やきとり酒場55(ゴーゴー)/京急蒲田店

ここのところフライトの前後に蒲田に立ち寄ることがマイブームであり、この日は京急蒲田駅すぐ近くの「やきとり酒場55(ゴーゴー)」にお邪魔しました。平日は15時から、土日祝は正午から営業している使い勝手の良い店であり、アーケード内にあるため雨の日でも濡れることがないのが嬉しい。
早い時間にお邪魔したためガラガラの空き空き。国際色豊かなスタッフは皆、感じが良く、仲の良い雰囲気に満ちており気持ち良く食事を楽しむことができます。他方、当店は全席が喫煙可というポリシーで、非喫煙者や家族連れという市場を「捨てる」という経営判断を下す代わりに喫煙者層という特定のセグメントを「総取り」する戦略を採っていることを理解して訪れましょう。
私は日本酒やワインなどを楽しんだのですが、いずれもジャブジャブのタップタプに注いでくれる気前の良さがあり、メニュー表に記された金額以上のお得感があります。また、飲み放題プランもあるようで、良く飲むグループであればソチラを選択したほうが楽しいでしょう。
薩摩地鶏のたたき。地鶏ならではの力強い食感と凝縮された旨味を堪能できるひと品で、チッとした弾力のある強い歯ごたえがあり、噛みしめるほどに薩摩地鶏が持つ濃厚な肉汁と、上質な脂の甘みが溢れ出してきます。蒲田の雑な飲み屋でこのレベルの地鶏が出てくるとは驚きである。
蒸し鶏ネギサラダ。新鮮なレタスにシャキシャキとした食感の白髪ネギをたっぷり食べて飲みベ全開。他方、主役の蒸し鶏そのものはパサついており、不味くはありませんが値段相応の味わいです。当店で胸肉とは距離を置こうと決意した瞬間です。
鶏皮ポン酢。鶏皮を丁寧に茹で上げ、クニュクニュプルプルとしたコラーゲン質特有の弾力ある歯ごたえが支配的。ポン酢のシャープな酸味が淡白な鶏皮の味わいをキリッと引き締めます。
伊達鶏のモモ肉。伊達鶏と言えば焼鳥界隈の最高峰「鳥しき」の代名詞ですが、今やその門戸は広がっているようです。適度な歯ごたえと鶏本来のコクや甘みが強く、下手な「鳥しき」系列よりも余程美味しい。唐揚げもかくやという大ぶりサイズでのカットであり、食べ応えも抜群です。
新鮮さが命のレバーですが、臭みがまったく無い一方で、濃厚なコクと独特の甘みが感じられます。パサパサ感とは無縁のクリーミーな舌触りが特長的で、この1本が230円とは凄まじい企業努力と言えるでしょう。
ネギマとモモは大山鶏でご用意頂きました。先の伊達鶏とはまた違った魅力があり、いくぶんサッパリと肌理細やかな肉質を楽しみます。皮目はパリッと香ばしく焼かれ、身はふっくらとジューシーに仕上がっています。このクオリティの焼鳥が1本290円とは蒲田の奇跡と言えるかもしれません。
以上を食べ、軽く飲んでお会計は4千円。フライトのついでに予約ナシで訪れたにしてはレベルの高すぎる焼鳥でした。串焼き以外のツマミも多く、品質と価格のバランスを追求したネオ大衆酒場。コース料理や鍋、飲み放題もあるので、飲み会にも大活躍。次回は大勢で訪れてみたいと思います。

食べログ グルメブログランキング


関連記事
焼鳥は鶏肉を串に刺して焼いただけなのに、これほどバリエーションが豊かなのが面白いですね。世界的に見ても珍しい料理らしく、外国人をお連れすると意外に喜ばれます。
素人にとっては単に串が刺さった鶏肉程度にしか思えない料理「焼鳥」につき、その専門的技術を体系的に記しています。各名店のノウハウについても記されており、なるほどお店側はこんなことを考えているのかという気づきにもなります。