BEACHSIDE GRILL 夏至南風 (カーチバイ)/石垣島

石垣島「フサキビーチリゾート ホテル&ヴィラズ」のBBQダイニング「BEACHSIDE GRILL 夏至南風 (カーチバイ)」。このあたりは市街地から離れており飲食店がほとんど無く、ホテルで摂る必要があります。
外来は7千円なのですが宿泊者は6,000円になります。最初に前菜が並べられ、プレートの緑面を見えるようにしていると、肉を抱えた店員がジャンジャンやって来るという仕組み。「バルバッコア(Barbacoa)」に似ています。
プラス2千円でワインの飲み放題も付けることができます。新旧世界織り交ぜたかなり幅の広いラインナップであり、探せば結構飲めます。私はフランスのロゼのスパークリングがお気に入りで、途中からひたすらそれを飲んでいました。
スターターが届きました。が、これは、まあ、とりあえず繋ぎを出したという印象ですね。バルバッコアみたいにもっとたっぷり野菜を楽しめると嬉しいのだけれど。
肉そのものにつき、品質はそれほど悪くなさそうなのですが、タイミングに拠っては冷え冷えのものがやってくる(自分の皿に置かれるまではわからない)ので、当たりはずれがあります。個人的には焼きたての鶏肉が一番美味しかった。
従業員のレベルは結構高く、ひとり都心のスタバのエース級のホスピタリティを誇る女子がいて軽く感動しました。このホテルはキビキビした従業員とそうでない奴の落差が激しい。
途中からミュージシャンが入れ替わり立ち代わり歌っていくのですが、その選曲が恐ろしくイマイチで、恐らくマスターオブセレモニーという概念が欠落しているか機能していないのでしょう。いくら無料のショーと言えどもゲストの耳を拝借して自己表現をするのであるから、もう少し舞台に対する矜持を持つべきである。

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日本料理FUJI/静岡駅

静岡駅から徒歩7~8分の住宅街にある「日本料理FUJI」。すごくいい店名。焼津の「温石(おんじゃく)」と同様、広島のムッシュ平野にオススメされてお邪魔することに。静岡はチームサスエの勢いが凄いなあ。
シックでスタイリッシュな佇まいの店内はカウンター7席に個室がひとつ。

藤岡雅貴シェフは「京料理いそべ」や「分とく山」を経て29歳という若さで当店をオープン。ランチは5千円ポッキリ、ディナーは1万円ポッキリという気持ちの良い価格設定です。静岡の食材を多用する点が県外客にとっては堪りません。
酒が安い。生ビールはマスターズドリームで結構大きなグラスが800円かそこらで、これはマスターズドリーム的に世界屈指の安さではなかろうか。日本酒も片口で900円~と、自由に酔うことができるでしょう。
まずはタイラガイを軽く炙り、地元のタケノコの鯛の白子を盛り込みます。1品目から手の込んだお料理でありエモが膨らみます。
続いてハマグリの飯蒸し。ハマグリの旨味をお米がビッタリと受け止めます。バリっと焼いたフキノトウの葉の心地よい苦みが素敵なアクセント。
3種の鰹節を目の前でスリスリしその場でブレンドした上でササっと出汁を取りました。綺麗な香りで続くお椀への期待で胸が高まります。
おおー、このお椀は絶品ですねえ。カツオの研ぎ澄まされた旨味はもちろんのこと、メバルの深遠な美味しさに卒倒しそうになる。ここ数カ月で最も記憶に残ったお椀です。
ヒラメもお見事。馬鹿みたいに熟成させることはなく、じっとりと旨味が味蕾を支配します。
でっぷりとしたサワラを炭で炙ります。シンプルな調理ならびに調味であり、素材の素晴らしさが効果的に伝わってくる。焼魚の究極系と言えるでしょう。
胡麻を目の前のコンロで丹念に煎り、やはり目の前でスリスリし、その場でクレソンをぶち込んで胡麻和えの完成。ただの葉っぱとゴマなのにどうしてこんなに旨いのか。世界で最も美味なる胡麻和えでしょう。
揚げ物はジンドウイカとタケノコ。外皮としたおかきの香ばしい歯ざわりに、ジュワっと滲み出るイカの旨味エキス。続いてサクっと口腔内を整理していくタケノコの潔さ。天ぷら料理とはまた違った世界観を発揮した揚げ物でした。
〆のお食事は本メジマグロのヅケ丼、ふき味噌ご飯、タケノコとワカメの雑炊と3種用意されており、もちろん全て頂きます。やはりというべきか、本メジマグロのヅケ丼が一番好き。お椀には甲殻類を始めとした海のエキスが凝縮されており、サイド的な位置づけですがめちゃんこ美味しかった。
甘味は桜餅。丁寧に炊かれたもち米に上品な餡と桜餅として完璧な美味しさなのですが、序盤の飯蒸しにゴハン3兄弟、桜餅とさすがに腹が膨れました。大将はお米が好きなんかな。

ランチとしてはそこそこ飲んで、お会計はふたりで1.6万円でした。え!嘘だろひとり1.6万円だろ!と顎が外れそうになるほどの割安感。ベクトルとしては京都「木山(きやま)」金沢「片折」に近いのですが、この圧倒的な費用対効果の良さは日本、いや世界一かもしれません。新幹線代を考慮してもまだまだ安い。次回は夜にお邪魔して派手派手に飲んじゃおうっと。

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和食は料理ジャンルとして突出して高いです。「飲んで食べて1万円ぐらいでオススメの和食ない?」みたいなことを聞かれると、1万円で良い和食なんてありませんよ、と答えるようにしているのですが、「お前は感覚がズレている」となぜか非難されるのが心外。ほんとだから。そんな中でもバランス良く感じたお店は下記の通りです。
黒木純さんの著作。「そんなのつくれねーよ」と突っ込みたくなる奇をてらったレシピ本とは異なり、家庭で食べる、誰でも知っている「おかず」に集中特化した読み応えのある本です。トウモロコシご飯の造り方も惜しみなく公開中。彼がここにまで至るストーリーが描かれたエッセイも魅力的。

Vegetarica(ベジタリカ)/南城市(沖縄)

南城市玉城の高台にあるカフェレストラン「Vegetarica(ベジタリカ)」。坂を登り小道に入りニワトリの隣を抜け辿り着くは外人住宅のように四角い建物。産み立て卵や自家栽培の野菜を使った料理と南部一帯が見渡せる景色が自慢です。
おおー、絶景かな絶景かな。晴れた日には那覇の市街地や慶良間諸島まで見渡すことができるそうです。南城の飲食店は高台や海辺に点在しており、ほんと雰囲気が良い店が多い。

入り口で靴を脱ぎスリッパに履き替えるので、生足が苦手な方は靴下前提のシューズで参りましょう。ランチメニューは3種。いずれも千円ポッキリです。
ランチに付随するミネストローネ。たっぷりと野菜が詰まっており優しい味わい。トマトの味がとても濃い。

ところでマダムのそのオバァの2人体制で回してるっぽいのですが、オバァがマッタリとした雰囲気を醸し出しつつも妙に手際が良く気がきくのが素晴らしい。
こちらも自動的に付帯するサラダ。店の隣の畑で採れた野菜を用いており、瑞々しい生命力を感じます。スモークチキンも美味しい。このサラダだけを5杯分詰め込んだパワーサラダ的メニューを設定して欲しいところです。
私は「ふわふわ卵のオムライス きのこのトマトクリームソース」。こちらの卵は自分ちのニワトリ産であり、まさに採れ立て。卵そのものの味が濃く元気いっぱい太陽の味わい。
チキンライスにたっぷりのトマトクリームソースもグッド。トマトの自家栽培のものであり、究極の地産地消です。このクオリティで千円ポッキリってのは参っちゃうなあ。
連れは「季節野菜と軟骨ソーキのカレー」。少し味見させて頂きましたが、野菜由来の甘味が強く独特の味わい。思ったほどソーキの量が多くないのが残念。他方、こちらにも自慢の卵が投じられているのは嬉しい限り。
食後の飲み物も付いてきます。お食事を楽しんだ方はプラス200円でデザートも付きます。チーズケーキ、ガトーショコラ、シフォンケーキなどがオンリストされていました。デザート付けても1,200円かぁ。やるなあ。
車がないとアクセスできず営業時間も限られているため、中々に難易度の高い飲食店ですが、居心地の良さや優しい雰囲気は実に魅力的。女子旅のランチでどうぞ。

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鮨きのした/西麻布

西麻布のマンションに入居する「鮨きのした」。「リニュ(Li.nu)」「フレンチモンスター(FRENCH MONSTAR)」などあのへんです。「鮨よしたけ」の監修であり、鮨好きの中では名の知れた存在なのですが、なぜか食べログでは得点が振るわず3.61止まりです(2021年3月)。
ビシっとした誂えの店内はカウンター8席のみ。客席数に比してスタッフ数は多く、体育会系の雰囲気であり総じて明るく礼儀正しい印象です。

中村慎亨シェフは「京都吉兆 嵐山本店」や「ろくさん亭」など日本料理からそのキャリアを開始し、じきに鮨の道へジョイン。ちなみに「きのした」というのはオーナーのお名前だそうです。
酒は結構高い。ビールは千円を切る価格なのですが、日本酒がいずれも1合2千円に迫る勢いであり、ワインなどの値付けもそれに準じます。今回はランチのにぎり中心コースでしたが、夜のツマミ多めコースで飲みまくってしまうと払いまくってしまうかもしれません。
まずは沖縄のもずくにウニ。酢ではなくお出汁っぽいものでの調味であり、刺々しさがなく美味。にぎりだけかと思いきやこんなに素敵なツマミが出るなんて。
続いてハマグリ。低温調理でしっとりと柔らかく、それでいて厚ぼったい食感。日本酒が欲しくなる味わいです。
にぎりに入ります。まずはヤリイカ。清澄な味わいに梅肉のテイストが良く合います。
中トロのヅケ。ヅケと言えば赤身一辺倒ですが、なかなかどうして中トロを起用するのも良いですね。
キス。透き通るような舌ざわりにふくよかな香り。天ぷらで食べるのとはまた違った色気が感じられました。
サヨリもクリアな味わいながら、その独特の風味が大人の魅力を感じます。
アジは見た目以上にボリューム感を持たせる味わいであり、打率以上に打った印象。
こちらはシマアジだったっけな?おしゃべりに夢中で失念。ただし跳ねるような弾力と濃い脂はしっかりと記憶に残りました。
キンメダイにはジットリとした重みがあり、魚そのものの味が濃い。おかわりしたい。
アカガイは親指大の上品なサイズではありますが、その存在感は大きい。アカガイって爆弾みたいなサイズで出すのが流行りですが、貝とは味の密度が高い場合が多いので、このぐらいのサイズでちょうど良いのかもしれません。
大トロは霜降り肉のような外観ですが、意外にスッキリサッパリした味わいであり、マグロそのものの味わいもしっかりと感じられました。
コハダは酸は控えめながら凝縮感のある締め方であり私好み。
ウニはシャリは少なめ頭は多めという嬉しいバランス感覚。炙りたての海苔の風味とのコントラストも見逃せません。
車海老は流線形で刀のようにスタイリッシュな造形です。細長く見えますが重量としてはかなりあり、ひと口でギリ頬張れて至福のひと時。
アツアツのアナゴ。しっかりと食感を残し、またハッキリとした調味。
ネギトロもシャリは少なく肉は多くというローカーボ歓喜な仕立てです。粗挽きでネギと海苔とのバランスが良く、モグモグ心に残りました。
赤出汁にはサワラの身が入っておりしっかりとした食べ応えで嬉し誤算。
玉子焼きはカステラを通り越してチーズケーキのように滑らかな舌ざわり。お鮨屋さんってすごいな。玉子ひとつとってももダイバーシティに富んでいます。

ランチのにぎりコースにお酒を少し飲んでお会計は1.6万円。おお!都心の鮨屋のインフレーションが取り沙汰される中、なんて良心的な価格設定なのでしょう。正直当店と同等かそれ以下のクオリティで倍以上請求する店も多々あるので感謝状でも渡したい気分です。

にぎりについても小ぶりではあるもののネタの比率が大きく不思議と食べ応えがあり、小食な女子も色々食べれて嬉しいでしょう。常連ぶった客が妙に空気を仕切ったりすることもなく居心地の良い雰囲気。西麻布で明るく爽やかに鮨を食べたい時にどうぞ。オススメです。

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鮨は大好きなのですが、そんなに詳しくないです。居合い抜きのような真剣勝負のお店よりも、気楽でダラダラだべりながら酒を飲むようなお店を好みます。
この本は素晴らしいです。築地で働く方が著者であり、読んでるうちに寿司を食べたくなる魔力があります。鮮魚の旬や時々刻々と漁場が変わる産地についても地図入りでわかりやすい。Kindleとしてタブレットに忍ばせて鮨屋に行くのもいいですね。