バー フィズ(Bar FIZZ)/博多

グランドハイアット福岡の地階にある大箱バー「バー フィズ(Bar FIZZ)」。ジオフロントのように巨大な吹き抜けに映える、コンテンポラリーモダンなインテリアが印象的。キャナルシティ博多のカラーコーディネートに合わせているのかもしれませんが、オシャレとダサいのギリギリのラインです。
ちなみに私はハイアット系の最上級会員でありクラブラウンジは出入り自由なのですが、グランドハイアット福岡のそれは現在改装中か何かであり、代替として当店の使用を許可されています。
18時からはベラージオのミニチュア版とも言うべき噴水ショーが始まります。キャナルシティ博多側にこのショーを見るための人だかりができるほど、中々の迫力でした。
こちらはフィンガーフードコーナー。ラインナップは航空会社のファーストクラスラウンジビジネスクラスラウンジの間ぐらいといった印象です。
それでも食事の内容は日替わりであり、当たりの日にはかなりの質の海老が用意されるなど(私は海老が好きだ)、ホテルのカクテルタイムとしては悪くないラインナップでしょう。
ちょっとした甘味も用意されているのですが、これは全然アメリカ味ですね。フランスのショコラで育った私としては親の仇のように甘く感じ、砂糖の塊としか感じられませんでした。
ちなみにビジターでの利用も可能で、ばフィンガーフード付きフリーフロープランでひとり7,260円で、6~12歳のお子様は3,630円(子供が出入りできるバーって珍しい)。前述の通り毎夜には噴水ショーがあり、日に拠ってはアーティストのミニライブのような催し物も開催されるので、アイドルの追っかけみたいな人は上手く使うと良いことがあるかもしれません。穴場です。

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「東京最高のレストラン」を毎年買い、ピーンと来たお店は片っ端から行くようにしています。このシリーズはプロの食べ手が実名で執筆しているのが良いですね。写真などチャラついたものは一切ナシ。彼らの経験を根拠として、本音で激論を交わしています。真面目にレストラン選びをしたい方にオススメ。

中國菜 李白(RIHAKU)/恵比寿

恵比寿のウェスティンすぐそばにオープンした「中國菜 李白(RIHAKU)」。四川料理と香港の飲茶文化の掛け合わせという、ありそうでない試みです。
席数はそれほど多くなく、テーブルがいくつかに個室といった陣容です。ちょっとした飲み会なら貸し切れちゃうかも。

佐藤剛シェフは都内の中華料理店はもちろん、四川や上海の店で腕を磨き、四川大学にまで留学したという求道者。帰国後は代々木上原「虞妃(ユイフェイ)」のシェフを務め、2021年7月に当店を開業。
覚悟していたほどお酒は高くありません。ブラウマイスターは850円であり、ちょっとしたクラフトビールであっても千円以下。ワインも絶対価格が控えめであり、多彩な味わいに合わせてかなり飲ませる中華です。
アミューズは筆に見立てたひとくちパイ。みんな大好きカレー風味。
タコに発酵唐辛子のタレ。奥行きのある辛味であり、ビールを乾杯。
ウズラとチキンの焼売。ピリ辛で複雑な味わいのタレにバードたちの風味がよく合う。中にはウズラの卵が詰め込まれており、滑らかな卵黄の味覚が印象的。ところで点心を担当されている方は、すぐそばのウェスティン「龍天門(リュウテンモン)」で経験を積んだ点心師だそうです。
サンマの春巻き。サンマの程よい苦みが食欲を刺激し、山椒風味(?)の緑のソースとサンマの脂が心地よく溶け合います。
米粉のラザニア的なものを葉ニンニクと共に炒めます。究極の焼きうどんとも言うべき確立された味わいであり万人受けする美味しさです。
スープ餃子。まずはスープをそのままで頂き、徐々に餃子を崩しながら味の変化を楽しみます。カニの旨味にフカヒレのツルっと感、ベースとなる干し貝柱のコク。思わず身悶えする美味しさです。
北海道産のホタテを野菜と共に炒めます。紫蘇の風味がとてもキレイであり、初夏を思わせる爽やかな味わい。ロワールあたりと合わせるのも良いかもしれません。
一方、にら餃子は思いきりジュジュっと焼きつけており、大口でかぶりつくとジュバっと旨味が爆発します。これは旨い。発作的に旨い。
和牛のしゃぶしゃぶにハタ(だっけ?)のワンタン。見た目こそ温和な味わいに見えますが、思いのほか辛味が強く汗が噴き出てきます。どちらかというとタイ料理的な味覚であり、多彩な味覚を繰り広げる当店の懐の広さを垣間見ました。
お口直しは糸ウリとネギの炒め物。お口直しと言えば雑な氷菓を出す店がほとんどですが、当店のような塩気と旨味を感じさせるお口直しはアイデア賞。
〆のお食事はピリ辛牛肉麺とチマキの2種からの選択なのですが、連れとひとつづつ注文し2人で分け合いました。やはりただ単に辛いだけでなく複雑で奥行きのある味わいであり、その中にヘヴィ級の牛肉が塊でぶち込まれており、存在感のある〆のお食事です。
他方、チマキは優しい味わいであり、モロ炭水化物のみではありますがスイスイと食べ進めることができます。どちらも美味しいですが、どちらかひとつを選べと言われれば牛肉麺かなあ。
デザートは杏仁風味のお汁粉に栗の月餅。杏仁豆腐でなくお汁粉というのが捻りがあってすごくいい。月餅も、私は中国人ほど月餅に思い入れはなくシーズン中に付き合いで貰うけど甘くてそんなに食えねえよ、という印象のスイーツだったのですが、当店のそれは仄かに温かく何とも品のある甘味に思わず目を閉じてしまいました。

軽く飲んでお会計はひとりあたり1.3万円。このクオリティの料理をこれだけ食べてこの価格はリーズナブル。赤坂「四川DINING 望蜀瀘(ぼうしょくろ)」のように、絶好調のサンシャイン池崎的な四川料理も楽しいですが、当店のダイバーシティーに富んだ味覚は「こんな四川料理もあるんだ」と気づきを与えてくれます。「中華料理なんてどこも大体同じでしょ?」と斜に構えた方にこそ食べてもらいたい、面白い中華料理でした。

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それほど中華料理に詳しくありません。ある一定レベルを超えると味のレベルが頭打ちになって、差別化要因が高級食材ぐらいしか残らないような気がしているんです。そんな私が「おっ」と思った印象深いお店が下記の通り。
1,300円としてはものすごい情報量のムック。中国料理を系統ごとに分類し、たっぷりの写真をベースに詳しく解説。家庭向けのレシピも豊富で、理論と実戦がリーズナブルに得られる良本です。

アズーロ(azzurro)/支笏湖(北海道)

支笏湖畔にあるオーベルジュ「レイクサイドヴィラ翠明閣」のメインダイニング「アズーロ(azzurro)」。ランチはビジターでの利用も可能ですが、ディナーおよび朝食は宿泊者のみ。
あと数歩で支笏湖、といった立地であり、まるで船の上で食事しているかのような気分です。ちなみに8室しかないスモールラグジュアリーであるため、当店のディナーを楽しんだ人口は非常に限られるでしょう。

根本明弘シェフは根室出身。根室や札幌のレストランで腕を磨いた後、当店のシェフに就任。
今夜は飲むぞ、とヘパリーゼを摂取してから臨んだのですが、アルコールメニューの少なさに拍子抜け。ワインの選択肢も少ないため、まずはビールからのグラスワインを白赤飲んでフィニッシュであり、ヘパリーゼの無駄遣いでした。
予約サイトからの特典でチーズの盛り合わせをサービスして頂きました。いずれも北海道産のチーズであり、ヨーロッパのものに勝るとも劣らず。また、最初にテーブルに置いておいて、つなぎとしてチョイチョイつまめるのがいいですね。皿出しのテンポに自信がないお店はこの方式を採用すると良いでしょう。
コールラビの冷製ポタージュで始まります。コールラビとはカブとキャベツのあいのこ的な野菜であり、大地の甘味を感じます。
函館産のマダイのカルパッチョ。ほえー、あのへんでマダイなんか獲れるんだ。厚切りで筋肉質な食感。ニンニクマヨネーズ的なアジコイメソースと共にわかり易い味覚です。
積丹の塩水ウニの冷製カッペリーニ。ウニを溶いてそのままパスタソースにしたかのような濃密な味わいであり、手堅い美味しさです。ウニはすごいなあ、そのまま食べてもいいし、いろいろ調理してもいい。
根室産の銀鮭のソテーにピュアホワイト(トウモロコシ)のピラフ。パンチのあるシャケの味覚にトリュフとアンチョビの風味がコラボする。お米も美味しいし、日本人であれば誰もが納得する美味しさでしょう。
「トムラウシジャージー牛」という、トムラウシ山のふもとで育った乳牛を食用に転用したサーロイン。どこから枯れた雰囲気のある渋い味わいであり、しみじみ系のメインディッシュでした。
スイカのソルベ。見た目以上にスイカスイカしており、夏にぴったりのひと口です。
こちらは白桃のソルベにアールグレイのジュレ。クリーム部分はアマレット。美味しいのですが、またソルベか、というお気持ちは拭えません。甘党の私としては、もっとオーブンやら何やらを駆使した派手派手なデザートを食べたかった。
カモミールで〆。先のデザートもそうでしたが、小菓子が無いのも少し残念。ただし全体を通してどの皿も手堅く美味しく、食材も北海道のものを多用しているのが旅行者にとっては嬉しい。ワインリストと甘味が充実したらかなり印象が違うと思うんだけどな。ワインの持ち込みできるんかな。

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イタリア料理屋ではあっと驚く独創的な料理に出遭うことは少ないですが、安定して美味しくそんなに高くないことが多いのが嬉しい。

日本のイタリア料理の歴史から現代イタリアンの魅力まで余すこと無く紹介されており、情報量が異常なほど多く、馬鹿ではちょっと読み切れないほどの魅力に溢れた1冊です。外食好きの方は絶対買っておきましょう。

Sushi 直(なお)/片町(金沢)

金沢随一の飲み屋街「片町」にある「Sushi 直(なお)」。お隣は金沢チェコ料理の代名詞「DUB(ドゥブ)」で、お向かいには戦後のバラックのような屋台横丁「中央味食街」があり、何ともディープな雰囲気です。
店内へは靴を脱いで上がります。コの字型のカウンターのみで、大将をゲストたちがぐるりと囲んで頂きます。貸し切りとかだと楽しそう。

大将のムッシュ荒川直紀は静岡県出身。清水「末廣鮨」で腕を磨いたのちシンガポールに渡りミシュラン星付きシェフに。帰国後、2019年12月末に当店をオープン。
まずはもずく酢。暑い1日だったので、スッキリさっぱりシャキっとする味覚が心地よい。
子持ち昆布はコリコリとした食感でふっくらと香る磯の香り。今後の展開に期待を寄せます。
ミンチ状にしたマグロ。かなり細かく挽いており大人のマグロのスムージー。ちなみに大将のマグロを取り扱う腕は「末廣鮨」仕込みであり、結論から申し上げますと終盤のマグロラッシュは圧巻であった。
何とも気前の良いカニの量。気取った専門店の気取った料理よりも余程食べ応えがあります。
ボタンエビにはトロリと卵黄を。じっとりと深みのある海老の甘さに卵黄の円みのある風味が実に良く合う。鮨屋ではありそうでない試みです。
焼き物は太刀魚。ふっくらと柔らかく身が膨らみ、皮身はバリっ香ばしい。
スズキ。しっとりとした仕上がりでラルゴなスタートです。
アカイカ。そうめんのように細く切られくるりと纏められています。ブツブツと断続的な食感が印象的。
ヒラメは先のスズキと同様に穏やかな味わい。当店の白身は全てがしっとりとしており大人の味覚です。淡路島の鮨とは真逆のスタイル。
レンコダイは一般的なタイよりも柔らかな水分を含んでおり、お手柔らかな食べ応えです。味わいも実に清らか。
ノドグロ。観光客向けの鮨屋と異なり品の良いポーションであり、脂の強いタネとしてはこのぐらいのサイズ感が良いのかもしれません。必要にして充分。
カツオも決して血気盛んというわけでなく、優しみを感じるのどかな味わいです。
アジも円熟した味わい。トッピングの緑色のやつに良い意味でクセがあって、心地よいアクセントでした。
タイラガイ。サッパリとコンパクトな味わいであることが多いですが、今回のそれは不思議と凝縮感があり、ギュッとした味わいを楽しめました。
本題に入りましょう。ここからマグロ特集です。赤身からトロへのグラデーションが美しく食欲をそそり、そして実際にかなり美味しいです。
こちらはヅケ。ちなみに当店のマグロの漁場はケープタウン沖であり、そこから豊洲に行く前に当店が一本買い。このあたりのロジスティクスは「末廣鮨」で取った杵柄でしょう。
東京の高額鮨屋は、ゲストがわかりやすいブランドを望むため大間や戸井一辺倒で、大間などある意味では大衆化が進んでしまったかもしれません。女子高生がバーバリーのマフラーをしてる的な。その中でケープタウン一本買いで様々な部位をバランス良く提供する大将には信念めいたものを感じます。
カマの部分。まるで和牛のような外観であり完熟した味わい。脂の量も心地よい。
脂たっぷりの部分をトップから炭で炙ります。フツフツと脂が沸き立ち思わず頬が緩む。
序盤のミンチ肉をこれでもかという程つめこんだ一本。マグロとシャリの量が同じぐらいであり、幸せな味覚配分です。
エビ。なるほど酸味を感じるマグロを食べ続けた後だと実にコッテリと甘く感じます。
ウニイクラの小丼。あれだけの美味なるマグロを食べた後にこの気前の良さ。イクラの塩気にウニの甘味が心地よい対比に繋がります。
アナゴが特大。大口の私でさえも一口で入るかなあというレベルであり、ムッシャムッシャと心強い食べ応え。
こちらはトロ鉄火。本日の総まとめとも言うべき慈悲深い一品。やはり当店のマグロはいくら食べても旨い。やはり旨いものは旨い。「美人は三日で飽きるというのはブスの自殺を救うための嘘である。」という言葉をふと思い出しました。
ギョクは少し変わってて、ひと口噛みしめるたびにジュワっと旨味が滲み出てきます。カステラとかケーキ調のギョクともまた違う、マグロのジュワジュワ感に通じるものがありました。
魚介の風味がたっぷり溶け込んだお椀でフィニッシュ。ごちそうさまでした。
デザートはメロンなのですが、これが実にジューシーで程よく熟成が進んでおり、やはりこれまでのマグロの味覚とも共通点が感じられます。大将はジューシーなニュアンスが好みなのかもしれません。

以上を食べ、お食事だけでお会計はひとりあたり2.2万円。これだけのマグロをたらふく食べたことを考えれば割安です。銀座「鮨とかみ」とはまた違ったマグロへのアプローチであり、都心の高級マグロ争奪戦とは別世界の出来事のようです。

ギャルとデートしたい場合に「ザギンでシースーどお?」よりも、「金沢にマグロを食べに行かない?それもケープタウンの」のほうが誘い文句としては印象に残るかもしれぬ。

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鮨は大好きなのですが、そんなに詳しくないです。居合い抜きのような真剣勝負のお店よりも、気楽でダラダラだべりながら酒を飲むようなお店を好みます。
この本は素晴らしいです。築地で働く方が著者であり、読んでるうちに寿司を食べたくなる魔力があります。鮮魚の旬や時々刻々と漁場が変わる産地についても地図入りでわかりやすい。Kindleとしてタブレットに忍ばせて鮨屋に行くのもいいですね。