松戸富田麺絆(まつどとみためんばん)/東京駅

丸の内KITTE地下にラーメンエリアがオープンし、その行列を一手に引き受けたのが「松戸富田麺絆(まつどとみためんばん)」。千葉県松戸市の行列店「中華蕎麦 とみ田」の直営店が東京進出です。
オープンは11:00で11:15に到着したのですが、このとき既に50人近い行列。それでも回転は悪くなくボチボチ列は進んでいくので、それほどストレスは感じません。結局、30分ほどの待ち時間で着席することができました。
着席後5~6分で着丼。「濃厚つけめん」の大サイズを注文し、トッピングは全部のせ。総額1,770円とファストフードの割には結構な値段です。ちなみに言えば紙エプロンが貰えます。
大サイズの麺量は320グラム。ローカーボな時流に逆行するスタイルです。何もつけずに食べて見ると、小麦というか穀物というか、滋味溢れるブワっとしたパワーが口腔内に膨らみます。その太さはウドン級であり、太麺原理主義の私としてはかなり好き。
「濃厚つけめん」のつけダレ。豚骨と魚介が組み合わさった味わいであり、そのドロりとした舌触りならびに味の濃さは直感的に美味しく感じてしまう。ただし当店特有の何かがあるというよりは、最近のつけ麺らしく作者不詳。普通に美味しい、といった程度でしょう。
ららぽーと「松戸富田製麺」 における肉類は相当にレベルが高かったと記憶しており、当店のそれも同レベルであるだろうと期待。しかしながらまあ普通に美味しいよねレベルに留まり、700円の追加料金を支払う価値は無いかもしれません。
スープ割をお願いすると目の前のポットからダバダバと注がれるだけであり風情はありません。味は魚介の風味が支配的で良かった。ところで器の「M」っぽい絵柄が連続するマクドナルドのように見え、これは一種のロールシャッハ・テストなのかもしれません。違いますかそうですか。
普通に美味しいが、高い。そして並ぶ。40分近く待って1,770円払ってまで食べるつけ麺かと問われると違う。ピークタイムを外して並920円だけを注文するのが一番の勝ちパターンでしょう。あまり神格化せず、便利な立地にソコソコ旨いつけ麺屋ができた程度のお心持ちで訪れましょう。


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リブラボ キッチン(Riblab Kitchen)/品川

品川アトレ4階レストランフロアのスペアリブ専門店。12:45でも待ち行列が生じていたので、人気店じゃろうと期待し入店。
ランチセットは6種。スペシャリテのスペアリブは夜メニューと同じ価格設定で単品注文となってしまうので、実質的にはランチセットに流れてしまいます。「牛ハラミステーキ」をオーダーすると残念ながら売り切れでした。
ランチセットに付帯するスープとバゲット。スープは人肌程度の温度であり驚くほどヌルい。他方、味そのものはトマトの凝縮感とベーコンの旨味が強烈。ジャンクな味覚で嫌いじゃありません。
メインに選んだのはローストビーフ丼。Mサイズは1,000円(税別)のLサイズは1,200円(税別)であり後者を選択。なのですが、透けて見えそうなほど薄っぺらい肉がボロボロと乗っているだけであり、その代わりに山盛りのキャベツで嵩上げしています。これをローストビーフ丼と標榜するのはいかがなものか。半熟卵も黄身がカチンカチンであり、料理人として矜持が欠けていると言わざるを得ません。
食後にドリンクが付くのですが、行列が生じているというのに客をゆっくりさせるという方向性の理解に苦しむ。
おかしいと思い店内を見渡すと、座席は半分ほど空いていました。軒先では行列が生じているのに、です。うーん、意図してかどうかは不明ですが、一般ユーザーとしては満席偽装と評さざるを得ません。色々と不満の多いランチでした。


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品川は心からグルメ不毛の地ですね。気取った店はことごとく割高です。エスニック料理屋は割に納得感がある。

「ハイパーローカルなシティカルチャーガイド」を標榜するオシャレな本。今号のターゲットは品川です。とにかく地元に密着した情報が満載で、グルメコーナーは一見の価値あり。別冊の天王洲アイル特集など、色々と目のつけどころが面白い本です。

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高野山 別格本山 總持院(そうじいん)/和歌山

空海を始め歴代のスーパースターたちが眠る高野山。寺院は117が存在し、そのうち52は「宿坊」と言って宿泊することができます。元々は僧侶や参拝者が泊まるための施設だったのですが、現在は一般の観光客の受け入れも盛んな模様。
我々は「總持院(そうじいん)」という、高野山の中心地すぐ近くにある宿坊に滞在。1泊2食つきでひとりあたり1.7万円でした。旅館やホテルなどに和風の庭園を備え付けた施設はたまにありますが、ここ宿坊はマジでこの上ないほど和風です。
館内は宗教施設というよりは旅館に近い雰囲気。チリひとつなく清潔でありwifiも飛んでいます。外国人客も多く、修行僧が普通に接客できているのがシュールです。
ウェルカムドリンクとして抹茶とお菓子が供されます。
飲み物を楽しんだ後は部屋へとご案内。ポーターよろしく修行僧が荷物を運んで下さり、このあたりの身のこなしはきちんとしたホテルのそれと全く同等です。
部屋は10畳と聞いていたのですが、アルコーブ(?)にあたる部分もゆったりとスペースが設けられており高級感があります。
お部屋拝見。なるほど、旅館である。薄型テレビもあればエアコンもあり、セキュリティボックスから浴衣まで、宿泊施設として不足しているものは何ひとつありません。
お庭が素敵。自室のテラス(?)には箱庭が誂えられており、その奥に広がる高野山の雄大な自然。
部屋にシャワーはなくトイレと洗面所のみ。部屋のアメニティは歯ブラシとハンドソープのみとビジネスホテルレベルですが、大浴場のシャンプーなどがフランス産のエラバシェ(Ella Bache)と豪華でした。
お食事会場。広い広い畳敷きの部屋をグループごとにパーティションで区切っています。テーブルと椅子も用意されており、ヘタな温泉旅館よりも食べやすい。追加料金でアルコールも追加することができ、色々とフリーダムなお寺です。
さて、メインイベントの精進料理。動物性の食材を一切排除した完全ヴィーガン食です。左は胡麻豆腐。一般的な和食店で食べるものと同等です。右の八寸は意匠を凝らしたカボチャやイモなどですが、やはりカボチャやイモの味です。
うどん。コシに乏しいぶっかけうどんのようで美味しくない。社食や学食レベルです。
天ぷらはトウモロコシ、ジャガイモ、ズッキーニ、パプリカ。素材はともかく揚げがイマイチですね。油がベタベタと舌先に残り胸焼けがします。
お椀には茄子に揚げ出し豆腐。この揚げ出し豆腐は変わっていて湯葉を押し固めて豆腐と湯葉の中間のような形にし、それを揚げるという仕組みです。味も良い。本日一番の1皿でした。
もうお食事です。覚悟はしていましたが、やはり物足りない。むりくりゴハンをおかわりして腹を膨らませにかかるのですが、心の食欲はカロリーとは無関係なのだ。
この日は朝の4:30起きで羽田に向かったので、お風呂に入れば上のまぶたと下のまぶたが仲良しこよし。まだ22:00というのに完全おねむモードに入りました。
翌日は5:45に起床し朝のお勤めに参加します。当院のお勤めはこれまた今風であり、途中での入退室は自由。椅子席も用意されており、本質的な勤行というよりは体験を楽しむ仕組みです。ある意味で、こだわりが無いのが当院のこだわりなのかもしれません。外人家族がオタオタしながら焼香してるのが微笑ましかった。
朝のお勤めの後は朝食。私は普段の生活において朝食は摂らないのですが、前夜の食事に満たされなかったためか自然と朝食を欲するようになりました。しかし朝食もやはり完全ヴィーガンであり、力が漲りません。
神聖なエンターテインメントに精進料理と宿泊でひとりあたり1.7万円と、まあ、こんなもんでしょうか。おもてなしの心と清潔さは超一流であり、騒々しい家族連れなども居ないので雰囲気は良し。あまり気負わず、ちょっと変わった旅館ぐらいのつもりで訪れましょう。


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yaoyu(ヤオユー)/神田

長年パリで活躍していたシェフ夫妻が帰国。その昔、鳥海智史シェフのお父様が神田錦町で「八百勇」という八百屋を営業しており、そのオマージュを込めて同地に同名のレストランをオープン。
カウンター5席、テーブル20席。店内はまさに今風でスタイリッシュ。男性的な鋭さのある内装でありカッコイイ。他方、かなり声の響く空間であるため、声の大きい方は他のお客様のためにトーンを落とすよう意識するようにしましょう。
ワインリストやペアリングは無く、ソムリエールと相談しながら決めていくスタイル。まずはドイツのスパークリングワインで乾杯。自然派が多く、全然知らないワインばかりでした。お料理はアラカルトで注文可能ですが、コース料理がお得に見えたので、8,000円のそれを注文。
アミューズ。凝っているのですが、タコに黄色いインゲンにヌルヌルとした海藻と、ややグロい。味が悪いというわけではありませんが賛成もできない、やや腰が引けてしまう1皿です。
前菜1皿目はガスパチョ。中央にはブッラータを配し、アクセントに自家製のラー油を散りばめるという面白い試み。全体としては正統的に美味しい1皿です。
良く飲む連れとのデイトなので、泡の次からボトルに入ります。何本かテーブルに候補が並べられ、特徴などを伺ったのちにコチラをセレクト。ソービニヨンブランの微発泡という珍しいワインであり、思いのほか複雑で重厚なテイストで面白い。ブラインドで飲めばソービニヨンブランと答えらえる人はまずいないでしょう。
ウニ。これはもう抜群に美味しいですねえ。たっぷりの生のウニにざく切りのトリュフが散りばめられ、フランやジュレなどで味覚を折り重ねる。ウニ内部にとどまっていた海水を元に作られた泡泡は塩気が強く酒を呼ぶ。
自家製パンが滅法旨い。ほのかに酸味があり、噛みしめるほどに旨味が溢れ出る。パンに対する拘りは、やはりパンの国フランスでの活躍が長いことに拠るものでしょう。
前菜3皿目はアオリイカ。プツっプツっという独特の食感にイカ特有の強い旨味が響く。イカスミを練りこんだペースト(?)も磯の香りが強く大人の味。甘長とうがらしは場面でめちゃんこ辛いので、最後に食べましょう。
お魚料理はフエダイ(だっけ?)。悪くは無いのですが、印象にも残り辛い料理でした。ソースがビスク系で強烈なのと、ムール貝はムール貝でその強い味わいを主張しているので、全体としての整合性が取れていなかったのかもしれません。
メインはホロホロ鳥。それほど好きな食材ではないのですが、この個体ならびに調理は素晴らしいですねえ。パサパサと硬くなりがちな鶏肉がシットリ・ふんわり・ジューシーに仕上がっており、筋肉食堂のチキンをより昇華させた味わいです。
勢いに乗ってもう1本。淡く清澄ながらも飲み応えのある味わいであり、先のホロホロ鳥の味覚にピッタリでした。
デザートは今が旬、桃のコンポート。どクラシックでシンプルな調理であり、素材の味がダイレクトに響きます。
お会計はひとりあたり2万円弱。今夜は飲みまくったので割に高くなりましたが、グラスワイン数杯に留めておけば1万と数千円で事足りる、悪くない費用感です。現代風な店構えならびに料理の外観ですが、味覚については王道中の王道。ワインのセレクトはちょっと普通じゃなくて面白い。デートというよりは、フランス料理を食べ慣れた仲間と行くのにちょうど良い、玄人好みのするお店でしょう。


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神田は良い街です。東京駅すぐ近くと至便であるのにも関わらず、5,000円も出せばしっかりと飲み食いができるお店が多い。気長に開拓していきたいと思います。

月刊『散歩の達人』のハンディ版。チャラついていない大人向けの硬派なガイドです。地図が解かり易く名所旧跡の紹介もしっかり。神田周辺をお散歩する際には是非。

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