1946年創業の「新世界菜館(しんせかいさいかん)」。神保町交差点のランドマークとして知られた老舗の上海料理店ですが、このたびビルの建て替えによる一時休業からリニューアルオープンを果たしました。
複数階にわたってダイニングを有しており、少人数でのランチであれば1階に通されるでしょう。壁に沿ってカウンター席も用意されており、ソロ客への配慮がなされています。年配のゲストが多く、正午を過ぎると行列がチラホラ生じ始めます。
私は人気の「五目やきそば」を注文。1,210円です。正統派で上品な味わいのあんかけ焼きそばであり、醤油とオイスターソースをベースにしたコクのある餡が後を引く美味しさ。具材にはエビに豚肉、白菜にタケノコ、キクラゲなどなど「五目」を超えるラインナップです。
麺は細めの縮れ麺で柔らかめ。ところどころ焼き目のついた部分があり、食感にリズムが生まれます。量もたっぷりであり、一般的な焼きそばの2倍近い量があるように思えました。ちなみに油で揚げた麺を用いる「かたやきそば」も美味しそうでした。サイドメニューの焼売は2個で440円。圧倒的な存在感を放つ特大サイズであり、ずっしりとした重量感があります。それでも口当たりはフワフワとしており、肉だけでなく玉ねぎの比率の大きさに由来するのでしょう。下味もしっかりとついており、タレなしでも充分に美味しい。ビールが欲しくなるぜ。
以上を食べて1,600-1,700円といったところ。高級中国料理店のランチがこの支払金額で済むとは良心的です。ちなみに神保町という地域特有のカレー文化に対し、中華技法を応用した「豚角煮カレー」で参入している点も見逃せず、次回はそちらで試してみたい。夜の上海ガニも気になりますが、流石にこれは中国で食べたほうが圧倒的にお値打ちなので、悩ましいところです。
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それほど中華料理に詳しくありません。ある一定レベルを超えると味のレベルが頭打ちになって、差別化要因が高級食材ぐらいしか残らないような気がしているんです。そんな私が「おっ」と思った印象深いお店が下記の通り。
- チャイナハウス龍口酒家(ロンコウチュウチャ)/幡ケ谷 ←東京の10,000円以下の中華だとダントツ好き
- 中華銘菜?陽(センヨウ)/東高円寺 ←率直に美味しくアラカルト可なのが嬉しい
- サエキ飯店/目黒 ←切れ味抜群
- ShinoiS(シノワ)/白金台 ←めちゃ美味しいんだけれど高いんだよなあ
- 4000 Chinese Restaurant/西麻布 ←王道中の王道の中華料理ですげえ旨い
- センス(Sense)/日本橋 ←あれだけ香港に通い詰めた結果、日本の飲茶が一番とは実に複雑な心境
- 南方中華料理 南三(みなみ)/四ツ谷 ←素晴らしい、何も言うことは無い
- 蓮香(レンシャン)/白金高輪 ←日本人が一般に想像する中華料理のイメージを打破する多彩な魅力
- 中華バル 池湖(いけこ)/渋谷 ←度を越した費用対効果
- 紫玉蘭/麻布十番 ←税込800円は神のなせる業
- VELROSIER (ベルロオジエ)/河原町(京都) ←フランス料理みたい
- 開化亭(かいかてい)/岐阜駅 ←過剰なものは何も無く、足りないものも何も無い
- Mott 32(卅二公館)/中環(香港) ←この中華料理はちょっと東京には無い
- Lung King Heen(龍景軒)/中環(香港) ←総合力という意味では香港における飲茶で私的ナンバーワン





