ルポンドシエル/北浜

結婚披露宴を始め、バンケットに力を入れているレストランは宴会客ばっかり贔屓されているような気がしてあまり好きじゃないのです。当店もずいぶんバンケットが推されているのであまり気が進まなかったのですが、ミシュラン二ツ星だし、そう大ハズレすることもないだろうということでチャレンジ。中ノ島の南の対岸。川沿いにあって、ガラス窓からの採光が最高でした。
典型的なグランメゾン。客層が非常に良い。おばちゃん6人グループがおり、着物をお召しになられててすごく素敵。近くのテーブルは70過ぎのおじいさんと40過ぎのおっちゃんで、聞こえてきた会話から判断すると、どうやら親子。しかも息子はお父さんに対して敬語で話しています。滲み出る品位。「お父さん、今日は私に払わせて下さいね」「なに生意気なこと言うとんねん。オレが払うに決まっとるやろ」とても微笑ましい。
アミューズ。アワアワで自動的に美味しい。そうそう、ここはソムリエが素晴らしかった。平日昼だったので、私に対して「お仕事中ですよね?ミネラルウォーターにします?」。ソムリエが自身の売り物を脇に置いて、客の状況を見て水をすすめるなんて経験、初めてです。

俄然彼に対して興味が湧いて、じっと観察してたのですが、おばちゃん6人グループには「この人数ですので、ボトルワインのほうがオトクですよ。」、いかにも不慣れな夫婦に対しては、「ワイン召し上がります?ミネラルウォーターもありますし、無料のお冷もございますよ」うーん、コレ、なかなか言えないですよ。普通ソムリエって週次か月次かで予算があって、それを達成しないといけないですもん。しかもその言い方がなんとも自然でお客を決して卑屈にさせることも無い。お店の方針にも拠るのでしょうが、こういう応対ができるソムリエは貴重だと思います。
 ウサギとチキン。これは可も無く不可も無く。
 オマール海老のリゾット。すんげい美味しかった。エビ風味が汁に溶け込んでるねん。
フォアグラのコロッケ?
味は申し分ありませんが、グランメゾンのメインにしては華やかさに欠けるかも。超ウマイだけに惜しい。
 デザートも文句なしに美味しかった。
すごく良かった。和食を除いてうまいもんは東京に集中していると信じ込んでいたのですが、関西も中々あなどれない。

今度時間ができたら京料理と大阪フレンチを集中的に巡ってみようと決意。そのきっかけを与えてくれたお店となりました。おすすめです。

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関西も食のレベルは高い。しかも東京に比べて1~2割物価が安く、予約も取りやすいので良いこと尽くめです。印象的だった有名店をまとめました。
関西のグルメ本についてはミシュランガイドが最も優れています。どうも他のグルメ本は粉モノや串揚げ、大阪割烹など、物珍しさを優先して紹介されており、本質的な価値は置いてけぼりな気がします。

ル ポン ド シエル
関連ランキング:フレンチ | 北浜駅なにわ橋駅天満橋駅

フジヤ1935/堺筋本町

ミシュラン3ツ星!!ようやく予約とれました!抜群に評判の良いスペイン料理店は少ないので期待大。
トリュフ。丸々トリュフというわけではなく、チョコのトリュフがトリュフ風味(ややこしい)のような味わいです。全然美味しくないぞ。
クリのビスケットに至ってはビスコ以下。意図がわかりませんでした。
気泡がたくさん入ったトリュフパン。美味しくないを通り越して不味いです。どうして最初からなぜこんなに小麦粉で攻めてくるのか。
牡蠣にタピオカ。うーん、グロテスク。生きたままの牡蠣をオーブンに入れてややこしい調理を施しており、自称「絶妙な火加減」らしいですが、私としてはぬるいだけに感じました。キリっと冷やすかジュウジュウ焼くかにすればいいのに。
白子。盛り付けが引き続きグロい上、美味しくありません。
パンは一般的なものです。
マナガツオも別に普通。ソースに味がしない。 シャケ弁のシャケのほうが美味しい。
マッシュルームのパスタ。どうしてこんな鰹節みたいにするかなあ。良いと思ってやってることが、私にとっては全て裏目に出ています。
メインはクッパ城から直送、血の池地獄です。
デザートはなんとか美味しかった。
どの皿も一貫して不気味でした。これらは果たしてスペイン料理だったのでしょうか。独創的で独自性があるものの、そのいずれもが全くもって美味しくなかった。

ポールボキューズは言いました。「美味しいもの、それが、料理」。彼の定義に当てはめると、当店の食事は料理ではない。面白さ先行で色々と工夫をする前に、まずは「美味しい」を目指して欲しいです。

シェフが挨拶に来て、割と長くベラベラ話しかけてきたのですが、これが苦痛で仕方が無かった。全く満足してないのに「美味しかったです」とか言って嘘つきは泥棒の始まりだし閻魔様にタン抜かれるし。でもまさか正面から「美味しくない。陶芸家なら自分で割るレベル。奇をてらわず、まずは美味しいものを目指して下さい」とは言えないし。

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これは名著!なぜスペイン料理が料理界を席巻したのかが手に取るようにわかります。日本が観光立国となる手がかりも随所に散りばめられており、高城剛って懐が深いなとシミジミ。

Fujiya 1935