魚屋直営食堂 魚まる(うおまる)/赤嶺(那覇)

ゆいレール赤嶺駅より徒歩数分の、サンエーなどが集まる商業エリアにある「魚屋直営食堂 魚まる(うおまる)」。沖縄近海で取れた魚介類を提供する地元の人気店なのですが、那覇空港からでも車で10分弱なので旅行者にとっても便利です。
魚介類のオブジェが咲き乱れる店内。「釣った魚、買い取ります」の張り紙。魚に関してはかなり自由なお店のようです。カウンター席にテーブル席、座敷もあって、子連れも当然OKです。
食べログのクーポンを提示するとソフトドリンクをサービスしてくれました。「うっちん茶」といって、このあたりでは割とメジャーなウコンのお茶です。アルコールについても1杯500円前後なので、気の置けない仲間との飲み会に最適です。
お造りの大サイズがやってきました。確か1,500円かそこらであり、都心のスーパーであれば余裕で5千円は超えてきそうな質および量です。このエビはボタンエビかなあ。トロっとした甘味が強く、もうこれだけでモトは取れたというものです。
県産の本マグロ丼。普通の丼モノは千円するかしないかなのですが、こちらは少々お高めで1,500円ぐらいしたような気がします。それでも1,500円である。50円を追加すると白ゴハンを酢飯に変更することができます。バルサミコ酢を用いた特別なシャリだそうで、なるほど海鮮丼に良く合う。
当店のメニューの中でダントツの価格設定だけあって、これはもう、めちゃんこ美味しいですねえ。このクオリティのマグロがこの支払金額で楽しめるのは、当店かマグロ漁師の倅ぐらいでしょう。
連れはマグロの南蛮揚げ(?)らしきものを注文。豪快にカットされたマグロを揚げてしまうという贅沢な料理であり、ひとくち頂きましたがマグロをこんな唐揚げのように食べてしまって良いのだろうかという背徳感がありました。
連れの定食にはオマケでマグロの刺身もついてきます。これぞマグロ愛に満ちたうちなーんちゅのなせる業。そう、沖縄では普通のソバ屋でソバを注文してもマグロの刺身がついてくることがあるのです。

たっぷりの新鮮な刺身で胃袋を満たしてもお会計はひとりあたり2千円かそこら。東京の海鮮居酒屋を焼き払いたくなるほどの費用対効果です。ちなみに店名の通り、隣(というか同じ建屋)には鮮魚店があってそちらでも大特価でお刺身が販売されているので、那覇に長期滞在されている方は一度のぞいてみると良いでしょう。オススメです。

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博多 奈良屋(ならや)/西麻布

日本一高級な博多の居酒屋「田中田(たなかだ)」が西麻布に進出して久しいですが、2021年夏にオーダーバイキング制の新業態「博多 奈良屋(ならや)」をオープン。「田中田」と同じメニューが12,800円で食べ放題ということで、西麻布の粋人たちを騒然とさせました。
店内は個室が中心でカラオケボックスのような雰囲気。もちろん個室でない席もありますが、個室居酒屋的な座席が支配的というのは珍しいでしょう。タッチパネルでの注文というシステムもカラオケ的なニュアンスをビルドアップします。
冒頭に述べた通り、確かに12,800円で食べ放題なのですが、ドリンクが信じられないほど高額ですねえ(画像は公式ウェブサイトより)。生ビールの中ジョッキ(と言っても小さい)が1,050円で、これにサービス料10%が乗ってきます。ソフトドリンクも税サを含めれば千円近い値付けであり、カイジの地下のような価格設定です。世の中にはオイシイ話などないのだ。
気を取り直してお通しのサラダ。おおー、このサラダは美味しいですね。素材そのものの質が良い。そういえば「田中田(たなかだ)」にお邪魔した際も野菜が美味しいなあと感じたことを思い出しました。加えて、料理は全て1人前づつ取り分けて提供されるもラクでいいですね。
お刺身5種盛り合わせ。これが食べ放題かと思わせる驚きのクオリティであり、きちんとした日本料理店で出されるお造りと遜色ありません。アオリイカが特に美味しかった。
九州を代表する郷土料理「ごまさば」も当然に美味。先のお造りと同格の魚を用いているためか、コッテリとしたゴマダレの味の強さを跳ねのける凄味があり、一般的に九州で食べられる「ごまさば」とはまるで別物です。
アワビとイカのバター焼き。アワビに目が行きがちですが、偏差値で言うとイカのほうが突出しているような気がします。
まぐろトロカツ。こちらはサイコロサイズがほんの2切れでチョロいもんです。揚げ油ならびにそれを吸った衣の味覚のほうが支配的であり、あまりマグロの風味は感じられませんでした。
チキン南蛮。このチキン南蛮もチキン南蛮としては極上の味わいであり、肉には天草大王(あのへんのブランド鶏)を起用しているそうで、いわゆる九州の郷土料理とは一線を画する美味しさです。
馬ユッケも純粋に馬い。馬肉の刺身って、量がチョンチョンと盛られて2千円みたいな感じのお店が殆どなので、当店のシステムは大変ありがたい。
和牛上酢モツ。一般的な焼肉屋の前菜程度のものを期待していたのですが、こんな酢モツがあるのかと驚愕する上品さです。
和牛スジ煮込み。先の酢モツと同様にハイグレードな内蔵です。ただし1人前のポーションがかなり多く胃袋の5分の1程が満たされる。「ふうん、マグロとかはほんの一口だけど、こういう料理はたっぷり出してくるんやね」と、同伴した食べ放題専門家は眉をひそめていました。
ヒレステーキは思ったよりも脂が強く、じんわりと内臓に響いてきます。
酢ガキがグレイト。サッパリとした調味にチュルンとした舌ざわりでいくらでも食べれます。重い料理が続いていたので、一筋の清涼剤として大活躍してくれました。
「大海老フライ」は品川「Ab・de・F(エビデフ)」ほどのサイズ感を期待していたのですが、思いのほか小さい。ただしその密度や凝縮感は目を瞠るものがり、ブリブリとした食感含めて素晴らしいひと品でした。
「カニみそバター」に「チャンジャ」。ちなみにこの日は男だらけのグループでお邪魔したのですが、「そろそろお腹いっぱいになってきたかも」という人物も現れ始めました。
「ぜいたく丼」は「田中田(たなかだ)」における一番人気メニュー。「やま幸」のマグロや不漁のウニなどを食べ放題で出すとは見上げた根性です。
「カキフライ」は先の「大海老フライ」と同様にザックリと密度の高い食感で美味。衣の肌理も粗くしており、ザクザクと心地よい食べ応え。
「ネギトロ」は海苔で巻いてそのままパクリ。シャリ抜きの肝心な部分だけを楽しむスタイルで、なんだか申し訳ない気がしてきます。
「小梅ちゃん」に
「生姜の甘酢漬け」と、皆、守りに入って来ました。
「魚の南蛮漬け」は、先の「小梅ちゃん」と「生姜の甘酢漬け」で味変を続け過ぎてしまったため、酸味がニューノーマルと化し、逆に印象に残らなくなってしまいました。もっと序盤で注文すれば良かったかな。
「博多がめ煮」につき、がめ煮としては大変上質なのですが、あまり食べ放題で食べる料理でもなかったかなあという印象。根菜多めでとにかく腹が膨れます。
もう食べれない、ということで、ラストにシマアジの刺身を単品で。ゴリゴリとしたタフな食感、かつ、フレッシュな味覚。やはり当店は魚が美味しかったなあ。
以上を食べて12,800円。軽く飲んでサービス料金が乗ってお会計はひとりあたり1.8万円。まあこんなもんかという食後感。やはり飲み物の異常な値付けは精神衛生上良くないですね。2万円ポッキリで食べ飲み放題とか、酒は普通の居酒屋価格にして料理は16,800円とかにした方が、店と客の双方にとって互いにハッピーなような気がします。
注文はタブレット経由で、「終了まであと〇分!」のようにカウントダウンされるなど、サービス料を10%取る割にはカラオケ屋と変わらないチープな仕掛けであり私のロマンチシズムに反する。うーん、これなら「田中田(たなかだ)」で同じ予算で普通に飲み食いしたほうが気持ちいいなあ。
誤解の無いよう申し添えておくと、料理のクオリティは食べ放題とは考えられないほど高く、ホテルのディナービュッフェなどとは段違いの美味しさです。だからこそ、なおのこと、食べ放題にするのはちょっとどうなんだろう、というお気持ちです。

話のタネに一度行ったらもういいやと思えるお店の代表格に感じました。

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桂花ラーメン 本店/花畑町(熊本)

1955年創業の「桂花ラーメン」。熊本ラーメンの代名詞的な存在であり、東京進出を果たしたのも1968年と早い。むかし渋谷センター街の脇道にあった店舗に行ったことあるなあ。この日は花畑町の栄通り沿いにある本店にお邪魔しました。
店内は50席ぐらいはあるでしょうか、カウンター席の設置はもちろんのことテーブルエリアも広々と確保されており、ちょっとしたファミレスのような明るさがあります。

ちなみに「桂花ラーメン」は2010年に民事再生法の適用を申請し、現在は「味千ラーメン」で知られる重光産業の傘下に入っていますが、セントラルキッチン方式の「味千ラーメン」とは異なり、今も店舗ごとにスープの仕込みをしているそうです。
注文して数分で着丼。「WAHAHA本舗コラボ肉祭り」なるものが開催されており、感じの良いオバチャンの店員が「炙りチャーシュー麺」を強く推していたのでそれに乗っかりました。
炙りチャーシュー麺。オーソドックスな「桂花ラーメン」に特大の炙りチャーシューが3枚で千円ポッキリ。肉のボリューム感がボンバーであり、糸満の「うちな~そば 壱蘭」を思い出しました。

底の見えぬ沼のように茶褐色のスープに恐れおののきますが、見た目ほど暑苦しいスープではなく、意外にサラっと飲み干せます。マー油のニンニク風味が程よいアクセント。
麺は細麺なのですが、博多の豚骨ラーメンなどに比べるとやや太く、穀物の風味を強く感じる逸品。特にカタメなどの指定はしなかったのですが、一般的なものに比べると幾分硬めの仕上がりに感じました。
プラス100円で「茹でキャベツ」をトッピング。チャーシューとスープの脂をサラっと受け止めてくれる大人のサラダです。加えて当店の卓上にあるお茶はプーアル茶であり、やはり脂っこい料理と合わせるに最適。
お会計は1,100円。熊本でのラーメンランチとしてはやや高めに感じますが、あの肉量であれば寧ろ割安とも思えるディールです。11~24時の通し営業で年中無休と便利。旅行者にとっての予約不要なちょっとした名物食に最適のお店でしょう。

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マーサー カフェ(MERCER CAFE)/恵比寿

恵比寿を中心に都心に十数店舗を展開するMERCERグループ。この日は恵比寿「マーサー カフェ(MERCER CAFE)」の中にオープンしたショップインショップ「MERCER BURGER」にお邪魔します。西麻布「グルマンディーズ(Gourmandise)」の長谷川北斗シェフがプロデュースしたハンバーガーとして話題となりました。
11:00から24:00までの通し営業で便利。ヘンな時間帯に訪れたのでゲストは私だけでした。テラス席からテーブル席、ボックスシート席があり、雰囲気ちょっとエロめです。
本題に入る前にクラムチャウダーを注文。味は悪くないのですが、量は少なく、これで700円は高いなあ。バーガーとセットでの注文ならプラス350円ぐらいであって欲しいところです。
主役の「MERCER バーガー」。1,400円です。メニューの写真にはバーガーだけしか写っていませんでしたが、ポテトもしっかり付随します。
直径はそれほどでもありませんが高さがあり食べ応えがあります。バンズにビーフパテ、目玉焼き、チーズ、オニオン風味のソースといった陣容であり、おお、これは旨い。肉に程よく粗さがあり、ザクザクとした食感がクセになります。ソースは仄かに甘く、単に素材を挟んだというよりはきちんと料理として調和している印象を受けました。
ポテトもその辺のファストフードとは一線を画す味わいであり、サラっとした揚がりにホクホクしたジャガイモ感が堪りません。みんなマックのポテトが品薄なら他の選択肢を探ればいいのに。
以上を食べ、お会計は2,100円。クラムチャウダーを注文したので値が張りましたが、このハンバーガーとポテトで1,400円というのはリーズナブル。マトンバーガーやフォアグラバーガー、3,200円の高級バーガーなど射幸心を煽るメニューもあり、いつか全制覇したいところ。プレミアム系バーガーのスーパールーキー、恵比寿に爆誕です。

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恵比寿も十番に負けず劣らず良い街ですよね。1度住んで、片っ端から食べ歩いてみたいなあ。よそ者ながら印象に残ったお店は下記の通り。
恵比寿を中心に話題店が整理されています。Kindle Unlimitedだと無料で読める。それにしては圧倒的な情報量。スマホやタブレットに忍ばせておくと出先で役立ちます。