和歌山県は「井出商店」に代表される豚骨醤油ベースの「和歌山ラーメン」という強力な地域ブランドを有する地域。この日は和歌山ラーメンの名店として全国的に有名で、ミシュランガイドや食べログの賞を複数受賞している「和 dining 清乃」の支店「清乃 近鉄百貨店和歌山店(せいの)」にお邪魔しました。食べログでは当店も百名店に選出されています。
総本山の「和 dining 清乃」は和歌山県有田市というアクセシビリティが厳しいエリアに位置するのですが、当店は和歌山駅直結の近鉄百貨店のデパ地下に入居しており、とっても便利。一方で、カウンター席が7-8席あるだけの狭小店舗であり、荷物の多い旅行者や家族連れには不向きかもしれません。
私は1,250円の「こってり和歌山チャーシューメン」に150円の「味たまご」をトッピングし、350円の「しらすごはん」を付けてもらいました。合計で1,600円と中々のお値段ですが、ボリューム感もかなりのものであり、抜群の費用対カロリーを誇ります。
こってり和歌山チャーシューメン。レンゲが立つほどの粘度を誇る超濃厚な豚骨スープが特長的。それでも単に脂っこいわけではなく、豚骨の髄から抽出された旨味が凝縮されており、雑味は全くありません。醤油のキレと深いコクが濃厚な豚骨の甘みを引き締め、洗練された味わいを演出しています。
チャーシューは、薄切り豚ロースが中心で、赤身と脂のバランスが絶妙に取れた柔らかな食感が魅力的。シットリとしたジューシーさが際立ち、醤油ベースのタレが染み込んだ風味がスープのコクをさらに引き立てます。
麺は中細のストレートタイプ。スープの粘度にピッタリと絡み、しなやかな喉越しでバランスの良い味わいです。味たまごは程よく半熟で、クリーミーな口当たりが心地よい。
名物の「しらすごはん」。地元の自慢のしらすを惜しみなく使用しており、ふっくらとした仕上がり。ほのかな潮の香りも心地よく、こってりとしたラーメンを食べ進める中で、このしらすごはんを挟むと口の中がリセットされ、爽やかな清涼感をもたらしてくれます。ライスの量もたっぷりで、普通にカレーひと皿分ぐらいの食べ応えがありました。
美味しかった。デパ地下に入居する簡易的なラーメン店としては驚くほどのレベルの高さです。ちなみに当店は観光客向けの「こってり」を強化したフレーバーだそうで、本店は和歌山の老舗醤油蔵「角長(かどちょう)」の伝統醤油を前面に押し出しているそう。次に和歌山へ邪魔する際は有田市まで足をのばしたいと思います。
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「東京最高のレストラン」を毎年買い、ピーンと来たお店は片っ端から行くようにしています。このシリーズはプロの食べ手が実名で執筆しているのが良いですね。写真などチャラついたものは一切ナシ。彼らの経験を根拠として、本音で激論を交わしています。真面目にレストラン選びをしたい方にオススメ。







