2021年ベストホテル&レストラン

本年もご愛読ありがとうございました。毎年恒例、年末の総仕上げとして、ベストホテルとベストレストランを3つづつ挙げることとしましょう。

【ホテル第3位】
ハイアットハウス金沢(Hyatt House)
https://www.takemachelin.com/2021/08/house.html
コロナ疎開で1か月以上滞在。長期滞在型のコンドミニアム風ホテルです。「ハイアット セントリック金沢(HYATT CENTRIC)」に滞在した際は、なんて使い勝手の良いホテルだ金沢の常宿にしようとのめり込みましたが、当館はその上をいく納得感であり、金沢に3泊以上なら一択という決意です。


【ホテル第2位】
東山ニセコビレッジ リッツ・カールトン・リザーブ
リッツ・カールトングループとしての最上級ブランド「リッツ・カールトン・リザーブ 」がニセコのリゾートエリア「ニセコヴィレッジ」にオープン。世界にまだ5軒しかないブランドのうちのひとつが日本にあるとは誇らしい気分です。

時を同じくして開業した「ザ・リッツ・カールトン日光(The Ritz-Carlton Nikko)」の仕上がりの酷さにこのホテルグループからは距離を置こうかとも考えましたが、当館のトップ・ホテリエが全てを挽回してくれました。たったひとりのスーパースターがグループ全体の名誉をぶち上げる。なんてエキサイティングな職業なのでしょう。


【ホテル第1位】
ザ・ひらまつ ホテルズ&リゾーツ 宜野座
開業以来、毎年必ず逗留している「ザ・ひらまつ ホテルズ&リゾーツ 宜野座」。今回も素晴らしい滞在でした。

那覇空港から車を借りて当館に直行し、3日間を過ごして再び那覇空港に戻るという、沖縄に何をしに来たんだという旅程でしたが、例えばミシュランの3ツ星の定義とは「そのために旅行する価値がある卓越した料理」とあり、当館は私にとっての「そのために旅行する価値がある卓越した料理」なのかもしれません。


【レストラン第3位】
レストラン ウオゼン(Restaurant UOZEN)/燕三条
自家菜園で野菜を作りつつ、魚を釣ったり猟に出たりと田舎に来たのに大忙しのシェフ。地元の食材を多用し前衛的にしてクリエイティブな作品の数々は、グルメを自称するならば必食のコースと言えるでしょう。キャビアやウニ、トリュフなんかでお茶を濁さないのがすごくいい。


【レストラン第2位】
一本杉 川嶋(いっぽんすぎ かわしま)/七尾
料理だけでなく建屋から内装、器に至るまで、微に入り細を穿つ演出には脱帽。また、その世界観を完成させるためにトコトンまで拘っているはずなのに決して押しつけがましくなく、実に謙虚に低姿勢。それでいて煩い客のあしらい方も堂に入ったものがあり、PTAの委員とかすごく上手くやれそうな気がします。

能登半島にゴールデンルーキー現る。北陸旅行の際には是非とも半日あけて訪れましょう。


【レストラン第1位】
オトワ レストラン(Otowa Restaurant)/宇都宮
https://www.takemachelin.com/2021/08/otowa.html
私の知る限り、日本において最もフランス料理・フランス料理文化的なレストランです。感じるもの全てがフランス基準・世界基準。港区にあるちんちくりんなおバカフレンチの予約をネットで取り合うのは情弱のすることだよん。


それでは来年も変わらずお付き合いして頂ければ幸いです。それではみなさん酔いお年をお迎えください。Bon appétit !

昨年の結果はコチラ⇒ https://www.takemachelin.com/2020/12/2020_31.html

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2021年レストラン備忘録

毎年恒例、個別記事にすることなくお蔵入りとなったお店につき、一挙掲載。

■モンスーンカフェ(Monsoon Cafe)/恵比寿
https://tabelog.com/tokyo/A1303/A130302/13009760/
事業や雇用の維持が困難という理由で緊急事態宣言の再発令後も通常営業を続ける「グローバルダイニング」系列の飲食店。たまたま夜に人の話を聞かなければならない機会があったため(カフェすら閉まっているから本当に不便)、せっかくなので「モンスーンカフェ(Monsoon Cafe)」を訪れてみることに。
ぎょえー!21時を過ぎているので満席じゃん!みな夕食難民というか考えることは同じというか灯りに群がる虫がごとく、恵比寿の街の飲食店においてはひとり勝ちの様相を呈しています。

食事そのものは多国籍というか無国籍というか、とりあえず生春巻き出しとけ感がありますが、アルコールは500円台から取りそろえられており、普通に飲み食いしてもひとり3~4千円で済みました。立地を考えれば頗る良心的な価格設定です。

ちなみに同じグローバルダイニング系列の「リグニス/L’IGNIS」も覗いてみたのですが、負けず劣らず満席。帰宅後、そっと同社の株に買い注文を入れました。


■ザ・ラウンジ (THE LOUNGE)/恵比寿
ウェスティンホテル東京のロビーラウンジ。お隣のビュッフェレストラン「ザ・テラス (THE TERRACE)」には食べ放題オバサンたちが大挙して押し寄せているので、落ち着いて食事をしたい場合は敢えて当店を選ぶのもひとつの作戦かもしれません。グラスのシャンパーニュはかなり気前よく注いでくれるので地味にオススメです。


■アジアンキッチンバー スパイス バグ(Asian Kitchen Bar SPICE BUG)/目黒
目黒きってのナンパスポット「目黒新ばし」に入居する気楽な飲み屋。詰めに詰めて7~8席で、非常時にはビールケースで即席のテラス席が設営されます。店主は感じの良いあんちゃんで、「初めてのお客さんですね?今後ともよろしく!」と、幸か不幸かラムをショットでごちそうしてくれました。1~2時間ほど軽く飲み食いしてひとりあたり2~3千円ほど。大人のスタバです。


■大山生煎店(たいざんしぇんじぇんてん)/自由が丘
上海を代表するローカルフード「生煎(しぇんじぇん)」を提供。いわゆる焼き小籠包であり、店頭で大きな鉄鍋で焼きあげる様は迫力があります。一般的な小籠包よりも皮が厚く、揚げ焼きしたといった生地感。
もちろん美味しいのですが、6個780円というのは結構な価格であり、冷静に考えるとマックのハンバーガーよりも高いのか、と、色々考えてしまいました。が、イートインの立ち飲みコーナーもあり、酒2杯と生煎3個で千円ポッキリというプランは素晴らしいと思う。


■モンマスティー(Monmouth Tea)/千駄ヶ谷
千駄ヶ谷の街角にあるテイクアウトの紅茶専門店。濃いめに抽出した紅茶にミルクと甘みを添加し、チャイというかウーロン茶のミルク割りというか、独特の風味です。Mサイズでもたっぷりで寒い日の散歩のお供に最適。


■CAFE A LA TIENNE (カフェ アラティエンヌ) /日比谷
日比谷公園向かい、日生劇場隣、地下鉄出口すぐという好立地(写真は公式ウェブサイトより)。立食の貸切パーティーで利用したのですがお酒の提供が丁寧で、飲み放題付き5千円というのは立地を考えればお値打ち。ちょっとしたパーティーに使い勝手が良いです。


■サンルイ島/逗子
https://tabelog.com/kanagawa/A1406/A140602/14000747/
1986年に葉山の一色で創業したケーキ屋さん。古風で素朴、流行に惑わされない質実剛健なスイーツを造り続けています。妙な添加物などに頼っていないので、焼き菓子であっても賞味期限1週間と潔い。次回は葉山店でお茶と生菓子を楽しんでみようかしらん。


■マーロウ/逗子
葉山の南、秋谷の町で1984年に創業した「マーロウ」。前述の「サンルイ島」とは対照的に都内の百貨店やネットでのプリン販売に積極的ですが、もともとは地元産の魚や野菜を多用するレストランであったことは意外と知られていません。

この日は東京に戻るまでに時間があったのでビーカープリンを始めとする生菓子には手が出せずビスコッティをテイクアウト。素朴で実直な味わい。次回は是非、秋谷本店で「渡り蟹のトマトクリームスパゲティ」を楽しみたいと思います。


■松尾ジンギスカン/新千歳空港(北海道)
ジンギスカンの有名店が新千歳空港にも出店しています(写真は公式ウェブサイトより)。いわゆる焼肉屋で飲み食いするのと変わらない価格設定であり、普通に飲み食いすれば6~7千円を要します。空港メシとしては物凄く高く感じる。味は中くらい。あくまで観光客向け。タイミングが合わずどうしても空港で食事をするしかない場合にどうぞ。


■焚火家(たきびや)/千歳(北海道)
https://tabelog.com/hokkaido/A0107/A010701/1012583/
千歳の街で最も評判の良い焼肉屋。定番の牛肉はもちろん、ジンギスカンやラムチョップなどラム肉も多く、観光客としては北海道っぽくて良いです。肉は上質。酒も高くなく、成人男性が好き放題飲み食いしたとしても6千円かそこらです。地味におすすめ。


■串鳥/千歳(北海道)
北海道の焼鳥グループ「串鳥」。昭和55年に開業し、今では北海道地区35店舗・仙台地区6店舗・東京地区2店舗を運営する一大チェーンと成長しました(写真は公式ウェブサイトより)。

ちょろっと飲み食いして3千円に収まるというミラクルな価格設定。串は1本200円かそこらであり、その割に結構旨い。料理のラインナップも多く、気軽に焼鳥を食べるにうってつけのお店です。


■山川牧場ミルクプラント/大沼(北海道)
駒ケ岳を望む乳牛牧場に併設された直売店。牛乳やヨーグルト、ソフトクリームにミルクシェークなど多種多様な乳製品が売られており、そのどれもがかなり美味しい。とにかく濃い。最終日ならチーズ買って帰ったのになあ。牛舎も外から見学できて楽しい。地味ですがオススメ。


■みそだれやきとり かんちゃん/宇都宮
栃木随一の繁華街「オリオン通り」にある居酒屋。地元民によると「昔は靴屋だった」とのことですが、絵にかいたような居酒屋に変貌を遂げており、皆とても楽しそうです。

酒も食事もリーズナブルな価格設定であり、従業員の動きもテキパキ。大衆居酒屋の完成形とも言うべき居心地の良さ。気のおけないお友達と共にどうぞ。


■甘納豆かわむら/にし茶屋街(金沢)
にし茶屋街にある甘納豆専門店。直売(店舗とオンラインショップ)が基本で、百貨店や駅ナカで販売されていないので、金沢土産として通な感じがあります。私は甘納豆に全然詳しくなにのですが、それでも上質な豆の風味と品の良い甘さは感じられ、決してクドくなく、ついつい手が伸びる美味しさです。にし茶屋街への観光とセットでどうぞ。


■鮮魚うおまる いきいき魚市/金沢港
https://uomaru.shop-pro.jp/
コロナ不況で元気のない「金沢港いきいき魚市」。当店は逆張りの2021年8月にオープンしたのですが、うーん、イマイチ。。。刺身は悪くないのですがご飯に愛情が感じられず、またイートインスペースも雑然としており清潔感に欠ける。私は全国各地の一般客向け市場に遊びに行くことが多いのですが、この市場は市場としてどう在りたいかを関係者を集めもう一度議論したほうが良いのではないかと思います。


■テン リバーサイド (ten riverside)/金石(金沢)
金沢市金石(かないわ)の川沿いにあるカフェ。三角屋根が特徴的な建物であり、店内は窓が大きく取られモダンなインテリア。「金棒茶」という、このあたりで古くから親しまれていた棒茶が主力であり、ハンドドリップまたはサイフォンで1杯ずつ抽出してくれます。客層を含めて雰囲気がとても良いので、大野・金石散策時の休憩にどうぞ。


■ブルックリン ロースティング カンパニー(Brooklyn Roasting Company)/北浜
北浜は土佐堀川に面したイケてるコーヒーショップ。ゲストの殆どがポートランドに行ったことがありそうな退廃的スタイリッシュさを奏でており、独特の空気感があります。暖かい日にはテラス席もオススメ。雰囲気だけでなく、コーヒーも大変美味しい。


■むっちゃん万十/呉服町(博多)
福岡のソウルフード「むっちゃん万十」。有明海の珍魚「ムツゴロウ(愛称:むっちゃん)」の形をした鯛焼き的な食べ物であり、餡やクリームだけでなく、ハムエッグなどのオカズ的な具材が特徴的なお菓子(?)です。福岡の人が集まる場所にはだいたい出店しています。
一番人気の「ハムエッグ」をイートイン。ひとつ200円と親しみのある価格設定。鯛焼きよりはフワっと感がありエアリーな口当たりです。結構な量のマヨネーズが詰め込まれており思いのほか酸味が支配的。絶妙な火入れの半熟卵も美味しい。ハンバーグや豚の角煮など様々なフレーバーが用意されているので、全種類制覇したくなる楽しさがあります。


■ラウンジ ASO/阿蘇くまもと空港
https://tabelog.com/kumamoto/A4301/A430103/43015087/
建て替え中の熊本空港の制限エリア内にある仮設ラウンジ。各航空会社の上級会員ならびにカード会社の会員がごった煮にされており、客層が安定しておりません。加えて係員の女がすげえ感じ悪い。ハード面については建て替え中であるため仕方のない部分はありますが、だからといってサービスもおざなりにして良いというわけではないと思うのだけれど。


■ラウンジ大淀/宮崎ブーゲンビリア空港
宮崎空港の制限エリア内にある、JAL/ANA上級会員向けの共用ラウンジ。カード会社のラウンジではなく、あくまで航空会社のラウンジなので、酒なども完備。PC作業に向いたデスクや電源もたっぷりであり、なかなか使い易いラウンジでした。


■くつろぎのラウンジ TIME/福岡空港
https://tabelog.com/fukuoka/A4001/A400107/40049377/
福岡空港1階の端っこ。LCCのカウンターが集まっているエリアにひっそりと佇むカード会社共有ラウンジです。空いていてとても良い。ヘタなオフィスよりも作業環境は良く、wifiもちょっぱや。入室時にドリンクバーかビールかどちらかの究極の選択を迫られるのも面白い。ダイヤモンドラウンジよりも居心地いいかも。穴場です。


■JAL ダイヤモンド・プレミアラウンジ/福岡空港
https://tabelog.com/fukuoka/A4001/A400107/40045503/
無事リニューアルが完了し広くカッコよくなった福岡空港の「JAL ダイヤモンド・プレミアラウンジ」。羽田に比べるとアート作品が至る所に展示されており、ちょっとした美術館の風情です。高菜パンや明太子ポテトパンなどテロワールを意識した軽食も多く、羽田よりも何かと凝っている気がしました。


■函館空港国内線ビジネスラウンジ
このラウンジ、というか函館空港はダメですね。航空会社の上級会員向けのラウンジは無く、カード会社の共用ラウンジのみ。アルコールは有料(というか自販機)で、マッサージチェアにも課金を求めるなど色々とケチ臭い。空港でゆっくり過ごそうという期待は排除したほうが良いでしょう函館は。

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我逢人(がほうじん)/中州(博多)

福岡を代表する鮨屋「鮨さかい」の2号店「我逢人(がほうじん)」。中洲川端駅から歩いて10分ほどのスタイリッシュなビルの3階に入居します。店名は「人と人との出会いの尊さ」を表す禅語とのこと。ちなみに「鮨さかい」は2階です。
歓楽街ど真ん中とは思えないほどの空間づくり。7席ほどのカウンターのお部屋がふたつあり、それぞれムッシュ堺のお弟子さんが大将としてにぎります。

ところで、たまたまかもしれませんが当店は客層がめちゃんこ悪いですねえ。この日のゲストはウォータービジネスの方ばかりで香水がギンギラギン。キャバ嬢A・キャバ嬢Bがそれぞれ異なる芳香を放っており、LUSHの店内のような香りの強さ。部屋が小さいので余計に匂いがこもります。
気を取り直して食事に入ります。まずはタラの白子のおひたし。繊細な味わいで、香水の匂いがよく響きます。
志賀島のタコ。こちらも素材の味を活かした控えめな調味であるため、香水の匂いにうっかり酔ってしまいそうになりました。
今日スジコからほどいたばかりの生イクラで小丼を。柔らかな塩味が心地よい。
生ガキはたっぷりのネギと共に頂きます。ぷっくりと太りクリーミーな舌ざわりが印象的。
ボタンエビもネットリとした食感でセクシーです。ところで当店のタネは近海物は少なく、全国各地からのお取り寄せが殆どですね。そういう意味では旅行者ではなく博多在住の方のほうが楽しむことができるかもしれません。
スペシャリテの「フグのお造り」。トラフグにアンキモのソースをたっぷり絡め、実に濃厚。香水の強さに負けない味わいの強さがありました。
ワタリガニはカンジャンケジャンのような仕立てであり、どろりとした食感に病みつき。日本酒泥棒な美味しさです。
焼き物はノドグロ。関東の人間からするとノドグロと言えば北陸地方の専売特許に思えますが、対馬の辺りでも獲れるらしいです。
マツタケのスープ。繊細なお椀であるため、お察しの通り香水の匂いしかしませんでした。
にぎりに入ります。「ウチはにぎりの温度を大切にしているので、すぐに召し上がってくださいね」と大将が選手宣誓。予約はさかいグループで一括管理しており当店の大将に香水臭い連中を追い返す権限は恐らく無いでしょうが、鮨職人個人としての矜持は感じました。
春子鯛。デリケートな味わいであり、香水の(ry
ブリ。このあたりからお喋りとインスタに夢中な同伴客のにぎりが渋滞し始め、大将が「どうぞお早めに」と牽制球を投げるのですが誰も聞いていません。
カワハギ。身の美味しさはもちろんのこと、肝のソースが堪りません。先のアンキモソースと共に当店の二大巨頭と言えるでしょう。
コハダはさっぱりとした締め方であり私好み。
マグロ3連単。有名マグロ専門仲卸「やま幸」からの仕入れであり、産地は八戸。このあたりの方向性は東京の鮨屋と完全に一致しています。
ところでシャリが美味しいですね。マグロとの相性を最重要視した設計であり、ビビッドな赤酢の風味と硬めの炊きあがりが美味しい。
大トロ。こういうタネはキャバ嬢たちも出されてすぐにパっと食べる。見方を変えると鮨に対して最もシビアに取り組んでいるのは彼女たちなのかもしれません。
ドカンと大きい車海老。きっと大将も思うところがあるのでしょう、用意されたいくつかのエビのうち、何でもすぐにパクパク食べる私に最もイケてる個体がまわって来ました。ハートが通じ合った瞬間です。
バフンウニ。ウォーターさんたちはお喋りに夢中で目もくれないのですが、さすがに軍艦の放置は海苔が湿気って崩落の恐れがあり、大将がとても悲しそうな表情を浮かべています。だが時すでにおすし。戦艦陸奥よろしく右舷から横倒しに沈没するのであった。
くどいようですが、お椀は香水の匂いしかしません。
アナゴ。ゆうべのアナゴはムキムキマッチョでしたが、今夜のアナゴは液状化しそうなほど柔らかい。面白い素材です。
ネギトロ。このあたりで大将は渋滞客に見切りをつけ、パクパクとテンポ良く食べる私に、渋滞客の分をまわしてくれるようになります。これはこれでお得である。
かんぴょう巻き推しの私として、追加注文でなくデフォでコースに組み込まれているのが嬉しい。
ギョクでフィニッシュ。ごちそうさまでした。

以上を食べ、お会計はひとりあたり4万円弱。香水との辛い辛い闘いでした。美味しい美味しくないは人それぞれの主観ですが、この香水臭い環境は鮨屋としてスタートラインにも立てていないでしょう。知人が当店を訪れると聞いたら私は積極的に止めます。同伴客前提のそういうお店です。どうしても行きたいのであれば貸し切りでどうぞ。

とにかく大将が気の毒な夜でした。彼が独立した際は、きっと硬派な鮨屋になることでしょう。すごく応援したい。福岡の鮨業界はやはり荒れているのかもしれません。

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鮨は大好きなのですが、そんなに詳しくないです。居合い抜きのような真剣勝負のお店よりも、気楽でダラダラだべりながら酒を飲むようなお店を好みます。
この本は素晴らしいです。築地で働く方が著者であり、読んでるうちに寿司を食べたくなる魔力があります。鮮魚の旬や時々刻々と漁場が変わる産地についても地図入りでわかりやすい。Kindleとしてタブレットに忍ばせて鮨屋に行くのもいいですね。