食堂ヘンサ森(へんさもり)/安里(那覇市)

那覇の栄町エリアは夜間営業の飲食店やレトロな呑み屋が密集する歓楽街として知られているのですが、日中に良質な食事を提供する大衆食堂は意外と少ない。安里駅東口からすぐ、安里交番を曲がった角あたりにある「食堂ヘンサ森(へんさもり)」は、その数少ない大衆食堂と言えるでしょう。店名はオーナーの出身地である南城市大里にかつて存在した森の名前だそうです。
大衆食堂と記しましたが、店内は小綺麗なカフェのような内装であり、伝統的な大衆食堂が内包しがちであった泥臭さや雑然としたイメージからはかけ離れています。ゲストはガテン系のニイチャンやかりゆしを来た会社員など、地元の勤め人が殆どです。券売機で食券を買い、カウンターでスタッフに手渡して料理を待ちます。お水や下膳などはセルフサービスです。
私は沖縄の洋食文化を象徴する高カロリーかつボリューム満点のワンプレート「Cランチ」を注文。980円です。ちなみに「Aランチ」「Bランチ」があるかと問われるとそういうわけではなく、「Cランチ=定番のワンプレートランチ」を象徴する記号的なメニューと捉えましょう。
当店の「Cランチ」のラインナップは唐揚げ・チキン南蛮・豚しょうが焼き・トンカツ・目玉焼き・サラダ。これにライス・味噌汁・小鉢のモズク酢まで付くという圧倒的なセット内容です。店内のゲストの半数以上がこの「Cランチ」を注文していました。
ちなみに沖縄の食堂のトンカツは、本土のものと異なり薄く平べったい形状が特徴的です。厚みを抑えた肉を広げて揚げることで、衣の面積が広くなりサクサク感が全体に行き渡っており、また、火の通りが早く均一に仕上がるため、肉が硬くなりにくいのも利点です。複数のおかずが並ぶCランチのワンプレートにも収まりやすく、他のおかずと一緒にバランスよく食べられる合理的なスタイルと言えるでしょう。
サラダもしっかりと盛り込まれています。揚げ物が多いCランチの中で、口の中をリフレッシュさせる大切な役割を担っており、ドレッシングもたっぷりと注がれ安定感のある味わいです。
ふっくら炊き上がった白米は、濃いめの味付けのおかずを受け止める土台。チキン南蛮や豚しょうが焼きなどの甘辛系おかずと特に相性が良く、自然とお箸が進みます。もちろんお代わりOKです。
お味噌汁は玉ねぎ。加熱された玉ねぎは辛みが飛び、とろりとした甘さが味噌の塩気と調和します。揚げ物続きの口をほっとやわらげてくれる、食卓の締めくくりにふさわしい汁物です。
沖縄の食堂は費用対カロリーは素晴らしいものの味はパっとしないことが多いのですが、当店はきちんと美味しい。ゴーヤチャンプルーや沖縄そば、タコライスなど沖縄の定番アイテムも取り揃えられており、栄町市場の周辺でお腹いっぱい沖縄の定食を楽しみたいときにピッタリのお店でしょう。おなかを空かせてどうぞ。

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