老舗のもつ焼き屋であり、レモンサワーの発祥の店として全国的にも有名な「もつやき ばん」。「株式会社ばん」として組織的な多店舗展開を推し進めていますが、あくまで直系は祐天寺のコチラであり、大人の事情が色々とあるようです。細かいことは私は知らない。
15:00の開店と同時に満席となる圧倒的な集客力を誇る当店。私は平日の16時頃にお邪魔したのですが、たまたま「いま片付けるから~」のタイミングで着席できました。軒先で待っている段階でファーストドリンクを聞かれ、座ると同時に全てがセッティングされています。ちなみにゲストは全員が男であり、一体みんな何の仕事をしているんだろう。
主題のレモンサワー。焼酎と氷が入ったジョッキ、炭酸(ハイサワー)、そしてカットレモンが別々に出てきて、自分でレモンを絞って作るスタイルです。飲み終わったレモンの皮を卓上に高く積み上げていくのが当店の作法です。中(焼酎)や外(炭酸)を個別に追加注文できるので、自分のアルコール耐性と相談しながら飲み進めましょう。
ガツ刺し。豚の胃袋(ガツ)をボイルし、薄切りにして提供する冷菜メニューです。ガツならではの独特なコリコリとした小気味よい歯ごたえ。レモンサワーにも良く合います。
ほうれん草のゴマ和え。一般的な白ごまの和え物と異なり、黒ごま特有の力強い香ばしさと、独特のコクのある風味が前面に出ています。ありそうでないアレンジ。この黒ゴマスタイルは世界でもっと流行っていいと思う。
生カツオ刺し。もつ焼きが主役の当店ですが、意外に魚介類も充実しています。カツオ特有の赤身の濃厚な旨味と生ならではのモッチリとした食感を楽しみましょう。売り切れ御免の人気商品であるため、見つけたらすぐ注文。
もつ焼きは基本的に1串100円。「そろそろハラミが無くなりますよ~」との煽り文句に素直に乗ります。赤身肉に近い肉質ながら適度な脂肪分も含まれており、ジューシーで強い旨味を楽しみます。
スペシャリテの「とんび豆腐」。トンビとは豚の尾、すなわち豚のしっぽであり、ピリ辛でスパイシーな出汁をベースに骨から肉がホロホロと外れるほど時間をかけて煮込んでいます。っていうか尻尾に骨ってあるんだ。
こちらも看板メニューの「レバカツ」。薄く伸ばしたレバーをカラッと揚げ、濃厚なソースにドップリくぐらせています。ソースの酸味が強くレバーというよりもソースを飲んでいるという感覚です。
串焼き、続く。左からタン、ハツ、軟骨つくね。いずれも豚肉であり、豚の軟骨を織り交ぜたつくねというのは中々に珍しい。いずれも1本から注文できるのが嬉しいですな。
アジフライ。肉厚なアジを用いており、サクサク・ザクザクとした食感が心地よい。これで200円とは大変お値打ちであり、スーパーの総菜よりも安くつく計算です。
以上を食べ、軽く飲んでお会計は4千円弱と実に良心的。中でもアルコールが安いですね。冒頭の生レモンサワーは450円ですら安いのに、赤星の大瓶が580円と仰天価格。私の知る限り、世界で最も赤星の大瓶が安い飲み屋です。不動前の中瓶が1,100円の焼鳥屋は何だったんだろうと、資本主義のミステリーに深く思いを馳せてしまいました。
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「東京最高のレストラン」を毎年買い、ピーンと来たお店は片っ端から行くようにしています。このシリーズはプロの食べ手が実名で執筆しているのが良いですね。写真などチャラついたものは一切ナシ。彼らの経験を根拠として、本音で激論を交わしています。真面目にレストラン選びをしたい方にオススメ。
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