ミシュラン星付きレストランを400軒食べ歩いた結論

お邪魔したミシュラン星付きレストランの数が400に達しました。

記念事業的に全記事を見直し、「★★★(感動的)」「★★(季節ごとに行きたい)」「★(記憶に残る)」の3つの観点で整理しました。

「高級レストラン"また行きたい"偏差値」と整合が取れていない部分もありますが、「また行きたい」感情と、「感動的」「季節ごとに行きたい」「記憶に残る」感情は別物なんだなと、あまり深く考えないで頂ければ幸いです。

最終更新:2019年7月3日

高級レストラン"また行きたい"偏差値

  • フレンチ イタリアン 中韓焼肉 和食 その他 
  • アルファベット表記は海外
  • 客単価1万円以上 or ミシュラン星獲得
  • 主観的な"また行きたい"偏差値です。味や店の格付けではありません。
70 エクアトゥール ガストロノミー ジョエル・ロブション 

麻布十番グルメまとめ

  • 金額は1人あたりの食事代+サービス+税。酒は除く。
  • フレンチ イタリアン 中韓焼肉 和食 その他 に色分け。
  • ★はオススメ。取り消し線は閉店。
【ディナー】
<10,000円~>
★エクアトゥール ★ALLIE ★嘉YOSHI グリグリ  エレネスク ル クラヴィエール 有栖川 HAL PINOT ブルガズアダ エルブランシュ Chez TAKA ボン・ピナール  
ピアットスズキ ケ パッキア   
富麗華
★かどわき ★天本 ★てんぷら前平 ★ふくだ ★あらいかわ 哲庵 よこ田 畑中 たきや 幸村 秦野よしき 尾崎幸隆 東郷 おざき 割烹喜作 六覺燈 麻布六角   
★epoque+ azabu

<5,000~9,999円>
★カラペティ・バトゥバ! ★喃喃 ★ラリューン ★麻布れとろ ★RRR ★ルエ ヴェル ロール イグレック モワルーズ スペード ポトローズ マルシェデジュウバン クラフトワインエヌ ビストロコティディアン
★カーザヴィニタリア ★アルヴェアーレ ★プリンチピオ ★ペリーニアダージオ ラセン アルティジャーノリック ヴィノヒラタ イル・マニフィコ orso(オルソ) 
★火鍋三田 ★ナポレオンフィッシュ 無鴨黒 ブルズ コソットsp 石頭楼 飄香
★嶋家 串右エ門 ちかっぱ博多 すぎ乃 旬菜本多 あそこ はじめ いぐち 中目黒いぐち上ル 鶏繁 りゅうの介 あら喜 あみ城 KAPPO R 佐田十郎 あもん 瀬尾
★鉄板バンビーナ ★ワカヌイ ワカヌイラムキュイジーヌジューバン ウルトラチョップ インティライミ Chef's Table  旬熟成 TERRA ヒツジサンライズ アパッペマヤジフ   

【保存版】高級レストランでナメられないためのマナー集

高級レストランには一種独特の雰囲気があります。「なんだか店に値踏みされているようで居心地が悪い」と感じる方が多いかもしれませんが、その通り、店は客のことを値踏みしています。

「お客様は平等に扱う」なんてのは大ウソです。レストラン業界には『ソワニエ(大切におもてなしするべき客)』という言葉があるくらいであり、一流の客や金払いの良い常連・重い客に対しては恭しく接し、どう見ても場慣れしていない一見客に対しては、人間だもの、おざなりな対応になるものです。

そこで、「高級レストランにあまり行ったことは無いが、ナメられたくはない」と考えるワガママな貴方のために、高級レストランにおけるマナーを整理しました。結構な長文となってしまったので是非ブックマークして頂き、必要に応じて読み返して頂けると幸いです。

林家臭豆腐/台東(台湾)

台湾におけるB級グルメの代表格のひとつ「臭豆腐(チョウドウフ)」。元々は湖南省の郷土食であり、豆腐を発酵させて風味をつけ油で揚げたものです。夜市の屋台の定番料理であり、当店のような専門店もあります。
当店「林家臭豆腐」は台東きっての臭豆腐専門店。揚げる過程で臭気をバラ撒いているので、どこにお店があるかはすぐにわかることでしょう。列に並んで指さし注文。ビニール袋に入れて持ち帰る人もいます。揚げたてをビニール袋に入れて溶けないのかしら。
イートイン客はお皿を持って隣のテーブルへ。机を拭いたり箸を並べたりするのは客の仕事です。なぜかガチャが置かれており、みんな普通にガチャを回しているのがシュールです。
見た目は厚揚げに野菜をトッピングしソースをかけた料理。事前に脅されていたほどの臭みはなく、マイルドな鮒鮨やクサヤのような風味です。ソースには酸味があり臭気と程よくマッチ。
まあ、こんなもんかといった味わいでした。もちろん200円弱の料理であり絶品を求めるつもりはありませんが、中毒性のある味覚というほどでもありません。ガッツリとしたディナーというよりは、ちょっとつまむぐらいのつもりで訪れましょう。話のタネにどうぞ。


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ナポリスタカ(Napolistaca)/駒沢大学

ナポリから来た料理人、ペッペさんのお店「ナポリスタカ(Napolistaca)」。むかしむかし神谷町店のディナーにお邪魔したことがあり、たいへん印象が良かったため、期待で胸を膨らませてランチで入店。
雰囲気は神谷町よりもナポリ感が強い気がします。従業員の多くがイタリア出身のイタリア人であり、イタリア語が普通に飛び交います。ナポリブルーのタイル張りの大きなピザ窯がカッコイイ。
ランチセットは1,200円と格安。サラダの葉っぱの鮮度は微妙ですが、ドレッシングの酸味の強さに思いきりがあり、何かにつけてマイルドな日本の料理とは一線を画します。
スペシャリテの星型ピッツァ「ドンサルヴォ」。一般的なピッツァ群であればランチセット1,200円なのですが、コチラは特別メニューであるため1,800円です。それでもディナーであれば2,350円という中々の価格のものなので、ランチで食べるに大そうお得な選択です。
中央は水牛のモッツァレラを用いたマルゲリータ、星型のくぼみ部分はリコッタチーズとサラミのピッツァ。1枚で2種類の味を楽しめます。モチモチとした生地の食感が素晴らしく、生地そのもが美味しい。気前の良い量のリコッタチーズの酸味が素晴らしく、かなりヘヴィなポーションながら(恐らく通常のピッツァの1.5倍ほどの量がある)ペロりと食べ進めることができます。
エスプレッソの味わいも本格的。ここまで出して1,800円というのは非常にリーズナブル。普通の女子は「ドンサルヴォ」は食べ切れないかもしれないので、1,200円の一般的なピッツァに留めておいたほうが良いかもしれません。でも、「ドンサルヴォ」、旨いんだぜ。
神谷町店と変わらず素晴らしいお店でした。駒沢大学のほうがハコが大きく迫力のあるレイアウトなので、グループでお邪魔するに最適。ここでカジュアルな飲み会を開催できれば貴方の株はうなぎ登りとなること間違いなし。オススメです。


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本格的なピッツァ指南書。読むと論理的にピッツァを理解することができ、店での愉しみが広がります。もちろん家でピッツァを作る際のレシピにも。2,000円でこの情報量はお得です。

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老東台米苔目/台東(台湾)

台東の名物料理と言えば「米苔目(ミータイムー)」。その名店として名を馳せたのが当店「老東台米苔目」。1955年創業の老舗であり、元々の店舗が手狭になったので、乾坤一擲、大通り沿いの大店舗へと移転です。
マクドナルドのように先にレジで注文を済ませます。オーダー表と写真付きメニューとを突き合わせながら、良さそうなものを注文。クレジットカードは使えませんでした。
缶ビール(100円チョイ!!)で水分補給しながら出来上がりを待ちます。料理を厨房近くに取りに行く必要はなく、お店の人が持って来てくれました。
スペシャリテの「米台目」。汁ありの「湯」と汁なしの「乾」が選べるので、今回は「乾」を注文。一見うどんのようなのですが、米粉から作られており、うどんよりも細く短い。食感はグズグズとしておりコシなどは皆無。旨味などは殆どなく、タレと鰹節を合わせてようやく食べれるといったところ。ハッキリ言って全然美味しくありません。名物に旨いものなし。

ちなみに台東では麺料理として食べることが多いですが、他の地域では炒めたり、スイーツとしてかき氷のトッピングにしたり、甘いシロップに入れたりもするそうな。
こちらは「老東台滷味」といって、滷味(ルーウェイ)すなわち台式煮込みの盛り合わせです。日本人的表現をすればチャーシューやミミガー、さつま揚げなどが詰まっており、これで1皿300~400円というのは大変お得。「豬血糕(ジューシエガオ)」という、豚の血入りもち米ケーキが望外に美味しかった。
米苔目はイマイチを通り越して不味かったですが、滷味の費用対効果は抜群。コレをツマミにひたすらビールを飲むと良いでしょう。18時にもなれば広い店内は地元客で満席になり、皆うまそうに米苔目を頬張っています。私とはところどころ味覚が違うのかなあ。


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現役のCAに聞く、機内でCAをスマートにナンパする方法

「最近すんごい飛行機乗ってるよね?相変わらず忙しいんだから」現役のCAは私の頬をつねりながら言う。歳は随分と下なはずなのに自然なタメ口。生意気な女だ。

ひとつだけ君たちに文句を言いたいんだけど。私は背筋を伸ばして言う。機内で預けたジャケットが返ってくるタイミング、変すぎじゃない?着陸直前に手渡されても着るわけないし、かといって膝の上で後生大事に持っておくのも邪魔でしかない。なんであんなタイミングで返してくるわけ?迷惑なんだけど。
「だってマニュアルにそう書いてあるんだもん」彼女は手をひらひらとなびかせながら悪びれもせずに言う。もう一歩踏み込めよ。マニュアルにそう書かれた理由を僕は聞いているんだ。
「うーん」眉間に皺を寄せたっぷりと考えながら彼女は言う。「たぶん、サービスをする最後のタイミングだからかなあ。それ以降はシートベルト締めてもらって、こっちも安全業務に集中しなくちゃいけないからさ」なるほどそう言われると、まあそんなもんかと納得してしまう。気弱なクレーマーである。

ナンパとかされることあんの?私はそういったことに全く興味はないのですが、読者の代わりに聞いて差し上げる。「そんなのしょっちゅうだよ。珍しくも何ともない。名刺もらって、そこに書かれたメールアドレスなりLINE IDなりに連絡する。食事ぐらいなら気軽に行くけどね」
会員ステータスとか、ファースト・ビジネスだとか、客を値踏みすることはあるの?「うーん、ステータスは『ダイヤモンド会員』と『その他』ってカンジかなあ。ダイヤモンド会員には毎回挨拶しに行かなくちゃいけないし、彼らは飛行機に乗る回数が圧倒的に多いから、他のフライトで再会するってことも珍しくないのね。『その他』のお客様とは接点が無いに等しいから、お客様以上の関係になることはまず無いなあ」それを値踏みというかどうかはわからないけれど、彼女は小さく付け加えた。
「エコノミー客にナンパされて応じることは無いなあ。だって、知らないんだもん。ビジネスクラス以上だとそれなりに会話する機会があるから人となりがある程度わかるけど、食事を配っただけで一言も話したことのないエコノミー客に名刺渡されても困惑しちゃう。余程のイケメンとか芸能人だとかなら話は別だけど、それは飛行機だろうか街中だろうが同じことね」
ダイヤモンド会員じゃないしエコノミークラスなんだけど、どうしてもナンパしたい場合とかはどうすればいいの?私はそういったことに全く興味はないのですが、読者の代わりに聞いて差し上げる。
「機材にもよるけど、一番後ろの席かなあ。最後尾だけ席の並びがヘンになって、謎にCAとの距離が近くなる場合があるのね。加えて降りる時にも時間がかかるから、自然とCAの近くにいる時間は長くなって、声をかけ易いと言えばかけ易いかも」その席をわざわざ狙って必死に絡んでこられても困るんだけどね、あたしたちは仕事中なんだから。彼女は牽制球を投げるのを怠らない。
「要注意なのはアップグレード客。普段ビジネスに乗り慣れてる人はそんなことないんだけど、アップグレード客は何が何でも全サービスを堪能してやるんだっ、っていう意気込みが凄いから、お酒のメニュー全制覇とかにチャレンジしてくるわけ。泥酔したり吐いちゃったりするとお互いに悲劇だから、サービスで気を付けるよう最初からマークしてる」
「まあ、お客様と付き合うCAなんてザラにいるし、結婚することも珍しくないよ。全然ハードル高くないから今度声かけてみたら?でも、同伴客としてファーストクラスラウンジとかに連れて行ったりはしないでね。この前それが会社にバレて大問題になった子がいるからさ」

私はそういったことに全く興味はないのですが、読者の代わりに今度声かけてみようかなあ。


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康橋商旅六合夜市七賢館(Kindness Hotel Chi Hsien Branch)/高雄(台湾)

高雄最大の見どころ「六合夜市」からすぐ近くにあるチェーン系のホテル。この「康橋商旅」というホテルグループの物件は高雄市内の至る所に点在するので間違えないように気を付けましょう。
広く清潔で機能的なロビー。英語は普通に通じます。
ロビー脇にお茶やらコーヒーやらアイスクリームやらケーキやらが置かれており、宿泊者はいつでもアクセスOK。ほんの一口だけチョコアイスを味見したのですが、望外に美味しかった。
1室朝食付きで9,000円ほどの部屋を予約。広さは40平米ほどであり、ロビーと同じく清潔で機能的です。壁が薄いのか、ご近所の部屋の話し声などが聞こえます。
ライティングデスクやwifiなども全て完備。ビジネスで長期滞在しても問題なさそうな仕様です。
台湾のホテルはそうあることが多いのですが、ミネラルウォーターが無料なのも嬉しい。簡単なお茶やコーヒーのセットも部屋に置かれています。
逆サイから。どうやったってビジネスホテル仕様なのに、なぜかお風呂がスケスケ。
バスルームはバスタブとシャワーが別。
アメニティは必要最低限といったところ。ウォシュレットがあるのが嬉しい。
「20時以降、無料の夜食が振舞われる」とのことだったので会場を覗いてみると、意外や意外、大盛況じゃないですか。
夜食どころかかなりきちんとした料理が用意されており、東京の中華ランチ1,500円食べ放題を超えるクオリティがここにあります。
豆花とそのトッピング、カキ氷などもたっぷり用意されており、当館に引きこもっていたとしても台湾の代表的な料理を楽しむことができるでしょう。
コチラは朝食。代表的な台湾料理の他、西欧食、ベジタリアンミールなど数十種類の料理が取りそろえられています。
味もそこらの夜市よりも質が余程高く、小綺麗に出されればちゃんとしたレストランと遜色のないクオリティです。

正直、驚きました。清潔で機能的な部屋に加え、無料の食事類もきちんと美味しい。これで1泊9千円は大変お得です。再び高雄に来ることがあれば、是非このグループのホテルに滞在したいと思います。


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ア・ニュ Shohei Shimono/広尾

広尾「ア・ニュ ルトゥルヴェ・ヴー」と銀座「ロムデュタン シニエ ア・ニュ」の統廃合を進め、広尾でリニューアルオープン。新しい店名は「ア・ニュ Shohei Shimono」とシェフの名前を全面に押し出します。
テーブル中心からカウンター主体へのお店へと生まれ変わりました。採光の良かった窓は閉ざされ、ちょっと暗くて全体的にエロい雰囲気となりました。完全なるオープンキッチンであるため臨場感抜群。目の前に旨そうな食材がズラりと並ぶ様が圧巻です。
お酒はコース料理に合わせたものをお願いしました。各人の耐酒力に合わせて量はコントロールしてもらえるし、飲めない方にはお茶のペアリングなどもあったりします。乾杯の泡からミレジムでウホってなる。
下野昌平シェフは辻調理師学校フランス校で学び、六本木「ヴァンサン」で4年半、西麻布「ル・ブルギニオン」で3年修業後、ロアンヌ「トロワグロ」、パリ「タイユヴァン」で計3年働き、リヨンのワインショップ「アンティックワイン」の研修を経て帰国。07年代官山「ル・ジュー・ドゥ・ラシエット」のシェフを務めた後に独立。
右はノドグロのコンソメ。バァンと先制パンチを喰らいました。液体としては清澄なものなのですが、そのへんの魚介系ラーメン屋の自慢のスープの5倍は濃い。自家製の味噌も溶け込んでおり旨味が抜群。ブリオッシュは目の前で型から出されたばかりでホカホカと目で美味しい。
アミューズは芽蓮根。レンコンの端っこにピョイと付いている小さくて売り物にならない蓮根をキュートな一皿に仕上げます。レンコンそのものの美味しさはもちろんのこと、種々のハーブやエルダーフラワーの風味が複雑に絡み合い、興味深い1口でした。
シイタケをシンプルに焼いてからチンチンに熱したアヒージョ的ソースを流し込みます。シイタケの香りが良く、炭火で部分的に焦がされた風味も良いですね。一方で、シイタケはシイタケでありシンプルで素朴な料理なので、自宅でも耳コピで再現できるかもしれません。
合わせるワインはオレンジワイン。なるほどこれは先のシイタケと合わせて、セットで美味しい仕様です。
冷製のカッペリーニには生ハムの出汁を凍らせてカキ氷にしたものをのせ、トップには大量のキャビアをトッピング。これは美味しいですねえ。生ハムの出汁が凄く良い。全ては洋モノの食材なはずなのに、どこか素麺的な懐かしい味わいが感じられました。
お酒は新政をほんの一口。やはり先のパスタのジャパンなテイストにしっくりくる。新政はブームの後にアンチが残ってネット上のヘイトスピーチが喧しいですが、目をつぶって飲んだらやっぱり普通に美味しいと思うのだけれど。
フォアグラのタレ(?)で焼いた鰻。バリっと直火で攻撃的であるものの内部はフワっとした食感で私好みの調理です。ソースは山椒とクリームチーズをどないかしたものですが、後続のワインを考えるとディップせずに食べたほうが良かった。
合わせるワインは品良い目のトスカーナ。鰻そのものよりも味付けに寄せたペアリングで好きなタイプ。話は逸れますが、こういう体験をするとやはり十番「時任」は真似事に思えてしまうので、鰻に専念すべきだと感じました。
本土鹿。創作的な料理が続きましたが、メインはズバァンとど真ん中ストレートです。ソースも肉質に負けないクラシックな仕様です。
ワインは胡椒っ気のあるスパイシーな1杯。ちなみにメインの添え物としてピパーチ(八重山の島胡椒)があり、その風味を意識しての組み合わせでしょう。アドリブでなく事前にコレとコレを合わせましょうと議論している軌跡が伺えます。
〆の炭水化物は2種からの選択制ですが、両方を選択するのが我々である。まずはブルーオマールのトムヤム麺。そういえばカウンターに活きたオマールが展示されていて、ハテ何で使うのだろうと思いきや、麺の具材として用いるのでした。なんて贅沢な。

そしてこの1杯が度肝を抜いた美味しさ。あくまでオマールの美味しさが全面に出ており、トムヤム風味はあくまでアクセントといったフォーメーション。直接材料費のかけ方の違いは当然あるとしても、六本木「オルタナティブ(Alternative)」のトムヤンクンとの格の違いをまざまざと見せつけられました。
〆の食事にもアルコールを合わせてきます。しかもワインじゃなくてレモネード?レモンの風味がベースにあって、エルダーフラワーやパクチーのような香りが響き、複雑な酸味が溶け込んだ興味深い1杯。先の麺にピッタリ。
もう1種の炭水化物は石垣牛オムライス。そうそう、そう言えば目の前に肉の塊がプレゼンテーションされていたけど、ハテ何で使うのだろうと思いきや、オムライスの具材として用いるのでした。なんて贅沢な。
贅沢は続く。目の前の黒いダイヤを一心不乱にスライスするシェフ。十番「かどわき」もかくやと思わせるトッピングであり「トリュフは飲み物です」とでも言いたくなる。
そのままシェフが豪快にトリュフと卵、ごはんを混ぜ込んだ上で取り分けてくれます。トリュフの香り、石垣牛の脂の甘味、全てを優しく受け止めようとする母なる卵。これは神の最高傑作とでも言うべき美味しさです。島根県産コシヒカリは7分の精米であり、他の食材に負けない滋味の強さがありました。ある意味反則攻撃的な一皿であり、「結局お前ら炭水化物が一番旨いんだろ?」と心の内を見透かされたような気がしました。
この炭水化物にもワインを合わせてくれます。王道のボルドー。ボリューム感たっぷりの1杯で、10年近く熟成にかけても余裕のよっちゃんでピカピカに輝いていました。
デザートはシンプルなキャラメルアイス。濃厚なキャラメルの風味が漂いつつも、フワフワっと空気が入っており、見た目以上にパクパクと食べ進めることができます。すると「おかわりいかがですか?」と、本当にパクパクさせて下さいました。
はちきれそうなほど満腹になってごちそうさまでした。リニューアル前の保守本流的なフランス料理もかなり好きだったのですが、今回は思いきりリベラルに、旨けりゃなんでもいいじゃん的に開き直った料理が続き、そしてそれがかなり美味しく感じました。フレンチをベースとした旨いもの屋。芸風だと元麻布「エクアトゥール(l'equateur)」と被ってくると思います。
食べ切れなかったオムライスとブリオッシュは丁寧に包まれて持ち帰り。これで家族の平和ならびに翌朝の幸せは確保された。


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