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ラーメン赤組(あかぐみ)/上通(熊本)

熊本を代表するラーメン店のひとつ「ラーメン赤組(あかぐみ)」。上通アーケード街近くの上乃裏通りに2012年に開業したのですが、既に老舗に近い風格を感じさせます。
店内は思いのほか広く、厨房を取り囲むカウンター席にグループ向けのテーブル席がいくつか。餃子はもちろんホルモンの煮込みや各種揚げ物などの一品料理も豊富で、普通に飲み屋使いしているグループもいるため若干騒がしいのが玉に瑕。
折角なので「酢もつ」を注文。東京のケチな九州料理屋で食べるそれの3倍ほどの量であり、価格も350円と非常にリーズナブル。これはもう、自炊するよりも安いかもしれません。
ギョーザは7個250円と安いのですが、なるほど博多風の一口餃子的サイズ感であり、まあ、値段相応といったところでしょう。
主題の熊本ラーメン。自家製黒マー油の香りが食欲をそそります。スープはドロリとした豚骨がベースながら口当たりは良く、思いのほか親しみやすい味わいです。チャーシューもキクラゲも王道の美味しさです。
麺は博多のラーメンの麺をやや太くした印象で、結構なコシがあります。スープとも良く絡み万人受けする味覚です。
特筆すべきはその価格。このクオリティのラーメンが1杯550円というのは破格とも言える値付けでしょう。東京なら800円ぐらいするんじゃないかなあ。ランチタイムは餃子や唐揚げとのセットもあり食いしん坊の強い味方。ここでしか食べれない唯一無二の絶品、というわけではありませんが、日常生活を豊かにしてくれるポテンシャルが感じられるお店でした。

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お食事処 ふくふく/熊本空港

阿蘇熊本空港から車で5分程の距離にあるホテル「エミナース(eminence)」の併設施設「七福の湯」に入居する料飲施設「お食事処 ふくふく」。ホテル側のレストランは締めているため、ホテルで食事を摂る場合はコチラへ訪れる必要があります。
案の定というべきか何というか子連れ客が多く大変騒がしい。ノイズキャンセリングヘッドフォンの機能すらキャンセルする勢いの賑やかさであり、ショッピングモールのフードコートと同等の施設と覚悟しましょう。
このカジュアルさにも勿論メリットはあって、ありとあらゆるメニューの値付けは控えめです。定食などは大盛り無料で千円を切り。ツマミ系の料理も1品500円かそこらでした。
冷奴はパックから出してそのまま出した感はありますが、まあ、250円という支払金額であれば文句は言えません。
ホルモン炒めはびっくりするほど美味しい。肉厚で弾力ゴリゴリのホルモンは食べ応え抜群で、濃いめにズバっと仕上げた調味も思い切りが良くて私好み。野菜も思いのほかたっぷりで、この料理が650円で楽しめるのは大変お値打ちと言えるでしょう。
唐揚げもメニュー表の写真よりもボリュームが大きいという嬉しい誤算があり、皮目の部分が実にジューシー。唐揚げ定食として楽しんでも良かったかもしれません。
スペシャリテの「野菜たっぷり海鮮ちゃんぽん」は750円。ちゃんぽんと言えば長崎や小浜が有名ですが、熊本は天草でも名物とされています。大盛りは2-3人前なので、グループで取り分けて食べるにちょうど良いでしょう。
味は中々、いやかなり美味しいです。チェーンのちゃんぽん屋よりも全然旨い。ツルっと喉越しの良い麺に豚骨ベースの濃厚なスープ。気前の良い量の野菜と魚介類。先のホルモン炒めも含め、当店は全体的に味付けのセンスが良いと思いました。

スーパー銭湯に併設されたセルフサービスの食堂なので何の期待もせずお邪魔しましたが(失礼)、意外や意外、食事はどれも美味しく値段は控えめで、飛行機の前後にパパっと食べたい場合、空港メシも悪くないですが、当館でひとっ風呂浴びて当店でグビっと居酒屋使いするにちょうど良い存在でしょう。

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奴寿司(やっこずし)/天草(熊本)

天草だけでなく全国にその名を轟かせる「奴寿司(やっこずし)」。ミシュランでは1ツ星、食べログでは百名店に選出されており、メディアで取り上げられること多数。ムッシュ山本益博が「日本の鮨ベスト3」に選出したのはあまりにも有名です。ちなみに熊本市の「むら上」は当店の御子息たちが開業した鮨屋です。
1974年創業と歴史あるお店なのですが、上手くリノベしており今風の内装です。カウンターは6-7席にテーブル席がいくつか、奥には個室もあり様々な用途に対応できそう。靴を脱いで上がるスタイルなので、ややこしい靴は避けてお邪魔しましょう。
私は運転があるのでノンアルコールビールを。連れは中ビンを注文したのですが、確か600円かそこらであり、費用対容量で言えば普通のビールのほうが割安な気がする。まこと世の中は不条理なものである。
我々はテーブル席にて「おまかせ」を注文。盛り込みを一度に全部持ってくるのではなく、3-4カンづつ複数回に分けてサーブして頂けます。
まずはクエ。前日の「鮓 たいと」のように深く熟成させてはおらず、フレッシュでコリッコリな食感です。
イカ。細かく包丁が入っており口当たりが良いです。ウニ風味のパウダー(塩?)が降りかかっており、イカの甘味との調和が面白かった。
イシダイはデップリと脂がのった個体を厚切りで頂きます。ムッシャムッシャと肉のような食べ応えであり、ガリガリと結晶の残った塩使いも思いきりが良いです。
ガリはまあ、普通のガリですね。薄切りで調味はやや強め。黒い立方体の容器にまとめて入れられテーブルに配置されているので、少々の回転寿司感は否めません。
コハダ。ドーンと白板昆布が乗っかっているのが特徴的ですが、その味わいの主張が強すぎる面があり、好みは分かれるところでしょう。
シマアジ。トッピングは柚子胡椒でしょうか。ピリっと刺激的な味覚でありチャレンジングな試みです。
キンメダイには青胡椒とワサビかなあ。先のシマアジと同様にかなり攻めた調味です。息子たちの店は割にクラシック寄りなのにオトンがどチャラい鮨なのが面白い。
赤出汁はごくごくベーシックなスタイル。ガリの仕様に通ずるものが感じられました。
ノドグロ。トッピングは玉ねぎ醤油であり、ノドグロの強い脂と玉ねぎの強い風味と二段構えの美味しさです。
トロ。ざっくりとした切り口で脂の甘味が強烈。ああ、やっぱマグロって高いけど旨いな、これなら仕方ないか、と思わせてくれる迫力がありました。
エビは生で頂きます。プリっとした歯ごたえに生エビ特有の甘味が響き、エビ好きにはたまらないひと時です。
カンパチは仄かに熱が入ってあり、また内部にガーリック風味の何かを内包しているので、カリフォルニアあたりのシーフード料理を楽しんでいるような錯覚をおぼえました。
デザートは和三盆のパンナコッタ。優しい甘味でホッコリとフィニッシュです。

以上を食べ、酒を除けばひとりあたり6,600円。ミシュラン1ツ星のにぎりを堪能してこの支払金額は実にお値打ち。かなりの老舗でありながら思いのほか創作的なにぎりが続くのが当店の面白いところでしょう。

また大将はカウンターのゲストに対してポリコレ的に一発レッドカードの発言を何発もかましてくるかなり突っ込んだ客あしらいなので、説明が難しい関係のカップルでの訪問は避けた方が良いかもしれません。息子たちの店とは全くスタイルの異なる鮨店でした。

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鮨は大好きなのですが、そんなに詳しくないです。居合い抜きのような真剣勝負のお店よりも、気楽でダラダラだべりながら酒を飲むようなお店を好みます。
この本は素晴らしいです。築地で働く方が著者であり、読んでるうちに寿司を食べたくなる魔力があります。鮮魚の旬や時々刻々と漁場が変わる産地についても地図入りでわかりやすい。Kindleとしてタブレットに忍ばせて鮨屋に行くのもいいですね。

薔薇亭(ばらてい)/下通(熊本)

熊本出身の友人に「家族で行くごちそうって言ったら何処だった?」と尋ねると、すぐに返ってきたお店がココ「薔薇亭(ばらてい)」。1980年創業の歴史あるお店であり、ワンピースの尾田栄一郎がバイトしていたお店としても有名です(ワンピースに「バラティエ」という海上レストランが登場しています)。
店内は全て個室であり、各部屋ごとに料理人が配置され目の前のゲストに調理してくれるという、銀座「USHIGORO S(うしごろエス)」も真っ青の贅沢なシステムです。なるほどこれは親族での宴会にもぴったりですな。
飲み物の価格設定は良心的で、そのへんの居酒屋の値付けに毛が生えた程度です。県外客である我々は折角なので熊本のシャルドネを注文。ここ数年は欧米系のワインの値上がりが精神的にキツいので積極的に日本ワインを飲むようにしています。
我々は「薔薇亭Aコース」を注文。12,650円です。前菜は数種類から選択することができ、やはり県外客である我々は馬刺しを注文。これがびっくりするほど分厚く量が多く、上質なローストビーフを食べているかのような心地よさです。
こちらは魚を焼いたやつなのですが、可もなく不可もなくゴルディロックス相場といったところです。
天草産のアワビのステーキ。シンプルにバター炒めで頂いたり、暴力的な量のニンニクを纏わせたりと、嬌声が上がる瞬間です。
メインの「特選黒毛和牛ヒレ肉」。結構な量感で、これを2人で食べ切るという贅沢。
お肉だけでなく、脇を固める焼き野菜たちも美味しい。このクオリティの鉄板焼きを食べて東京の半分の支払い金額というのは尊い。リアリティショーであれば鎧を脱いでしまうかもしれません。
「サラダはレタス・トマト・豆腐のいずれになさいますか?」と問われたので豆腐をリクエストすると、言葉通り豆腐が出て来ました。あ、いや、これは別に普通に美味しいですが、これはサラダと呼ぶのでしょうか。もしかしたら熊本の方言なのかもしれません。
〆のお食事もチャーハン・おじや・素麺の3つからのチョイス。せっかく目の前に鉄板があるのでチャーハンをオーダー。躍動感あふれる調理であり、肉たっぷり卵たっぷりニンニクたっぷりの三拍子。鉄板焼き料理の締めくくりに相応しいひと品でした。
デザートにシンプルなバニラアイスでフィニッシュごちそうさまでした。

先に述べた通り「薔薇亭Aコース」が12,650円で、それに酒を加えてひとりあたり1.6万円といったところ。なるほど程よいゴージャス感とごちそう感であり、家族での集まりにちょうど良いポジションです。「ろばたやき山ろく」にせよ当店の馬・牛にせよ、熊本は肉類が旨いなあ。

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焼肉ではなく、洋風の肉料理をまとめました。ステーキやローストビーフがテンコ盛り。赤ワイン片手にガブガブ楽しみましょう!
レストランでの火入れを家庭で再現することに主軸を置いた稀有な本。「焼く」「揚げる」「ゆでる」「蒸す」「煮込む」「混ぜる」「漬ける」など、基本的な調理ほど論理的に取り組む必要があることを得心しました。肉の基本。これを知ると知らないでは大きく姿勢が異なります。

鮓 たいと/天草(熊本)

天草の名店「鮓 たいと」。ミシュランで1ツ星を獲得し、食べログでは百名店に選出されています。創業は2007年と思いのほか歴史があり、大将はかなりの若さで開業した計算になります。
カウンター5席のハードボイルドな鮨店。お座敷もあり宴席も可能なようですが、王道はカウンターでの「おまかせ」のようです。

店主のムッシュ永野は天草の「桂寿司」で腕を磨いたのち独立。ベクトルとしては江戸前鮨なのですが、そのあたりの技法は独学で学ばれたそうです。
まずはアオリイカ。細かく細かく包丁が入っており、咀嚼していると自然とごっくんしてしまう、流れるようなにぎりです。
ガリは丸ごと漬けたやつをカット。甘味と酸味が強くインパクトのある味わいです。シャリは硬く酸味も強く、極太麺が自慢のつけ麺屋のように噛めば噛むほどに味が滲み出てきます。にぎりのサイズは小さめではありますが、シャリの凝縮感が強いためか見た目以上に食べ応えがあります。
続いてシロアマダイ。言わずと知れた高級魚であり、その上品な甘味が記憶に残りました。身を薄くスライスして2枚重ねで提供するのが当店流。その後のにぎりも2枚重ね作戦が多い。
アワビはコリっとした食感が心地よく、また磯臭さは全くなく、アワビ料理として最高峰に位置する旨さです。
クルマエビ。個体そのものは小さめですが旨味と甘味がググっと詰まっており、ギュっと握り込むシャリと共に存在感のある1カンです。
天草の赤うに。鮨ヲタク垂涎のタネであり、ベロンとおっきいのコレが。シンプルに塩だけで頂くのですが、思わず目を閉じてしまう濃密な甘さです。
マグロは脂が乗っているものの赤身の旨味もしっかりと感じられ、バランスの良い味わいです。
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ギョクは大和芋主体であり、黒糖でほんのりと風味付けしており、お菓子感覚でデザートのように楽しみます。

以上のランチおまかせが7,700円。このクオリティの高さでこの支払金額は天草の奇跡と言って良いでしょう。あまりに美味し過ぎたので、ある意味で夜に訪れなかったことを後悔しました。次回はツマミ付きでたっぷりのお酒と共に楽しむんだ。

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