久茂地で週に2日だけ現れる間借りカレーとして耳目を集めた「穀雨カレー(こくうかれー)」。現在は首里に根を下ろし、路面店として営業を開始しています。ゆいレールの首里駅から汀志良次町と歩を進めて数分、「てぃしらじそば」の斜向かいあたりに位置します。
店内はブラウンを基調としたカフェっぽい雰囲気で、実際「てぃらCafe」という施設に入居しているという位置づけのようです。
メニューにつき、単品のカレーやあいがけなども用意されているのですが、私はの日のメニューに並ぶ4種類全てのカレーと、全種類のトッピングが一つのプレートに盛り付けられた「The Universe(ザ ユニバース)」を注文。1,600円のところ、サラダの用意が無いため100円引きで対応して下さいました。
この日のカレーは「浅利と鶏むねのココナッツキーマ」「ポークヴィンダルー」「穀雨カリー」「バターチキンカリー」の4種。これに加え、「半熟卵のアチャール」を始めとする各種アチャール(インド風の漬物)にライスが付きます。「半熟卵のアチャール」は、ほんのり酸味の効いたタレに漬け込まれた半熟卵であり、黄身のまろやかなコク後を引く美味しさ。自宅の冷蔵庫に常備したいくらいです。
「浅利と鶏むねのココナッツキーマ」の部。浅利の豊潤な魚介の旨味と、ココナッツミルクのクリーミーで優しい甘さが絶妙に調和したキーマカレーです。どこか南国のエスニックな雰囲気を感じさせつつも、和の出汁文化にも通じるような、丁寧で優しい味わいです。
店の名を冠した「穀雨カリー」の部。南インドのスタイルをベースにしたチキンカレーだそうで、スパイスの華やかな香りを持ちつつも、どこか親しみやすく、万人が美味しいと感じるであろうバランス感覚。辛さは程よく、じんわりと汗がにじむ心地よい刺激が心地よい。
定番の「バターチキンカリー」。バターと生クリームが織りなす濃厚でクリーミーな北インドカレーの代表格。スパイス感はありつつも辛さは非常にマイルド。濃厚でありながら後味はしつこくなく、鶏肉の旨さが活きたひと品です。ポークヴィンダルー 。豚肉の力強い旨味とビネガーが生み出すシャープな酸味、そしてガツンと効いたスパイスの辛さが一体となった、インド・ゴア地方発祥のカレーです。豚肉は長時間煮込まれているのか実に柔らかく、口の中でほろほろと崩れます。ただ辛いだけでなく、複雑なスパイスの香りと豚肉の甘い脂が溶け込み、酸味・辛味・旨味が上手く調和しています。
ライスは日本米なのか、ほどよい粘りと甘みが感じられ、サラサラとしたカレーソースとよく絡みながらも、お米ひと粒ひと粒の食感をしっかりと感じられるように仕上がっています。ターメリックと共に炊き上げることで、食欲をそそる美しい黄金色と、カレーの風味を邪魔しないほのかな香りを加えています。美味しかった。「ゴカルナ(Gokarna)」や「ヤマナカリー 別邸」など、スパイスカレーのレベルが妙に高い沖縄でカレー1本で勝負するだけあって、上質オブ上質なカレーでした。他店に比べてフレーバーが多く、色々楽しめるのも嬉しい。首里城観光の前後に是非どうぞ。
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