パンツェロッテリア(PANZEROTTERIA)/松濤

渋谷区松濤にあるパンツェロッティ専門のイタリアン「パンツェロッテリア(PANZEROTTERIA)」。パンツェロッティとはイタリア南部発祥の揚げピザのことを指し、生地で具材を包んで揚げる料理。彼の地ではファストフードとして親しまれるものを食事として丁寧に仕立て直しています。
店内は落ち着いたグリーンと白のカラーコーディネーションにストライプやミラーで彩られたモダンな雰囲気。カウンター席がいくつかにテーブル席の用意があり、看板犬のお出迎えに思わず頬が緩みます。
ビールやグラスワインはいずれも千円強といったところ。ワインはイタリアのものが多く、オーナーのシニョーレ西正博はミラノやニューヨークで約25年間を過ごしたそうで、帰国のタイミングで当店を開業したそうです。
熟成ハム各種盛り合わせ。個性の異なるハムが揃い、それぞれの塩味・甘み・脂の旨みの違いを食べ比べます。添えられた白いのはニョッコ・フリット。小麦粉生地をひと口大に揚げたものでハムと合わせて食べると熱でジワりと脂が溶け出し、ワインが進むのなんのって。
トロマグロのタルタルステーキと野菜サラダ。脂の乗ったマグロの濃厚な旨みと滑らかな舌触りを楽しむひと皿。野菜には敢えてドレッシングを用いず、コショウ、白バルサミコ酢、オリーブオイルをテーブルでセルフにかけるスタイルです。
旬のフランス産ホワイトアスパラガス。パンツェロッティ生地で包んでふかすという当店流の調理です。ホワイトアスパラガスの強い甘みと瑞々しさをそのまま閉じ込めており、生地はアスパラガスのエキスを余すところなく吸い込んでおり美味。たっぷりとのせられた生ハムが塩気と深みを加え、アスパラガスの甘さと心地よい対比を生みます。
パンツェロッティは数十種類のフレーバーが用意されているのですが、今回は「5種類のキノコとチーズとクリームソース」を選択。個性豊かな5種のキノコを、芳醇なクリームソースとチーズとともに生地に包み、揚げることで中はとろりと濃厚なフィリングに仕上がります。ファーストフードの枠を超え、「食事」としてのパンツェロッティの真髄を体験できる看板メニューと言えるでしょう。
以上を食べ、軽く飲んでお会計は1万円強。オーナーの気さくな人柄と看板犬の存在が、店全体に柔らかな空気を漂わせています。渋谷の喧騒から少し離れた立地が、この居心地の良さを守っているのかもしれません。次は肉料理や魚料理にも手を伸ばしてみたいところ。それでも最後は、チーズたっぷりのパンツェロッティで締めると決めています。

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