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大城鶏飯(おおぎけいはん)/コザ(沖縄市)

コザのパークアベニュー近くの路地にある「大城鶏飯(おおぎけいはん)」。「鶏飯」と言えば奄美大島のソウルフードとして有名ですが、当店のそれはたっぷりのサルサソースで食べる新感覚のチキンライス。店名につき、沖縄県において「大城」という名字は「おおしろ」と発音するのが一般的ですが、当店は「おおぎ」と読みます。
店内は簡素なテーブルとイスが並ぶだけで、ダイニングというよりはイートインスペースといった風情です。ファストフードのように前払い注文して、料理ができたらカウンターまで取りに行く仕組みです。テイクアウトも活発なようで、売り切れ次第終了とのことです。
お水は見たことも無いブランド(?)のものがペットボトルで用意されます。壁には沖縄の有名人のサインがいっぱいです。
主題の鶏飯。鶏の出汁で炊いたご飯の上に、煮てほぐした鶏肉を乗せ、その上からゴロゴロとした野菜たっぷりのサルサソースをのせて楽しみます。サルサソースはノーマルかスパイシーから選ぶことができ、私はスパイシーにチャレンジしたのですが、ピリ辛といった程度でした。
鶏肉の処理が興味深い。海南鶏飯やカオマンガイでは鶏の皮の脂の旨味を重視し、皮付きのまま提供されることが通例ですが、当店では皮やスジを丁寧に取り除いており、プルドポークやシーチキンのような食感を実現しています。

トッピングの「鶏味玉」は鶏のお出汁で煮ているのでしょうか、程よく味が沁みており、黄身の半熟具合と共に先の鶏肉とよく合います。
ゴハンは鶏のお出汁で炊いているようで旨味たっぷり。やや固めに設定されているのですが、先の鶏肉が程よく煮汁(?)を含んでいるので、ライスと共に若干の雑炊感を楽しむことができます。サルサソースはキュウリ、玉ネギ、ピーマン、トマトといった野菜が食感を残した状態で細かく刻まれており、シャキシャキ爽やかでさっぱりした味わいです。
鶏スープは鶏本来の風味を感じさせる徹底した透明感があり、余計な油分がありません。調味も最小限に留めており、身体に染み渡るうな優しい感覚を覚えます。別料金ですが僅か70円なので、必ず注文しましょう。必ずです。
以上、鶏飯の肉増しに玉子とスープを付けて1,500円ほど。奄美の鶏飯やシンガポールの海南鶏飯とはまた違った、ありそうでないスタイルのチキンライスですが、これが意外とクセになる。サルサの爽やかさと優しい鶏の旨味が、沖縄の陽気にぴったり。コザの路地裏で出会える、ちょっと変わった心地いいひと皿です。

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沖縄丸鶏製造所 ブエノチキン/浦添市(沖縄)

沖縄県民のソウルフードとして有名で、全国からファンが訪れるほどの人気店である「ブエノチキン」。創業40年以上の歴史を持つ、地元で愛される若鶏の丸焼き(ローストチキン)専門店です。数々のテレビ番組やガレッジセールのゴリのYouTubeなどで取り上げられており、食べログでは百名店に選出されています。

店名に冠された「ブエノ(Bueno)」という言葉は、スペイン語で「美味しい」「良い」を意味し、これは南米アルゼンチン等への移民文化が沖縄へ持ち帰ったローストチキン文化(アサードやポヨ・ア・ラ・ブラサの流れを汲むもの)を象徴しているのでしょう。
テイクアウト中心ですが、工場内のイートインスペースの用意もあります。バリアフリー化が徹底されており、ベビーカーでの入店を容易にしオムツ替えスペースを完備するなど、子供から高齢者まで、あらゆる世代が楽しむことができる設計です。
鶏肉は「やんばる若鶏」すなわち沖縄県北部で飼育された新鮮な若鶏のみを使用しています。鶏肉の内部まで味が浸透しやすいように下処理を施した後、ハーブとニンニクをまぶして秘伝のタレに漬け込み、充分に寝かせ肉の深部まで風味を定着させつつ、専用の回転式ロースターで長時間かけてじっくりと焼き上げます。
イートインメニューはシンプルで、「1羽(目安3〜4人分)」と「1/2羽(目安1〜2人分)」「1/4羽」のみ。「ロースト野菜」を付けてもらうこともでき、チキンをじっくり焼き上げる際に滴り落ちるエキスをたっぷり吸ったお野菜は、もうそれだけで立派なごちそうです。
主題のチキンにつき、まず目を引くのは粗みじん切りのニンニクがこれでもかというほど大量に散らされていることでしょう。香りも強烈なので、このあと人と会う予定がある方のご利用は計画的に。
お肉は骨からほろりと取れるほど柔らかくジューシー。時間をかけてローストすることで余分な脂が落ちており、また、お酢の爽やかな酸味が後味をさっぱりとさせるため、暴力的な味わいながら重さを感じさせません。何とも後を引く、病み付きになる味わいです。
ちなみにテイクアウトの場合、残った肉汁やニンニクを用いて炒飯やスープなどに転生させるなどの2次調理文化が作法として定着しています。焼き上がりのタイミングによっては売り切れの(待ち時間が生じる)場合もあるので、確実に購入したい場合は事前に予約をしておくと良いでしょう。

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鳥やす(とりやす)/屋冨祖(浦添市)

屋冨祖の「鳥やす(とりやす)」。新鮮な「やんばる若鶏」を安価に楽しむことができると評判で、観光客がアクセスし辛い立地でありながら、連日地元のゲストで大賑わいの人気店です。
店内は焼鳥屋としては広く、カウンターが7-8席にテーブルが数卓にお座敷もあります(写真は食べログ公式ページより)。ゲストもスタッフもうちなーんちゅばかりであり、現代のリアルな沖縄語が耳に飛び込んできてエモい。
生ビールは500円。スリムなフォルムが気になるところですが、まあ、500円という価格を考えればこんなものでしょうか。日本酒の用意も豊富であり、いずれも1合1,200円だったと記憶しています。
お通しから「レバーパテの鶏ハム巻き」と、気合が入っています。しっとりと低温で仕上げられた鶏ハムの淡白な旨味の中から濃厚で滑らかなレバーパテが溶け出し、白ワインでも楽しめそう。また、食中のお口直しとして鬼おろしもご用意頂けました。
酢モツにんにく。コリコリとした独特の歯ごたえを活かしつつ、ポン酢とニンニクでパンチのある味わいに。喉越しの良い冷菜として、こうかは ばつぐんだ!
大根と大葉のサラダ。思っていたのとだいぶ違うスタイルでの登場ですが、刻んだ大葉がたっぷりと盛り込まれており、お口直しに最適です。
サラダ代わりに「きゅうりと白菜の浅漬け」。きゅうりはポリポリとした小気味よい食感を残し、白菜は芯の甘みと葉の柔らかさが程よい塩梅で漬け込まれています。保存食としての漬物というよりは、新鮮な野菜を出汁で味わう感覚に近い。
串焼きに入ります。ひと口食べて驚き、びっくりするほど美味しいです。大ぶりで弾力ある身と甘みが凝縮された長ネギのコンビネーションが抜群で、東京の客単価1万円超えは当たり前の焼鳥に勝るとも劣らないクオリティです。    
ハツ。プリッとした独特の弾力があり、噛むたびに溢れる瑞々しさが印象的。クセがなくクリーンな味わいで、内臓系が苦手な方でも抵抗なく食べることができしょう。程よい脂のノリと、血の旨味が感じられる濃厚さが炭火の香りでより一層引き立てられています。
モモ。「やんばる若鶏」本来の味わいをダイレクトに感じられるひと品。適度な脂身と赤身のバランスが秀逸で、噛み締めるほどに力強い肉汁が溢れ出し、鶏を食べているという満足感に浸ることができます。
モツ煮込み。スープ(?)に豚骨っぽいニュアンスが感じられ、モツから溶け出した脂と野菜の甘みが混ざり合い、後を引く美味しさです。モツと一緒に煮込まれた根菜類にも味が芯まで染み込んでおり、具材ひとつひとつが主役級の存在感です。
レバー。しっとりとレア気味に仕上げられ、まるでフォアグラのような濃厚でクリーミーな味わい。とろける食感に甘辛いタレがコクをさらに深め、口の中で優しく解けていきます。
砂肝。ザクザクとした力強い歯ごたえが心地よく、噛む楽しさを教えてくれる一串です。余計な脂がなく淡白で澄んだ味わいですが、炭火の香ばしさと適度な塩気が、本来の風味を強調しています。
ナス田楽。炭火でじっくりと焼かれトロトロになったナスに、甘辛い濃厚な特製味噌をたっぷりとのせたひと品。ナスの瑞々しい水分と、味噌の香ばしさと深いコクが絡み合い、ついつい日本酒に手が伸びる味わい。
長芋のワサビ漬け。出汁の旨味を吸った長芋にワサビの清涼感のある辛みが加わり、上品な仕上がりに。辛すぎず、しかし鼻に抜ける香りがしっかりとしているため、串焼きの合間のリフレッシュに最適です。
牛タン。鶏料理店ながら牛タンのクオリティも引けを取りません。サクッとエッジの立った歯切れの良さと、鶏とはまた違った魅力のある牛の脂を楽しみます。
トマトは果汁がアツアツ。酸味は加熱によって凝縮された甘みへと変化しておい、マルゲリータの美味しいところだけを食べているかのような気分です。
せせりの柚子胡椒焼き。特有の、弾力のある引き締まった食感と噛むほどに溢れる濃厚な脂を堪能できるひと品。炭火で香ばしく焼き上げられた肉に、柚子胡椒の爽やかな香りとピリッとした辛みが加わり、脂の甘みをキリッと引き締めます。ボリュームもたっぷりだ。
以上、さんざん飲み食いしてお会計はひとりあたり7-8千円といったところ。東京の予約困難な高級店で2万円近くを払うのが馬鹿らしくなるほど、見事な費用対効果です。ミーハーな客向けの派手な演出こそありませんが、そこにあるのは「やんばる若鶏」の真実の旨さと地元客の熱気。本来、焼鳥とはこうあるべきであり、最近の東京の焼鳥バブルに対するアンチテーゼすら感じさせる名店でした。

ちなみに久茂地に2号店がオープンしているようなので、次回はそちらにお邪魔したいと思います。

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焼鳥は鶏肉を串に刺して焼いただけなのに、これほどバリエーションが豊かなのが面白いですね。世界的に見ても珍しい料理らしく、外国人をお連れすると意外に喜ばれます。
素人にとっては単に串が刺さった鶏肉程度にしか思えない料理「焼鳥」につき、その専門的技術を体系的に記しています。各名店のノウハウについても記されており、なるほどお店側はこんなことを考えているのかという気づきにもなります。

つきしろそば/浦添前田(沖縄)

かつて南城市つきしろという神聖な御嶽や自然豊かな環境に囲まれた地域で創業し、その後ゆいレールの延伸に伴い急速な発展を遂げている浦添市前田地区へ移転した「つきしろそば」。浦添前田駅から歩いて2-3分と、車を持たない民にとってのアクセスがグっと良くなりました。
爽やかなスカイブルーの看板の印象を引き継ぎ、店内もこざっぱりとしています。テーブル席とカウンター席がいくつか。子供向けのそばも用意されており、家族連れも大ウェルカムな芸風です。
私は看板メニューの「ニライカナイそば」を注文。トッピングが派手派手で、ソーキ、三枚肉、アーサ(あおさ)、だし巻き卵などがトッピングされた「全部のせ」のような一杯です。セミドライトマトも乗っており彩り豊か。

豚骨と野菜をじっくり煮込んだスープは、透明感がありながらも奥深いコクと野菜由来の優しい甘みが特長的。塩味の角は取れており、実にまろやかな味わいです。
麺は「亀浜製麺所」の細麺を用いており、細いながらも芯にしっかりとした強い弾力があり、パツンと歯切れの良い食感が心地よい。時間が経っても伸びにくく、豊富なトッピングをゆっくり味わっていても、最後まで麺の輪郭がぼやけません。
「じゅーしー」は昆布の風味が支配的。そのほかにも豚肉やひじき、人参といった具材の旨味がゴハンひと粒ひお粒に染み込んでいます。食感はパラっとしつつも、もっちりとした粘り気もあり、噛むほどに滋味深い味わいです。
サイドメニューに「プルドポークコロッケ」。アメリカ南部の家庭料理を採用することとなった経緯は存じ上げませんが、中には時間をかけて柔らかく煮込まれ繊維状にほぐされた豚肉がギッチギチに詰まっています。
一般的な挽肉のコロッケとは異なり、プルドポーク特有のスモーキーで甘みのある味付けと、しっかりとした肉の繊維感が楽しめるのがいいですね。

また、卓上にはオリジナルの「シークヮーサー胡椒」が用意されており、いわゆる柚子胡椒のシークヮーサー版とお考え下さい。柑橘特有の鋭く爽やかな酸味と、唐辛子のピリッとした辛味が凝縮されており、スープにこれを少量溶かすと豚骨ベースのスープの脂っこさが一瞬で引き締まり、華やかな香りが鼻に抜けていきます。
美味しかった。こうなってくるとスタンダードな「沖縄そば」を試したくなりますが、「黒バラのりそば」「プルドポークとネギのそば」や「月替わりスペシャルそば」など選択肢が山ほどあるのが困っちゃう。これは何度も通う必要がありそうです。

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