ウズベキスタンの古都、サマルカンド。観光のハイライトであるレギスタン広場からは車で数分、ロシア統治時代の面影を色濃く残す新市街エリアに位置する「Old City Restaurant(オールド シティ レストラン)」にお邪魔しました。こちらは19世紀後半に建てられた帝政ロシア時代の邸宅を改装したレストランであり、建物自体がユネスコの文化遺産保護下に置かれているという、何とも数奇で価値のあるハコです。
重厚なレンガ造りの外観とは打って変わって、店内はコージーな空間が広がります。クラシカルな木製家具やシャンデリアが配され、壁面にはウズベキスタン伝統の手刺繍布「スザニ」が美しく飾られており、まさに文化の交差路を体現した見事な空間設計です。巨大な観光客の団体を詰め込むような大箱ではなく、独立したテーブル席が中心であるため、落ち着いて食事を楽しみたい個人旅行者にとって砂漠のオアシスのような存在と言えるでしょう。
イスラム圏ではお酒の確保に苦労することが多いですが、当店はアルコール類が非常に充実しています。まずは冷えた生ビールで乾杯。サマルカンドの乾いた空気と歩き疲れた体にホップの苦味が心地よく染み渡ります。他にも地元のブドウを使ったウズベク・ワインや各種カクテルまで揃っており、左党にとっては堪らないラインナップです。
まずはサラダから。当店はサラダだけで数十種類ものバリエーションを誇ります。こちらは「Spring Freshness」で、太陽をたっぷり浴びた濃厚な甘みのトマト、瑞々しく弾けるキュウリ、そして鼻を抜ける爽やかなディルの香りという組み合わせ。ドレッシングは無く味付けも恐らく塩のみなのですが、トマトから溢れ出す果汁が天然のソースとなり、全体をまとめ上げています。
「ラグマン」はウズベキスタン風の手打ちうどん。トマトベースのスープに野菜の出汁がしっかりと溶け込んでおり、スパイスの香りが異国情緒を誘いつつも、どこかミネストローネを思わせる親しみやすさがあります。
「Oriental Meat Dumplings」という表記でしたが、おそらく中央アジア式の蒸し餃子「マンティ」のことでしょう。薄いながらも弾力のある皮の中に、肉とたっぷりの玉ねぎ、多種多様なスパイスが閉じ込められています。添えられたサワークリームを少し絡めれば、また違った酸味のレイヤーが加わり、いくらでも食べられそうな中毒性があります。
人気メニューの「Lamb Fillet in Foil」。ラム肉をアルミホイルで包み焼きにすることで、肉の旨味と脂の甘味を1滴も逃さず閉じ込めています。どこか沖縄の山羊汁を思わせる味覚であり、肉や脂から溶け出したエキスがコッテリとしており、滋味深い味わいが口の中に広がります。以上を2人でシェアし、軽く飲んでお会計はひとりあたり3千円程度。歴史的な建造物で伝統的な郷土料理をたっぷり楽しんでこの支払金額は非常にお値打ち。ウズベキスタンでは全然英語が通じませんが、当店ではメニューに英語が併記されスタッフも英語を操るため注文のストレスが無いのも推しポイント。初めてのサマルカンド旅行では是非とも行程に組み込んでおきたい人気店です。
人気の記事
- 酒井商会(さかいしょうかい)/渋谷
- ラ メゾン クレール 1853(La Maison Claire 1853)/那覇
- 焼鳥 一(まこと)/不動前
- TACOS BAR (タコス バー)/恵比寿
- 東山無垢(ひがしやまむく)/中目黒
- タイ料理 みもっと/目黒
- 鮨料理 一高(いちたか)/大濠公園(福岡)
- インスタ映えするヤクザたち
- 某高級鮨店において港区ババァが大暴走した話。
- 日本の男は皆ロリコン。フランスと日本のレストランを比較して抱いた違和感について。
- 旦那の悪口を言う女は一生幸せになれない
- バレンタインに手作りチョコだけは勘弁して欲しい
- 「お代は結構ですから悪く書かないで下さい」とシェフに懇願された話
- 3ヶ月前にトラブった例の店からの電話が鳴り止まない
「東京最高のレストラン」を毎年買い、ピーンと来たお店は片っ端から行くようにしています。このシリーズはプロの食べ手が実名で執筆しているのが良いですね。写真などチャラついたものは一切ナシ。彼らの経験を根拠として、本音で激論を交わしています。真面目にレストラン選びをしたい方にオススメ。







