La Cage du Coq Restaurant(ラ カージュ デュ コック)/ヴィエンチャン(ラオス)

旧フランス領時代の歴史的名残により、ヴィエンチャンにはフランス料理店が多い。現代においては本格的なフランス料理が他国よりも大幅に安く楽しむことができ、また、大使館関係者や駐在員など在住欧米人のコミュニティが日常的に利用するため、質の高さが維持されています。この日訪れた「La Cage du Coq Restaurant(ラ カージュ デュ コック)」もフランス人がオーナーの人気のビストロのうちのひとつです。
店内は木材の素材感とモダンなデザインが調和しており、壁一面の本棚や中央の柱を囲むユニークな席が印象的。またテラス席の用意もあり、欧米人にはコチラが人気。ただし屋外席特有の課題として蚊の存在からは避けられず、各テーブルの下に蚊取り線香が設置されるなどの対策が取られているものの、そもそも蚊取り線香の煙がワインの香りの邪魔になるという意見もあります。
蚊取り線香の煙もアレだし、わざわざラオスでワインを飲む必要はないかとも思い、地元のビールを楽しむことにしました。ビールは割安だがワインは他国で飲むのとそんなに値付けは変わらないから、という気持ちもあります。
私は前菜にヤギのチーズのサラダを頂きました。このチーズはラオスの自然豊かな景勝地・バンビエンにある有機農場で作られた希少な国産ヤギチーズとのこと。いわゆる「シェーブル ショー」のスタイルであり、温めることでチーズの香りが立ち、食感はよりクリーミーに。特有のクセは控えめで、爽やかな酸味と濃厚なコクが楽しめます。
連れの前菜は野菜のミルフィーユ仕立てのモッツァレラグラタン。じっくりと火を通し、素材の甘みを引き出した野菜をミルフィーユ状に重ね合わせたひと品。野菜の層の間には旨味が凝縮されたトマトソースやハーブが馴染み、トップにはたっぷりのモッツァレラチーズを乗せてこんがりとグラタン仕立てにされています。
私はメインに牛フィレ肉のロッシーニ風を頂きました。作曲家ロッシーニが愛したとされる料理であり、柔らかな牛フィレ肉のステーキの上に、表面をカリッと香ばしく、中はトロトロにソテーしたフォアグラを乗せています。付け合わせのフライドポテトもフランスで食べるフリットそのもの。フォアグラのサイズは少な目ですが、このひと皿が25USDなのだから文句を言ってはなりません。
連れのメインは鴨のコンフィ。当店の看板メニューであり、鴨の骨付きモモ肉を低温の油で長時間煮込み、肉をホロホロに柔らかく仕上げるフランス南西部の伝統料理です。仕上げに皮目をパリッと焼き上げており、ナイフを入れた瞬間のサクッとした食感と、中のジューシーな肉質のコントラストがたまりません。

ちなみにメニューには「Left duck leg confit」とあったのですが、これは家禽類は休む際に片足で立つ習性があり、軸足ではない方の脚(左脚)の方が肉質が柔らかい、との俗説に基づいたユーモアでしょう。
以上を食べ、軽く飲んでお会計はひとりあたり4千円と少し。東京で同等の食事を摂れば1万円超えは確実なクオリティであり、信じがたい費用対効果の高さです。これだけレベルの高いフランス料理に日常的に接することができるのであれば、暫くヴィエンチャンに住むのも悪くないなと思うほど。

支払いが現金のみなのがちょっと不便で、やはり旅行者というよりも、ヴィエンチャンで生活する人向けのレストランなのかもしれません。手持ちの現金を事前に確認し、充分なキープをキープをして訪れましょう。

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