New York Pizza Okinawa/牧志(那覇)

那覇のハイアットの斜向かいにオープンした「New York Pizza Okinawa」。デリバリーのピザを除いてはナポリピッツァ全盛の時代に敢えてアメリカンスタイルのピザに挑戦するという興味深い試みです。
なるほど雰囲気ニューヨークであり、壁のタイルなどはニューヨークの地下鉄そのままです。店のどんつきにはその日のピザが5~6種類並んでおり、注文後にオーブンで温め直してくれる仕組みです。

なお、イートインスペースは数席のみなので、テイクアウト専門に近い印象を受けました。テイクアウトの箱がかわいかったので、ホールで買って帰ると家族が盛り上がるかもしれません。
「ソーセージ」は490円。サイズこそは大きいものは生地は薄くサクサクとスナックのように食べ進めることができます。
こちらは「マッシュルーム」で同じく490円。やはりパクパクと食べ易い仕様であり、上品なドミノピザといった印象ですな。
以上を食べ、お会計は980円。うーん、思ったより高くつきました。広尾あたりなら理解できなくもない価格設定ですが、ここはセンベロの聖地、牧志である。

また東京ではランチで千円も払えば上質なナポリピッツァを楽しめるお店が山のようにあることを考えると、ちょっと割高だよなあというのが素直な感想です。「BACAR(バカール)」にせよ、沖縄はピザがウィークポイントなのかもしれません。

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鮨結う 翼(すしゆう つばさ)/恵比寿

六本木「鮨由う」が若手育成のためのセカンドラインとして恵比寿に「鮨結う 翼(すしゆう つばさ)」をオープン。最初ちょっと店名の読み方がわかんなくて「右翼なの?」と戦慄しましたが、「すしゆう」の「つばさ」です。
変わった構造のテナントで、ウェイティングルームが無いため予約時間ピッタリに訪れることを心がけましょう。カウンターのみ10席ほどであり、木の芳香が強く部屋風呂の付いた温泉旅館のような香りがします。

お店のコンセプトや価格設定(後述)のせいか、客層につき、FAXとフロッピーディスクの違いも知らなそうな若者や、40代のキャバ嬢と50代の係長といったしっとりしたカップルが多いのが印象に残りました。
コース料理は税サ込一律の13,200円。ただし、信じがたいことに、この金額の中に飲み物の飲み放題料金も含まれています。しかもケチな飲み放題ではなく、ビールや日本酒はもちろんのこと、シャンパーニュを始めとするワインなどもラインナップに加わっており、大酒飲みであれば酒代だけでモトを取ってしまいそうな勢いです。
2回転と時間が限られているためか、テンポ良くツマミが並びます。右下のは「峯岡豆腐」と言って、生クリームやトウモロコシで作ったものだそうで、豆腐というよりもスイーツのようなニュアンスが面白い。また、三陸のワカメが地味に美味しく、おかわりもドンドン盛ってくれ、精神的にヘルシーになれた気がします。
穴子の茶碗蒸し。卵の生地というよりも出汁が支配的であり、スープのようなひと品です。食べ進めていく途中に自家製の海苔醤油を投入してくれ、パンチのある風味へと味変です。
メヒカリのから揚げ。シンプルな仕様でありシャンパーニュに良く合います。
こちらはコース外のオプションで、白エビとバフウンウニ。シンプルな仕様ですが、最終支払金額から逆算するにプラス1,500~2,000円というのは良心的。
にぎりに入ります。まずは春子鯛。おぼこいアタックに初々しい味覚です。
ガリは塊で漬けたものを乱切りしたもので私好み。強めの酸が味蕾をリセットしてくれます。
ヒラメは昆布締めで。エンガワがトッピングされているのがオシャレです。恵比寿っぽいです。
シマアジ。美味しいのですが、回転寿司のアタリと比べて大差あるかというとコメントは差し控える。
総本山、六本木「鮨由う」のスペシャリテ「プリン巻き」。甘く炊いたアンキモをシャリに混ぜ込み、キュウリと共に頂きます。なるほどコッテリとして日本酒が進む味わい。名前の由来はプリン体が多いからだそうです。何なら鯛と合わせて「プリンタイ」を次回よろしく。
サワラは軽く炙って。脂が乗って、噛みしめるほどに旨味が滲み出てきます。
毛ガニとバフンウニ。この組み合わせですら食傷気味なのに、さらにオプションでキャビアもトッピングできるとのこと。周りのゲストは嬉々として課金していましたが、うーん、それは組み合わせとしてどうなんだろう。当店もそっち方面のお店なのかと少し体温が下がりました。
赤身のヅケ。酸味がきいて爽やかな味覚です。
大トロは核心部分は悪くないのですが、スジが多く食感を邪魔します。思い切ってスプーンでこそげとって、ネギトロにでもしたほうが良かったかもしれません。
追加でカマトロ巻。マグロステーキだと言わんばかりにバリリと炙られており、脂カタブラとオイリーな逸品。先の大トロに比べると筋が溶けておりジューシーな味わいです。
コハダ。強めに締められており、これまでの脂質をスカっと洗い流してくれます。
ホタテを煮たもの。悪くないのですが、プリン巻きにカニにウニに大トロにカマといった重量級の選手の続きとしては荷が重く感じました。
アオサ入りのギョク。焼きたてで心温まるひとときです。
アナゴは若干旨味が抜けているというか何というか、まあ、この価格帯なら仕方ないかもしれません。
ラストは「福巻」。残り物には福があるとのことで、今日のタネの切れ端などが全て巻き込まれています。これは色んな味がして食べ応えがある。SDGsな欧米でウケそう。
こちらのお椀も本日のお魚から取ったエキスより。ごちそうさまでした。
基本のコースにいくらか追加して、お会計はひとりあたり1.6万円ほど。飲んだ酒の量を考えれば大変お値打ちです。シェフも盛りあげ上手で、「照寿司」よろしく全ゲストにシャッターチャンスを繰り返すメンタル黒帯っぷり。20代であっても緊張せずに楽しめる、ある種の入門編的な鮨屋です。酒飲みのお友達とどうぞ。

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恵比寿も十番に負けず劣らず良い街ですよね。1度住んで、片っ端から食べ歩いてみたいなあ。よそ者ながら印象に残ったお店は下記の通り。
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ザ・テラスクラブ アット ブセナ(The Terrace Club at Busena)/許田(沖縄)

沖縄本島北部、許田ICから南下し喜瀬ビーチ近くにあるブセナリゾート。旗艦ホテルは沖縄サミットが開催された「ザ・ブセナテラス」なのですが、敷地の外れにひっそりと「ザ・テラスクラブ アット ブセナ(The Terrace Club at Busena)」というホテルがあります。ブセナテラスよりもよりアッパーな位置づけであり、「スモール・ラグジュアリー・ホテルズ・オブ・ザ・ワールド(Small Luxury Hotels of the World、SLH)」にも加盟しています。
ハイテクやモダンに寄せず、アジアのどこかにありそうなクラシックなリゾートを雰囲気の主軸に置いているからでしょうか、開業から10年が経つというのに古臭さは全く感じさせません。「ザ・ブセナテラス」はもちろんのこと、系列「ジ・ウザテラス」「ジ・アッタテラス」「ザ・ナハテラス」とも内外装を統一しており、テラスホテルズグループはやっぱりいいなあ。
お部屋は「クラブデラックス」にご案内頂けました。「クラブ」と銘打ってはいますが、当館は全館クラブフロアという位置付けであり、部屋も全てがデラックスです。
リビングエリア。部屋の広さは54平米なのですが、壁という壁、窓という窓を全てスライドで全開することができるため、数字以上の広さを感じます。ただ、テレビは古く(日立のWooo!)HDMI端子が見当たらないため、セルフでスマートテレビ化することはできませんでした。
テラスも広く、テーブルのほかデイベッドも備え付けられています。さりげなく風が通り抜け、鳥のさえずりが聞こえてくる。都会のホテルはいくら眺望が見事であっても窓を開けることができないので、こうした造りには心和みます。
こちらはミニバー(?)エリア。バスルームだけでなく、このスペースにも蛇口が通っているので、火口のないキッチン的な位置づけでしょうか。ネスプレッソやお茶、水は無料。「ジ・ウザテラス」と異なりミニバーの酒やスナックは有料です。
ウォークインクローゼットも広々。スーツケースを部屋でなくクローゼット内で広げることができるのがいいですね。バスローブや部屋着も柔らかくって肌に心地よい。
ウェットエリアに参りましょう。壁をスライドすることができ、バスタブから部屋を突き抜けてお外まで望むことができます。シャワールームも別に用意されており、とにかく明るく広々とした空間です。
アメニティはテラスホテルズ系列で統一。当館や「ジ・ウザテラス」はその他の系列ホテルの2-3倍の価格設定なのだから、このあたりはもう少し凝ってくれても良いなと思いました。
また、テラスホテルズ系列のどのホテルについても言えることなのですが、とにかくネットが遅いですね。ライティングデスクも無いため、ガッツリ仕事するという雰囲気ではありません。ノマド族の方はご注意を。
共用設備に参りましょう。こちらはアウトドアプール。沖縄のリゾートホテルのプールは家族連れが幅をきかせていることが多いですが、当館はそもそも大人しか泊まれず、またいい大人はプールで本気で泳いだりすることも無いため、主に鑑賞用に近い風情があります。プールはプールそのものでなくプールサイドのバーで飲むビールが一番楽しいのだ。
プライベートビーチもガチ泳ぎするゲストはおらず、あくまでお散歩コースの鑑賞用。それにしても見て下さい、この海の色を。このまま額に入れて家のリビングに飾りたいほどです。
ジムもあるのですが、これは大変ショボいですねえ。ちょっとした有酸素系の機器があるだけであり、これならブセナリゾート内をジョギングしたほうが気持ち良いでしょう。他方、空間設計としては素晴らしく、クーラーをきかせながら日差しを遮りつつヨガ、みたいな使い方にはうってつけかもしれません。
目玉は「タラソプール」。ブセナ岬で汲み上げられた海水を温めたタラソテラピー向けの屋外プールであり、多様なジェット刺激を楽しみつつ水中歩行に励みます(写真は公式ウェブサイトより)。日除けが設置されているものの(10年前にお邪魔した際は無かった)、屋外であることには違いないので、濡れても良い帽子を持参すると良いでしょう。
また、スマホを含め電子機器の持ち込みは一切禁止されているため、パパ活ギャルがインスタでマウンティングができない→スポンサーの黒光りオヤジが来ない→客層が安定する、という素晴らしい流れが完成していました。これはレストランの客層を向上させる際のヒントにもなるかもしれません。
タラソを楽しんだ後は酒です。前述の通り当館は全体がクラブフロアという位置付けであり、宿泊者全員がグラブラウンジを利用することができます。差別や分断の無い世界。
14-16時はティータイム、17-19時はカクテルタイム。酒のラインナップは中々のもので、ワインはシャンパーニュを含んで4-5種類、ビールは自前のクラフトビール、カクテル類もスタッフが作ってくれます。ちょっとしたツマミも置かれているのですが、あくまでオマケといった程度なので、ディナーの代替とすることはできないのでご注意を。
朝食は当館のメインダイニング「ファインダイニング(Fine Dining)」へ。健康志向に思いきり舵を切った朝食であり、成長期の私としてはやや物足りない。「ホワイトオムレツ」の見栄えは圧巻。詳細は別記事にて
ブセナリゾートを訪れるのは約10年ぶりでしたが、やはり良いものですね。「ザ・ブセナテラス」は家族向けのリゾートでありアダルトなカップルは居心地が少し良くないのですが、当館の存在はその悩みを全て解消してくれました。ブセナテラス側のプールやレストランも利用することができるので、多様な過ごし方に対応できます。大人カップルに超オススメ。下手な海外旅行よりも余程満足度が高いですよ。

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