とうふ家 Beans(とうふや ビーンズ)/首里(那覇市)


沖縄のソウルフードである「ゆし豆腐」を、伝統への深い敬意と現代的な独創性をもって再解釈し、新たな食文化として昇華させたことで耳目を集めた「とうふ家 Beans(とうふや ビーンズ)」。首里城公園の近くに位置し、大きく「豆」と染め抜かれた日除け暖簾が目印です。
店内はカウンター席がいくつかとテーブル数卓のみ。それもそのはず、手作りの「ゆし豆腐」は1日に40食ほどしか作らないとのことなので、このサイズ感で充分なのでしょう。店主のルーツは祖父母が営む豆腐店にあり、そこで得た知識と自身の料理人としてのキャリアを武器に、2012年に当店を開きました。
この店の中心的なコンセプトは、沖縄の郷土料理である「ゆし豆腐」を現代風にアレンジし、子供から年配者まで、あらゆる世代に愛される料理として提供することにあり、メニュー表には「マーボー」や「トマトチーズ」など現代的で魅力的なフォーマットが並びます。
私は「キムチチゲゆし豆腐」を注文。単品で850円で、プラス50円でゴハンも付けることができます。プラス250円だとその他のオカズも色々と付くようです。写真の小鉢は自動的に付帯するもので、シャキシャキとした食感を残しつつも柔らかく仕上げられたゴボウ。マヨネーズ調のソースは過度にこってりしておらず、まろやかで優しい酸味がゴボウの土の香りと調和しています。
キムチチゲゆし豆腐。定番のゆし豆腐が、食欲をそそる韓国風チゲに生まれ変わったひと品。アサリや豚肉から出た濃厚な魚介と肉の旨味が、キムチの酸味と辛味と一体となり、深みのあるスープを形成しています。野菜もたっぷりで食べ応え十分。ああ、やっぱりゴハンもお願いすれば良かった。体を芯から温め、ご飯が何杯でも進んでしまう、刺激的かつやみつきになる味わいです。
主役のゆし豆腐は、その辛旨なスープをたっぷりと吸い込みながらも、自身の持つ大豆の甘みを失っていません。型に入れて圧力をかける工程を経ないため、茶碗蒸しのようにフワフワな口当たり。量もたっぷりで、ヘルシーでありながらも確かな満足感を得ることができます。
美味しかった。何より首里城という世界的な観光地のすぐ近くにありながら 、この店は安易な観光地食堂になることを選ばなかった姿勢が素晴らしいですね。売り切れ仕舞いというのは県外客にとっては痛手ですが、品質を保つための施策ということを理解し、首里城観光前のエネルギー補給に訪れましょう。おから等の副産物や豆腐を用いたスイーツなども販売されており、テイクアウトという作戦もアリでしょう。

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沖縄通を気取るなら必ず読んでおくべき、大迫力の一冊。米軍統治時代は決して歴史のお話ではなく、今の今まで地続きで繋がっていることが良くます。米軍の倉庫からかっぱらいを続ける悪ガキたちが警官になり、教師になり、ヤクザになり、そしてテロリストへ。沖縄戦後史の重要な事件を織り交ぜながら展開する圧巻のストーリー構成。オススメです。