江戸川橋駅から歩いて7-8分の場所にある「中華 汀(みぎわ)」。四川料理をベースにした中華料理店であり、店名は「波打ち際」を意味します。ちなみにこのあたりは山吹町と言って古くからの住宅地と印刷会社をはじめとする中小規模のオフィスビルが緊密に混在する、独特の産業集積地域です。
お店はカフェの居抜きだそうで、カウンターに5席とテーブルが2卓をワンオペで取り仕切ります。江崎祐弥シェフは四谷三丁目「峨眉山」や神楽坂「芝蘭」で経験を積んで独立。実家も四川料理店だったそうです。ランチの定食は千円台で楽しむことができ、昼だけで何と3回転もするそうです。
定番のビールやサワー類のほか、紹興酒などの中国料理店らしいお酒も充実しています。私は自家製のレモンサワーがお気に入りで、揚げ物にピッタリでした。
前菜5種盛り合わせ。よだれ鶏や押し豆腐のスタンダードナンバーの美味しさは当然として、私は手前の生のカツオを発酵させた何かで和えたブツがお気に入り。発酵による旨味成分がカツオの持つ磯の風味と重なり合い、互いを引き立てる奥行きのある味わいを生み出します。
春巻。外はパリッと、中はジューシーな具材がたっぷりで王道の味わい。ストイックな四川料理店ではあまりお目にかかれない点心ですが、当店は普通の日本人の味覚や食生活に寄り添ってくれているのが嬉しいですね。
唐揚げの山椒唐辛子炒め。鶏肉には福岡が誇るブランド鶏「はかた地どり」を用いており、適度な歯ごたえと濃い旨味が特長的。唐揚げにすることで外側はカリッと香ばしく、内側には肉汁がしっかりと閉じ込められます。そこに山椒の持つしびれるような清涼感と、唐辛子の鋭い辛さが鶏の旨味をぐっと引き立て、箸とビールが止まらない。
担々麺。スープは香り高いゴマを土台に旨味豊かな出汁を合わせており、刺すような刺激は控えめ。肉味噌を徐々に溶かしながら、麺に絡めながら、味覚のグラデーションを楽しみます。この料理をランチで楽しんで千円台で済むとは、山吹町の住人は幸せ者である。
以上を食べ、そこそこ飲んでお会計は6-7千円といったところ。本格派でありつつも、「ガチ中華」と呼ばれる昨今の本場忠実再現型のブームとは距離を置き、一般的な日本人が気を張らずに楽しめるのがいいですね。過度に刺激的ではない、日常に溶け込む緩やかな四川料理。近いはランチにお邪魔して、麻婆豆腐の定食を試してみたいと思います。
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それほど中華料理に詳しくありません。ある一定レベルを超えると味のレベルが頭打ちになって、差別化要因が高級食材ぐらいしか残らないような気がしているんです。そんな私が「おっ」と思った印象深いお店が下記の通り。
- チャイナハウス龍口酒家(ロンコウチュウチャ)/幡ケ谷 ←東京の10,000円以下の中華だとダントツ好き
- 中華銘菜?陽(センヨウ)/東高円寺 ←率直に美味しくアラカルト可なのが嬉しい
- サエキ飯店/目黒 ←切れ味抜群
- ShinoiS(シノワ)/白金台 ←めちゃ美味しいんだけれど高いんだよなあ
- 4000 Chinese Restaurant/西麻布 ←王道中の王道の中華料理ですげえ旨い
- センス(Sense)/日本橋 ←あれだけ香港に通い詰めた結果、日本の飲茶が一番とは実に複雑な心境
- 南方中華料理 南三(みなみ)/四ツ谷 ←素晴らしい、何も言うことは無い
- 蓮香(レンシャン)/白金高輪 ←日本人が一般に想像する中華料理のイメージを打破する多彩な魅力
- 中華バル 池湖(いけこ)/渋谷 ←度を越した費用対効果
- 紫玉蘭/麻布十番 ←税込800円は神のなせる業
- VELROSIER (ベルロオジエ)/河原町(京都) ←フランス料理みたい
- 開化亭(かいかてい)/岐阜駅 ←過剰なものは何も無く、足りないものも何も無い
- Mott 32(卅二公館)/中環(香港) ←この中華料理はちょっと東京には無い
- Lung King Heen(龍景軒)/中環(香港) ←総合力という意味では香港における飲茶で私的ナンバーワン







