とうがらし/品川


オッサン6人での飲み会。2月29日ということで、ニンニク祭です。品川港南口の雑居ビルひしめく路地裏にあるお店。
まずはビールで逸る気持ちを落ち着けます。 最近プレモルってどこのお店にも置いていて、逆にそれが普通っぽくなってきましたね。
チャンジャ。私、チャンジャ好きなんですよね。あのグニグニした食感と絶妙な辛味がたまらない。チャンジャ味のガムが発売されたら爆買いするのにな。
チョレギサラダ。これは極めて普通です。直接材料比率は5%を切るでしょう。
トッポギは想像以上に辛い。ドンドコビールが進みます。
なぜか餃子があったので注文してみると、うーん、どこにでもありふれたラーメン屋のオマケの水餃子みたいな味でした。
肉料理などは全てキッチンで調理してから出してくださいます。まずはサムギョプサル。
ネギなどの薬味を
サニーレタスやエゴマで巻いて一口で頬張る。火を通しすぎるきらいがあって旨味が抜けており肉が硬くなっておりイマイチ。まあしかしたっぷりの野菜とタレをつければ笑顔で宴会です。
カルビもハワイの弁当屋で食べるような肉質です。
これは何の肉だったっけな?タレに漬け込まれており判別がつかないほどの味付けの濃さでしたが、ビールのお供にはうってつけ。
海鮮チヂミは印象に残らず。ほんとに魚介類、入ってたっけなあ。
本日のテーマであるニンニク。ホクホクとした食感で主題を満たしてくれました。この後みんなでブレスケアを一気飲み。
キンパは炭水化物欲を満たしてはくれるものの、うら寂しい味わいで食卓に哀愁が漂います。
 石焼ビビンパも同様に印象が残らず。
韓国海苔はさすがに美味しかった。こればっかりは何度もおかわりしました。安定の塩と磯の香り。

というわけで、オッサンが腹いっぱい飲み食いして7~8千円。まあ、こんなもんでしょうか。もちろん上野や赤坂、大久保あたりに行けば、よりリーズナブルなお店はあるでしょうが、品川の当日予約でという意味で納得感があります。今度は鍋物を注文してみようっと。ガムジャタン好きなんですよね。


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「東京最高のレストラン」を毎年買い、ピーンと来たお店は片っ端から行くようにしています。このシリーズはプロの食べ手が実名で執筆しているのが良いですね。写真などチャラついたものは一切ナシ。彼らの経験を根拠として、本音で激論を交わしています。真面目にレストラン選びをしたい方にオススメ。


とうがらし 品川店
夜総合点★★★☆☆ 3.0

アイコニック/銀座

おおよそ1年ぶりにお邪魔します。メニューを見るとフランス語ばっかりで、あれ?ここってイタリア料理じゃなかったっけかなあと困惑していると、いつのまにかシェフが交代してフランス料理屋になってたのですね。
ひらまつ系列はコチラのスパークリングで始めるのが古くからのしきたりです。万能選手。
アミューズは春キャベツと生ハムにホタテ。キャベツと生ハムを一生懸命ミルフィーユ仕立てにしているのですが、やはりタテルヨシノのアレと比べてしまう。あと、全体的に作りおき感満載なのはイクナイ。葉っぱがしおれてる。
自家製パンは小麦の味が活きていて良かった。都合3つも頂きました。
ホイップバターも吉。もう少しユルいホイップのほうが好きだけど、それは人の好みです。
この見てくれは酷い。給食か。マスに白アスパラガスにラヴィゴットソース。外観は浅々しいことこの上ないのですが、マスそのものは味が濃く中々良かった。白アスパラガスはもっと太いものか、そうでなければ丸々1本出すべきと思いました。貧相すぎて悲しくなる。一方で、ラヴィゴットソースは素晴らしい出来。ラヴィゴットソースとはお酢やら野菜のみじん切りを混ぜ込んだもの。ソースというよりもそれ単体で美味しかったです。
サンセールは葡萄のキャラクターが全然出ていない造りでしたが、料理とのマッチングという意味では完璧でした。
真鯛に春野菜。ブールブランソース(バターソース)にはワカメを捻じ込む。ワカメについて熱く推していたけれど、あまりワカメらしさは感じられませんでした。みじん切りにせず、和食における炊き併せのオマケみたいにデロンって盛り付けたほうがいいのかも、ワカメを主題にしたいのであれば。
メインは鴨とフォアグラにタマネギ。非常にイマイチ。鴨はとにかく硬く消しゴムを食べているかのよう。ここでも白味噌を用いたソースと甚だ推していたにもかかわらず、あまり白味噌感が無い。この思い切りの悪さはシェフに何か悩み事でもあるのではなかろうか。フォアも脂っぽい割に味が薄く消化試合感。
フロンサックのメルロ主体はとても美味しかったです。ソムリエはうまくシェフの料理に寄り添っていますね。
デセールのギモーヴの姿かたちは逆に思い切りすぎ。うーん、どうにもこうにもチグハグですな。味は悪くはないのだけれども。
他方、デザートワインは見事に美味しいのであった。
リンゴのマカロンは及第点。抹茶のクッキーは印象が無くて、ショコラは二重丸です。
首を傾げながらコーヒーを飲み、ごちそうさまでした。

うーん、リニューアルでシェフが代わったとはいえ、あまりに前回と印象が違いすぎてうろたえてしまいます。ちょっとこのままじゃ5年後の世界が見えないなあ。ゆく河の流れは絶えずして、しかももとの水にあらずとは言えども、さすがに色々と心配になってしまいました。

とはいえ銀座のきちんとしたレストランの割にそう高くなく使い勝手は良いので、しばらく様子をみてからまたお邪魔しようと思います。


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「好きな料理のジャンルは?」と問われると、すぐさまフレンチと答えます。フレンチにも色々ありますが、私の好きな方向性は下記の通り。あなたがこれらの店が好きであれば、当ブログはあなたの店探しの一助となるでしょう。
日本フレンチ界の巨匠、井上シェフの哲学書。日本でのフレンチの歴史やフランスでの修行の大変さなど興味深いエピソードがたくさん。登場する料理に係る表現も秀逸。ヨダレが出てきます。フランス料理を愛する方、必読の書。


アイコニック
夜総合点★★★☆☆ 3.0
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リストランテ・ヒロ/表参道

良くも悪くも話題が耐えない山田宏巳シェフ。絶頂期に交通事故で死者を出して料理界から姿を消したと思いきや、TV番組「料理の鉄人」で復活。なのにドラッグに手を出して「大麻の鉄人」として終了。なのですが近年再起を図り、なんやかんやで多店舗多業種展開に成功するなど不屈の経歴です。
本日は青山本店へ。意外にも地階の小箱でした。勝手に大規模路面店を想像してただけに肩透かし。

ちなみに私はヒロ系列に思い入れがあるんですよね。22歳の夏に初めて自腹できちんとしたレストランに行ったのが丸の内の「リストランテ・ヒロ・チェントロ」。新卒の初任給でランチ7,000円は中々頑張ったほうだと思うのですが、とても満足したことを今でも鮮明に記憶しています。
事情があって昼の2時から飲み続けており、連れもそれほど飲まないタイプだったので、泡1本で通すことに。先日のワイン会でマグナムしたフランチャコルタを注文。
まずは血統書つきの30日熟成牛を公開。最近のミーハーな客(私のこと)はこういう絵を欲しがることを理解してくれています。
お肉だけでなく、その他の食材も。手元にメニュー表は無かったので、これらの食材から一体何が創造されるのだろうと期待が高まります。
前菜盛り合わせ。おお!これはどれもきちんとした食材を使っていて美味しそう!
カブのムースにキャビア。カブの苦味とキャビアの塩気のシナジー効果。前菜として最高。話は逸れますが、いい歳して「シナジー効果」「ソリューション」「ウィンウィン」などの就活用語を連発する人はすげーヤバいと思います。
愛くるしいフルーツトマトに円やかブッラータ。素材が素晴らしいですね。シンプルなのにうっとりするほど美味しい。
桜マスに何かのジュレ。これはまずくはないが、うまくもない。全然印象に残らなかったです。
サバのサンドイッチ。上品に〆られたサバの酸味を柔らかく味わう。これも素晴らしい出来。普通サイズでお弁当に持っていきたい。
オマール海老のコロッケにアイオリソースとアメリケーヌソース。再強か。エビ好きの私としては食べる前から結論は出ています。
コロッケというかオマールのほぐし身がギッチギチに詰め込まれており、間違いなく本日一番のお皿です。アメリケーヌソースのリゾットを混ぜ込んでライスコロッケ風にするもの良いかもしれませんね。
フォアグラにトリュフ。これはちょっと脂っぽくてクドい。胃にグっときてイマイチ。味は悪くないのですが、若干うんざりするコッテリ感でした。個体差かもしれませんが。
チャパタはごくごくシンプルで食事の邪魔をしない味わい。

と、ここまでは高級レストランとして完璧だったのですが、ここからが長丁場で非常に退屈しました。我々を含めて4テーブル8人しかゲストは居ないのに、このテンポの悪さは何だったのでしょう。

連れも手持ち無沙汰だったのか、「この前の飲み会でね、若い男の子がいっぱいいてさ、『男が女に言われて嬉しい台詞ランキング』とかくだらないことやってるわけ」と、くだらない話を始める。

「3位:わあ!、2位:こんなの初めて!、1位:すごい!なんだって。どう思う?」。僕の周りにはそんなに語彙が貧弱な女の子はいないからわからないよ、とだけ返すと、「じゃあ、キミが言われて嬉しい台詞って何?」と食い下がる。

そうだね、3位:今夜は私にご馳走させて、と言うや否や「やめて、聞いたアタシがバカだったわ」と何故か私が呆れられました。何この2次災害。全部皿出しが遅いせいだ。
20分以上待って到着したグラタン。白子にジャガイモ、百合根がてんこ盛り。濃厚なバターと白子の粘り強い味わいが高次元で絡まりあい、出色の一皿。本当に美味しかった。
フォカッチャは品が良すぎるというか、優等生です。もっとローズマリーバリバリのこってりしたほうが私は好きです。
さらに20分以上待って出てきたのがロワールのホワイトアスパラガス。春も近い。ただし、チーズや生ハムが乗っかったりマカデミアナッツを削ったりと、構成要素が多すぎて最終的には何を食べているのかよくわからなかったです。
これまた20分近く待ち、ようやく登場のお肉ちゃん。ヴァッカロッサのようにきちんと薪で焼いたトスカーナ風。肉塊を目の前で取り分けて下さいます。
なのですが、これがあんまり美味しくなかったです。妙に脂身が多い割に熟成もそれなりに進んでいてややこしい。連れもお気に召さなかったのか「もういいわ、残りは食べて」と丸投げ状態。一方で付け合せのタマネギは2時間近く火入れしたものらしく、焦げ目の香りが食欲をそそり、シンプルで美味しかったです。

〆の「パスタの量を調整できますが、いかがしましょうか?通常は30グラムでお出ししていますが…」との問いかけに対し、80グラム、と即答で返す。すると、スタッフからギョっとした表情を浮かべられる。ええー80グラムぐらい余裕でしょ。サローネ2007では150グラムをお願いしても、特に驚かれなかったのに。
連れは30グラム。いや、これ30グラムじゃないでしょう。もっと全然多い。
そして私の80グラム。いや、これは80グラムとしては少ないでしょう。どうなってんだ。2分とかからず完食。ギョっとした表情で辱めを受けた割に大した量じゃなかったので、何だかなあ。

味はややニンニクが強すぎるきらいがあるものの、それに応じたカラスミの量であり、シイタケの旨味もハッキリしていて旨かった。ただ、フォーク一本で食べさせる割にはシイタケがデカすぎで、ナイフが欲しくなりました。
ドルチェということで、瑞々しい静岡の紅ほっぺを目の前で潰す。イチゴの華やかな香りがテーブルを満たし幸せな気持ちになります。
イチゴを耐熱容器に移し替え、液体窒素を投入し、
一気にかき混ぜるとこの通り!なのですが、我々にとっては今さらこんなプレゼンテーションに付き合わされるのは面倒でしかなく、バックヤードでやってきて欲しいなあと思いました。

隣のテーブルで同じことが演出されていた際、そのテーブルの女性が「わあ!こんなの初めて!すごい!」とはしゃいでいたので(実話)、これは我々がひねくれているだけです面倒とか思ってごめんなさい。
シャーベットと化したイチゴそのものは極上品。ずっと食べ続けていたい。ただ、税サ込み酒抜きで20,000円近くするコースのドルチェとしては力不足かもしれません。
小菓子はいずれも手が込んでいてレベルが高い。名古屋コーチンのロールケーキは卵黄比率が非常に高く飛びっきりの伊達巻のようです。キンカン、コナコーヒーのクッキー、リンゴのタルト、ガナッシュなどなど、いずれもデパチカで売り出せば争奪戦になるほどの味わいでした。
丁寧なエスプレッソでごちそうさまでした。

皿出しが遅かったり、イタリアンとしては高額な部類であることを差し引いても、総体として私はかなり好きなお店です。広尾アクアパッツァもそうですが、郷土色が薄く日本人向けにアレンジされていて万人受けするスタイル。前衛的では無いけれど外さない。こういうお店は個人的には大事にしたい。また行こうっと。


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十年近く愛読している本です。ホームパーティがあれば常にこの本に立ち返る。前菜からドルチェまで最大公約数的な技術が網羅されており、これをなぞれば体面は保てます。


リストランテ・ヒロ 青山本店
夜総合点★★★☆☆ 3.5