1985年にオープンし、多くの業界人やビジネスマンの胃袋を支えてきた「六本木のソウルフード」とも呼べるラーメン店「天鳳(てんほう)」。東京ミッドタウンの真向かいの雑居ビル1階に位置します。
店内はカウンター6席に4人掛けテーブルが4卓。かつて厨房には巨大なドラム缶が鎮座し、そこで大量の豚骨や鶏ガラを煮出すスタイルがとられていたそうですが、現在は撤去されています。また、かつては昭和の職人気質を地で行く厳格な店主がゲストに睨みをきかせていたそうですが、現在は東南アジア系の外国人スタッフを中心に運営されており、皆、仲良く楽しそうに働いています。
旭川ラーメンをルーツに持つ「醤油ラーメン」が看板メニューですが、私は「みそチャーシュー麺」を注文。「一三五(いちさんご)」と呼ばれるカスタムが定番で、「麺硬め・油こってり・味濃いめ」を意味します。
チャーシューは近年のとろけるバラ肉系ではなく、昔ながらのしっかりとした肉質(主にモモ肉など)で、脂身は少なめ。そのまま食べるとややパサつきを感じますが、スープに沈めておくとラードとスープを吸い込み、ジューシーな肉へと変化します。量もたっぷりだ。
スープは表面を分厚いラードの層が覆っており熱々。豚骨ベースにキレのある味噌ダレを合わせており、ガツンとした塩気と味噌の香ばしさが舌を直撃します。今回は控えましたが、これは白ゴハンに合いそうだ。
麺は札幌ラーメンの代名詞とも言える「西山製麺」から空輸されるそうです。鮮やかな黄色味を帯びた中太の縮れ麺でゴワッとした独特の剛性があり、噛み切る瞬間にプツンと弾けるような抵抗感が印象的。この強烈な縮れ麺が、粘度の低いスープと大量のラードを物理的に絡め取ります。
美味しかった。六本木で、あれだけ肉がラーメンが1,400円とは良心的。プレーンな「醤油ラーメン」であれば千円を切る価格設定であり、なるほど長きにわたり六本木の民に支持されてきた理由がよく分かりました。次回は「醤油ラーメン」を注文してみよう。もちろん合言葉は一三五です。
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六本木は難しい街です。おっと思えるリーズナブルな店から、高くてギラギラしてるだけのハリボテのようなお店も多い。私が好きなお店は下記の通りです。
- ビストロ マ・キュイジーヌ (BISTRO Ma Cuisine) ←六本木でビストロと言えば当店で決まり。
- 洋食ビストロTOYAMA(とおやま) ←全てにおいて誠実さが感じられる食体験。
- ブーケ・ド・フランス (Bouquet de France) ←がっしりと真正直で骨太なフランス料理。
- ル ブルギニオン ←質実剛健これが本物のフランス料理。
- エディション コウジシモムラ ←スペシャリテの牡蠣は必食。
- クッチーナ アッラ バーバ(Cucina alla Baba) ←老眼鏡が必要なほどメニューが豊富。
- ウルフギャング・ステーキハウス ←ランチのハンバーガーが絶品。
- 52(ゴニ) ←六本木深夜メシの決定版。
- ラ スフォリーナ ←六本木のきちんと美味しいイタリアンでこの費用対効果は素晴らしい。
- Reglisse (レグリス) ←謎のコスパの良さ。洋食推しなのも面白い。
- ラ ブリアンツァ ←全体を通して気前が良い。
「東京最高のレストラン」を毎年買い、ピーンと来たお店は片っ端から行くようにしています。このシリーズはプロの食べ手が実名で執筆しているのが良いですね。写真などチャラついたものは一切ナシ。彼らの経験を根拠として、本音で激論を交わしています。真面目にレストラン選びをしたい方にオススメ。






