Japanese Soba Noodles 蔦(つた)/代々木上原

ラーメン屋としてミシュラン1ツ星を獲得し話題となった「Japanese Soba Noodles 蔦(つた)」。突如人気が沸騰してんてこまい中のてんてこまいとなり、商品構成やオペレーションを見直し巣鴨から代々木上原の地へ転戦。私は飛行機で当店プロデュースのものを食べたことがあるのですが、実店舗にお邪魔するのは初めてです。
「飯田商店」よろしく当店もOMAKASEの予約システムを採用しており、1秒も並ばずにスムーズに入店。素敵な時代になりました。店内は結構広く、20席強はありそうです。カウンター席はもちろんテーブル席も用意されており、ラーメン屋としてはトップクラスの居心地の良さです。
主力の「醤油ラーメン」。前評判の割に控えめな価格設定です。淡麗な醤油味でゴクゴクいけるクチ。魚介や動物の風味など色んな味がするのですが、加えてバルサミコトリュフクリーム、モリーユ茸のクリームソース、フィグコンポートとバルサミコボールと味が多過ぎる感は否めない。
スープに比べると麺の仕様は標準的。やはりキレイな小麦の味わいが響き、ツルっとした喉越しが楽しめます。色々書きましたが、ここまでで1,200円というのはお値段以上の美味しさがありました。
800円の「特製トッピング」は別皿での用意。結論から述べるとこれは大変お値打ちですねえ。すき焼き風の和牛、肉味噌、生ハム風の豚肉、鶏チャーシューと肉の百貨店であり、それぞれ異なった味覚が楽しめます。思わずワインを注文したくなる美味しさ。そのへんのビストロが尻尾を巻いて逃げ出すクオリティです。必ず注文すること。
「A5黒毛和牛SUKIYAKIご飯」は800円。これは正直ビミョーですね。TKGとも記載されていましたが卵液の量が少なく、また、肉の量も寂しい。先の「特製トッピング」にプレーンバニラな白米で充分。
「A5黒毛和牛SUKIYAKIご飯」ではずっこけましたが、そこに至る「醤油ラーメン」と「特製トッピング」を食べて2千円というのはお買い得。ラーメン屋で2千円と考えるとウォって思いますが、きちんとしたパスタ料理と手の込んだお肉の盛り合わせを食べに行くんだと自らに言い聞かせて訪れましょう。

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フィオッキ(Fiocchi)/祖師ヶ谷大蔵

小田急線は祖師ヶ谷大蔵駅から徒歩5分の商店街の中にある「フィオッキ(Fiocchi)」。食べログでは3.88(2021年5月)で百名店に選出と、世田谷が誇るイタリアンの名店と言えるでしょう。

お店に入ってすぐは物販スペース「ラ・ポルタ・ディ・フィオッキ」。そこからもう1枚、扉を隔てた奥に「フィオッキ(Fiocchi)」という面白い間取りです。
堀川亮シェフは祖師ヶ谷大蔵で生まれ育ち、25歳で渡伊。イタリア北中部の名店で腕を磨き、帰国後、2000年に当店を開業。コロナ以前は席数の多いバリバリのリストランテだったそうですが、コロナを奇貨として改装し物販スペースを設置しテイクアウトを強化。加えてカウンター席を設けライブ感溢れる誂えへと仕様変更。天晴れな決断力です。ちなみに我々は禁酒法の時代に訪れたのでアルコールの提供は完全NG。コンプライアンス意識も非常に高い。
まずは新玉ねぎのドロドロしたやつにウニをたっぷりトッピング。ドロドロには海苔やワラビが組み込まれており、山海の珍味が一発で楽しめます。ポーションも中々のものであり、この時点で今夜の勝利を確信しました。
続いて牡蠣。でっぷりと太った牡蠣に鴨(だっけ?)の出汁のジュレを注ぎ、刻んだトリュフやらモリーユ茸やらトリュフやらをトッピング。なんとも直情的な味覚であり特急で美味しい。お供に白ワインが無いのが悔やまれる。
サーモンを目の前で燻製。香り高く食欲をそそる味わいです。ジューシーなホワイトアスパラガスやホロホロ鳥の卵のスクランブルエッグ風ソースなど皆が大好きな味覚であり、ナスタチウムのピリっとした刺激も心地よい。
パンは自家製の全粒粉パン。テイクアウトの強化と共にパン用のオーブンを設置するなど、この手の食事についてはお手の物。このあたりの住民はホームパーティーの料理に困るということは無いでしょう。
目の前でスッポンが串に刺されて焼かれます。香ばしく獰猛な味覚で実にマッチョ。スッポンは日本のジビエと思いきや、日本料理として食べるよりも欧米系な調理で食べた方が旨いのではなかろうか。
ファサーと、サランラップのように薄くスライスされた生ハム。24か月も熟成されたパルマ産のヘヴィー級の濃いはみごとに脂の甘味と一緒に溶けます。底には豆のリゾット的な歴史ある郷土料理(?)が敷かれており、前前前世からこんなにも旨いものを食っていたとはイタリア人は実にけしからん。
パスタはアニョロッティ・ダル・プリン。いわゆるワンタン的な詰め物料理であり、秋田の山菜などが詰められ面白い試みなのですが、食いしん坊の私としてはもう少しパスタパスタした食べでのあるパスタ料理のほうが良かったかもしれません。
メインディッシュはランド産の鳩の炭火焼き。オーセンティックな調理であり、マルサラを主体としたベーシックなソースが良く似合います。お供に赤ワインが無いのが悔やまれる。
デザート1皿目はレモンのコンポート(?)にストラッチャテッラのアイス。ストラッチャテッラとはブッラータの内部にあるクリーム状の濃いやつであり、イタリアのジェラテリアなどでは割にメジャーなフレーバーです。レモンが皮ごとイケるクチであり、目が覚めるような酸味と奥行きのある甘味。
続くデザートもセンス抜群。グリーンアスパラガスのプリン的なものにビールのアイス、チェリーたっぷりのチョコレートソース。それぞれエッジのきいた甘味ですが、さらにはグリーンアスパラガスのコンポート(?)やカカオニブなど、私の味覚の処理能力が追い付かないほどの多彩な試みが詰め込まれています。
小菓子も自家製。ほっこりと心温まる味わいであり、どこかへお邪魔する際の手土産にも良さそうです。この、物販とレストランの小規模ハイブリット形式は令和アンダーコロナにおける勝ちパターンかもしれません。知らんけど。
恐らく本日シェフが最も手間暇かけて提供したドリップコーヒー。純喫茶であれば千円近くはしそうな、バリ旨い1杯でした。

酒は飲まず炭酸水のみに留めたので、お会計はひとりあたり1.8万円ほど。祖師ヶ谷大蔵という地においてはかなり勇気の要る価格設定ですが、都心で同じものを食べることを考えれば大変リーズナブル。どの皿も独創的できちんと美味しい。次回、疫病騒ぎが落ち着いた折にでも是非、たっぷりのワインと共に楽しみたいと思います。

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イタリア料理屋ではあっと驚く独創的な料理に出遭うことは少ないですが、安定して美味しくそんなに高くないことが多いのが嬉しい。

日本のイタリア料理の歴史から現代イタリアンの魅力まで余すこと無く紹介されており、情報量が異常なほど多く、馬鹿ではちょっと読み切れないほどの魅力に溢れた1冊です。外食好きの方は絶対買っておきましょう。

しゃぶしゃぶKINTAN代官山本店/恵比寿

「THE KINTAN STEAK」を始め、恵比寿界隈のカジュアル肉料理屋としては好印象のKINTANグループ。この日は「代官山焼肉 kintan」の2階にオープンした「しゃぶしゃぶKINTAN代官山本店」へ。代官山って言っても恵比寿から歩いた方が直感的にわかりやすいです。
厨房をぐるりと取り囲むコの字型テーブルにテーブル席と個室がいくつか。席間にゆとりがあり、カウンターも広々としていて快適です。客層は20代後半~アラフォーといったところでしょうか。サマンサタバサみたいな恰好をした女子が多かった気がする。
酒が安い。特にワイン。ボトルワインは2千円台~で、グラスのテタンジェが千円を切ります。ドンペリやクリュッグなどの高価格帯ラインも酒屋とそう変わらない値付け。ただしワインの取り扱いは不慣れなように見えたので一長一短です。
5千円ぐらいのコース料理を注文。まずは「黒毛和牛ツラミてっさ」。喧嘩を予防するためでしょうか、ひとり1皿づつ分けて盛られるのが不思議な感じ。肉そのものはコンドームのように薄くて味がよくわからない。

スープは「和牛出汁」が固定で、もう一種はいくつかから好きなものを選ぶことができたので「白胡麻坦坦出汁」をチョイス。ただしいずれも薄味であり、結局はつけダレでの調味に頼る必要があります。
「黒毛和牛イチボのしゃぶり寿司」は和牛をササっと湯にくぐらせてシャリと共に頂くのですが、いわゆる都会のハッタリといった類の料理です。
野菜の盛り合わせは良いですね。色の濃い野菜たっぷりキノコもたっぷり。加えておかわり自由ときたもんだ。正直、肉よりも野菜のほうが心に残りました。
水餃子も悪くはないのですが、しゃぶしゃぶ屋に来てまで食べる必要があったかどうかは疑問。「牛タンのしゃぶしゃぶ」も良いのですが量が少なくストレスフル。
メインのお肉は豚バラに肩ロース、和牛の肩バラ。カッチンカッチンに凍っていてテンサゲ。然るにスーパーで買う肉と大差ない味わいであり、何だかあっけないフィニッシュです。
 〆の食事に担々麺。こちらも家庭料理の延長の味わいであり、専門店の味覚には程遠いクオリティでした。
砂糖の甘さが目立つジェラートで〆てごちそうさまでした。

しゃぶしゃぶを食べに来たというのに、野菜ばかりを食べた記憶しか残りませんでした。そんなに野菜を食べるなら「WE ARE THE FARM EBISU」でええやんか、という話である。

もちろん私の注文したコースが悪かったのかもしれませんが、全体を通して「お前もメタボリックにしてやろうか?」という心意気が感じられない。ガーデンプレイスタワーの「THE KINTAN STEAK」のランチが素晴らしすぎただけに、あまり肉の出ない、拍子抜けした一夜でした。

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恵比寿も十番に負けず劣らず良い街ですよね。1度住んで、片っ端から食べ歩いてみたいなあ。よそ者ながら印象に残ったお店は下記の通り。
恵比寿を中心に話題店が整理されています。Kindle Unlimitedだと無料で読める。それにしては圧倒的な情報量。スマホやタブレットに忍ばせておくと出先で役立ちます。

ヴィラ・デラ・パーチェ(VILLA DELLA PACE、宿泊)/七尾(石川)

七尾市(能登半島東岸の込み入った湾あたり)の市街地から更に秘境へと移転した「ヴィラ・デラ・パーチェ(VILLA DELLA PACE)」。この度は1日1組だけが宿泊可能な施設を併設し、オーベルジュとしてリニューアルオープンしました。この記事ではその宿泊施設についてご紹介。
シンプルで使い易い室内。入ってすぐの玄関の左手にクローゼットとモノを置く台があるのが使い勝手が良い。
逆サイドからの写真。徹底的に清潔に保たれており、チリひとつありません。小上がり(?)の板の間を裸足でぺたぺたあるく心地よさ。ランプやテーブルなどなど小物類にもセンスの良さを感じます。
バスルームは派手さはないものの落ち着きのある仕様であり、お金持ちの友達の別荘のようです。タオルやパジャマの肌触りがとても良い。
施設の周りをお散歩しつつ、夕食の時刻となったのでレストラン棟へ。ディナーについては別記事にて
朝食も付きます。ディナーはビジター客がいるのですが、朝食は1日1組のみの宿泊客すなわち我々だけなので、素敵な空間を独占できます。
朝食が美味しい。昨晩も大活躍した「月とピエロ」のパンドミ(食パンみたいなやつ)に、夕べの「畑」を煮込んだミネストローネ。お魚料理やゆで卵、七面鳥の生ハムなどもいずれも上質であり、素材、素材、とにかく素材といった素材の良さが感じられました。
1泊2食付きでひとりあたり3.5万円。ディナーにワインペアリングをつけてもプラス1万円で済むことを考えると大変リーズナブルな旅籠です。このあたりはとにかく東京からのアクセスが悪いので、「さか本」まで尖りすぎる必要はないけれど、こういうオーベルジュがどんどん増えるといいな。

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鮨よしかわ/麻布十番

2019年に恵比寿にオープンし、「ドラゴンボール巻き」でインスタを席巻した「鮨 よしかわ」。クラウドファンディングで資金を集め、「株式会社そら」というレストラングループも一枚噛んでいるという案件。その2号店が麻布十番に進出です。以前はサービス料10%を取るラーメン屋「海老麺総本家 JIMOTOYA(じもとや)」が入居していた場所です。
当店の大将は、恵比寿店の吉川貴将シェフのお父様。トーマス・トゥヘル監督も驚きの起用法です。酒は麻布十番にしてはかなり安く、生ビールは700円、日本酒は1合1,400円にグラスワインも千円以下です。そういえばお食事も1万円1本勝負なので、麻布十番の鮨屋としては破格の価格設定と言えるでしょう。
まずはお造り。左のトロはびっくりするほどの美味しさ。1万円の鮨屋としては考えられないクオリティです。厚めに切られたカツオや赤貝も上々であり酒が進みました。
アマダイ揚げ焼き。スプーンでサクサク混ぜ混ぜし、いくらか食べ進めてから備え付けの出汁を口に含みます。もちろん美味しいのですが、台本でもあるのか色んな従業員がやたらマリアージュマリアージュ言うてくるのが草。「マリアージュ」などワインの現場でもリアルにそう発言するソムリエは少ないので、色々とアレに思いました。
にぎりに入ります。まずはカマス。いわゆるカマスの味がします。
続いてコハダ。こちらも街のお寿司屋さんの味わい。
ボタンエビは中々の美味しさ。サイズも大きく、冒頭のマグロにせよ、要所要所を押さえてくる。
ヒラメの昆布締めに、、、
本マス。このあたりは街のお寿司屋さんに戻って来ました。
大トロ。悪くないのですが、頭に乗っかった謎の物体は別にいらんかった。
スペシャリテの「うなぎドッグ」なのですが、これは全然美味しくないですね。鰻の質もしくは調理が良くないのか、「照寿司」の劣化コピー版といった味わいであり、グズグズの身にボンヤリとした調味に心が締め付けられました。

また、当店は一斉スタートなのですが、大幅に遅刻した輩とのタイミング調整のために順番を前後して先に鰻を出してきたあたり、なんだかなあというお気持ちです。
時間調整、続く。サービス(?)で出されたゴボウにガリで失われた時間(とき)を紡ぎます。
看板の「ドラゴンボール巻き」。いわゆる宴会芸であり見ての通りの味わいなのですが、このプレゼンテーションのために遅刻者との時間調整が生じ、食事のリズムが崩されたことを考えると議論の余地があるでしょう。私が欲しいのはダイヤモンドではなくダイヤモンドの輝きなのだ。
〆の小丼。なるほどここまで出して1万円というのは、くどいようですが麻布十番の鮨屋としては破格の価格設定と言えるでしょう。私が上京したばかりの貧乏な女子大生で十番の鮨屋で値段を知らされずにこんなことされたら今夜は抱かれても良いかもしれません
一方で、私にとって店づくりとは、自分の店をどういうお客さんで満席にしたくて、誰に自分の料理を楽しんでもらいたいのかを考え抜くことこそが肝要と信じているので、その答えが「インスタ映え」なのであれば、なるほどこれはこれはそうでしたかというお気持ちです。もちろんクラウドファンディングという圧倒的に無傷な状態から始まったため、このような諧謔を弄する芸風になったのかもしれませんが。

奥には10人貸し切りの個室もあるみたいなので、そっちでパトコールするのが最も効果的な活用法に思えました。女子大生と共にどうぞ。

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鮨は大好きなのですが、そんなに詳しくないです。居合い抜きのような真剣勝負のお店よりも、気楽でダラダラだべりながら酒を飲むようなお店を好みます。
この本は素晴らしいです。築地で働く方が著者であり、読んでるうちに寿司を食べたくなる魔力があります。鮮魚の旬や時々刻々と漁場が変わる産地についても地図入りでわかりやすい。Kindleとしてタブレットに忍ばせて鮨屋に行くのもいいですね。