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Udon Kyutaro(ウドン キュータロー)/本町(大阪)

大阪・本町にある讃岐うどん専門店「Udon Kyutaro(ウドン キュータロー)」。店主は香川県高松市の「うどんバカ一代」や丸亀市の「純手打ちうどん よしや」といった名店で修行を積んだそうで、食べログでは百名店に選出されています。ちなみに店名は店主の名前、ではなく、店の住所である久太郎町にちなんで名付けられたそうです。 
店内は間口が狭く奥行きがある縦長のレイアウトとなっており、中央に仕切り付きのアイランド型の立ち食いカウンターが据えられています。来店客は細い通路を通って最奥の厨房カウンターへ進み、口頭でうどんを注文するとともにカウンター上に並ぶ天ぷらやご飯類をセルフサービスで選択してその場で先払い精算を行うシステムです。

ちなみにスタッフの客あしらいについて苦言を呈する口コミが散見されるのですが、実際は全く感じ良く、勝手の分からない外国人観光客も優しく接していました。そもそも千円やそこらの立ち食いの饂飩店にどのような接客を求めていたのか謎は深まるばかりです。
注文カウンターには天ぷらやおにぎり、炊き込みご飯などが並び、好きなものを自分で取る仕組みです。が、これらのサイドメニューは特に美味しくなく、スーパーの総菜コーナーと大差ない味わいです。油の浮いた作り置きの揚げ物で腹を膨らませるよりも、その分の胃袋をうどんのために空けておいたほうが賢明に感じました。
「肉スラ」の「ぶっかけ」。淡路産の甘い玉ねぎをスライスしたものと牛肉を組み合わせたうどんであり、いりこ出汁の淡麗な旨みに、玉ねぎの自然な甘みと牛肉のコクが重なり、シンプルながらバランスの良い味わいです。
何より麺が素晴らしいですね。機械化が進む現代の製麺環境にあって、完全手作業の工程を貫いているそうで、手切りで不揃いの武骨な歯ごたえにより麺に表情が生まれ、しっかりとしたコシとグミのような心地よい弾力を楽しみます。ここまで美味しいうどん麺は中々ありません。
こちらは「すだちひやひや」。器一面を隙間なく埋め尽くす極薄切りのすだちと、冷たいイリコ出汁が織りなす清涼感溢れる一杯です。夏季限定のメニューであり、キリッと冷やされた出汁によってイリコの雑味のない純粋な出汁感が研ぎ澄まされ、ゴクゴクと一気飲みしてしまいました。
美味しかった。ちなみに店主は「讃岐の味とスタイルをそのまま大阪に持ち込む」ことを目指しているそうで、香川県では生活の一部となっている「朝うどん」の文化を大阪のビジネス街に根付かせることを目論んでいるそう。次回はその謀略に乗っかって、朝イチでお邪魔してみたいと思います。

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いなり屋ゴン/泊(那覇市)

久茂地で確固たる人気を誇る居酒屋「まさら」の系列店である「いなり屋ゴン」。以前はいなり寿司とお惣菜のテイクアウト専門店だったようですが、現在は沖縄そばやアイスクリームも店内で楽しむことができるパーラー風の業態へと転換しています。ちなみに松尾の「いなり屋ゴン」は中高価格帯の居酒屋で、全く異なるターゲットセグメントなのが興味深い。
外観は味わい深い古民家の風情を残していますが、内装はちょっとポップで楽しい感じです。テーブル席と小上がりがあり、ファミリー層やグループ客にも対応できます。
私は「味噌もやしそば」と「いなり寿司(炙り三枚肉)」を注文。いなり寿司はそばとセットで注文すると30円引きとなり、合計で1,220円でした。
味噌もやしそば。想像以上の立派な盛り付けであり、「前田食堂」を彷彿とさせるビジュアルです。もやしはシャキシャキと香ばしく、豚肉の脂の甘味もスープに溶け込み、全体の風味を引き立てます。

スープには久米島産の味噌を中心とした4種類の味噌をブレンドしているそうで、味噌の芳醇な香りと深いコクを楽しみます。味噌以前のスープのボディもしっかりしているのか、全体として奥深い立体的な味わいです。
麺は沖縄そばらしい仕立てであり、しっかりとしたコシと、プツンと心地よく切れる独特の食感を楽しむことができます。丼は小さめですが思いのほか麺がしっかりと詰め込まれており、デフォのサイズで充分お腹いっぱいです。
スペシャリテのいなり寿司。フレーバーは「炙り三枚肉」を頂きました。沖縄スタイルの薄色三角形とは大きく異なり、その圧倒的なふんわり感で全国的に有名な愛媛県産の「松山あげ」を採用していあす。ジューシーな仕上がりで美味しいのですが、これで350円ってのはちょっと高いなあ。
以上を食べ、お会計は1,220円。「味噌もやしそば」が900円なのは納得ですが、やはりいなり寿司が割高ですね。とは言えトータルでの食後感は悪くない。次回は謎の「キーマカレーそば」を試してみたいと思います。

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玉家 栄町店(たまや)/安里(那覇市)

南城市大里にある大人気店「そば処 玉家」がついに那覇へ進出。既存の系列店舗が主として郊外のロードサイドや施設内において展開されてきたのに対し、那覇屈指の飲み屋街・栄町に出店したことは、このあたりの吞兵衛を大いに沸かせました。沖縄そば屋としては珍しく23時まで営業とエモい。
店内はカウンター席のほか大小テーブル席があり、ひとり客でも気兼ねなく入れる雰囲気です。派手さはなく沖縄の食堂らしい実直な内装で、地元民から観光客まで幅広く受け入れる懐の深さがあります。
私は「ミックスそば」の大サイズに「ジューシー」と「てびち」をつけてもらいました。合計で1,750円と中々のお値段です。ちなみに当店のサイズ表記は 「小・大・大盛り」の3パターンであり、私が注文した「大」は一般的な店舗の「中」と捉えると分かり易いかもしれません。
「ミックスそば」はじっくり時間をかけて煮込まれた「本ソーキ(あばら肉)」と「三枚肉(バラ肉)」の2種類をトッピング。本ソーキは骨から肉がホロリと外れるほど柔らかく、三枚肉は程よい脂身の甘みが口いっぱいに広がります。スープは鰹出汁ベースの透明感あるスッキリとした味わいで上品な飲み口。飲んだ後の〆の一杯にも向いているかもしれません。
麺は沖縄そばにおける製麺の権威「亀浜製麺所」のストレート細麺を起用しています。啜るとツルツルと口触りがよく、しっかりとコシのある麺で、細いながらも存在感があります。ややもすると稲庭うどんのような繊細さまで感じられ、毎日食べ続けても胃もたれしなさそうな優しさが持ち味です。
単品で追加した「てびち」。箸がすっと入るほど柔らかく、プルプルとした食感が特長的。味付けはスープの邪魔をしない上品な味わいであり、豚独特の臭みは一切ありません。美味しいだけに、ちょっと可食部が少ないのが残念。
「フーチバー(琉球ヨモギ)」は声掛けすれば無料で用意してくれます。内地のヨモギに比べて苦味がマイルドで、爽快な香りが強いのが特長的。熱々のスープに浸すことでフーチバーがしんなりとし、独特の清涼感ある香りとほのかな苦味がスープ全体に溶け出します。
ジューシー。沖縄そばのお供として欠かせない伝統的な沖縄風炊き込みご飯です。そばの出汁をベースに、細かく刻んだ豚肉、にんじん、ひじきなどの具材をお米と一緒に炊き上げています。思いのほか量が多かったので、ジューシーを注文する場合は麺は「小」でも充分かもしれません。
美味しかった。なのですが、合計で1,750円というのは中々どうしたもんだろうというお気持ちです。あくまであの玉屋のそばを栄町で〆の一杯として楽しめることに価値を置くべきなのかもしれませんね。

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ソーキそば専門店 田舎 公設市場南店/松尾(那覇市)

牧志の公設市場裏手にある老舗のソーキそば専門店「田舎(いなか)」。年季の入った黄色の看板の上に鎮座する大きなゴリラのぬいぐるみが目印です。「公設市場南店」と記しましたが、以前は「北店」も存在していたようで、更に言うと本店は安謝にあるようです。
こぢんまりとした店内。カウンター席とテーブル席が主力であり、ガンガンに空調が効いていてちょっと寒い。壁一面には長年にわたって蓄積された著名人のサイン色紙が所狭しと飾られており、店舗が重ねてきた歴史と人気の高さを無言で証明しています。

調理場のおばちゃんに対して直接口頭で注文を伝え、料理が手渡される瞬間に、カウンター越しにその場で現金を支払うシステムです。5千円以上の高額紙幣は死刑なのでご注意を。
私は900円の「てびちそば」の「並」に「ソーキ」を200円で追加トッピング。合計で900円と、那覇での相場に比して3割は安い印象を受けました。
ソーキが美味しいですねえ。圧力鍋でじっくりと炊き上げられており、軟骨までプルプルで口の中でとろける柔らかさです。味付けはバッチリとした濃いめの甘辛ベースに仕上げられており、これが淡白なスープに徐々に溶け出すことで、重層的な味わいへと変化していきます。てびちも美味しいのですが、ソーキのほうが強く記憶に残りました。
麺は老舗そば製麺所「亀浜そば)」の細平打ちストレート麺。提供速度から考えて茹で置きのものでしょうが、引き締まりが強くしっかりとコシが残っています。

スープはカツオ節と豚骨をベースに構築されていますが、綺麗に澄んで実に清澄な味わい。そこへ先のソーキとてびちの脂とコクが溶け出していき、味わいに勾配が生まれます。
旨い、安い、速いを体現する沖縄そばであり、王道にして究極。「EIBUN」のような派手派手な沖縄そばも楽しいですが、たまにはこうして伝統の空気に浸るのも良いものです。沖縄そばのゲートウェイに是非どうぞ。

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うちなぁそば青雲(せいうん)/沢岻(浦添市)

浦添市沢岻の高台にある「うちなぁそば青雲(せいうん)」。店主の波乱万丈な人生とデフォルトでスープや麺が見えなくなるほどの圧倒的なネギの量で耳目を集めました。以前は首里で営業しており、こちらへ移転してきたそうです。
店内はカウンター席のみの計8席というコンパクトな空間設計。全面ガラスの引き戸から視界が開けており、沖縄らしい開放的な雰囲気です。ゲストは常連客が殆どで、店主も加わり気軽に話しかけてくれます。
メニューは非常にシンプルで「三枚肉そば」か「ソーキそば」の2種のみ。前者が800円で後者が900円で、私は「ソーキそば」に200円で「ジューシー」を付けてもらいました。
噂には聞いていましたが、やはり圧倒的なネギの量です。デフォルトでスープや麺が見えなくなるほど器の一面をみじん切りの青ネギが覆い尽くしており、沖縄そばというよりも何か別の料理のよう。ソーキは昔ながらのオーソドックスな作りであり、味が中までしっかり染み込んでいます。たっぷりのネギと併せて食べて、やはり何か別の料理のように感じます。
麺は自家製の手打ち麺。柔らかめ仕上げであり、水分をたっぷり含んだモチモチとした口当たりが印象的。スープはカツオ出汁を中心とした透明感のあるスッキリとした味わい。魚介の旨味とほんのりとした酸味が感じられ、そこにたっぷりのネギからこぼれ出たエキスが加わり、何とも独特な風味を醸し出しています。
ジューシーにもネギがたっぷりと塗されています。具材は多くしっかりとした濃いめの味付けですが、爽快感のある大量のネギが後味を上手く整理しています。そばのスープを口に含みながら交互に味わって大優勝。
美味しかった。実態はシンプルな沖縄そばですが大量のネギが投下されることにより唯一無二の料理へと変化を遂げるのが興味深い。店主や常連客の雰囲気もよく、何とも居心地の良いそば屋さんでした。

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人類みなまぜそば 目黒店

大阪の人気ラーメン店「人類みな麺類」がプロデュースするまぜそば専門店「人類みなまぜそば 目黒店」。目黒駅近くの線路沿いにあるカフェバー「BASECAMP MEGURO」の敷地内にあり、倉庫をリノベーションしたような開放的な飲食スペースが印象的。ちなみに恵比寿には「人類みな麺類 東京本店」があり、コチラも人気です。
見れば見るほど変わったまぜそば屋です。行列するつけめん屋にありがちな女子供はすっこんでろ感は皆無。アルコールやコーヒー類の取り扱いが多く、カフェラテを飲みながらMacをタカタカしているニイチャンなどもおり、赤ちゃんやイッヌ連れもOK。フードデリバリーの受け取りも頻繁です。
私は定番商品の「人類みなまぜそば」を加え、自家製チャーシューを追加トッピングしてもらいました。極太メンマ、ニラ、白髪ねぎ、玉ねぎなどがバランスよく配置されており、まぜるのを躊躇するほどです。
チャーシューが美味しいですね。豚肉をじっくりと煮込んで仕上げており、脂はトロトロ、身は繊維に沿ってホロッとほどける柔らかな肉質が印象的。よく染みたタレが肉の芯まで行き渡り、麺との相性は抜群。最大の見せ場となるトッピングと言えるでしょう。
麺は「人類みな麺類」系列らしい全粒粉入りの丸みを帯びた太ストレートでモチモチとした食感が特長的。大盛は無料であり、そうして丁度良いボリューム感だったので、普通の食欲の方は脊髄反射で大盛にしましょう。タレにはやや粘度があり、魚介と醤油の旨味が感じられるベーシックな美味しさです。
また、卓上にはオヤジギャグ感満載の味変グッズも揃っており、酸味を加えることでスッキリとした後味に変化します。が、個人的には何も加えずそのまま食べたほうが、当店の「らしさ」を感じられるような気がしています。
「人類みなまぜそば」に「自家製チャーシュー」を付けてお会計は1,400円ほど。昨今の物価高を考えれば、まあ、こんなもんでしょうか。当店の価値はまぜそば屋らしからぬ空間づかいでしょうね。ラーメンが食べたすぎてタヒにそうなママたちが赤ちゃんをベビーカーに乗せて食べに来て、その後しばらくダベっていても問題ない居心地の良さ。「蒙古タンメン中本」行列時に子連れグループ事件も当店であれば大らかに対応できたかもしれません。

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目黒は焼鳥やトンカツ、カレーにラーメンと生活に密着した飲食店が多く、そのいずれのレベルも高い。地味ですが豊かな食生活が約束されている街です。
市や区など狭い範囲で深い情報を紹介する街ラブ本シリーズ。2015年の『目黒本』発売から約4年の年月を経て、最新版が登場!本誌は目黒に住んでいる人や働いている人に向けて、DEEPな目線で街を紹介するガイドブックです。