中野坂上の完全予約制「むかん」の直系2号店「中華蕎麦 無冠(むかん)」。一時期は人気過熱のため完全事前ネット予約制を導入していましたが、現在は予約なしでも入店可能になりました。五反田駅から徒歩4分ほど。私の推しの酒場「焼きとん酒場 かね将 本店(かねしょう)」のすぐ近くです。
店内はカウンター6席のみの狭小店舗。ほんとびっくりするぐらい狭いので、大きな荷物どころかリュックの持ち込みも難しいレベルです。人もすれ違えないほどの狭さなので、勝手に入店せずにお店の方の指示を待ちましょう。私は「五反田ブラック牡蠣塩ラーメン」に「味玉」と「肉丼」を注文。合計で1,600円であり、ここまでゴリゴリに牡蠣を用いたラーメンと丼ものを含めてこの支払金額に落ち付くのは大変お値打ち。食べる前からニコニコしてしまいました。
主題の「五反田ブラック牡蠣塩ラーメン」。当店の看板である牡蠣出汁の塩スープをベースに、イカスミのコクを加えた黒いバージョンです。牡蠣の濃厚な旨味に磯の香りが重なり、見た目のインパクトもつよつよ。牡蠣のペーストや磯海苔(バラ海苔)を少しずつスープに溶かし込んでいき、これがイカスミスープと一体化することで、磯の香ばしさが何倍にも膨れ上がります。これは物凄まじいスープである。麺は平打ちの極太縮れスタイルであり、スープの迫力に負けない存在感。モチモチとした抜群の食感を誇りつつ、手揉みによる不規則な縮れが漆黒のスープをこれでもかと強烈に巻き上げ、口に運ぶたびに豊かな海の香りを連れてきます。これはもう、ラーメンというよりも違う次元の食べ物のように感じてきました。 卓上に用意された「ぶどう山椒」を途中で振りかけると、鮮烈で爽やかな香りと心地よい痺れが加わり、また違った表情を見せ始めます。
味玉はデフォで半分付いているのですが、150円で1個追加することができます。半熟でしっかり味の染みたクラシックなタイプであり、濃厚な牡蠣スープの中でも存在感を発揮しています。しみしみで中々の味の濃さなので、続く丼ものに移設して楽しむのも良いでしょう。
肉丼。白ゴハンの上にしっとりとした柔らかな低温調理のレアチャーシューが敷き詰められており、専用のタレをたっぷりかけて頂きます。そのまま食べてももちろん美味しいのですが、残ったスープにぶち込むことでチャーシューの脂の甘みと磯の風味が悪魔合体し、スプーンが止らなくなる背徳的な味わいに。
素晴らしいラーメン、というか、もはや別物の食べ物でした。これだけ潤沢に牡蠣やイカスミを用いた1杯が1,100円とは恐れ入る。そのへんのイタメシ屋が雑なパスタで2-3千円を取ることを考えれば、他担狩りしかねない完成度です。次回はプレーンな「牡蠣塩ラーメン」でプレーンな味わいを試してみたいと思います。
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「東京最高のレストラン」を毎年買い、ピーンと来たお店は片っ端から行くようにしています。このシリーズはプロの食べ手が実名で執筆しているのが良いですね。写真などチャラついたものは一切ナシ。彼らの経験を根拠として、本音で激論を交わしています。真面目にレストラン選びをしたい方にオススメ。







