那覇市小禄にある「垣花食堂(かきのはなしょくどう)」。青く塗られた建物にオレンジ色のテント看板が映える、これぞ沖縄の食堂です。このあたりでは老舗オブ老舗であり、沖縄タイムスの運転手チームによる「今日もがっつり!運転手メシ」でも取り上げられました。ゆいレールの奥武山公園駅と小禄駅の間に位置し、奥武山公園駅からは歩いて5分ほどです。臨時休業が多く閉店の時間も適当なので、私は何度も店先で涙を飲んだことがあります。営業中か確認するにも電話番号は非公開というハードモード。
店内はテーブル席と小上がり、厨房との仕切りカウンターと、まさに沖縄の食堂といった風情。壁一面に貼られた、色褪せた短冊メニューが、この店が積み重ねてきた歴史を雄弁に物語ります。
隣のテーブルでは近所のオジィたちが酒盛りしており、流れで私も会話に加わり、事情聴取に近い形で私の身辺を洗いざらい聞かれました。「カメー」とミカンを渡されましたが、持ち込みの食品を店内で食べてよいものかと逡巡する。
メニューに並ぶのは奇をてらった創作料理ではなく、沖縄の家庭で長年愛されてきた、素朴で心温まる料理の数々。私は「焼きそば」を注文。お味噌汁が付いて650円です。「焼きそば」の具材はキャベツにニンジン、タマネギ、豚肉と古典的。野菜のシャキシャキ感がアクセント。
麺は沖縄の食堂らしく、沖縄そばのモチモチとした平麺を使用。調味はソースが支配的で、甘酸っぱい風味が麺によく絡みつく。どこか懐かしい王道の味わいです。ボリュームもたっぷりだ。
お味噌汁は味噌が濃厚で塩気も強め。ちなみに沖縄の食堂において「みそ汁」を単品注文した場合は、土井善晴的な具沢山のスープが主食として登場します。
オジィたちは泡盛を飲むための氷代を100円払うか払わないで揉めており、これは長くなりそうだとオバァにお会計をお願いするのですが、その際に「くぬようないしわーむんに なったら いかんよー(こんなケチになったらいけないよ)」と忠告を受けました。沖縄での生活は楽しい。なぜなら、それが沖縄だからだ。
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