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牛おおた/真如堂(京都市)

真如堂のそばで地元民に長年愛されてきた国産和牛専門の焼肉店「牛おおた」。電車でのアクセスは悪いですが、目の前がバス停なのでバスがオススメ。白川通沿いに位置し駐車場もあるので車でも行きやすいです。 
店内は広々としたカウンター席に加え、テーブル席に半個室に2階席と意外に大箱。2階にはキッズスペースも設けられており、子連れファミリーにも配慮された構成です。ロースターはガス式で、内装は飾り気のないシンプルな造りです。
ビールが大ビンで900円と良心的な価格設定。焼酎が豊富なのが印象的で、一升瓶をボトルキープしている強者もチラホラ見受けられます。
ナムル盛り合わせは特盛スタイルで、ほうれん草・もやし・ぜんまい・大根などの野菜類をごま油・塩・にんにく・ごまといったシンプルな調味料で和えて仕上げています。焼肉の合間に箸休めとしてはもちろん、酒をチビチビやりながらつまむに最適の味覚です。
キムチ三種盛は白菜・大根・胡瓜と定番のラインナップ。じっくり漬け込んだ深い旨みと辛みが特長的で、三種それぞれの個性が揃うことで飽きのこない食体験が生まれます。
牛ステーキスライス。厚みのある国産和牛をレアに仕上げたステーキを薄切りにスライスしてタタキ風に提供するひと皿。ポン酢で食べるのがいいですね。その柔らかな酸味と出汁の旨みが上質な和牛の甘みや繊細な脂の風味を邪魔することなく際立てます。スライスという提供形式により肉の断面を味わうことができるのも魅力的。
タンとテールの煮込み盛合せ。タンの美味しさは当然として、テールは骨まわりのゼラチン質が溶け出すことでスープに深みとコクを与え、ふたつの部位が互いに旨みを引き出し合い、単独では出せない重層的なコクと風味を楽しみます。本日一番のお皿でした。
焼肉に入ります。トップバッターにしてエースで4番の「ヘレ」。いわゆるヒレ肉であり、脂肪分が少なくきめ細かい肉質。それでいて上品な旨みと甘みも備えており、霜降り肉とはまた異なる赤身の美学を堪能します。5,300円と一見高価ですが、同等の牛肉をステーキハウスや鉄板焼きで食べることを考えれば良心的な価格設定と言えるでしょう。
カットされたキャベツが自動的に出てきます。そのまま食べて良し、鉄板でちょっと焼いてたべても良し。序盤のナムルやキムチを含め、焼肉屋に来ながら中々の野菜摂取量です。
上肉ぶつ切り落とし。上質な和牛の様々な部位の切れ端(?)を盛り合わせたお得なひと品です。とは言えあくまで上質な肉を使用しており、部位ごとに食感・脂の乗り・風味それぞれに個性がありゴハンとの相性も抜群。ヘレのような繊細なひと品とは対照的に、肉をがっつりと楽しみたいときに頼りになる存在です。
また、当店の看板技術である「洗いだれ」も見逃せません。ゴマと青ネギを浮かべた和風出汁に焼き上げた直後の肉をくぐらせることで、表面の焦げや過剰な脂質が洗い落とされ、和牛焼肉ながらスッキリとした口当たりが実現します。
しっかり飲み食いしてお会計はひとりあたり1万円ほど。やはり関西は焼肉のレベルが高い、と思わず唸る費用対効果です。「京の焼肉処 弘(ひろ)」にせよ、繁華街ど真ん中でなく観光客に毒されていないのがいいですね。気の合う仲間とワイワイやりに是非どうぞ。

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酒と焼肉ニュートミー/恵比寿

恵比寿駅を出てすぐ、恵比寿銀座通り沿いのビカビカなネオンが印象的な「酒と焼肉ニュートミー」。単なる焼肉屋ではなくお酒の提供にも力を入れているようです。昼過ぎから明け方まで通しで営業しており使い勝手良し。
店内もネオンがビカビカな上、遊郭(?)をイメージしているそうでヘンテコな雰囲気。カウンター席とテーブル席の用意があるのですが、店内に高低差があり珍しい構造です。スタッフは外国人が中心ですが、皆、ニコニコと楽しそうに仕事に励んでおり仲が良さそうです。
飲み物はビールもマッコリも謎のビーカーで用意されます。これにはどういう意図があるのだろう。普通に飲みづらいし面白くもないので、普通のグラスを用意して欲しいところです。
コースもありますが、我々はアラカルトで注文しました。まずはチョレギサラダ。ごま油の香ばしい風味と塩気がきいており、シンプルでありながらクセになる味わいです。人数分に取り分けて提供してくれるのでラクチンです。
ニンニクの芽ナムル。こちらもごま油の風味がきいており、ニンニクの芽が持つ独特の香味とよく合います。ニンニクの芽ってナムルにできるんだ、と、ナムルのポテンシャルについて考えさせられたひと品です。
ネギロース。薄切りのロース肉にネギをたっぷりとのせ、お肉でネギを包み込むようにして頂きます。ご想像の通りそこそこ美味しいのですが、これで1,980円というのは割高に感じました。
2種の鶏肉のせせりの盛り合わせ。首肉ならではの引き締まった弾力のある歯ごたえが心地よく、脂乗りは良いもののしつこさは感じさせません。
上ミノ。コリコリ・サクサクとした小気味よい食感を楽しみつつ、甘辛くスパイシーなタレのコクがいいですね。お酒はもちろん白ゴハンも欲しくなる調味です。
小鍋はミックスホルモン、右は生ラム。ミックスホルモンは左記の上ミノの調味の方向性を引き継いでおり、やはり酒を呼ぶ濃厚さ。生ラムからは特有のミルキーな風味が心地よく、質の高さが感じられます。どうしてこの生ラムのほうが先のロースより安いんだろう。謎は深まるばかりである。
〆に石焼カルビビビンバ。上ミノ・ミックスホルモンに負けない味の濃さであり、そこにキムチやナムル、卵黄も加わり口の中が大騒ぎ。石鍋に接したパリパリのオコゲ部分も食欲を刺激する食感で、荒々しくもスプーンが止まらない後を引く美味しさです。
以上を食べ、軽く飲んでお会計は7千円ほどと、立地を考えれば悪くないディールです。コース料理であれば飲み放題プランもあるようで、変な居酒屋に行くよりも素材コンシャスな当店の方が満足度は高いでしょう。良く飲むチームの飲み会に是非どうぞ。

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明洞(ミョンドン)/目黒

目黒の老舗韓国料理店「明洞(ミョンドン)」。夜は焼肉がメインですが、ランチタイムは韓国料理のセットメニューが用意されています。権之助坂を下る途中の商店街にあるビルの2階に位置します。1Fは「揚州商人」の本店だ。
エレベーターは小さくアプローチなしで店内に直結。昭和の焼肉店らしいつくりで年季が入っています。スタッフが韓国人ではない外国人で、韓国料理店であるにも関わらず店の奥からは韓国語ではない外国語がバンバン聞こえてくるので不吉な予感しかしません。
ランチに付随するキムチがとにかく酸っぱい。酸味が出たキムチはチゲや炒め物などの加熱料理に使うのが一般的だと理解していたのですが、当店は酸の角が立った状態を前面に押し出していくスタイルです。
主題の「参鶏湯(サムゲタン)」。これは何かの間違いではないかというほど薄味で、卓上に調味料の用意も無く、手の施しようがありません。これが本場スタイルなのか何なのかは知りませんが、個人的には「鳥一代(とりいちだい)」のように日本人向けに改造された参鶏湯のほうがタイプです。
肝心の鶏肉もスカスカのパサパサ。肉の繊維から水分と脂質が抜けきっており、ただ乾燥した繊維の塊のようになっています。
以上のセットが1,650円。これがディナーの焼肉だったらと思うと、ランチでこの程度の傷で済んだのは、むしろ幸運だったと言うべきでしょう。ポジティブに捉えよう。イエーイ。

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目黒は焼鳥やトンカツ、カレーにラーメンと生活に密着した飲食店が多く、そのいずれのレベルも高い。地味ですが豊かな食生活が約束されている街です。
市や区など狭い範囲で深い情報を紹介する街ラブ本シリーズ。2015年の『目黒本』発売から約4年の年月を経て、最新版が登場!本誌は目黒に住んでいる人や働いている人に向けて、DEEPな目線で街を紹介するガイドブックです。

恵比寿 たれ焼肉のんき

自家製のタレにこだわり、下味をしっかりつけたお肉を焼いてからたっぷりタレに絡め、炊きたての白米と一緒に豪快に食べるという焼肉の原点回帰をコンセプトにした「たれ焼肉のんき」。以前は浜松町店で大変満足したのですが、このたび恵比寿にもオープンしたとのことでお邪魔してみました。恵比寿駅から歩いてほんの数分です。
店内は4人掛けのボックスシートが8卓ほどでしょうか。引き戸のついた個室もひとつあるようです。焼き台まわりはピカピカに磨き上げられており、箸やトングも個包装と、私の知る限り世界でもトップクラスに清潔な焼肉店かもしれません。

運営は株式会社ネクストグローバルフーズであり、経営者のムッシュ荻野貴匡は俳優・芸術家であるムッシュ片岡鶴太郎を父に持ち、弟さんは赤坂「おぎ乃」の荻野聡士シェフという何だかすごい一族です。
アルコールにつき、プレモルが680円に中瓶が780円と立地を考えれば悪くない価格設定です。とは言え後述する白米が旨すぎて腹パンなので、あまり液体を飲む余地は無いかもしれません。
テーブルチャージはひとりあたり330円を要するのですが、お通し代わりに生卵が用意されるのが面白いですね。すき焼きのように肉を浸けて食べるも良し、卵かけゴハンのようにして楽しむのも良し。切りっぱなしのキャベツのようなお通しよりも余程ハッピーです。
まずはベジファーストで白菜キムチ。辛味と酸味は控えめで、野菜の甘みと漬け込みのコクを楽しみます。釜炊きの白米は注文を受けてから炊き始めるので、序盤は肉とビールのお供に必須でしょう。
たれ焼肉を謳う当店において、敢えて最初に楽しみたい「上タン塩」。程よい厚みがあるためサクッとした心地よい歯応えがあり、清らかな脂と旨みが溢れ出してきます。ちなみに普通のタンにはニンニクやらネギやらが大量投下されたバージョンもあるようです。
赤。いわゆる赤身の盛り合わせです。タレで揉み込んでいるため網に乗せるとタレが焦げる香ばしい匂いが立ち上がり食欲を激しく刺激します。赤身と脂身のバランスが良く、決してパサつくことはありません。
白。こちらはホルモンの盛り合わせで、レバーやハチノス、マルチョウあたりが盛り込まれているようです。タレがしっかりと揉み込まれているためかホルモン特有の臭みは一切なく、あるのは部位ごとのユニークな食感と脂の甘みだけ。ゴハンが進むのなんのって。
ゴハンが炊き上がりました。蓋を開けた瞬間に立ち上る甘い香りと湯気は、最高の調味料。注文を受けてから個別の釜で丁寧に炊きあげているためか、ひと粒ひと粒が立ち、宝石のように輝いています。ふっくらとしつつも程よく粘りがあり、とても美味しい。何でも「八代目儀兵衛」というブランドものを用いているそうです。
カルビ。焼肉の王道であり、きめ細やかなサシが入った部位を、たっぷりのタレで味付けしています。熱々の網に置いた瞬間に脂が溶け出し、タレと混ざり合ってパチパチと弾ける。やっぱり焼肉っていいなあ。
たれハラミ。こちらもシッカリとタレが深くまで染み込んでおり、脂と肉汁と綯い交ぜになって口の中で爆発的な旨みを形成します。ハラミらしい「肉を食べている」という野性味のある満足感がありつつも食感は非常に柔らか。
たれミノ。牛の第一胃であり貝柱のような食感が魅力的。程よく飾り切りも入っており、火通りの良さと歯ざわりの良さが両立しています。淡白になりがちな部位ではありますが、そこは当店自慢の濃厚なタレの出番。お酒のアテにはもちろん、白米を加速させる破壊力も抜群です。
成程これこそが「焼肉の原点回帰」そのものといえる体験でした。タレの染みた肉を白米の上でバウンドさせ、豪快にかき込む。そこにあるのは理屈を超えた極めて身体的な喜びです。トリュフや金箔を合わせる現代の焼肉シーンへの静かなる異議申し立て。それは単なる懐古趣味ではなく、日本人が普遍的に抱いてきた「当たり前」の幸せを再確認させてくれる一時なのかもしれません。

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