西成の老舗お好み焼き店「お好み焼き ちとせ」。トリップアドバイザーの「外国人に人気の日本のレストラン」で全国1位を獲得したことにより、連日外国人観光客が列をなしています。動物園前駅または新今宮駅から歩いて4-5分ほど。食べログでは百名店に選出されています。
私はヘンテコな時間にお邪魔したため行列は短めでしたが、それでも10分ほど待ちました。店内は鉄板に面したカウンターに4席と4人掛けのテーブルが2卓のみ。総じて清潔感という点では人を選ぶ環境と感じましたが、それを「古き良き昭和レトロ」と捉えるかどうかはゲスト次第でしょう。ちなみにトイレは厨房の奥にあり、ゲストが何度も厨房の中を通り抜けていく様に違和感を覚えました。私は神経質なのだ。
ビールは中瓶で650円と、このあたりの飲み屋の価格設定に準じています。料理の注文は最初のオーダーで1度きりというルールですが、ドリンクは追加注文を受け付けてくれます。
ふと見渡すと、店内にいたゲストは私を除いて全員が外国人でした。このあたりの飲食店では珍しく多様な電子決済に対応していることからも、外国人観光客をメインターゲットにしていることがわかります。ホームページや店内メニューには英語表記を完備し、インバウンド客を迎えるハード面の整備に抜かりはありません。
お好み焼きは「カキミックス」を注文。カキ、エビ、イカという海の幸に、定番の豚肉を加えたひと品。カキは熱で縮んでしまって存在感がありませんでしたが、エビが大きくプリっとした食感を主張しており嬉しい誤算。当店ではエビを軸に注文を流していくのは悪くない戦略かもしれません。ちなみに調理補助の方は経験が浅いようで、「あっ、カキミックスにも豚肉入れるのか…」と、目の前のゲストが不安になる発言を平気でかましてきます。
名物の「たかすが焼き」。細かく刻んだ麺とご飯をソースで炒めた「そばめし」を、たっぷりのネギを練り込んだ「ネギ焼き」の生地でサンドした当店のオリジナル品です。なのですが、ご飯はレンチンのパックごはんですげえ萎える。そういうことはゲストの見えないところでやって欲しいものです。
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以上を食べ、軽く飲んでお会計は5千円弱。すっかり外国の方々の観光名所と化しておりますので、ここを「大阪のローカルなお好み焼き屋」としておすすめするのは、少々的外れと言わざるを得ません。見事なまでにインバウンド需要へと舵を切った、完全なる外国人向けのツーリスティックなレストランです。例えるなら「昭和レトロなお好み焼き屋さん」という設定のコンカフェと言ったところでしょうか。
お好み焼き自体は普通に美味しくいただけますが、純粋に味を求めるのであれば、他のお店に足を運んだ方がはるかに合理的。外国人観光客の熱気に包まれながら、テーマパーク感覚で聖地巡礼を楽しみたいという奇特な方にはぴったりの場所と言えるでしょう。ちなみにレトロなお好み焼き屋を本気で求めるのであれば、岸和田の「鳥美(とりみ)」はかなり良いセン行ってると思う。
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「東京最高のレストラン」を毎年買い、ピーンと来たお店は片っ端から行くようにしています。このシリーズはプロの食べ手が実名で執筆しているのが良いですね。写真などチャラついたものは一切ナシ。彼らの経験を根拠として、本音で激論を交わしています。真面目にレストラン選びをしたい方にオススメ。
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