アンダーズ 東京 (Andaz Tokyo)/虎ノ門

ハイアット系の一風変わったラグジュアリーホテルブランド「アンダーズ(Andaz)」。ヒンディ語で「パーソナルスタイル」を意味するそうで、2007年にロンドンで産声をあげ、現在では世界各地に25軒以上を展開しています。東京では虎ノ門ヒルズの最上部、47階から52階に開業。
51階のレセプションで名前を告げると宿泊者専用ラウンジに通され、お茶をしながらゆったりとチェックイン。担当はどことなく滲み出る育ちの良さにチャーミングな笑顔を湛えた方で(外銀の営業にいそう)、必要にして充分な情報のやり取りのみを通じ、驚くべきテンポの良さで手続きを終えて下さいました。温かみがあり、自然で、柔軟。感激を通り越して感動すら覚える手際の良さです。もしも世界にチェックインの国があるのであれば、彼女は間違いなく女王に即位することでしょう。年に100回はチェックイン手続きを受ける、チェックイン・ソムリエの私が言うのだから間違いありません。
閑話休題、お部屋へと参りましょう。今回は「タワービューキング」にご案内頂きました。トータルで164室しかなくスイートは8室のみのスモールラグジュアリーであるため、価格の差異は眺望ぐらいしか無いような気がします。
おおー、これぞ東京という景色。「パークハイアット東京(Park Hyatt Tokyo)」からの眺望も見事ですが、どちらかというと東京の海沿いに縁の深い人生を歩んできた私にとって、東京タワーやお台場が見えるほうが心が安らぎます。
インテリアはバリバリにスタイリッシュというよりかは木の素材感を大切にした温かみのあるものであり、どこか日本家屋の風味すら感じます。一方でPC作業をするに適したデスクなどは無く、宿泊者用ラウンジでパソコンやってる人が妙に多いなと感じたのは、これが原因なのかもしれません。
テレビにクロームキャストのような機能は無いので壁に埋め込まれたテレビを引っ張り出し、持参したFire TV Stickをセットします。
設営が完了しました。テンションを上げていくために、まずはTWICEの「Heart Shaker」を流してみました。yeah yeah yeah yeah yeah. ちなみに私の推しはモモなのですが、それも第2形態までであり、推しは推せるうちに推しておくべきだと最近つくづく思います。
ちなみに回線速度は思ったほど速くなくこの程度。もちろんweb会議程度であれば問題なくこなせるレベルです。
ミニバーにあるものは、アルコール類を除いて全て無料。ミネラルウォーターが無料なのはスタンダードになりつつありますが、ちょっとしたスナックや炭酸水も用意されているのは嬉しいですね。
ウェットエリアは木目調と面白い。ベイシンはひとつですが、その分フリースペースが広く用意されており、メイク道具や何やらをブワーっと広げることができて使い勝手が良いです。
バスルームも欧米系のホテルとしては珍しくスペースがかなり広く取られており、バスタブも円形と興味深い。他方、アメニティはペリカン石鹸と拍子抜け。いや別にペリカン石鹸に罪はありませんが、非日常を期待して滞在するゲストにとってはガッカリする瞬間かもしれません。
トイレはしっかりとした独立型。
ウォークインクローゼットも動線が考え抜かれており、引き戸を開放しておけば広々とした通路だし、ピッタリと閉じれば独立した空間へと変化します。
予約時間になったのでフィットネスセンターへと向かいます。コロナ禍はプールに人数制限を敷いており、1回の予約につき30-45分程度しか利用できないので若干物足りないのですが、スタイリッシュな設計に見事な眺望(37階!)に適度な深さと総体としては大満足のプールです。
ジムは利用しませんでしたがプールの隣だったので少し覗いてみます。機器はテクノジム社のもので揃えており、数は少ないものの164という客室数であればこんなもんでしょう。そういう意味で「パークハイアット東京(Park Hyatt Tokyo)」のフィットネスセンターならびにスパの設備は素晴らしかった。
ひと泳ぎした後はビールタイム。当館にクラブラウンジという概念は無く、滞在するゲストはみな特別待遇であるため、18:00-20:00の間は軽食と簡単なアルコールが振舞われます。ただしあくまで簡易的なサービスであり、「グランド ハイアット 東京(Grand Hyatt Tokyo)」のように食事の代用となることはないのでご注意を。
ちなみにこのラウンジサービスにおいても将来の名物ホテリエと成り得るであろうエース級の若者を発見し、彼の働きぶりに目尻を下げていたのですが(どこから目線だ)、途中、冒頭のチェックインの女王とコラボする瞬間があり胸熱。このような人材を揃えることができハイアットグループの未来は明るい。
夕食は52階にある「ザ スシ(the SUSHI)」へ。アンダーズには日本料理店が無く、唯一ジャパンを感じさせるレストランです。ルーフトップバーに併設(?)された鮨屋という不思議なコンセプト。詳細は別記事にて
部屋に戻るとすっかり日が暮れており、東京を代表する夜景が広がっていました。
こちらは24時を過ぎた写真。暗くなった東京タワーを眺めるのも乙なものです。
せっかくなのでブラインドを全開にして眠りにつき、朝日で目覚めるという贅沢な試みを。おおー、朝から東京である。おはようニッポン。
朝食は51階の「ザ タヴァン グリル&ラウンジ」一択。おや、昔は「アンダーズ タヴァン (ANDAZ TAVERN)」という名のレストランであり、2017年にお邪魔したことがあるのですが、どうやらリニューアルされているようです。詳細は別記事にて
朝食後は再びプールで泳ぎ、部屋に戻って昼寝して、ゆったり16時にチェックアウト。結論として大変素晴らしいホテルでした。格としては「グランド ハイアット 東京(Grand Hyatt Tokyo)」よりも全然上で、「パークハイアット東京(Park Hyatt Tokyo)」と同じくらいという扱いなのでしょうが、個人的には当館が断然好き。というか、ハイアット系列ひいては日本におけるシティホテルの中で一番好きかもしれません。適度に都会ながらビジターが少なく宿泊者を大切にしている感があり、ホテリエたちの顔も良く見え、上質な空間ながら緊張感は控えめという絶妙な居心地の良さ。
時おりロングステイプランも企画されているようなので、次回はコチラで滞在してみようかしら。憧れる。

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「東京最高のレストラン」を毎年買い、ピーンと来たお店は片っ端から行くようにしています。このシリーズはプロの食べ手が実名で執筆しているのが良いですね。写真などチャラついたものは一切ナシ。彼らの経験を根拠として、本音で激論を交わしています。真面目にレストラン選びをしたい方にオススメ。

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