースには昆布出汁や肝の旨味が溶け込んでおり、アワビを取り巻くホタテのムースにアオサ海苔を含め、レンティア国家のような豊かさのあるひと皿でした。
お魚はアマダイ。日本料理のような松笠焼きでザクザクとした歯ざわりを楽しむ逸品。キュウリを用いたソースも初夏にピッタリの味わいです。オマールからアワビ、アマダイと、海無し県でここまで高次元な魚介料理が楽しめるだなんて。
メインは地元の和牛のフィレ肉。肉そのものの美味しさや火入れの素晴らしさは当然として、ソースが実に印象的。チミチュリソースというアルゼンチン発祥の青くサッパリとした味わいであり、内蔵が再起動する爽やかさ。フルコースにおいてメインの肉はお腹いっぱいで惰性で食べることが多いですが、コチラは思いがけず軽やかで最後までスルスルっと食わせる軽やかさです。
お口直しは栃木が誇るとちおとめ。そのへんのフレンチレストランの雑なグラニテとは一線を画し、素材の良さを明確に示す手の込んだ名品です。
デザートは地元のメロンに青紫蘇のアイス。アミューズにスープ、ヤマメにアマダイ、肉と、爽やかな味覚がコース全体を貫いているのが面白い。
小菓子も手が込んでいて、このまま専門店としてショーケースに並べたいほどです。フレッシュハーブティーと共にのんびりとおしゃべり。優雅なランチタイムでした。
お会計はひとりあたり4万円弱。ただしこれは割と派手目に飲み食いした結果であって、普通に楽しんだとすれば2万円前後に落ち着くでしょう(ランチコースは7千円ぐらい~)。これは大変お値打ち。東京からの新幹線代を加味したとしても、それを上回る食後感です。

何より本気でフランス料理ひいてはフランスの料理文化に取り組んでいるのが良いですね。夫婦だけでやってるような地方のオーベルジュは最近増えてき始めましたが、50席を超える大箱で、大勢の従業員を抱えながらシステマティックに事業を継続できているのは偉業としか言いようがありません。ミシュランに栃木版があれば2~3ツ星は当選確実であり、ウーシュの「トロワグロ」イルローゼンの「オーベルジュ・ド・リル」を彷彿とさせるファミリーとしての凄味があります。
私の知る限り、日本において最もフランス料理・フランス料理文化的なレストランです。感じるもの全てがフランス基準・世界基準。港区にあるちんちくりんなおバカフレンチの予約をネットで取り合うのは情弱のすることだよん。

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ナオミ オオガキ(Naomi OGAKI)/宇都宮

宇都宮の中心、東武百貨店近くにある「ナオミ オオガキ(Naomi OGAKI)」。宇都宮と言えば餃子ばかりクローズアップされますが、きちんとしたフランス料理店もあるのです。
店内は気軽なビストロという雰囲気。席数は結構多く、おひとりさま向けのカウンターとテーブルがいくつかと、30人近く入れるのではなかろうか。

大垣直巳シェフは高校卒業後、プロヴァンスとアルザスで腕を磨き、帰国後は栃木が誇るスターシェフ音羽和紀に師事したのち、2014年に当店を開業。2016年には横浜に姉妹店「Vers par Naomi OGAKI」もオープンしています。
ワインの値付けはバラバラで、シャンパーニュは割高なもののローヌやアルザスのワインは悪くない価格設定。その他、ビールなどの気軽なアルコールは居酒屋価格であり、そのせいもあってかガチでフランス料理を楽しみに来ているゲストと、高級洋風居酒屋的な使い方をしている客に分かれていました。
アミューズは生牡蠣。料理というよりも材料ですが、単刀直入に旨い。牡蠣はややこしいことをせずに生で食べるのがいちばん。
続いて看板料理のパテ・アン・クルート。鶏肉主体のサッパリとしたパテをパイ生地で包み込み、ジュレやピスタチオなどを忍ばせて焼き上げます。旨い。こういう料理は家庭では作れないので嬉しくなる。
サラダと聞いていたのですが、しっかりとした手長エビがトッピングされており私得。メインとなる野菜は白菜とサラダで食べるには珍しいものなのですが、シャクっとした歯ざわりに透明感のある味わいがクセになる。
ナマのホタテにウイキョウなどで風味を与えます。冒頭の生ガキもそうですが、当店は手の込んだややこしい料理とシンプルな料理が交代ばんこに登場するのが面白い。
フロマージュ・ド・テート。出ました手の込んだややこしい料理。ブタの頭部のあらゆる部分を用いてゼリー寄せにした一見(一聞?)グロめな料理ですが、コリっとした食感やヌメっとした舌ざわりが交錯し乙な味。加えて当店では切りつけた表面を香ばしく焼いているので親しみやすい外観です。
お魚料理は甘鯛。ウロコを含めてバリっと仕上げているので歯ざわりがグッドです。ソースも質実剛健なつくりであり、これぞフランス料理と言える1皿でした。
メインディッシュはエゾジカ。クセのない部位をシンプルに焼き上げ、見た目の通りの美味しさです。サイズは50グラムかそこらかなあ。少し物足りなく感じました。
〆の炭水化物としてリゾットが出てきます。トリュフの風味がきいた濃厚なものであり、コクが強く満腹中枢が刺激されます。
デザートはイチヂクのアイスクリームに洋ナシのコンポート。このアイスは美味しいですねえ。一般的には洋ナシのアイスにイチヂクのコンポートが多数派であるところ敢えて逆に素材を配備し、また、イチヂクがこんなに濃厚なアイスクリームに化けるのかと気づきを与えてくれた1皿でした。フランス風に、食後のお茶は別料金とのことでパス。ワインと合わせて大人の甘味でした。
1万円のコース料理にビールとワインをふたりで1本飲んで、お会計はひとりあたり1.5万円ほど。東京のど真ん中で楽しんだとすれば悪くない費用対効果ですが、宇都宮でと考えればそれほどリーズナブルではないかもしれません。

また、土地柄か輩のような連中も多く、そういったゲストを取り締まる気も無さそうなので、その日の雰囲気は運次第といったところでしょう。決めるデートや接待ではなく、友人と美味しいものを食べに行く、そのような用途が適しているかもしれません。

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