国際通りのコレクティブ脇から公設市場方面に下った路地、通りすがりの客は皆無な立地に開業した「酒とご飯の部屋 余白(よはく)」。25歳以上限定という年齢制限を設けた飲み屋として耳目を集めました。私の推しのイタリアン「JOJO'S南イタリアの家庭料理バル」のすぐ近くです。
店内の座席構成は13-14席のカウンターのみに限定されており、2人での利用客が殆どです。ただ、カウンターの一角を向かい合わせで利用できる工夫がなされており、小規模なグループであればギリ可能かもしれません。客層につき、なるほど年齢制限を設けているだけあって飲み方がキレイな善男善女が多い気がしました。もちろん私を含めてです。
ビールは沖縄では珍しくマスターズドリームが置かれていました。サーバーのメンテナンスやグラスの取り扱いもきちんとしており、世界で最もマスターズドリームをコスパ良く飲める店かもしれません。他方、プロが監修しているとは記されていましたがワインに対する理解はまるで無く、どす黒い赤ワインをキンキンに冷やしていたり、樽のきいたシャルドネが売り切れた際の代替案がリースリングとデラウェアだったりと、ワインについてはトンチンカンな運用でした。
前菜の盛り合わせ。日本料理の八寸を思わせる視覚的美しさが特長的で、沖縄の旬の野菜や地元の山海の幸が少しずつ、しかし丁寧に盛り付けられています。もちろん前菜のそれぞれを単品で注文することも可能です。
刺身の盛り合わせ。ただ切って出すのではなく、素材ごとに最適な調味が施されています。特に印象的な「胡麻ぶり」は、脂の乗ったブリに濃厚な胡麻のコクと醤油のキレが絶妙に絡み、薬味のアクセントが身の甘みを引き立てます。
おでん盛り合わせ。ポトフのような洋風の佇まいであり、出汁は素材の旨味が凝縮された黄金色で、最後の一滴まで飲み干したくなる優しさがあります。特筆すべきは「エビ団子」で、叩いた身だけでなく海老がそのままゴロリと入っており、プリッとした力強い弾力と濃厚な海老の風味が口いっぱいに広がります。
餃子はカウンター越しに目の前で包みたてを焼き上げるライブ感あふれるひと品。皮はパリッと香ばしく、中からは野菜の甘みが溶け出したジューシーな餡が溢れ出します。野菜の比率が高いため後味は驚くほど軽やかです。
豚ヒレデミカツ。沖縄県産の良質な豚ヒレ肉を贅沢に使用し、濃厚なデミグラスソースで仕上げています。衣のサクサク感と、じっくり煮込まれた深みのあるデミグラスが絡み合い、噛むたびに沖縄の豚らしい力強い旨味が広がります。料理は旨いのに、キンキンに冷えたアメリカのカベルネソーヴィニヨンに合わせなければならないのが辛かった。
〆の食事として沖縄の家庭料理である「そうめんタシヤー」を注文。海苔の香ばしさと釜揚げシラスの程よい塩気が心地よく、また麺はダレることなく絶妙なコシを残しています。
ちなみに「そうめんタシヤー」と「そうめんチャンプルー」は、基本的には同じ料理を指しますが、厳密には言葉の定義が異なります。「タシヤー」は具材を油で炒める調理法を指し、本来豆腐を入れない炒め物の呼び名であって、この料理は「タシヤー」と呼ぶのが正解。他方、「チャンプルー」は本来、豆腐と野菜の炒め物を指すのですが、「チャンプルー」という言葉が全国的に有名になったため、現在では豆腐の有無に関わらず、この名称が広く一般的に使われるようになりました。
デザートに「黒糖ラムショコラグラッセ」を注文。いわゆる生チョコ的な冷製スイーツであり、ショコラの滑らかな口溶けとともにラム酒の華やかな香りが鼻に抜けていきます。黒糖特有のコクのある深い甘みがカカオのビターな風味と上手く調和し、単なる甘味に留まらない複層的な味わいを生み出しています。これにはキンキンに冷えたアメリカのカベルネソーヴィニヨンがまあまあ合って、何とか伏線を回収できました。
以上を食べ、そこそこ飲んでお会計はひとりあたり9千円ほど。周辺のセンベロ文化圏とは一線を画す価格帯であり、謎めいた立地や年齢制限にそれらを許容するオトナな客層と、那覇の居酒屋としてはかなり尖ったコンセプトに感じました。恵比寿の「創和堂(SOWADO)」みたいと言えば分かり易いでしょうか。沖縄にはあまりない雰囲気のお店なので、予約の取れない人気店になる気配を感じました。ツイート
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沖縄通を気取るなら必ず読んでおくべき、大迫力の一冊。米軍統治時代は決して歴史のお話ではなく、今の今まで地続きで繋がっていることが良くます。米軍の倉庫からかっぱらいを続ける悪ガキたちが警官になり、教師になり、ヤクザになり、そしてテロリストへ。沖縄戦後史の重要な事件を織り交ぜながら展開する圧巻のストーリー構成。オススメです。
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