新橋あたりの勤め人であれば誰もが知る「ビーフン東(ビーフンアズマ)」。1951年(昭和26年)創業の老舗台湾料理店であり、店名の通りビーフンをメインコンテンツに据えた珍しいスタイルです。新橋駅前ビル1号館2階に入居しており、新橋駅から地下で繋がっているためアクセスは良好です。

行列必至とさんざん脅されていたのでピークタイムを外して13時頃にお邪魔すると、並ばずスっと着席することができました。その後も待ち行列が生じることは無かったので、平日ランチであれば13時以降に訪れると効率的でしょう。
ちなみに当店は初代が石川県で日本料理店を営み、明治期に台湾へ渡り日本海軍指定の料亭として営業し、戦後は大阪で「台湾料理 東」を開き、その後新橋に「ビーフン東」を開業するという数奇な運命を辿っているようです。
ランチタイムは「ビーフン」と「バーツァン(ちまき)」のみ。ビーフンは具材の種類に応じて「並」「五目」「蟹玉」の3系統に分かれており、また、スープの有無によって「焼き(汁なし)」と「スープ(汁あり)」を選択することができます。サイズは小盛、一人前、大盛の3段階です。
私は「五目」の「焼きビーフン」を「一人前」でお願いしました。具材は豚肉、エビ、タケノコ、白菜、ニンジンでしょうか。病院食のように薄目の味付けで炒められています。油っぽさも抑えられており、あっさりとした仕上がりです。家庭的というか何と言うか、強い主張はありません。
ビーフンは伝統的なケンミン製の米粉麺を使用しており、やはりうっすらと塩気を効かせている程度の調味です。カタメのアジコイメで育った私としては大変すすれました。
スープは「焼きビーフン」を指定した際に自動的に付随するようです。町中華のラーメンのスープのような味わいで郷愁を誘う味わい。ビーフンに比べると調味は強く、ビーフンと合わせて食べてようやく整いましたといったところでしょう。
「バーツァン(ちまき)」は美味しいですね。もち米を醤油系のタレで炊き上げており、中には豚の角煮やうずらの玉子などの具材がギッシリ。成人男性の拳ほどの大きさがあり、ズッシリとした食べ応えがあります。700円と中々のお値段ですが、半分ほどのサイズの「551蓬莱」のちまきが400円程度であることを踏まえれば、納得できる値付けではあります。
ビーフンにちまきを付けてお会計は1,650円。うーん、ちょっと高いなあ。個人的には千円以内に収まって欲しい食後感であり、とりわけビーフンに至っては自分で作ったほうが旨いんじゃね感がありました。ミナミの「千とせ」の「肉吸い」のように、味そのものより場所と歴史が調味料になっているソウルフード枠なのかもしれません。新橋の街に長く根を張ってきた店の空気を味わいに行く、そういう訪問として位置づけるのが正解なのでしょう。お疲れさまでした。
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それほど中華料理に詳しくありません。ある一定レベルを超えると味のレベルが頭打ちになって、差別化要因が高級食材ぐらいしか残らないような気がしているんです。そんな私が「おっ」と思った印象深いお店が下記の通り。
- チャイナハウス龍口酒家(ロンコウチュウチャ)/幡ケ谷 ←東京の10,000円以下の中華だとダントツ好き
- 中華銘菜?陽(センヨウ)/東高円寺 ←率直に美味しくアラカルト可なのが嬉しい
- サエキ飯店/目黒 ←切れ味抜群
- ShinoiS(シノワ)/白金台 ←めちゃ美味しいんだけれど高いんだよなあ
- 4000 Chinese Restaurant/西麻布 ←王道中の王道の中華料理ですげえ旨い
- センス(Sense)/日本橋 ←あれだけ香港に通い詰めた結果、日本の飲茶が一番とは実に複雑な心境
- 南方中華料理 南三(みなみ)/四ツ谷 ←素晴らしい、何も言うことは無い
- 蓮香(レンシャン)/白金高輪 ←日本人が一般に想像する中華料理のイメージを打破する多彩な魅力
- 中華バル 池湖(いけこ)/渋谷 ←度を越した費用対効果
- 紫玉蘭/麻布十番 ←税込800円は神のなせる業
- VELROSIER (ベルロオジエ)/河原町(京都) ←フランス料理みたい
- 開化亭(かいかてい)/岐阜駅 ←過剰なものは何も無く、足りないものも何も無い
- Mott 32(卅二公館)/中環(香港) ←この中華料理はちょっと東京には無い
- Lung King Heen(龍景軒)/中環(香港) ←総合力という意味では香港における飲茶で私的ナンバーワン






