拓水(たくすい)/安里(那覇市)

栄町市場南口近くにある鮮魚店併設の定食屋「拓水(たくすい)」。創業50年を超える老舗であり、新鮮な魚介類を使った料理が手頃な価格で楽しめると地元で長年親しまれています。
お食事エリアのキャパシティは10席強といったところ。カウンターに3席とテーブルが数卓で、鮮魚店側の忙しさも耳に入るので程よく活気が良い。魚や天ぷらをツマミに昼から飲む勢も結構います。
私は看板メニューの「魚汁(さかなじる)定食」を注文。魚汁に天ぷら、小鉢、ライスが付いて1,100円。これに単品で600円の刺身盛り合わせを追加し、合計で1,700円です。
主題の「魚汁(さかなじる)」。魚の頭やカマ・アラを豪快に使用しており、鮮魚店直営ならではの大迫力。器からはみ出さんばかりのボリュームに圧倒されます。出汁は魚の脂と旨味がこれでもかというほど濃厚に溶け出し、身はホロリと解けるほど柔らかく、アラの周りのプルプルとしたコラーゲン質まで余すことなく楽しめます。
小鉢はゴーヤーチャンプルーでしょうか。ゴーヤーのシャキシャキとした食感と爽やかな苦味が活きており、大容量の魚汁の最中に味蕾をリフレッシュするのにちょうど良し。なんおも贅沢なお口直しです。
シャケの天ぷら。沖縄特有のフリッターのようにぽってりとした厚い衣が特長的。シャケからは程よい塩気が感じられ、スナック感覚で食べられる気軽さがありながら、おかずとしての存在感も充分です。
ライスは一般的な定食屋のそれといったところ。やや冷えて乾燥も進んでいるので、魚汁と併せて食べると良いでしょう。
追加で注文した刺身の盛り合わせ。飾り気のない無骨な盛り付けが市場の鮮魚店らしくてエモい。その日のおすすめの地魚が並び、この量で600円とは大変にお値打ちです。ちなみに生ビールが付いて千円という魅力的なセットもあります。
以上を食べて1,700円と、鮮魚店直営らしく申し分のない費用対魚量でした。海鮮丼などのテイクアウトも可能で、天ぷら類は110円と実に良心的。清潔に整えられたスーパーの鮮魚コーナーや均質なサービスのチェーン定食屋にはない、市場の生気がそのまま皿に乗ったような店。ライスがやや冷えていようと、盛り付けに気どりがなかろうと、そんなことは些末な問題。市場の喧騒を背に濃厚な魚汁をすする昼どき。那覇にはまだこういう場所が残っています。

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